- 著者
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小野寺 健
- 出版者
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会
- 雑誌
- 日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.4, pp.971-983, 1990-12-28
- 被引用文献数
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8
本研究では実験的歯周炎を誘発し,オキシタラン線維の動態を検索した。成犬ポメラニアン11頭を用い,実験群は,歯肉縁下グルーブを形成し縫合糸で結紮し,1,3,6ヵ月経過させた結紮群と,結紮6ヵ月後に縫合糸を除去し,1,3,6ヵ月経過させた除去群とした。その結果,1.病理組織学的に,実験群は辺縁性歯周炎の発症,進行,治癒過程を示した。形態計測学的に,1)上皮・結合組織成分比率は,歯頸部で,結紮群では増加,除去群では減少傾向を示した。2)血管の数・面積は,ポケット底部で,結紮群では増加傾向を,除去群では減少傾向を示した。3)骨成分比率は,歯頸部で,実験群では減少傾向を示した。2.オキシタラン線維は,病理組織学的に,歯肉と歯根膜で,異なる分布・走行を示し,結紮群では,対照群および除去群と比して,オキシタラン線維は長く,数も多かった。形態計測学的に,オキシタラン線維の長さの平均および総和は,結紮群では増加傾向を,除去群では減少傾向を示した。