著者
田村 裕之
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.413-418, 2009-12-15 (Released:2016-09-30)
参考文献数
8

電気用品が発火源となった火災の近年の動向として,おもな発生原因,電気用品種類別の火災件数の推移,火災事例を紹介し,あわせて,電気用品の製造や販売に関連した法規制についても紹介する.
著者
横浜機動防除基地
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.445-453, 2006-12-15 (Released:2016-11-30)

海上保安庁には,海上流出油事故や有害液体物質・危険物の流出事故の対応を専門に行っているチームが存在する. この組織は,事案発生頻度は低いが,専門知識・技術がなければ対応が困難な海上災害への対応を目的としてつくられたものであり,これまで,ナホトカ号油流出事故,ダイヤモンドグレース号油流出事故等大規模な油流出事故への対応や,タンカー旭洋丸衝突火災事故,ベンゼンタンカー中毒死亡事故等の海難処理にあたっている.
著者
志田 慎太郎
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.20-27, 2004-02-15 (Released:2017-01-31)
参考文献数
4

米国のスーパーファンド法は,世界で初めての土壌汚染対策法である.この法律の執行過程は試行錯誤の連続であったが,20 数年の経験を経て,ようやく所期の目的を実現しつつある.スーパーファンド法は,わが国の土壌汚染対策法の立法に当たって,その長所・短所とも検討の材料とされており,また今後の運用にも参考になる.汚染地情報の整備・公開,汚染対策技術の開発,不動産取引への配慮など,米国の優れた対策に倣い,わが国においても土壌環境の改善が進むことが望まれる.
著者
中田 亨
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.75-81, 2013-04-15 (Released:2016-07-30)
参考文献数
8
被引用文献数
2

ヒューマンエラーは,業種を問わずさまざまな事故を引き起こす恐るべきものであるが,捉え所がなく対策が難しいものと言われてきた.しかし,間違いに早めに気付けば事故にならない.操作における偶発的なエラーよりも,異常に気が付かないことのヒューマンエラーにこそ真剣に対策すべきである.本論文では,異常を見つけやすくするための検査やゾーニング,デザイン,指示文書のあり方について,理論的背景を解説しつつ実践例を紹介する.
著者
小林 英男
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.363-372, 1987-12-15 (Released:2017-10-31)

日本航空所属ボーイング747型ジャンボジェット墜落事故機の後部圧力隔壁の破裂の直接原因について,航空事故調査委員会の結論,試験研究結果および著者らの研究結果を解説し,検討を加えた.その結果,「しりもち事故」の修理箇所のi列りベット結合の強度低下よりも,むしろりベット孔の大半に欠陥が存在したことが直接原因であると推定される.今後,この点に関して正確な調査が望まれる.
著者
齋藤 智也
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.244-252, 2016-08-15 (Released:2016-08-15)
参考文献数
40

オリンピックのようなマスギャザリングは,公衆衛生危機管理の重要課題である.注目度が高く,テロのリスクにも備える必要がある.生物剤によるテロは,可能性は低いが,社会的影響は非常に大きい.マスギャザリングはその対策を見直しつつ,中長期的な対応能力を底上げする良い機会である.サーベイランスは,中核的対応能力の一つである.社会的関心が高い故,より低い閾値で,より素早い対応が求められる.特に「何も起きていないことの確認」が最大の課題となる.なお,サーベイランス能力の開発は,感染症のみならず,全ての健康危機管理を念頭に置くべきである.テロ対策の文脈では,公衆衛生機関に様々な機関との連携が求められる.特に,治安部局とのリスク・脅威評価の共有や,初動対応部局との統合的運用能力が重要であり,演習による強化が不可欠である.
著者
東 剛志 田中 宏明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.282-289, 2012-10-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
57

近年,タミフル等に代表される抗インフルエンザ薬成分の河川環境中への流出が新たな社会的問題を提起している.タミフルは,新型インフルエンザパンデミックの被害軽減の切り札として位置付けられており,日本の依存度は季節性インフルエンザにおいても使用されており世界の中でも特に高い.そのため,水環境中に流出する抗インフルエンザ薬成分の問題は,生態系への毒性影響に加え,水環境中からの薬剤耐性ウイルス発生の危惧を生み,日本ばかりではなく世界的に新型インフルエンザ対策を検討するきっかけとなっている.そこで,本稿では近年明らかになりつつある最新の知見を踏まえ,河川環境中における抗インフルエンザ薬成分の汚染実態・環境動態や,下水処理場での除去効率,そして環境毒性及び薬剤耐性ウイルスの発生危険性について概説し,今後の環境リスク評価・リスク管理の展望についてまとめる.
著者
若倉 正英
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.359-364, 2004-12-15 (Released:2016-12-30)
参考文献数
2

廃棄物処理ではさまざまな火災,爆発,中毒,挟まれ巻き込まれなどの行動災害が発生している.廃棄物の主要工程について典型的な事故事例を解析し,工程ごとの潜在危険性について解説した. 廃棄物は有害物の混入による事故,混合事故,堆積・保管物の蓄熱火災などが増加している.さらに,不注意や本質安全化の遅れによる労災事故も,一般製造業に比べてきわめて多い. 循環型社会の建設に向けて,廃棄物処理施設と地域社会との共存は重要な課題である.潜在的な危険性を低減して安全,安心の職場環境を構築することが市民の理解を得る重要なポイントである.
著者
香山 不二雄
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.108-112, 1999-04-15 (Released:2017-04-30)

内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の自然界の生物への影響は,多くの例で動物実験等で証明されている.一方,環境ホルモンとの関連が危惧されている人の健康影響は.因果関係がまだ定かではない。食物エストロジェン,人の意図的なホルモン製剤の使用などさらに相互作用も含めて評価をする必要がある.しかし,問題点の重要さからも早急に,暴露量の評価と健康影響調査を行い,リスク評価手法を確立していかなければならない.
著者
高橋 英明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.480-488, 1991-12-15 (Released:2017-08-31)

原子力発電所の設計時には,寿命として一般に40年がとられ,機器類の基本的な設計仕様が決められている.原子力の開発国である米国においては発電所の新設がしばらくとだえているが,このままの状況が続けば,古い発電所が近い将来40年という耐用年数に達して引退するため,発電量の総量が不足するという事態に至ることが憂慮されている.この対策の1つとして,米国では原子力発電所の寿命延長に関する研究が多方面で実施されており,1991年内には開発初期の発電所について寿命延長の申請がな される予定となっている. この寿命延長にあたっての技術的課題解決のために実施されてきた研究について,およびわが国にお ける状況について報告する.
著者
上原 陽一
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.94-100, 1977-04-15 (Released:2018-05-31)

次亜塩素酸カルシウム70%を含む高度さらし粉の火災および爆発に関する基本的な性質を知るために,熱的特性,発火温度,衝撃および摩擦感度,起爆性などについて測定を行った. 高度さらし粉は約180℃で酸素を放出しながら分解し,発熱するので,有機物などの可燃性物質との混合物は,この温度に達すると発火し.いったん着火すると火炎は急速に伝ぱし,火災を拡大する.衝撃, 摩擦に対してはそれほど鋭敏ではなく,雷管起爆試験によっても,この物質だけでは起爆しないが,有機物と混合すると感度は上昇し,黒色火薬級の威力を示す.高度さらし粉の危険性として,一般に発火のしやすさと火災拡大の速さが重要である.
著者
市川 健二
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.407-412, 2009-12-15 (Released:2016-09-30)
参考文献数
7

厚生労働省より毎年公表される感電災害統計から,わが国の産業職場で発生した感電災害の発生状況や特徴を調査した.その結果,全労働災害は長期的視野で見れば減少傾向を示すなかで,感電災害は特に昭和50 年代において著しく減少し災害防止の成果を上げたが,それ以降は他の労働災害と同程度の減少傾向で推移している.感電災害の特徴としては,災害発生件数こそ少ないものの,いったん発生すると死亡危険性が高いこと,低圧電気での災害は夏季(7~9 月)に集中して発生し,電撃が人体の皮膚の発汗現象(人体抵抗の低下)と密接に関係していること等を示している. 電撃の危険限界については,過去に多くの研究者が実施した人体実験や動物実験の結果,およびそれらをもとに公表されたIEC(国際電気標準会議)の技術報告書で示された人体反応やその危険限界(電流/時間領域)等を紹介する.
著者
山口 隆章
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.409-413, 1987-12-15 (Released:2017-10-31)

さる1984年11月,メキシコ市内のLPガス配送基地で発生したLPガス爆発火災の状況,事故後の様 子について,現地訪問,資料などに基づいて,きわめて簡単に報告した. なにぶんにも色々な責任問題,刑事上問題があって,特に原因については不明である.扇日本とは色々な条件が大幅に異なっているので,教訓はない.ひとことでいえばgただ驚きである.
著者
山中 龍宏
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.228-235, 2015-08-15 (Released:2016-07-30)
参考文献数
9

事故による子どもの傷害は多発しており,重要な健康問題となっている.子どもが事故に遭遇しやすい理由は「発達」するからである.昨日まで寝返りできなかった子どもが,今日,寝返りをしてベッドから落ちてしまう.子どもの事故は,何歳になったら,どんな事故が起こるかはわかっており,多くの場合,どうしたら予防できるかもわかっている.傷害予防に取り組む場合は,重症度や発生頻度が高く,増加している事故について優先的に取り組む必要がある.予防するためには,傷害が発生した状況や製品・環境の詳しい情報が不可欠であり,また,いろいろな職種の専門家が連携する必要がある.傷害が起こった時の情報を,「変えたいもの」「変えられないもの」「変えられるもの」の3 つに分け,「変えられるものを見つけ,変えられるものを変える」ことが予防なのである.
著者
秋田 一雄
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.215-216, 1999-06-15 (Released:2017-04-30)
著者
角野 勝明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.170-172, 1979-06-15 (Released:2018-04-30)
著者
岡本 勝弘
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.147-153, 2008-06-15 (Released:2016-10-31)
参考文献数
20
被引用文献数
3

石油系液体燃料は,「燃えやすく」,「発熱量が大きい」というその性質により,火災発生のリスクが高く,ひとたび火災が発生すると,燃焼を制御することが困難となり,重大な火災被害を起こしやすい.また,近年では,自動車ガソリンを可燃物として使用する放火事件が頻発しており,社会的な問題となっている.本稿では,石油系液体燃料のおもに散布・漏洩時における火災危険性評価に役立つ情報として,石油系液体燃料の燃料特性・蒸発特性・拡散特性・燃焼特性について調査した過去の研究例を紹介する.
著者
松永 猛裕・藤原 修三
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.401-405, 2001-12-15 (Released:2017-02-28)
被引用文献数
1