著者
佐藤 和艮
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.356-357, 1996

最近,科学教育が学校の中だけにとどまらず,広く社会活動としても実施されるようになってきた。代表的なものとして「青少年のための科学の祭典」の全国ツアー,物理教員サークルの地域における「親と子の科学広場」の開催,大学の子供向け公開講座「科学実験教室」の開催,博物館での「実験教室」,さらに自宅を実験室に改造して子供達を集め実験広場にしている活動などがある。様々な形態をとりながらも,いずれも意義深い貴重な活動として賞賛される。筆者も小規模ながら,名古屋の「でんきの科学館」において「中学生のための第2土曜でんき実験くらぶ」という実験教室を1993年2月から実施しているので,その内容を報告し読者からの助言を期待したい。
著者
東 徹 亀山 正章
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.496-499, 2000-12-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3

人類が蒸気の力を使って動力を取り出すことが可能となった最初の実用的な熱機関が,ニューコメンの大気圧機関と呼ばれているものである。このニューコメンの大気圧機関の動作原理をかなり忠実に踏襲し,空き缶などの身近な材料を使って,生徒でも容易に作れるような復元装置を製作した。これは,学習指導要領のなかで「蒸気機関の発明にも触れること」が明記された「理科基礎」の有効な教材となりうるものである。
著者
平内 勝男 速水 栄治 西岡 正泰
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.364-366, 1995-12-05 (Released:2017-02-10)
参考文献数
1

「気柱の共鳴による音さの振動数の測定」における学生物理実験では,従来,実験班によってその測定値に,かなりのバラツキがあった。そこで,前回実験装置の改良を行い,音さの振動数測定値のバラツキは,かなり減少した。今回,さらに引き続いて実験装置の改良を行った。気柱共鳴管内の水位の位置を正確に捉えるために,コック付送気球を用いて水面レベルの微調整ができるように,実験装置の工夫・改良を行った。その結果,この装置を用いた学生物理実験における音さの振動数測定値のバラツキは,さらに小さくなり,実験結果の精度が高まった.さらに,学生の感想によると,この装置の採用により,簡単に共鳴点が見つけられるなど,実験がしやすくなったことがわかった。
著者
前野 昌弘
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.25-28, 2021

<p>Android タブレットを受講者に貸し出し<b>,</b>自由に物理シミュレーションで遊ばせる授業の効用について述べる。動くアニメーションにより理解が広がることも大事であるが<b>,</b>学生・生徒が自分で動かして何かを発見するという時間が作ると<b>,</b>学生に主体的に問題を発見させることができて大きな効果を生む。</p>
著者
藤島 一満
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.294, 1992-12-02 (Released:2017-02-10)
参考文献数
6
著者
福島 肇
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.99-102, 1988-06-05 (Released:2017-02-10)

ホイヘンスの原理は高校生にとって理解しにくいものである.その一因はこの原理の解釈の不明確さにある.そこで,本論文では,ホイヘンスの主張(素元波と包絡面)とフレネルの主張(素元波と重ね合わせ)の相違を明確にし,その上で,素元波の考えを除いてホイヘンスの原理を高校課程では使用しない方がよいことを明らかにする.
著者
小田部 泉
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.142-144, 2004-07-09 (Released:2017-02-10)
参考文献数
7

物体はそれぞれの固有振動数をもち,その振動数の外力が加わると共振現象をおこす。ワイングラスやビーカーにその固有振動数と同じ振動数の音波を当てることによって共振を起こさせ,これらのガラス製品を破壊する実験を行った。デモ実験として効果的であるので報告する。
著者
高野 庸
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.264-267, 1992-12-02 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3
被引用文献数
4

法則が媒介となって,学習者の感覚形成につながり,ひいては学問相互の関連やその全体像が見えてくるような学習を可能にする目的で,従来の学問分野のわくに捕われない,現代の自然像に忠実な物理教育の実践の試みが報告される。自然界の最も基本となる法則から,自然の各階層の固有の法則が,どの様に組み立てられているかが明らかになるようなテーマが選ばれる。学生が自から調べて発表する授業形態がとられる。
著者
勝浦 一雄 林 昌樹
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.24, 1992-03-05 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
青野 修
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, 1999
参考文献数
2
著者
青野 修
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.431, 1999-12-25 (Released:2017-02-10)
参考文献数
2
著者
藤井 修
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.203-206, 1990-09-10 (Released:2017-02-10)

高校や大学の物理学の授業で仕事率の概念は学習するが,それを実測する機会は非常に少い。それで筆者はマブチモーター,小型モーター(1ps程度),小型エンジン(5ps程度)の仕事率測定機を手軽に作成する方法を考えてきました。今回は自転車の動力を測定する装置を試作して,人間の仕事率を測定したが,大学生の場合1ps程度でした。また人間が階段を昇る時の仕事率も,まとめてみました。
著者
川角 博
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.116-123, 2016 (Released:2016-12-26)
参考文献数
1
被引用文献数
1

気柱にできている定常波は,眼には見えない。この定常波の存在を,実験と論理から生徒に確信させることを目指した教育実習の指導を紹介する。まず波動の導入から気柱の定常波までの授業の流れとそこでのねらいを示す。続いて,弦にできる定常波の特徴との類推から気柱の定常波の存在を推測し,その腹や節の位置を探す。さらに,管の端での音の反射について,議論をしながら実験を通して明らかにしていく。このようにして,生徒・教育実習生が,物理的な見方・考え方を学ぶ授業の実践例を報告する。
著者
池内 了
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.248-251, 1996
著者
勝木 渥
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.46-47, 1979 (Released:2017-02-10)
著者
霜田 光一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.290-293, 1978-12-15 (Released:2017-02-10)

前報では,振動双極子から3次元空間に電磁波が放出される機構をしらべた.3次元空間の波動にくらべると平行導線を伝わる電磁波は1次元的な波動であるから,比較的わかり易い.変位電流が磁場からローレンツ力を受けて動かされる,という仮説的法則をもとにして,平行導線に沿って電磁波がどのように生じるかを考察した.それにより,電場と磁場の間の位相が変わって行くことを説明すると共に,平易な計算によって電磁波の速さの公式を求めた.
著者
南原 律子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.435-438, 1993-12-10 (Released:2017-02-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

アトウッドの実験は,明治時代には多くの教科書で扱われていた。しかしその扱いはしだいに軽いものになり,いったん教科書から消えた。しかし,昭和48年の「物理I」の教科書からは,運動方程式の演習問題として復活した。その理由は定かでないが,本実験の学習目的に疑問をもつ生徒は少なくない。そこで本稿では,本実験の教育的意義を検討してみることにした。研究成果からは,本実験の歴史的意義は大きいことがわかったので,これを教育的意義として評価することを考えた。つまり本実験は,単に重力加速度の測定実験ととらえるだけではなく,運動の第1法則,第2法則の検証実験としても位置づけることができる。このような視座からは,本実験の教育的意義は大きいので,高校物理の生徒実験として効果的に位置づけることを考えた。