著者
渡津 章 井汲 憲治 野浪 亨
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.243-248, 2001-07-25
被引用文献数
2

人間の口腔内で破損したBranemark人工歯根を調べ, 破断プロセスを検討した.この試料は歯根として機能していたが, 歯槽骨の吸収が起こった後, 破折したものである.破断部ではフィクスチャーの内側のネジ山の谷部に沿った形で外側の谷部が形成されており, 大きい荷重を受ける機械的強度の低い部分から破壊したことが分かった.また, フィクスチャーの破断面では, 破断時に生じる細かい起伏形状がなくなっていた.一方, 中央のネジには細かい波状の構造があった.つまり, このネジが繰り返し応力を受けて破断したことが分かった.これらのことから, まずフィクスチャー部のネジ山谷部に沿って亀裂が生じた後, 破断面が塑性変形を起こし, 最後に中央のネジが繰り返し応力により破断したことが分かった.
著者
[タカ]橋 俊幸 菊地 聖史 [タカ]田 雄京 奥野 攻
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.126-139, 1998-03-25
被引用文献数
3

近年, 生体材料の安全性が重要視されるようになり, 歯科用金合金にもより高い安全性が求められるようになってきた.金に少量のチタンを添加するとわずかに固溶するため, 生体安全性が高く, 審美性や機械的性質に優れた新しいタイプの金合金を開発できる可能性がある.そこで, チタン添加量を0.5〜2.0%とした金-チタン合金を作製し, 熱処理条件, 機械的性質, 組織, 色調を調べ, 歯科鋳造用金合金としての可能性を検討した.その結果, 歯科用合金として, 溶体化処理条件は1, 000℃, 10分間, 時効処理条件は600℃, 10分間が適当と考えられた.また, チタン添加量は1.0〜1.8%が適切と考えられた.金-チタン合金は, チタン添加あるいは熱処理を行うことで, 軟質から超硬質までの機械的性質が得られることが分かり, 歯科鋳造用金合金として多目的な応用の可能性が考えられた.
著者
宮崎 隆 玉置 幸道 鈴木 暎 宮治 俊幸
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.450-456, 1988-05-25
被引用文献数
2

ポーセレン(リブデント, ビタVMK), キャスタブルセラミックス(ダイコア)及びマシナブルセラミックス(マコール)を用いて光沢のある仕上げ面を得る目的で超音波ラップ研磨を行ない, 研磨能率と研磨面性状を検討した.超音波ランプ研磨は市販の超音波研磨機(周波数28.5KHz, 10W)を用いて, 木材のラップ棒と試料の間にアルミナ, セラニア, ジルコニア, 酸化クロム, ダイヤモンドなどの遊離砥粒を介在させて行なった.ポーセレンはダイヤモンド以外の砥粒では能率が悪かったが, ダイヤモンドを用いるとグレーズ面のような良好な仕上げ面が得られた.マコールやダイコアはポーセレンよりも研磨性が良く, ダイヤモンドは勿論, アルミナやセラニアでも良好な仕上げ面が得られた.
著者
塙 隆夫 大川 昭治 近藤 清一郎 小林 紘孝 菅原 敏 太田 守
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.39-44, 1985-01-25

歯科遠心鋳造法によって得られた等軸晶組織を示すNi-Cr合金の凝固機構を定性的に考察した.鋳造物の凝固を調べるために幾つかの実験を行ったところ, 次の結果が得られた.すなわち, 鋳造組織内の結晶粒は遠心力方向にあるものほど, また, スプルー直下の結晶粒はスプルー直径が大きいほど, 微細であり, 鋳型内に棚を付けると棚より下では結晶粒は比較的粗大であった.これらの結果は, 結晶が溶湯の流入による機械的対流と温度差による熱的対流とによって鋳壁から離れ, 遠心力によって溶湯内を移動して鋳型底部に堆積するという理論で説明できる.特に, スプルー部分の凝固は結晶粒がスプルー上部に堆積して詰まることによるものであると推察した.
著者
滝本 知彦 武田 昭二
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.431-442, 1991-07-25
被引用文献数
11

抽出法による細胞毒性試験において, 初期細胞数, 毒性因子の作用時間および判定法が細胞毒性に与える影響について検討した.すなわち, 種々な濃度に調整した8種類の金属塩をマウス結合織由来のL-929細胞に1日, 3日および5日間作用させ, 金属イオン濃度と細胞生存率の関係についてしらべた.その結果, 初期細胞数が多いほど, 金属イオンの細胞阻止濃度は高くなった.また, 金属イオンの作用時間が長くなるほど, 金属イオンの細胞阻止濃度は低くなった.ニュートラルレッド法, MTT法, クリスタルバイオレット法およびタンパク定量法の4種類の判定法を比較すると, 金属イオンの種類によって各判定法間で細胞阻止濃度にわずかな差が認められた.とくに, BeイオンとCuイオンにおいて, MTT法と他の判定法との間における差が顕著であった.20%と80%の細胞阻止濃度から求めた濃度-反応曲線の傾きは, 金属イオンの種類, 初期細胞数, 毒性因子の作用時間および判定法によって異なっていた.以上の実験結果から, 抽出法による細胞毒性試験において初期細胞数, 毒性因子の作用時間および判定法が細胞毒性評価に大きな影響を及ぼすことが明らかとなり, 今後, 歯科材料の細胞毒性試験実施に当たって有益な示唆を与えるものと思われる.
著者
日景 盛 熱田 充 佐藤 温重
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.642-647, 1989-09-25
被引用文献数
1

鶏胚大腿骨の器官培養を応用して接着性レジンの細胞への影響を明らかにすると共に, 生体材料の安全性評価における器官培養法の有用性について検討した.スーパーボンドC&BとパナビアEXを直径0.35mm, 長さ2mmに整形して試料とした.試料を鶏胚大腿骨の骨端部に挿入し, 37℃7日間回転培養後, 相対成長率と相対湿/乾燥重量比(W/D), 組織像を調べた.その結果, 相対成長率に関してはスーパーボンドC&BもパナピアEXも影響はなかった.しかしW/DにおいてパナビアEXは対照より大きな値を示し, 組織所見では隣接する組織に幼弱な軟骨細胞の存在と軟骨基質形成不全を認めた.これらの結果から, パナビアEXは軽度の組織障害性を有していることが示唆された.
著者
小島 克則 門磨 義則 山内 淳一
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.316-321, 1997-07-25
被引用文献数
9

アセトンに6-〔N-(ビニルベンジル)プロピルアミノ〕-1, 3, 5-トリアジン-2, 4-ジチオン(VBATDT)を単独あるいは10-メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)とともに溶解させた歯科用金属接着性プライマーを試作した.試作プライマーで表面処理した金属にコンポジット系レジンセメントのパナビア21を接着させ, 接着強さを調べた.その結果, VBATDT単独よりMDPと併用することにより貴金属のAg, Pt, Pdや卑金属のCr, Tiでは接着増強効果が認められた.VBATDTとMDPを併用したプライマーを塗布し, 乾燥させる処理では, MDP濃度が1.0wt%の場合, VBATDT濃度が5.0wt%よりも0.1または0.5wt%の方が高い接着強さが得られた.さらに, VBATDTを0.5wt%としてMDP濃度を変化させた結果からは, 好ましいMDP濃度は0.2〜0.5wt%程度であることが示唆された.
著者
土生 博義 平口 久子 中川 久美
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.65-72, 1999-03-25
被引用文献数
2

新しく開発された水中で長時間寸法が安定とされるアルジネート印象材について,塩素系消毒剤溶液中への長時間(3時間)の浸漬が可能か否かを検討した. 次亜塩素酸ナトリウム2製品の0.1%溶液中および塩素化インシアヌル酸ナトリウムの1,000ppm溶液中に印象を1,2および3時間浸漬し,印象体の寸法変化,模型の細線再現性,模型の表面粗さとうねりおよび顎堤模型の三次元的再現性を計測した. その結果,本アルジネート印象材は,水中および消毒剤溶液中で寸法が安定であった.そして,得られた模型の表面性状への影響が小さかった.また,顎堤模型の再現性も良好であった.以上の基礎実験結果から,本アルジネート印象材の塩素系消毒剤0.1%溶液中への長時間浸漬の可能性が示唆された.
著者
藤森 拓人 中野 文夫 高橋 英和 岩崎 直彦 西村 文夫 早川 巖
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.368-375, 2002-11-25
被引用文献数
6

本研究の目的は義歯安定剤の引張接合力に及ぼす被着体の影響を検討することである.被着体として口腔粘膜を擬似した寒天,金属床を擬似した金属板,アクリル板を用意した.市販の義歯安定剤である,粉末タイプ4製品,クリームタイプ4製品,テープタイプ2製品,クッションタイプ4製品の14製品について試験した.粉末タイプではアクリル,金属と比較して寒天との接合力は有意に小さい値を示した.クリームタイプでは被着体による接合力の違いは認められなかった.クッションタイプでは寒天<金属<アクリルと接合力が有意に大きくなった.テープタイプの接合力はクッションタイプと同じ傾向を示した.以上の結果より義歯安定剤の接合力は被着体によって異なることが明らかとなった.
著者
坪田 有史 西村 康 大祢 貴俊 深川 菜穂 橋本 興 小林 和弘 野本 理恵 平野 進 福島 俊士
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.225-235, 2004-07-25
被引用文献数
4

レジン支台築造において,間接法を採用することによりレジン築造体を装着前に加熱処理を行うことが可能となる.そこでクリアフィルDCコア(DC)およびクリアフィルフォトコア(PC)の支台築造用コンポジットレジンに対して,各種加熱処理による物性の影響を検討した結果,以下の結論を得た.1.DCにおいて,100℃30分の加熱処理により圧縮強さ,圧縮比例限,ダイアメトラル引張強さ,3点曲げ強さ,曲げ弾性係数が有意に向上した.2.DCにおいて,加熱処理によりヌープ硬さは増加しなかった.3.DCにおいて,化学重合のみと化学重合と光重合で硬化させた試料間では吸水量以外の物性に有意な差は認められなかった.4.PCは,DCと比較すると加熱処理による影響が少ないことが示唆された.したがって,DCで製作したレジン築造体を加熱処理することによって,いくつかの物性が向上し,臨床的意義があることが分かった.
著者
平林 茂 平澤 忠 奈須 郁代 中西 敏 三宅 裕昭
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.665-679, 1984-09-25
被引用文献数
29

可視光線重合型コンポジットレジンの硬化体内部のかたさの変化および残留モノマー量の変化を測定し, その重合の不均一性を検討した.その結果, 試料の深さ方向では, レジンの重合率は, 光照射面直下でやや低く, 表面下0.5mm付近で最大となり, 以後深くなるに従い低下する傾向が認められた.また, 試料の水平方向では, 中心部が最も高く, 中心部から離れるに従い低下する傾向が認められた.この重合の不均一性は, 照射時間の延長, および光源をできる限り近づけて照射することによりある程度改善された.化学重合型コンポジットレジンのかたさ(レジンの重合率)を基準とした可視光線重合型コンポジットレジンの臨床的に有効な硬化深さは, 一般に言われる見かけの硬化深さの約30〜40%程度と推察された.光透過性の良い無機質フィラーの含有量の多いコンポジットレジンほど, 残留モノマー量は少なかった.
著者
今井 弘一 武田 昭二 阿部 薫明 赤坂 司 宇尾 基弘 亘理 文夫
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, 2009-09-10

ES-D3 cells and mouse iPS (Induced Puripotent Stem ) cells were cultured by employing an embryonic stem cell differentiation technique using the Embryonic Stem Cell Test (EST). The differentiation rate into myocardinal cells was examined using SWCNT and MWCNT. The differentiation rate with MWCNT was not marked in either cell type, but was moderate with SWCNT. This discrepance may have been due to the difference in thickness between the two carbon nanotubes.
著者
塩田 陽二 廣瀬 英晴 林 純子 [サカキ]原 茂弘 石井 語 池谷 正洋 西山 實
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.541-553, 1995-09-25
被引用文献数
10

前報では市販のノンアスベスト鋳造用リングライナーを5群に分類した.そこで, さらに分類別の特性を明らかにすることを目的とし, ライナーテクスチュアのSEM観察, 空隙率および吸水性について検討した.その結果, ライナーの主繊維はA〜D群では, 丸棒状であり, E群では不定形であった.また, 繊維間に繊維化していない球状粒子や微細な粉末状粒子が観察された.ライナーは, アスベストと比較して, A群(ロックウールタイプ)は空隙率が比較的高く吸水量の大きい群と, B〜D群(セラミックファイバー低温用, 同標準用, 同低温用〜標準用タイプ)は空隙率が高く吸水量の小さい群と, E群(カオリンタイプ)は空隙率が低く吸水量の小さい群と分類された.また, D群のNA14(リボンウール)は空隙率が高くかつ特異に吸水量の大きいライナーであった.
著者
倉田 茂昭 楳本 貢三
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.246-250, 2006-04-25
被引用文献数
1

繊維長10〜30μm,径0.5〜1.0μmのホウ酸アルミニウム系ウイスカーアルボレックスG^[○!R] (GW)をポリカルボキシレートセメントのカルロンSmFPに添加し,セメント硬化体の機械的強さに及ぼす影響を検討した.その結果,GW添加により,未添加のセメントと比較し,約3倍の間接引張強さをもつセメントが得られた.圧縮強さは約4割向上した.また,接着強さは未添加セメントに比べ向上し,ウイスカー添加の効果が認められた.一方,GWと同組成でアスペクト比がほぼ1の粒子形フィラーであるアルボライトPFおよびPC(それぞれ平均粒径1〜5および5〜10μm)を20mass%添加したセメントでは,間接引張および圧縮強さに改善は認められなかった.また,GWを添加したフジアイオノマー^[○!R]タイプIおよびハイ-ボンドカルボセメントの間接引張強さは,未添加に比べ約2倍向上させることができた.
著者
高橋 志郎 新家 光雄 福井 壽男 小林 俊郎 長谷川 二郎
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.577-584, 1996-11-25
被引用文献数
12

種々の熱処理を施した歯科用金銀パラジウム銅合金につき, 引張試験および動的破壊靱性試験を行い, 引張および衝撃破壊特性に及ぼす熱処理条件の影響について検討した.引張強さおよび0.2%耐力は, 溶体化まま材および溶体化時効材とも, ほぼ溶体化温度の上昇に伴い増加する傾向にある.溶体化時効材では, いずれの溶体化温度でも時効温度の上昇に伴い, 引張強さおよび0.2%耐力が増加する傾向にある.一方, 伸びは, 溶体化まま材では, 強度特性値とは逆に, 溶体化温度が高いほど低下する傾向にある.動的破壊靱性値は, 一部の例外を除き, 強度特性値の場合と同様に, 溶体化温度の上昇とともに増加する傾向にある.これは, 本合金の動的破壊靱性値に対して, 延性の低下に比べ, 強度の増加がより大きく寄与したためであると考えられる.動的破壊靱性値は, 溶体化まま材の方が溶体化時効材に比べ大きい.強度, 靱性, 延性バランスを考慮すると, 溶体化温度1073Kの熱処理条件がより適切である.特に, 溶体化まま材で, 溶体化後空冷の熱処理は, 冷却工程が簡便で, 時効工程を省略でき, より有利な熱処理条件といえる.
著者
新井 宏 中村 聡 山下 仁大
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.293-300, 2003-07-25
被引用文献数
13

可視光作動型二酸化チタン光触媒を助剤とした低濃度の過酸化水素水漂白剤を作製しモデル化した着色エナメル歯牙表面を用いて低輝度可視光照射下における漂白の効果について観察した.ハイドロキシアパタイトの焼結体を作製し,得られた焼結体をメチレンブルー水溶液とテトラサイクリン水溶液に浸漬し着色させた.可視光作動型二酸化テタン光触媒含有の過酸化水素水漂白剤を着色したハイドロキシアパタイト表面に塗布し,可視光をLED発光装置により照射した.漂白前後の色調の変化を調べた結果, L*, a*, b* 値は漂白前に比べて変化した.特に青色光や緑色光の可視光を照射するとL*値の増加が認められ非照射時より明度が増すことが分かった.以上のように可視光作動型二酸化チタンを助剤とすることにより,従来よりも低濃度の過酸化水素水漂白剤を用いても可視光を照射することによって着色歯の漂白が行えることが示唆された.
著者
福井 壽男 國井 崇 藤城 吉正 守田 有道 新家 光雄 山田 史郎 長谷川 二郎
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.49-55, 2000-01-25
被引用文献数
6

最近チタン-タンタル系合金が歯科用インプラントや整形外科の範疇で研究されている.この種合金は無刺激性で生体親和性に富みさらに優れた機械的性質と高い加工性を有している.この系の合金化は一般に行われているアーク溶解および高周波誘導加熱方法では難しいといわれている.それはチタンとタンタルでは密度が大きく異なりチタンの4.5g/cm^3に対してタンタルは16.6g/cm^3である.しかもチタンの融点は1, 680℃であるのに対しタンタルの融点は2, 990℃と高くいずれも酸素との反応性が高いためである. 今回我々は85wt%チタン-15wt%タンタルの二元系合金の溶製に高周波誘導加熱方法の一種である浮揚融解法(CCLM)の応用を試みた.浮揚融解法は水冷るつぼに高周波誘導により渦電流を発生させてるつぼに接触しないように合金を浮揚させながら溶解する方法である. この方法で1kgの85wt%チタン-15wt%タンタルの二次元合金の溶製に成功した.この結果CCLMによれば高融点で酸素活性が高く, 密度が大きく異なる金属でも合金化が可能であることが判明した。
著者
平林 茂 中西 敏 立野 治雄 三宅 裕昭 平澤 忠
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.350-358, 1984-05-25
被引用文献数
12

前報でその組成について報告した加熱重合レジン9種, ヒートショックレジン3種, 流し込みレジン6種および常温重合レジン1種の計19種の義歯床用レジンの可塑性, 曲げ強さ, 弾性係数, たわみ, 衝撃強さ, 吸水量, 溶解量および色調安定性などの物理的性質を測定し, 比較検討した.全体的にみて, 重合条件の物性に及ぼす影響は大きく, 加熱重合レジンは流し込みレジンおよび常温重合レジンに比較して曲げ強さ, 衝撃強さが高い.ヒートショックレジンは, ほぼその中間の性質を示す.しかし, 架橋剤として1, 4-ブタンジオールジメタクリレートを含有する流し込みレジンの1種は, 他のトリメチロールプロパントリメタクリレートを架橋剤として含有する流し込みレジンに比較して, 従来の加熱重合レジンに匹敵する程度の良好な機械的性質を示す.耐衝撃性レジンは確かに高い衝撃強さを示すが, 反面, 曲げ強さは低く, たわみも大きい.加熱重合レジン中, 餅状期間が長く, その液に架橋剤として21%の1, 3-ブタンジオールジメタクリレートを含する材料は, 最高の抗折たわみ性を示すが, 衝撃強さは低い.流し込みレジン中, その液に親水性モノマーの2-ヒドロキシエチルメタクリレートを約10%含有する材料は, 吸水性が高く, その結果曲げ強さの低下を来した.従来の圧縮成形法に対し, 射出成形法の硬化したレジンの物理的性質に及ぼす効果は特に認められない.