著者
荻島 央江
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.284, pp.13-19, 2008-05

東京・北品川、午前8時。しゃれた音楽ホールのようなピンク色の校舎に、キャメル色のジャケット、チェックのスカートに身を包んだ品川女子学院の生徒が続々と登校してくる。「おはようございます」。入学したばかりの1年生はまだ声が小さいものの、ほとんどの生徒が玄関前で待つ教師にはじけるような笑顔であいさつしている。
著者
青木 定雄 宇賀神 宰司
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.253, pp.140-143, 2005-10

中でも、特に苦労したのが"教育"です。すべての企業にとって、一番大切な資産は社員です。特にこれからは、人で商売していく時代。無から有を生み出すのが社員です。その教育こそがすべてなんです。 しかし、一口に教育と言っても、それはもう、大変なことでした。 「出社したら、まず『おはようございます』と挨拶しましょう」 例えば、これだけで10年掛かったんですよ。
著者
松井 道夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.230, pp.42-44, 2003-11

——「みんなが西向きゃ俺は東」。近著のタイトル通り、「あえて普通の人間がやりそうなことの逆をする」。証券業界を変えた逆バリ発想の原点は? ひねくれているだけですよ。劣等生の処世術ですね。僕は、劣等生の意識が非常に強い。小学校の時もサラリーマン時代も、何をやってもほかの連中に敵わない気がしてならなかった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.213, pp.92-94, 2002-06

四月一二日の金曜日。大手漬物製造・卸会社、金久かねきゅう(東京都中央区)の金子祥社長は、埼玉県北本市にある営業所から、仕入れ先の漬物メーカーに次々と電話をかけていた。 「このままでは、来週、月曜日の手形決済を乗り切れそうにない。小切手を送るので、うちから振り出した手形を銀行から引き上げてもらえないだろうか」。
著者
加来 耕三
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.217, pp.114-117, 2002-10

地理的には、日本のほぼ中央に位置しているとはいえ、「岐阜」は今日にいたってもなお、座りの悪い県であるに違いない。 近代の明治にいたるまで、一方に山国として独立していた「飛騨」、他方に木曽川・揖斐いび川・長良川などの水系が網の目のように広がる「美濃」—この二国をむりやり併合して、成り立った印象が強いからだ。 "飛山濃水" などと呼ばれてきた。
著者
永井 学
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.278, pp.56-60, 2007-11

POFILEいしい・しげゆき1948年千葉県生まれ。71年にヤマハ発動機入社後、76年スポーツショップ イシイ設立。84年に事故で脊椎(せきつい)を損傷。88年オーエックスエンジニアリングを設立、89年に車いす事業部を設置。スポーツ用車いすをはじめ、高級車いすの製造・販売を手掛ける。03年に会長に就任パラリンピックなどで、メダリストを次々に輩出。
著者
西井 一史
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.288, pp.88-91, 2008-09

1999年10月18日。一斉に全ラインが止まり、静まり返った日産自動車九州工場に、「日産リバイバルプラン」を読み上げるカルロス・ゴーン氏の声が響き渡りました。工場の一角で、一言も聞き漏らすまいと耳をそばだてていた私は、サプライヤー数を3年間で半減するという発表に凍りつきました。
著者
矢野 宏
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.246, pp.136-138, 2005-03

未明の火事で妻と3人の子供達、店舗までも失った五代目は、焼け跡で再起を誓う。再建資金を得て、半年後には建物も出来たが、和菓子職人としての勘が戻らない。
著者
荻島 央江
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.293, pp.13-19, 2009-02

窓からのどかな田園風景が広がる、和歌山市と紀の川市間14・3を結ぶ和歌山電鐵貴志川線。この終点である貴志駅には日本一有名な駅長がいる。 冬季の勤務時間は日曜日を除く、午前10時から午後4時半。日がな一日、駅長室に鎮座し、乗降客を出迎え、見送るのが彼女の仕事だ。 駅長の名前は「たま」。茶と黒と白の毛色がトレードマークの9歳の三毛猫である。
著者
小西 國義 高野 泰志
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.196, pp.34-37, 2001-01

——QBハウスという店名の認知度はかなり高まってきましたが、キュービーネットという会社名はまだまだです。ネットバブルの頃は、事業内容を勘違いされたりしませんでしたか小西 インターネットビジネスとね(笑)。そういう面もあったかもしれません。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.261, pp.37-40, 2006-06

散髪時間10分間で料金1000円の理髪店「QBハウス」をチェーン展開するキュービーネット。同社は、従来の「時間が掛かり、それなりの料金」だった業界の常識を覆し、「早くて、しかも安い」サービスを実現した。 同チェーンで散髪すると、シャンプーやひげそりなどのサービスはないが、時間はこれまでの4分の1、5分の1しか掛からない。
著者
西原 克敏 高野 泰志
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.190, pp.46-49, 2000-07

西原 六月のヒアリングで、おおむねご了解をいただきましたので、最終コーナーを回ったという感じですね。——本来であれば、去年のいま頃には大証二部に上場されていたのに、いろいろと大変なことがありました西原 転勤を強要されたと思った社員が、「下請さんを組織して、問題を起こしますよ」という内容の手紙を証券会社に送り付けてきまして。
著者
加来 耕三
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.194, pp.138-141, 2000-11

十二世紀初頭ごろから、房総半島を開発し、勢力を築いてきた千葉氏は、源氏の旗上げにおいて主力軍を形成し、平家を西へ追い、ときの当主・千葉常胤(つねたね)は、源頼朝にむかって、 「要害の地、相模国(神奈川県の一部)鎌倉をこそ、拠点とすべし」 と進言したことで知られている。 関東の地に武をもって覇を唱えた一族であったが、やがてその巨大さゆえに周囲に恐れら…
著者
桜庭 麻衣子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.242, pp.106-108, 2004-11

「僕は人とゴルフをする時に『ナイスショット』なんて滅多に言わないんですよ。気を使ってるのが見え見えで、つまんなくなっちゃうからね」 満面の笑みを浮かべてスタート前の準備運動を始めたのは、MTVジャパン社長、笹本裕。米国に本社を置くMTVは、世界166の国と地域で42のチャンネルを運営する世界最大の音楽エンタテインメント専門テレビ局だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.263, pp.34-36, 2006-08

「こちらライチのビネガーでございます。ミルクと割ってもおいしゅうございます」 スーツに蝶ネクタイという出で立ち。ソムリエならぬ酢ムリエの内堀光康さんが、ビネガー専門店「オークスハート」の店頭に立つとたちまち人だかりができた。 高級食材店が並ぶ百貨店の食品売り場の一角。店内にはブルーベリーやマンゴやココナッツなど飲料用のビネガー15種類あまりが並んでいる。
著者
福光 恵
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.267, pp.19-25, 2006-12

ドクロ印のベストに黒いジーンズ、指には大きなシルバーのリングが光っていた。そんないでたちで大分空港に降り立つ姿は、フラリと帰省してきたような、よくいる東京の若者。実は彼が、東証一部上場企業の社長であるとは、乗客の一人として気が付かなかっただろう。 野尻佳孝。「テイクアンドギヴ・ニーズ」社長。
著者
宮坂 賢一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.279, pp.112-115, 2007-12

「職人気質の古い生産手順が作業停滞の原因」と問題視する家具メーカー社長。しかし、山田日登志は全く別の問題を指摘する。山田の真意は何か——。取材・文◎宮坂賢一(編集部) 写真◎宮田昌彦 10月5日の昼過ぎ、家具・インテリアの製造・販売を手掛ける飛騨産業(岐阜県高山市)の社内には張り詰めた空気が満ちていた。「山田先生のごあいさつですーっ」。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.257, pp.52-56, 2006-02

朝から吹雪いていた大粒の雪が粉雪に変わっていた。2005年、暮れも押し迫ったある日の午後1時。島根県安やす来ぎ市にある守谷刃物研究所の玄関前には、約20人の社員が作業着姿で整列していた。 「さっみー」 若手の社員が悲鳴を上げる。 「おらおら、気合い入れんとー」 檄げきを飛ばす年配の社員。その列の真ん中に、工場長の難波晋はいた。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.262, pp.50-54, 2006-07

研修道場のPEC産業教育センター所長。トヨタ生産方式の創始者、大野耐一氏に師事、キヤノンやソニーをはじめ主に製造現場のカイゼンを手掛ける。PEC産業教育センターの連絡先は2058ー274ー3106。北海道・千歳空港の到着ロビーで、心配そうな表情でたたずむ一人の男がいた。時は、2006年5月某日午前11時。 男の名は佐藤壽ひさし、63歳。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.264, pp.50-54, 2006-09

研修道場のPEC産業教育センター所長。トヨタ生産方式の創始者、大野耐一氏に師事、キヤノンやソニーをはじめ主に製造現場のカイゼンを手掛ける。PEC産業教育センターの連絡先は2058ー274ー3106。初回のカイゼン会を終えた日の深夜。石狩市にある佐藤水産サーモンファクトリーの事務所で、ジェネラルマネジャーの若林伸二(41歳)は一人の青年と向き合っていた。