- 著者
-
関野 愉
相羽 玲子
相羽 寿史
塚原 武典
田代 俊男
岡本 浩
- 出版者
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会
- 雑誌
- 日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.3, pp.283-288, 2001-09-28
- 参考文献数
- 42
- 被引用文献数
-
2
数種類の洗口剤を用いて,初期のプラーク形成抑制効果に関して臨床的検討を行った。歯周疾患の徴候のない25〜35歳の成人8名を被験者とした。実験開始前,14日間にわたり専門家による歯面清掃と口腔衛生指導を行った。実験開始時から全ての機械的歯面清掃を中止し,洗口剤10mlで1日2回1分間の洗口を4日間行った。実験開始時と4日後,全歯面に対してPlaque lndex(P1I)を用い診査を行った。4日目の診査後,専門家による歯面清掃と被験者自身によるブラッシングを再開し,10日後に再ぴ歯面清掃を中止し,他の洗口剤により4日間洗口を行った。以上の方法で,1)蒸留水(DW),2)0.12%グルコン酸クロル・ヘキシジン水溶液(CHX),3)酸化電位水(AW),4)0.1%フッ化第一スズ水溶液(SnF_2),5)0.02%塩化セチルピリジニウム含有洗口剤(CPC)の5種類の洗口剤を用いて検討を行った。全歯面におけるP1I 値は CHX で0.75,AW 1.21,SnF_2 1.20,CPC 1.55,DW 1.61であった。これらを比較検討したところ,CHX と他の全ての洗口液,AW と CPC とDW,SnF2とCPCとDWの間に統計学的有意差が認められた。また,全ての洗口剤において前歯部のp1I 値は小臼歯部,大臼歯部のものよりも低く,頬舌側面のp1I値は隣接面よりも低かった。