著者
山田 京志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3672-3676, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
2
著者
川合 眞一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.1937-1943, 2015-09-10 (Released:2016-09-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 6.骨髄線維症

著者
竹中 克斗 赤司 浩一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.1969-1976, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
10

原発性骨髄線維症(PMF)は,造血幹細胞レベルで生じたJAK2遺伝子変異などの遺伝子異常により骨髄中で巨核球と顆粒球系細胞がクローナルに増殖する難治性疾患で,骨髄増殖性腫瘍に分類される.分化した異常クローン由来の巨核球や単球などからの増殖因子・サイトカインの産生によって骨髄間質細胞の増殖を来たし,骨髄の広範な線維化,骨硬化を生じる.その結果,無効造血や,末梢血での涙滴状赤血球の出現,白赤芽球症,髄外造血による巨脾などの特徴的な臨床症状を呈する.PMFは難治性で,平均生存期間が5年程度とされる.現時点では,PMFは,薬物療法による治癒は困難であり,同種造血幹細胞移植が唯一の根治的治療法である.移植非適応例では,造血のコントロール,合併症の予防,対症療法が主体であったが,2005年のJAK2V617F変異の発見以降,基本病態の解明が急速に進み,JAK2阻害薬などの分子標的薬の開発がすすめられている.
著者
浦島 充佳
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.12, pp.3047-3053, 2010-12-10

EBMや診療ガイドラインは医療の範囲内で完結する.日本は現状ここまでしかできていない.一方アメリカでは,National Academy of Sciencesの1組織としてInstitute of Medicine(IOM)を設置し,専門家をワシントンDCに集めて,日々アメリカ国民の健康と医療の重要なテーマを選び,国に提言を行っている.国はIOMの報告書を引用しつつ国会答弁を行い,新たな法律をつくっていく.将にevidence-based policy makingである.日本においても,IOMのような組織ができることが切望される.<br>

1 0 0 0 OA 副甲状腺

著者
藤田 拓男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.1125-1133, 1990-09-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
13
著者
大谷 信夫 栂 博久
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.794-798, 1993-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

肺性心はその病態から,肺血管の解剖学的閉塞によって起こる肺血管障害型と,低酸素血症およびアシドーシスによって起こる換気障害型とに分けることができ,それぞれ異なった進展様式をとる.また,臨床症状については,肺血栓塞栓による急性肺性心では呼吸困難,胸痛,頻脈,右心系心雑音などがよく見られるのに対し,慢性肺性心ではその上に浮腫,肝うっ血が見られるのが特徴である.
著者
吉川 敏一 内藤 裕二 近藤 元治
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1186-1191, 1995-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
11

活性酸素は脂質,蛋白,核酸など生体の多くの分子を標的とし反応する.それゆえ多彩な活性を有し,組織障害性因子として炎症,虚血,癌といった病態生理に関与し,また,バイオシグナルとして種々の生理機能の調節も行っている.活性酸素は,環境因子のみならず多くの生体内酵素系,ミトコンドリアなどより生じるが,炎症,虚血疾患においては好中球の関与が極めて重要である.スーパーオキシドとnitric oxide(NO)との相互反応も重要であり,それらが同時に生じるような場では,その微小循環系への影響,細胞障害性の二面より検討する必要がある,このような活性酸素の動態を生体における抗酸化防御機構との関連で検討することは,疾患の病態解明,治療につながる可能性がある.
著者
苅尾 七臣
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.79-85, 2007 (Released:2009-12-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

近年,診察室血圧が正常で,診察室以外の血圧が高値を示す「仮面高血圧」が注目されている.仮面高血圧は未治療者の10~15%,治療中高血圧患者の20~25%に存在する.その心血管リスクは正常血圧より2~3倍高く,診察室と診察室以外の血圧レベルが共に高い持続性高血圧と同程度かそれ以上である.仮面高血圧の表現型には,早朝血圧,ストレス性高血圧,夜間高血圧があり,その治療には個々の背景病態を把握する必要がある.早朝高血圧をターゲットにした降圧療法が,仮面高血圧治療の最初の第一歩である.
著者
冨田 公夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.1891-1896, 1997-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
2

尿細管性アシドーシスとは糸球体濾過量が正常か軽度低下にもかかわらず代謝性アシドーシスがみられる場合で尿細管からの酸排泄の低下が原因である.障害部位により,近位尿細管性アシドーシスと遠位尿細管性アシドーシスに分けられる.近位尿細管性アシドーシスは低K血症を呈するが,遠位尿細管性アシドーシスには低K血症を呈するものと高K血症を呈するものとがある.炭酸水素ナトリウム負荷試験,酸負荷試験,フロセミド負荷試験,硫酸ナトリウム負荷試験,中性リン酸ナトリウム負荷試験などにより障害部位および機序を鑑別する.
著者
児玉 ひとみ 屠 聿揚 石渡 淳一 篠原 義政 片柳 直子 久保田 憲 村上 徹 黒井 克昌 林 和雄 戸井 雅和
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.683-686, 2001-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
7

症例は49歳,女性.胆石症の精査のため入院した際, CEAの異常高値と甲状腺の硬い腫瘤に気付き,姉が甲状腺癌で死亡していることから,髄様癌,さらに多発性内分泌腫瘍症2型を疑い精査をすすめた.血中カルシトニンが高値で,穿刺吸引細胞診で甲状腺髄様癌と診断.腹部CTでは左右副腎の腫大を認め,尿中カテコラミンも高値で褐色細胞腫と診断.遺伝子検査でret癌選伝子に点突然変異を認め, MEN2Aと最終的に診断した.遺伝性腫瘍を念頭にいれた家族歴聴取の重要性を示唆する症例であった.
著者
田村 直人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.10, pp.2465-2472, 2014-10-10 (Released:2015-10-10)
参考文献数
10

全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は多様な病態を示し,高頻度に再燃や持続性の活動性病変を呈する難治性の自己免疫性疾患である.最近,新たなSLE分類基準,ループス腎炎の治療やTreat to Targetのための診療のリコメンデーションなどが相次いで提唱されている.また,抗マラリア薬やミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil:MMF)は国際的にSLEの主要な治療薬となっており,国内でも早期の適応承認が期待されているほか,新たな分子標的治療薬も開発されている.
著者
福本 誠二
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.719-724, 2007
被引用文献数
1

FGF23は,FGFファミリー最後のメンバーとして同定された.FGF23の作用過多は低リン血症性疾患を惹起するのに加え,FGF23の作用障害により高リン血症が惹起されることが明らかにされた.またklothoが,FGF23作用の発現に必要であることが示された.これらの成績は,FGF23がホルモンとして作用すること,FGFファミリーのリガントと受容体の関係が,従来知られていた以上に多様で複雑であることを示している.<br>
著者
山岸 文雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.1691-1697, 2012 (Released:2013-06-10)
参考文献数
9

結核は世界人口の1/3が感染しており,年間880万人が発病し,145万人が死亡している.わが国でも年間2万人以上が発病し,結核の中まん延国といわれている.わが国の結核発病の特徴は,高齢者結核の増加,地域格差の拡大,ハイリスク者への集中などがあげられる.結核の確定診断は結核菌の証明であり,最近は核酸増幅法検査が普及し,迅速に診断確定されるようになった.治療はイソニアジド,リファンピシンを主軸に,ピラジナミドを含む初期強化短期化学療法が推奨される.結核予防法は2007年に感染症法に統合され,初感染結核に対する予防投与は,化学予防から潜在性結核感染症の治療と名称が変わり,年齢制限が廃止された.また発病リスクの高い既感染者も治療の対象とした.結核感染の診断には5歳以下の小児を除き,ツベルクリン反応検査にかわり,既往のBCG接種の影響を受けない結核感染診断キットのクォンティフェロンTBゴールドが用いられている.

1 0 0 0 OA 2. Crohn病

著者
日比 紀文 岩男 泰 細田 泰雄 渡辺 守 土屋 雅春
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.663-668, 1993-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Crohn病の病因はいまだ不明で,遺伝的素因,感染,食事因子,血流障害,免疫学的異常といった観点から研究がなされてきた.特に,単球・マクロファージ系細胞の機能異常および管腔より侵入した外来抗原に対する免疫反応の異常が,肉芽腫や潰瘍,瘻孔などの病変を形成するという考えが有力となっている.初期治療として栄養療法が有用であるが,再燃や進展を防ぐには,免疫学的異常をふまえた適切な免疫統御療法が必要となる.