著者
松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.325-326, 2002-03-15

産業が空洞化し,赤字の国家予算が常態化していた米国は独占禁止法による管理を弱め,プロパテント主義をかがげて特許政策を矢継ぎばやに変更して(バイオの特許を認める(1980年),コンピュータのソフトの特許化の承認(1981年),ビジネスモデルの特許化の承認(1998))空洞化した産業を情報産業にシフトすることに成功し,さらには,インターネット利用法で世界で君臨することを狙っている.日本の若者は,彼らの父親たちが等しく持っていた情熱や意欲に乏しく,楽しさと豊かさのみを求めているように思える.中国や韓国の若者は,昔の日本の父親たちが持っていたたぎるような意欲を持っている.日本の凋落は明々白々であるように思う.どうすればよいのであろう.
著者
木原 京一
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.208-214, 2013-02-15

知的財産権の紛争時に,その証拠の提示方法として「ディジタル・フォレンジック」が活用されている.これら活用の実態を,ディジタル・フォレンジック調査を実際に行っている企業から,現場視点で解説を行う.産業スパイ行為等による不正な『営業秘密』情報の流出といった,昨今国内で問題視されている事象から,クロスボーダー紛争に診られる,ディスカバリ(証拠開示)制度におけるディジタル・フォレンジックの活用.米国との裁判慣習の違いなどについて.また,ディジタル・フォレンジック技術を活用する事で,平時から意識した,証拠保全を行っておくことが知財経営戦略として有効であることを解説.
著者
松原 仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.15-18, 2014-12-15

コンピュータの能力が人間のそれを超えるシンギュラリティ(singularity: 技術的特異点)が近い未来に来ると言われている.シンギュラリティが来ると人工知能が人間の(全)知能よりも賢くなる(「超知能」とも呼ばれる).ここでは超知能がいつか実現することを前提として,人工知能の将来が人間社会とどうかかわりを持つかについて考える.
著者
寺田 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.735-739, 2004-07-15
被引用文献数
1

今回取り上げるのは、2001年11月にロシアのサンクトペテルブルクで開催されたNortheastern Europe Programming Contestの問題C "Cable master" である。問題は以下より入手可能である:http://icpc.baylor.edu/past/icpc2002/regionals/NEERC01/problems.html
著者
堀井 洋 沢田 史子 林 正治
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1172-1177, 2012-10-15

これまで古文書や掛図などの歴史資料は,大学や博物館など学術機関で取り扱われる研究対象であり,収集・保存・展示されることが一般的な学術資料として認知されてきた.「難しい」「難解な」「取っ付き難い」と世間一般に捉えられていたそれら歴史資料を活用して,遍プロジェクトでは歴史観光情報コンテンツの作成および実証実験を実施している.本報告では,石川・金沢地域の歴史資料「梅田日記」を基にした「梅田日記ぶろぐ」およびスマートフォン歴史観光ガイドアプリを事例として,情報技術による歴史資料の新たな活用ついて紹介する.
著者
松原 仁 田所 諭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.531-536, 2002-05-15
参考文献数
5
被引用文献数
3

ロボカップレスキューとは,情報科学,人工知能,ロボット工学などの最先端の技術を用いて,緊急災害救助という問題に貢献しようというプロジェクトである.ここでは焦点をシミュレーションのプロジェクトに絞り,このプロジェクトの特徴として,災害救助という対象をいかにゲーム化するか,自然発生的に集まった研究者によってどのように研究開発が進められているか,について説明する.
著者
河原 達也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.436-439, 2000-04-15
被引用文献数
25

近年,音声認識システムの性能と実用化が著しく進展しており,今後さらにさまざまなアプリケーションへの展開が注目される.その際に最適な要素の選択やシステムの設計を行うためには,音声という信号やその情報処理に関する基本的な知識が必要不可欠である.本稿では,認識システムを構成する各要素に関して導入的な説明を行う.
著者
要海 敏和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.700-710, 2010-06-15
著者
黒田 久泰 直野 健 岩下 武史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.505-511, 2009-06-15

ライブラリは,汎用性の高い複数のプログラムを再利用できる形でひとまとまりにしたものである.身近な例として,C言語でよく使われるprintfやmalloc関数などはC言語標準ライブラリ関数と言われているものである.ライブラリといってもファイル入出力,メモリ管理,通信に関するものなど数多く存在するが,ここでは特に数値計算ライブラリを取り上げる.そして,自動チューニング技術がどのように数値計算ライブラリで適用されているのかについて紹介する.本記事では,まず自動チューニング機能を取り入れていない従来型の数値計算ライブラリについて紹介し,その後,自動チューニング機能付き数値計算ライブラリについて紹介する.
著者
引原 隆士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.943-950, 2010-08-15
被引用文献数
5

スマートグリッドに関連した用語が新聞の紙面で飛び交い,昨今基盤技術として先進の技術からは顧みられることが少なくなっていた電力・エネルギー分野が,情報技術の適用にとって新しいフロンティアとして着目され,新しいエネルギー技術,持続可能社会実現への入り口として脚光を浴びている.動力を電気エネルギーに変換する発電機の発明は19 世紀に遡る.現在の交流電力の大規模ネットワークは,この発電機間を電力を融通する線路でつなぐと同一周波数に収斂する性質に依存している.この性質を維持しつつ必要な電力を供給する大規模システムの運用において,ICT 技術がブレークスルーを与える技術となり得るであろうか? スマートグリッドなどの技術がエネルギーシステムに革新を与えるか否かは,この点を抜きに議論することはできない.本解説は,人の生活環境,すなわち建物内からボトムアップに電力分野を通信・情報分野と融合させる手法として,電力パケットを導入する方法とそのルーティングの可能性を,周辺技術の現状に基づき述べる.
著者
COBOL研究会
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.88-95, 1967-03-15
著者
北口 秀美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.973-982, 1993-08-15
被引用文献数
4

ソフトウェア特許の定義や特許の基礎知識からはじめ、特許に関して実際に起こっている事件をふまえ、ソフトウェア特許の現実について述べる。また、特許取得のノウハウにも触れている。
著者
山村 紀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.p138-143, 1984-02-15
著者
林 智彦
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1268-1272, 2012-11-15

本稿では,米国における電子書籍の最新動向を紹介する.2012 年に入って,米国の出版業界は,電子書籍の普及に伴い,3つの大きな変化に直面している.(1)本格化したディジタルシフト,(2)(専用)端末戦争の終焉,(3)急拡大する自己出版.本稿では,現地報道や各種業界団体,研究機関の調査結果などに依拠して,現状と近い将来の展望について述べてみたい.
著者
筧 捷彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.670-672, 2006-06-15

第68回全国大会の2日目の午後に開かれたシンポジウム「日本学術会議と「情報学」の新展開」について報告する.2005年に日本学術会議の第20期の会員が決まったが,全学問領域にわたる210名の会員の中に15名の「情報学」の研究者が選ばれた.それだけ「情報学」の広がりが認知されたといえる.これを期に日本学術会議会員を招いて,日本学術会議が何を目指すのか,その中で「情報学」にどんな展開が期待されるのかを語っていただいた.