著者
伊藤 士郎 太田 晃
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.899-905, 1986-09-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

航空機が近くを通過する際に生ずることのあるテレビ受像画面の乱れ, いわゆる航空機フラッタ障害の予測法の研究の一環として, 受信電界変動の推定法について検討を行った.航空機の電波散乱特性を明らかにするために, B747型ジェット機の1/100縮尺模型を用いて, 電波無響室にて12GHz電波により散乱波の測定を行った.分析の結果, その電波散乱特性を46枚の長方形反射板で構成する散乱モデルで近似的に表示できることが明らかになった.また, この散乱モデルを用いた電界変動の計算結果を成田空港周辺で測定した値と対比したところ良い一致を示した.電界変動推定にこの方法を使うことにより, 航空機フラッタ障害の予測が可能であるとの見通しが得られた.さらに, この方法を用いた航空機フラッタ障害範囲を予測するための手順を示した.
著者
秋山 英雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.31-39, 1992-01-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
2

スクランブル方式は従来一部の特殊な秘密通信等に用いられてきた.近年これが一般企業間衛星通信にも広く利用されると共に, ケーブルテレビ, 衛星放送等の有料放送に適用され, 対価に応じたサービスの提供を行う新しい放送の形態が可能となっている.
著者
信定 俊英 黒田 隆男 吾妻 正道 堀居 賢樹 豊田 泰之 大槻 達男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.294-300, 1990-03-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
14

3板式ハイビジョンテレビカメラ用に1258 (H) ×1035 (V) 画素をもつフレームインタライン転送CCD (FIT-CCD) 撮像素子を開発した.高速フレーム転送を実現するために, AL層が遮光と配線を兼ねる画素構造を試みた.その結果, 625kHzの高速駆動を実現し, スミアー0.001%, ダイナミックレンジ72dBの特性を得た.水平CCDには, 消費電力を減らすためにデュアルチャンネルを用いた.デュアルチャンネル水平CCDは, FPNの原因となるポテンシャルバリアーのできないようにデバイスシミュレーションを用いて設計した.解像度は, 垂直・水平ともに700TV本, 残像は1%の測定限界以下であった.
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.492-498, 1978-06-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4
被引用文献数
5 2

アルファベット, 単純幾何学図形などを刺激図形とし, これを網膜上の各部位に短時間呈示した場合の見え方を測定した. その結果, 網膜上における視機能は, 周辺部では比較的単純であるが中心部になるほど複雑で高次のものとなる階層構造を形成していること, しかもそれは視覚心理における機能的構造の反映であることを明らかにした.
著者
吉田 豊彦 藤井 彰 高橋 秋廣 三枝 義孝 朝比奈 太郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.60-74, 1987-01-20

放送局内の, よく知られているコンピュータシステムとしては, 番組送出業務に用いられている自動番組送出システムがある.近年, この種システムは, 信頼度向上のために二重化システムが採用されるなどして, ますます大規模になってきている.また, 放送施設, 機械の割当て調整, 要員の業務調整, 番組編成計画の策定にまで及ぶ機能を持った番組技術システムのようなものもある^<1)>.その一方, 最近, 番組制作部門では, 制作される番組の範囲に応じた各種コンピュータシステムが導入されつつある.この章で取りあげている制作支援システムとは, 文字どおり放送番組の制作現場で番組に密着して, その制作を支援するシステムである.近頃, この制作支援システムなる名称が各所で話題にのぼるようになってきたのは, (1)放送番組の編成の傾向が, 従来よりも情報主体のものとなり, リアルタイムで種々の大量のデータ, 番組素材を処理する機会が増してきた.(2)OA機器の普及によって, ワープロ機能, グラフィック機能, 通信制御機能のすぐれたワークステーション(パソコン)や, LAN, VAN等の各種コミュニケーションの手段を安価に利用できるようになった.(3)番組制作コストの低減, 制作時間の短縮を図るため, できるだけ番組素材, 番組関連データを整理, 保存し, 再利用する必要が生じてきた.などが主な理由である.さらに, 最近のパソコンにはソフトウェア開発用の種々のツールが完備していて, プログラム開発が容易になっていること, ハードウェアの安定度が向上し, これら機械を番組の制作現場に持ち込んでも, 専門の技術要員なしに充分, 機能を発揮できるようになってきたことも理由にあげられる.この章においては, 5-2節で, 時々刻々変化する気象情報に対応した大量の気象データを, リアルタイムで処理し, 分配, 映像信号化するシステムの例として気象情報分配システム, 5-3節で, ニュース番組の制作現場など, 即時性を要求される状況下で, 迅速な画像処理を行い, タイトル画面, 説明画面の制作を行う例として, コンピュータグラフィックスシステム, 5-4節で, 毎日毎日発生する放送済素材データ, ニュース素材データをデータベースに登録, 一元管理し, システムに加入している各社の端末からキーワードによって検索し, 再利用を行う番組ライブラリーシステム, 5-5節では, 国政レベルの選挙速報番組に用いられる速報システム, 5-6節で, スポーツ番組において, 試合の経過状況, 得点表示などに用いられる表示システム, について述べる.
著者
二宮 佑一 大塚 吉道 和泉 吉則 合志 清一 岩舘 祐一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.468-477, 1988-05-20

ハイビジョン(高品位テレビジョン)の実用化を進めるにあたっては, 放送に用いる信号伝送方式の確立が必要である.NHKが開発した12GHz帯の放送衛星を用いてハイビジョン放送を実施する目的で開発したMUSE(Multiple Sub-Nyquist Sampling Encoding)は, 実際に運用中のBS-2b(放送衛星-2b号)を用いた実験をくり返し, その実用性が確かめられた.本論文ではハイビジョン衛星放送の要件を論じ, それに適合するMUSEの原理, 構成, 機器開発について述べる.MUSEは実用性を重視した固定サブサンプリング伝送方式であり, 極めて簡単なシステムではあるが, 高い画質を保ってハイビジョン画像を8.1MHzのベースバンドに帯域圧縮できる.MUSEの開発によりBS単一チャンネルで放送することが可能になった.
著者
湯浅 謙
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.474-479, 1980-06-01

選挙番組に見られるように, 長時間にわたり多くのスタッフの共同作業を円滑に進めることを援助するシステムとして"スタジオ内情報システム"を提案し, 実施する機会を得た.その結果, 制作スタッフが共有すべき情報の分配システムの有無が, 番組の出来・不出来に大きな影響を与えることが確認された.
著者
新津 勇助 谷 征興 上田 孝爾 和田 哲夫 中川 清
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.1698-1706, 1990-12-20

放送局設備の自動化は合理化, 省力化, 事故防止などを目標としている.システムの自動化と各機器の固体化による信頼性向上との相乗効果により放送事故の件数は大幅な減少傾向をみせている.一方, システムの高度化により1件あたりの事故は大型化する事例も散見される.本稿では送出の分野を中心に放送局設備の自動化について概説する.
著者
山本 直弘 重永 明義
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.966-967, 1991-08-20

NHKスペシャル「銀河宇宙オデッセイ」の全編にわたって, 我々は, 特殊撮影と合成により高品質でリアリティに富む宇宙の映像を制作した.モーションコントロール, アルチマット, ディジタル映像合成システムによるSFX映像制作の思想、と映像スタッフとしての取組みを紹介する.
著者
百瀬 治彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.386-394, 1979

自動焦点カメラの焦点調節原理には, 像鮮明度を求めるものと, 被写体までの距離を求める方式に大別される.ここでは自動焦点カメラの開発動向と, 世界で初めて商品化された, 被写体までの距離を求める方式のコニカ C35AF を例にして, その距離検出原理, 自動焦点調節動作原理, 自動焦点カメラの今後の課題等について述べる.