著者
久保田 秀和 角 康之 西田 豊明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.1-8, 2004-09-10
被引用文献数
3

本論文では,知球と呼ばれる持続的に発展可能な個人の外化記憶構築システムを提案する.初めに,外化記憶をコンテンツの一種として捉えることにより,その持続的な発展を時空間的なコンテンツの蓄積としてモデル化する.知球とはこの時空間記憶モデルに基づいた外化記憶を仮想的な球面上に構築するシステムである.実験として約1100件のコンテンツ断片から構成される外化記憶を知球上に構築した結果,知球の奥行きや左右,カードの大きさなど空間的手がかりを生かした外化記憶の配置を行うことによって,自分らしいポリシーに基づく外化記憶が構築可能であるという示唆を得た.
著者
村上 裕介 西田 豊明 角 康之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.59-63, 2004-09-10

コミュニティにはメンバー全体で共有すべきタスクが少なからず存在する。本研究では、タスクの分配システムを構築・運用することで、メンバーのタスクに対する嗜好の強さやタスク分担を通してメンバー間に生じている、心理的な貸しと借りの関係を測定し、その関係に応じた、効率的なタスクの分配手法について提案を行う。また、それらの手法をシステムに実装し実証実験を行った結果についても報告を行う。
著者
広瀬 健志郎 佐竹 聡 川島 英之 今井 倫太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.47-52, 2004-09-10

本研究の目的は、コミュニケーションロボットのソフトウェアアーキテクチャに詳しくない一般ユーザが、ロボットを情報提供の手段として容易に利用できる手法を提案することである。ロボットの動作をプログラミングする手法は多数あるが、本研究の目的と照らし合わせると、それらは多種類のロボット間でのコンテンツ共有が不可、一般ユーザにとって使いにくい、センサ情報を反映したコンテンツ提示が不可のいずれかの問題を抱えている。よって本研究では、上記の3条件を満たすために、ロボットのコンテンツを直感的に記述できるエディタを開発と、そのコンテンツを多種類のヒューマノイドロボットで実行できるように、抽象的なモーションを具体的な関節情報に置き換える言語仕様を定義し、それらをロボットに実行させるシステムを開発した。
著者
竹村 憲太郎 松本 吉央 小笠原 司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.25-30, 2004-09-10

本研究は対面式会議等の状況において複数人の注視情報を利用し,注意の集中する位置(場の注意)の推定手法を提案する.本手法では複数人の視線情報(3次元ベクトル)から幾何学的に3次元空間中の交点を求め,場の注意を推定する.その結果,注意を物体や人単位ではなく,連続的な3次元座標として推定することが可能となる.本稿ではしりとりや対面式会議等の状況において,場の注意を推定し,その有効性を確認した.
著者
宮下 芳明 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.13-18, 2004-09-10
被引用文献数
2

本稿では、温度を媒介として打鍵後に助言を行う即興演奏支援システムを開発した。従来の即興演奏支援システムとは異なり、楽器の基本機能を変更しない点が特徴である。システムの効果を検証するため、典型的な即興演奏支援システムとの比較実験を行った。その結果、即興演奏未経験者にとって、従来の即興演奏支援システムのほうがより楽しいと評価されたが、本システムは即興演奏の支援にとどまらず、即興演奏に対する学習を促す効果を持っていることが示された。 : In this paper, we propose an improvisation support system that makes advice after a player hits the key via thermal sensation. Differ from conventional improvisation support systems, it does not change the essential function of a musical instrument itself. To examine effectiveness of the system, we carried our an experiment and compared it with a typical improvisation support system and the instrument with no support. Though the traditional improvisation support system was rated more enjoyable by novice subjects, our system certainly supported them and facilitated learning the harmony, namely, fostered their music ability.
著者
阿部 直哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.9-14, 2002-08-02
被引用文献数
4

タッチパッドを用いたCVK方式入力装置の概要を述べるとともに、従来の入力装置との比較を通して、本装置の特徴を考察した。CVK方式は、タッチパッド上に仮想的に置かれたキー(操作キー)に指で触れることで、ディスプレイに表示されたキー(可視キー)の配列から、目的のキーを選択し、指を離した瞬間、入力を確定するという仕組みを持つ。本装置は、非常に小型でありながら、タッチパネルなどと同様、キー配列を自由に変更できるため、初心者に分かりやすいインターフェースを作り出すことができる。その一方、操作キーと可視キーが1対1に対応しているため、習熟に伴って、キーボードに近い、高速な入力も可能である。他にも、操作が単純、疲れが少ないなど多くの長所を併せ持つ。
著者
野田 真樹子 園部 博崇 高木 佐恵子 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.9-14, 2001-11-15
被引用文献数
1

現在, 多くの画像検索システムがあるが, それらをモバイル環境で利用することは難しい.そこで, 本稿では, モバイル環境で利用できる花の画像検索システムを提案する.提案システムは, デジタルカメラで撮影した花の画像と, 利用者が指定した簡単な特徴情報を, モバイル機器を用いて画像検索サーバに送信し, サーバで検索を行った結果をモバイル機器で確認するというシステムである.サーバでの検索の際には, 利用者が指定した特徴と, デジタルカメラで撮影した花の画像から抽出した形状や, 色の特徴を使用する.本システムで検索実験を行った結果, 目的とする画像が検索結果の第1位から第3位に入ったものが約92%であり, その結果は満足できる時間内に取得できた.
著者
江渡 浩一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.53-58, 2004-07-16
被引用文献数
1

音声認識,音声合成などの音声処理技術はすでに成熟した技術となったが,まだ一般に普及したとは言えない状況である.コンピュータとのインタフェースに音声を用いる音声インタフェースの応用事例として,本稿では,非日常的な状況,アートやエンターテインメントといった分野における音声処理技術の応用事例についての動向をまとめるものである.音声認識,音響処理,歌唱合成などを応用した事例において,近年注目すべき作品が出てきている.
著者
坂本 忠明 望月 孝哲 今宮 淳美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.13-18, 1999-08-20

メカニカルシャッタを使った瞬目実験で得た応答時間の分析をパンディモニアムモデルで検討する.瞬目実験は、実物図形や幾何図形を刺激とした有無判断である。課題の提示には、言葉を使った集約表現(たとえば苺クリームショートケーキ)と,合成表現(たとえば白い三角形の中に赤い丸形)、それに言葉を使わない図形同士の照合である,その結果として,(1)簡単な図形同士での照合課題の場合は1回の認知処理系で有無判断ができること,(2)具体的イメージをひとつの言葉で表現すると,認知処理系の回数が少なくなること,さらに(3)異なった認知地図が検討できたことなどを得た.
著者
伊藤 和幸 数藤 康雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.31-38, 1996-09-12
被引用文献数
5

何らかの障害や病状の進行により、自分自身による発声や筆談によるコミュニケーションができなくなる障害者が少なからず存在する。このような状況に対するには随意運動が比較的最後まで残る目の動きや瞬きを利用してコミュニケーションをとることが考えられ、現在のところ、瞬きや目の左右の動きを「はい」「いいえ」等としたり、目の開閉をスイッチ入力のON/OFFに利用している例が多い。しかし、視線を入力として利用できる機器があれば、文字盤やメニューボードを直接見つめることで任意の文字やメニューを自由に選択することができ、障害者自身で環境制御等を行ったり、他者とのコミュニケーションを行うことが可能となる。本報告では、被験者が文字盤を見つめる視線を計測・解析し、コミュニケーション機器への入力として使用するにはどのような処理を行えばよいかを検討した
著者
神場 知成 Frelechoux Laurent
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.1-8, 1997-01-16
被引用文献数
1

概要:WWW上のユーザプロファイル管理エージェントについて述べる。ユーザがWWW上で情報を効率的に得るためにさまざまなサイト上のサービスがパーソナライゼーシヲン機能(それどれのユーザごとにカスタマイズした情報を提供すること)を提供している。しかし、パーソナライゼーションを提供するために必要なユーザプロファイル(ユーザ情報)をどこに蓄積するかは難しい問題である。今までは「ユーザプロファイルをサーバ上に蓄積する方法」と「クライアント上に蓄積する方法」の2つがあったが、それぞれ利点と欠点を持っている。ユーザプロファイルをサーバ側に蓄積すると、蓄積されたプロファイルはそのサービスだけで利用可能なものとなり、他のサービスが共有できない。また、クライアント側に蓄積するとサーバ側では複数のユーザプロファイルをまとめて管理していわゆる協調フィルタリングなどのサービスをすることができない。ここで提案するのは、サーバクライアント間のやりとりを仲介するユーザプロファイル管理エージェントを用いて上記の問題を解決することである。ユーザプロファイルはそのエージェント上に蓄積され、サーバが必要とする時には自動的にサーバに送付さ江る。プロファイルの更エージェント上で行われる。筆者等はユーザプロファイル管理エージェントを拡張プロキシサーバとして実装し、複数のサーバ間でのユーザプロファイル共有、複数のユーザ間でのユーザプロファイル共有(グループプロファイルの作成)などを実現した。
著者
田村 欣也 孔 京 任 向実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.31-36, 2003-05-16

本研究は,キーボード入力を用いた日本語入力変換候補の表示形式に着目する.日本語入力や中国語入力は英語入力と異なり,漢字変換という操作が必要である.変換候補一覧の表示形式が変換候補のアプリケーションによって異なっている.また,候補一覧から対象文字を選択する方法も違っている.そこで,本論文では,4種類の表示形式(「縦」「横」「短横」と「表」)と6種類の選択方法(マウス,数字キー,スペースキー,カーソルとマウス,および上記の任意組み合わせ)を用いて漢字入力実験を行った.その結果,変換候補一覧が表示されてから候補を決定するまでの時間が入力プロセスのなかで最もかかること,単字入力においては「表」と「短横」表示が良いということが分かった.
著者
間瀬 健二 フェルス シドニー 江谷 為之 ブルーダリン アルミン
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.55-60, 1996-11-15
被引用文献数
7

エージェントについてはいろいろな立場での研究があり、その定義も多様である。ここではマクロな立場でエージェントをとらえて、インタフェース・エージェントを定義して議論を進める。まずインタフェース・エージェントが持つべき機能を概観し、エージェントとのインタラクションおよびそのデザインについて考察する。現在設計を進めているエージェントシステムのベースとなる非同期階層型エージェント・アーキテクチャおよび、擬人性を表現するためのキャラクタ生成手法を紹介する。
著者
椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.45-50, 2000-05-12
被引用文献数
40

本研究では、拡張現実システムや実世界指向インターフェースで用いるための、安価で測定範囲を容易に拡張できる位置検出手法として、RFIDタグを利用した方式を提案する。床などにRFIDタグを複数貼付して、ウェアラブルな機器や、人が携帯・操作する装置にRFIDリーダを取り付ける。あらかじめ床に貼りつけたタグを読みとることで、ユーザーの位置を検出する。本論文では、ヒトの履き物にリーダを取り付けたシステム、ユーザーが操作するカートにリーダーを取り付けたシステムを試作して、性能評価を行った。その結果、コストと精度のトレードオフがあるものの、様々な応用が可能な実用的な方式であることを示すことができた。
著者
安田 宜仁 堂坂 浩二 相川 清明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.127-132, 2002-02-01

本稿では,認識文法の異なる2つの認識器を同時に使用し,ユーザ発話後にそれらの出力のどちらを利用するかを決定するような主導権混合型対話の制御を提案する.機械学習を用いて2つの認識器の選択を行った実験の結果を示す.実験の結果,適切な文法選択の精度は,ベースラインの95.5%から,97.7%に改善することができた.
著者
椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.1-8, 2002-09-20

Aware Homeは,ジョージア工科大学のキャンパス内に建設された,家庭向けコンピュータ利用を研究する実験住宅である.2000年春の完成以来,建物,家具,日用品に埋め込んだコンピュータ,ネットワーク,センサを利用して,人の状況認識技術の開発やアプリケーションの研究が進められている。筆者はここで,単機能のコンピュータを組み込んだ家具や日用品を使って,収納物の探索支援や,遠隔家族とのコミュニケーション支援を実現するシステムを試作した.本報告では,Aware Homeのプロジェクトを中心に,日常生活を豊かにするユビキタスコンピューティング研究を紹介する.
著者
児玉 哲彦 清水 友理 安村 通晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.122, pp.29-33, 2007-02-09

近年東京都秋葉原の電気街において再開発が進み、来訪者の行動において、これまでの電気街と線路を挟んだ再開発地域との間の分断等の困難が生じていることが明らかとなった。本研究では、電気街についての土地勘を共有し、街の多様な利用を促進するため、携帯電話とQRコードを用いて来訪者の訪れた店舗の履歴を記録し、利用者間の交換を可能にする街のソーシャルブックマークシステム「ここHORE」システムの開発と運用について報告する。ユーザビリティ評価実験の結果、スポットのマーキングと検索については概ね問題なく利用できるものの、地図情報の表示については改善が必要なことが明らかとなった。
著者
杉浦 淳 小池 雄一 古関 義幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.23-30, 1997-03-06

現在WWW(World Wide Web)上には多種多様の情報が提供されている。しかしながら、WWWからユーザが必要とする情報のみを取得するためのコストは小さくない。本稿では、WWW情報のパーソナル化のためのシステムInternet Scrapbookについて述べる。本システムでは、WWWページからユーザが必要とする箇所のみを切り出し、一つの個人用ページにまとめることができ、また、作成した個人用ページの内容を自動的に最新情報に更新することが可能である。これにより、ユーザは自分の必要とする情報のみを効率よく閲覧することができる。