著者
平石 謙治 岡田 清久
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.119-120, 2011

筆者らは失敗プロジェクトの分析,失敗学,技術者倫理等との対比を踏まえたリスクマネジメント等に関して,組織のプロジェクトマネジメント成熟度の視点で分析を行なってきた.これらの分析において,プロジェクト・マネジャーの交渉(ネゴシエーション)力がプロジェクトの成功を左右する重要な要因のひとつになることがある事を実感する場面が多くあった.本稿では交渉に対する姿勢を弱気型交渉姿勢と強硬型交渉姿勢の両極端から考察し,両者の間に位置する交渉の基本事項について考察,検討を始めた.交渉においては,1. 双方が勝者になるように心がける.2. 問題そのものと,人間関係に関わる事柄を混同しない.3. お互いの立場ではなく,関心事に注目する.4. 手に入れられる情報をできるだけ集め,活用する.5. 違いを解決するには,客観的な尺度を使用する.の5点の留意点について述べる.
著者
江熊 きよみ
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.46-48, 2002-02-26

プロジェクト・チームの生産性に影響を及ばす要因として, プロジェクトの期間, 規模, メンバーの保有スキル, メンバー間のコミュニケーションなどさまざまな要因が考えられる。小論ではプロジェクト・チームの生産性に及ぼすこれらの要因を分類し, 定性・定量の両面からの分析を試みる。
著者
青島 親年 久保田 大輔 奥村 敏彦 中村 皓一 木村 浩 石井 紀雄 木下 誠一 中島 雄作
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.290-295, 2014

1990年代から,企業の財務会計,生産管理,販売管理,調達・購買管理,経営管理,人事・労務管理,給与計算,就業管理(勤怠管理)等に関する社内情報システムは,フルスクラッチで開発せず,ERPパッケージを採用して構築することが,盛んに行われている.また,ERPパッケージの導入におけるプロジェクトマネジメントに関する研究も数多く存在する.さて,2010年前後から,筆者が所属する会社では,グループ会社の社内情報システムを統一し,グループ会社の間接業務プロセスの標準化,効率化を推進することを経営施策の一つとして掲げていたが,ある特定のグループ会社群の人事給与・就業管理に関する情報システムの刷新の際,ERPパッケージを用いて構築した.初回のあるグループ会社へのERP導入では,過去の研究論文や文献を参考に,プロジェクト成功のノウハウを取り入れ,納期どおりにカットオーバさせたが,品質が安定せず,運用フェーズに入ってからの仕様変更が相次いだ.そこで,初回の反省を踏まえ,要因解析と対策立案を行った結果,2回目の別のグループ会社へのERP導入では,大幅に品質が向上し,QCD全てが良好な成功プロジェクトとすることができた.本稿では,前記の人事給与・就業管理ERPパッケージの導入における品質改善活動について紹介する.
著者
大谷 晶子 藤原 良一 坂田 賢志
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.265-270, 2010

SI事業で培ったシステム生産方法を反映した,ISO9001対応の品質マネジメントシステム(QMS)を元に,CMMIレベル3相当の標準プロセス,情報共有環境(PJポータル)やプロジェクト管理支援ツール(PM支援ツール)を強化してきた.品質・生産性の継続的な改善を狙い,定量的プロジェクト管理の視点や価値観を活かしつつ,プロジェクトの状況をよりタイムリーかつ客観的に把握し,対策をフィードバックできるCMMIレベル4相当の企業風土を踏襲した定量的プロジェクト管理の標準プロセスを整備した.しかし,定量的にプロジェクトの状況を組織の管理者層やプロジェクトマネージャ(PM)が把握するために,人手でデータを収集しPM支援ツールを使って分析・評価を行っていた.本稿は,企業風土を踏襲した定量的プロジェクト管理方法を基に,プロジェクトのデータ収集や分析の負荷を軽減し,早期に問題点の検出が行える,定量的プロジェクト管理支援システム(P-Support)の開発した.このシステムの試行を通しての定量的プロジェクト管理の課題と展望を紹介する.
著者
黒木 敦
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.111-114, 2013

顧客の全国約1700拠点にも上る多拠点へのシステム機器約7500台の一斉導入展開作業を実施した.顧客の要求事項として限られた期間,コストで全国一斉に導入展開作業を行いかつ全国均一な高い作業品質での導入展開作業を実現する必要があった.想定されるリスクとして展開作業に携わる人員も新機器のキッティング要員,全国導入展開作業要員,現地作業統制要員などのべ9000人以上と試算され携わる人員が多くなることで品質低下,納期遅延,コスト増,が予想された.この対応策としてPC,携帯電話を活用した現地進捗管理システムを構築し関係者との連携強化を図り納期遅延の防止,コスト低減,品質維持・向上を図ることで本プロジェクトを無事完遂することができた.この進捗管理システムを活用したリスクマネジメント事例について報告する.
著者
大山 順 鴻巣 努
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.233-234, 2008

現在のリーダシップ研究はリーダの素質による類型論から,リーダシップを使い分けるべきとする状況適合論が主流となりつつある.本研究ではプロジェクトにおける状況を10個のカテゴリーに分け,カテゴリー毎にリーダシップを定義した.また重なった状況を表現するために適合条件集積法を提案し,効果的に発揮するためのリーダ・プロセスを提案した.本研究により,客観的評価に基づいたリーダシップを発揮することが可能となった.
著者
賈 縉
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.23-28, 2002

本論文は, Offshoreリソースを利用するプロジェクトのチームビルディング方法を提案した。Offshoreリソースを活用したプロジェクトはコストメリットを享受できる反面, 非言語依存性要素を含むコミュニケーションにおいて非常に高いリスクが発生する。Offshoreエンジニアはお客様と接触する機会が少なく, お客様のニーズに対しての理解不足を生じやすいばかりでなく, プロジェクトチームのワーキングスタイル, 作業内容に対しての理解, 言語などの原因により, 従来のプロジェクトと比べると, 特有の問題を多く抱えている。プロジェクトチームとOffshoreチームのコミュニケーションを図るために, 双方のギャップをハンドリングできる"Liaison(連絡係)"の存在が不可欠である。Liaisonの役割はプロジェクトチームとOffshoreチームの間の情報伝達である。情報はプロジェクトチームがLiaisonに伝える情報とOffshoreチームがLiaisonから貰う情報という二つの部分に分けることができる。両者の差は情報の損失になる。情報損失の量が少なければ少ないほど, Offshoreチームのパフォーマンスは高くなる。分析とモデルプロジェクトの結果, Liaisonは情報伝達だけではなく, オンサイトとOffshoreの開発チームに参加し, できるだけ多くの範囲を担当すべきという結論が得られた。この結論に従って, Liaisonを中心とするLC (Liaison Centered)チーム・ビルディング方法を提案する。
著者
村上 邦彦 宇佐波 大輔 市川 勉 井上 浩仁 沖田 雄一 山田 隆 藤田 忠雅 橋詰 弘之 小田原 育也
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.266-270, 2008

筆者らは,前回の報告でリスクの因果関係に着目することで,プロジェクト・リスクのより早い段階での識別を実現するプロアクティブなリスク・マネジメント手法を提案した.ところが,現場のITプロジェクトへの適用では,その時点のプロジェクトの状況から乖離したリスク項目が識別されることがあった.筆者らは,リスク識別・リスク分析の対象タスクをプロジェクト全体に最も影響を与えるタスク群に絞り込み,かつプロジェクトの進捗に伴って動的に変化する「プロジェクト・リスク・ポリシー」(QCDの優先順位)を考慮することで,リスク識別・リスク分析の精度を向上できると考えた.CCPMによると,プロジェクトに最も影響を与えるタスク群は,タスク・ネットワークのクリティカル・チェーン上のタスクであり,またプロジェクトのリスクの大きさは,バッファの消費率などによって推測することができる.本報告では,動的に変化するプロジェクト・リスク・ポリシーを考慮して識別したリスク項目のリスク値と,それらのリスク値によって影響を受けるバッファに着目することで,より精度の高いリスク識別・リスク分析が可能になるよう拡張したリスク・マネジメント手法を提案する.
著者
高森 満
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.323-325, 2013

2012年11月12日に開催された頭記座談会の様子をレポートする.この座談会は,本年発行予定の"プロジェクトマネジメント入門"の最終章に掲載される企業の実プロジェクト事例集について意見交換すべく,その事例執筆者と,PM学会出版委員会メンバーが集まって開催された.座談会では"プロジェクトマネジメント入門"にかける期待や事例集の意義,その活用方法などについて活発な意見交換が行われた.そこから得られる知見が多くあり,それを整理し報告書としてプロジェクトマネジメントの教育やスキル向上に興味ある読者と共有する.
著者
北村 清一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.115-120, 2013

プロジェクトマネージャーは,プロジェクトのゴールを達成するために必要な職位・経験,スキル,コンピテンシー,モチベーション等からプロジェクトチームを編成する.しかし,編成したプロジェクトチームにおいて,個性の違いの理解不足や非生産的な作業の割り振り方により,メンバー間で様々なコンフリクトが生じ,ストレスが増大することで生産性が低下してしまう.プロジェクトチーム編成には,(1)スキルベースのチーム編成の問題,(2)コンピテンシーが同一メンバーの問題,(3)コンピテンシーとプロジェクト特性のマッチングの問題の3つの問題がよく発生する.本論文では,FFS (Five Factors & Stress)理論の考え方を応用して,人の思考行動パターンやストレス要因を把握し,成果を生み出すチームを編成する手法を提案する.さらに,システム開発プロジェクトにおける実践的な作業割り振りをすることで,生産性を高める手法も提案する.FFS理論によって可視化されたメンバーの思考行動パターンを相互理解することで,コンフリクトの発生数を減少させ,メンバー間で各自の強みを活かしていく相互協力を促すことができる.プロジェクトの成功確率を高める一つの鍵は,プロジェクトマネージャーが職位・経験,スキルのようなハード面よりも,コンピテンシー(パーソナリティタイプの強みによる行動特性)のようなソフト面をより重視し,コンピテンシーを発揮できるようにプロジェクトチームを編成して作業を割り振る事である.この手法を用いる事で,過去のいくつかのプロジェクトにてチームの生産性を向上させることが可能となった.
著者
吉田 知加 木野 泰伸
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.308-313, 2014

アジャイル開発手法は,新しいソフトウェア開発手法として日本でもここ数年注目を集めている.しかしながら,その適用率は欧米諸国に比べて未だ低い.その理由として,日本では,ウォーターフォール型開発が標準的開発手法として成熟しているからと考えられる.また,アジャイル開発プロジェクトの契約管理の難しさも理由の一つとして挙げられる.契約はIT (Information Technology)システム構築プロジェクトの成功にとって大きな役割を担う.日本のシステム開発契約では請負,準委任,および労働者派遣という三つの契約類型があり,本研究はシステム開発委任契約に関わる請負,準委任を検討する.主に開発フェーズに締結される請負契約では,締結時に決められた要件に基づく最終成果責任が受託側に求められ,そのような場合アジャイル開発に不適切な制約事項が生じてしまう.本研究では,経済産業省の「情報システム・モデル取引契約書」,情報処理推進機構の「アジャイル開発のための契約モデル(案)」に注目し,アジャイル開発に適する契約の特徴を検討した.さらに,アジャイル開発により最適な契約モデルと,現実的に実務に適応する条項を提案する.
著者
田島 彰二
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.142-146, 2009

"研究開発投資と,収益の相関がゼロあるいは負の関係"と言われるIT業界で,"PPP&O(Portfolio, Program, Project and Operations Management)サイクルを回して新事業を拡大し,収益を捕るには,どのようにプロジェクト評価し,プロジェクト運用をするのが良いのか?"が重要な問題である.本論文では,その問題に含まれる,マネジメントギャップ(ビジネス拡大の観点からのDeath Valley)の起こる原因と,その原因に内在する本質的な問題克服に焦点を当てて検討する.本論で得られた結果を使って,全体最適のための評価メトリッスク構築(フレームワーク)の検討を今後とも進めていきたい.
著者
菅谷 茂 西尾 雅年
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.407-411, 2006

今日の企業の情報システムに関する問題は重要性を増してきている.システムの重複投資,知識偏在の問題は企業経営にとって重大な問題である.これらの問題を解決するためにEA(Enterprise Architecture)が注目を集めている.しかし,EAは業績に与える効果を評価することが困難という点がある.本研究では,仮想プロジェクトを設定し,EAがプロジェクトの業績に与える影響を測定する評価方法を提案する.
著者
森永 和宏 川又 千尋
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.51-56, 2011

当社の設計書に対する品質評価は,予め定められたチェックリストに沿った充分性に関する定性的評価が主であり,レビュー指摘件数などを目標値と比較する定量的評価が十分行えていなかった.その背景として,設計工程のプロセスがプロジェクトにより異なっており,相対評価用の目標値設定が難しいという課題があったためである.しかし,近年設計工程でのレビュー実施に関して「一人一本目チェック[○!R]技法」を導入することで設計工程の検証プロセスの統一が図られ,レビュー結果の数値データも収集できるようになりつつある.そこで本研究では,「一人一本目チェック[○!R]技法」の実績データを基に定量的評価を行うための目標値を設定する方法を検討し,その評価を行う.
著者
前田 英行 小西 千代美 鈴木 孝志 中川 正明 五百井 俊宏 永谷 裕子 柴垣 太郎 高橋 邦夫 小林 雅史
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.114-117, 2011-03-10

2010年8月にプロジェクトマネジメント経験者・学識経験者20名による「メンタルヘルス研究会ワークショップ2010」を開催した.ワークショップの目的は,ワールドカフェ手法を導入し,メンタルヘルス不全に関する暗黙知を予防に活用できる形式知に変換することである.ワールドカフェによりアイディアを抽出し,対話,統合,投票により得られた結果は,(1)「プロジェクトは明るくリーダが率先」,(2)「ビーチパーティでチームビルディング」,(3)「9番バッターで思いっきり三振」,(4)「ファミリーケア・フレンドケアを大切に」,という4つの文章にまとめられた.これらの結果から,メンタルヘルス不全の予防策として,プロジェクトを(1)明るく前向きな場,(2)良い仲間関係の場,(3)育成と成長の場,(4)生活と仕事のバランスのとれた場,とすることが最重要であることが分かった.
著者
森下 隆治
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.89-93, 2005

JAVA開発における開発方法論,実践については,最近は多く出てきているとはいえ,まだまだ小規模開発でのUML,RUP等の適用事例にとどまっており,大規模開発の際の開発方法の適用の仕方は,これといったものがないのが実情ではないだろうか?筆者が担当するProjectでは,レガシーシステムの刷新化計画が急ピッチで推進されてきており,レガシーであった大規模システムをオープンシステム化,JAVA化が要求されている.PM観点では,その開発方法を選定適用するに当たり,オブジェクト指向開発をそのまま適用することは,経験上の問題と規模的な問題,SKILLリソースの確保の問題など,リスクが高いとの認識である.そこで従来型の手法DOAをベースとした大規模JAVA開発というアプローチを試み実践した.またSCOPEの変更管理における影響分析,品質確保の仕組みはPM諸氏が苦労されているところと思われるが,PM観点から,それに対応できる開発方法として,CASEツールによる設計リポジトリィを構築し,JAVA生成ツールを独自開発し適用する方式を上流から下流まで適用統合化することにより,影響分析,品質確保などの実現,保守における生産性UPの実現を目指し実践してきており,その経験をPM諸氏につたえ,今後の大規模開発JAVA開発に参考にしていただくことが本論分の目的である.
著者
鈴木 隆
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.66-69, 2011-09-15

東日本大震災では東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波,及びその後の余震により甚大な被害を被ったが,初期対応や災害対策についていろいろな問題が指摘されている.災害対策基本法や特定非常災害特別措置法に則り対策を実施していく必要があるが,復興計画を立案し,組織を立ち上げし,実行し,進捗を監視していく一連の工程において現状は手探り状態であり,必ずしも最善の方法が採用されているとは言えない.復興に関してはより早期にまた確実に進めることができる方法を選択すべきであるが,PM手法のフレームワークを適用することで解決できるものが多いと思われる.本論文では阪神・淡路大震災等過去の教訓に照らし合わせ,災害復興におけるPM手法適用の有効性を検証した.
著者
冨永 章
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.83-88, 2014

R&D投資額で日本は世界3位,登録パテント数で世界トップに位置づけられる.しかし国際的なイノベーション指標,競争力評価等では低迷しており,乗り越えるべきカベがある.具体的には戦略性,オープン性,結果への執着,的確な国際協業の不足などが指摘されるが,これらはR&D組織や企業だけでなく,関係する個々人にも求められるものである.本稿ではそのようなカベの正体を示し,乗り越えるのにPM視点で何にどう取り組むべきかを考察する.また,成果を出すイノベーター個人に共通の特徴をまとめ,リサーチに向くPM領域の追究を提案する.
著者
冨永 章
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.90-95, 2013

組織の統率者に求められるニーズが,過去にマネジメントからリーダーシップへと変化したように,リーダーシップ自体に求められる内容も時代や世相に応じて変化する.本稿では人々の興味の動きを明らかにし,個人PM(パーソナルPM)がPM全体と今後のリーダーシップにどう役立つかを述べる.これまでに整理されてきた個人PMの体系を,リーダーシップ理論の2軸の観点で点検する.また,世界のインターネット検索量の推移を用い,パフォーマンス面と心の面のバランスの動きにフォーカスする.これらにより,今後のPMとリーダーシップに向けて個人PMがなぜ重要かを説明する.
著者
稲川 智乃 石田 裕之 折笠 尊紀 鈴木 威一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.246-251, 2013-09-05

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加により,すでに輸入過多である日本の農業の実状に拍車がかかり,第一次産業である農業の衰退が心配される.本研究では,日本の産業を強めるために,国際競争力を持った商品に対して海外の市場開拓方法を検討した.まず,農業における問題点を整理し,その問題点の中から海外輸出のために必要である,「市場の選択と販売方法の決定」と「物流方法の決定」を目標として設定し,これらの目標へのアプローチ方法を提案した.今回は,日本の特徴的な商品として本わさびを扱う新規海外輸出プロジェクトを立ち上げ,これからの日本産の農産物の輸出先行事例としたい.本稿では,この本わさびに対する市場開拓の適応事例を基にその現状とこれからの課題について示した.