著者
大和 浩
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.133-140, 2013-10-01

「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に沿って,諸外国では包括的な喫煙対策が進められている.一方,わが国では職場の受動喫煙防止対策さえ十分には達成されていない.労働安全衛生法の一部を改正し安全配慮義務という観点から受動喫煙防止対策を義務化する法律の改正案は,2012年11月16日の衆議院の解散により廃案となったことから見送られた状況となっており,一刻も早い国会への再提案が望まれる.本稿では,企業が自主的に判断して取り組むべき職域の喫煙対策について解説する.
著者
岡崎 龍史
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.85-89, 2013-10-01

日本における放射線障害防止の法律は,昭和3O年に施行された「原子力基本法」が元となる.原子力の研究,開発及び利用の促進のために制定されたが,海外からの放射線同位元素の輸入の増加に伴い,昭和32年に科学技術庁所管で「放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律」,つまり「放射線障害防止法(障防法)」が制定され,昭和33年に施行された.平成24年原子力規制委員会が環境省の外局として発足し,管轄している.労働基準表の面からもさらに充実した規制が生じたため,昭和34年に労働省令第11号として「電離放射線障害防止規則(電離則)」が制定された.これまでにも何度も改正が行われたが,平成23年福島原子力発電所(福島原発)事故に伴い,新たに改正されている.障防法及び電離則を解説し,労災認定について述べる.
著者
大石 真一
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.493-502, 1983-12-01

1810年代から1920年代にかけて, 約三千万のヨーロッパ人がアメリカへ移住した. この夥しい移動の最大原因としては, 急激な人口の増加, 封建的土地制度による圧迫, 経済の近代化の3つが挙げられる. ここでは, これらの三大原因を考察し, さらに, さまざまな個人的理由や宗教的, 人種的差別, さらに少数派に対する差別をも論じた. また, 当時の二大発明であった汽船と鉄道について, その移民に及ぼした功罪に言及した. 移民は本来, 歴史的事象であるが, この小論では, むしろヨーロッパの貧しい人々が, 如何にして移住せざるを得なかったか, その原因について人文学的に考察した.
著者
松浦 孝行
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.381-390, 1982-09-01

素数および整数に関する研究の一資料として, 25億までの素数の分布について調べ, その結果を一部まとめて若干のTableを作成した. Tableは全部で5つあり, それぞれ1千万までの10万区間ごと, 1億までの100万区間ごと, 10億までの1千万区間ごと, 25億までの1億区間ごと, 特定のいくつかの10万区間に関するものである. 表の内容には, 素数の個数, 双子素数の組の個数, 最大の双子素数の組, 120m+1型素数の個数, 最大の120m+1型素数およびTablel・Table2ではその原始根, 連続する2つの素数が切取る最大区間, 10万区間における素数の個数の最大・最小値,10万区間における双子素数の組の個数の最大・最小値, Table5では三つ子素数の組の個数などが含まれている.
著者
佐川 寿栄子 YOUSEF Mohamed K.
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.85-92, 1986-03-01

砂漠は暑熱乾燥の最も厳しい環境である. このような環境で人間が住み働きうる能力は, 体温調節と水分代謝をいかに円滑に行うかに依存しているといえる. ここでは, 自然の砂漠環境で行われた実験に限定して, 人間の汗腺活動と水分代謝に関する知見を概説した. 砂漠では発汗疲労は観察されていない. 総発汗量は脱水または水分および塩分補給による影響は受けず, 年令や人種による差も認められていないが, 男は女より明らかに大量に発汗することが知られている. 口渇を癒す為に飲む水の量は汗の電解質濃度とよく相関している. 砂漠での歩行では, 体氷分の1時間当りの損失が体重の1.5%以下であれば, 発汗によって失われた水分および塩分に相当する量を定期的に補給することにより, 脱水を防ぐことが可能である. しかし体重の3%を越えるような場合には, たとえ水分および塩分を補給しても失われた体水分の50%程度しか回復しない.
著者
賓珠山 務 佐伯 覚 高橋 謙 大久保 利晃
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.219-225, 1992-09-01
被引用文献数
2

全国の専属産業医に質問票を送付し, 過去5年間の従業員の突然死について調査したところ, 241人(回答率61.5%)より回答を得た. 本調査では, このうち, さらに詳細な調査に同意した53名の産業医から報告された143例(男性141例, 女性2例)の突然死症例について, その特徴を記述疫学的に検討した. 発症場所・発症状況では, 自宅または独身寮, 夜間睡眠中がそれぞれ最多であり, 職場, 通勤行程内などの報告例は少なかったが, それが, 重篤な疾病の発症数そのものの差によるのか, あるいはその発症直後に死亡にいたった数の差によるものなのかは, 不明であった. 発症時刻・発症時期では, 月曜の早朝および木・金・土曜,4・11・12月への集中傾向がみられた. 特に, 発症月が職場の繁忙期にほぼ一致しており, 環境要因が発症に関与している可能性が示唆された. 死因は, 心血管系疾患が多かったが, 剖検診断は少数しか実施されておらず, 診断の信頼性は不十分であった.(1992年2月15日 受付,1992年4月27日 受理)
著者
梁 美姫 山村 香織 晏 穎 深町 幸代 平野 雄 川本 俊弘 東 監
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.277-286, 1997-12-01
被引用文献数
1

3'-メチル-4-ジメチルアミノアゾベンゼン(3'-Me-DAB)長期投与により,化学発癌耐性ラット(DRH)および感受性ラット(呑竜)の肝ミクロソームにおけるシトクロームP450の経時的変化を検討した。呑竜ラットにおいては,投与中肝シトクロームP450含量は,減少の傾向を示したが,DRHラットの肝では殆ど変動を示さなかった。次にシトクロームP450のアイソザイムであるCYP1A1,CYP1A2,およびCYP2E1夫々の活性を測定した。その結果,特にシトクロームP450の活性の動向のみで化学発癌に対する感受性を説明し得るほどの顕著な差異は両者の間で観察されなかった。長期投与中における呑竜ラットの肝シトクロームP450含量の減少は,3'-Me-DABによる肝傷害のためと考えられる。
著者
前田 義郎
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.369-380, 2001-12-01

西欧近代とはどのような時代だったか.この問題は近代科学の意味と本質的に関係している.近代科学の成立時には科学革命が起こったが, この革命においていかなる物の見方の変革が行われたのか.そしてこの問いに対する答えは同時に近代哲学の基本性格を決定するものでもあった.アリストテレスの天動説, 運動学を検討すると, 彼の自然学の欠点は, 目に見える感覚像をそのまま実在の反映であると速断したことであることが分かる.この点から, 「対応説」と呼ばれる伝統的な真理観は不十分なものであることを示す.そこで, 私は本稿で「現象の中で実在をどのように観るか」という方法論的, 哲学的問いが重要であることを示す.この問いはプラトンが取り組んだ問いであり, カントを導いた問いでもある.この問いは, 実在の理論としての新たな形而上学的基礎の模索であると言うことのできる.
著者
北條 暉幸 中島 民治 平尾 登美
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.355-357, 1984-12-01

北九州市在住の17才の女子高生, 318名の身長,座高および比座高(身長に対する座高の百分率)を対象に研究した, 計測は, Martin-Saller法に基づいて行われた. 計測値は1973年, 1980年および1984年に計測された3群に分けられ, これら3群間に身長, 座高および比座高の各値に統計的に有意な差がなかった. 比座高は約54%で, この値は3群に共通であるばかりでなく, 若干の中国人, エスキモー人, アメリカ・インディアンおよび北海道アイヌ人に共通である.
著者
BR00KS Chandler McC.
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.469-480, 1981-12-01

人間は一種の動物であり, かつ理性をもった存在である. 生命の倫理はこの二つの側面をもっている. 生物の目的は生存であり, 生存のための条件を満たすことが生物学的な善である. 種の生存のための共同生活の総和として生物界は生態学的なパランスを保っているが, これを破壊する人間の行動は悪である. 生物学的倫理をコントロールするのは理性的倫理である. 常に未来に理想をもつ人間は, 神と人間理性の両者をよりどころとして書悪の観念を発展させてきたが, 現代ではその基準が混乱し, 様々な矛眉を生んでいる. 科学者はもはや常に其理の探究に止まらず, 科学の倫理を追求しなくてはならない. 医師の戒律は古来からいろいろあるが, 現代は昔の理想を忘れて医の倫理を法制化して事足れりとする傾向がある. 人類の最大幸福につながる生命の倫理を確立するためには, その前提として, 個人の責任にもとづいた思想・研究の自由が保障されるべきである.
著者
廣 尚典
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.151-156, 2013-10-01

我が国の産業精神保健活動の歴史を,行政の動向と併せて簡潔に振り返り,今後産業医がそれに対していかなる関わりを持つべきかをまとめた.産業医は,労働安全衛生法規からみても,職場の精神保健活動に関して,幅広い取り組みが求められている.それは精神障害の疾病管理だけに留まらない.精神保健活動のみを担当する産業医を認めることは,現時点では様々な副作用を招きうる.導入の可否に関する慎重な議論が必要である.
著者
青山 雄一 木下 良正 横田 晃 戸上 英憲
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.37-44, 2002-03-01

正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus;NPH)の3主徴のうち歩行障害は,治療効果を推測する上で重要な症状である.しかし,これまで歩行障害の客観的評価やシャント術後の歩行障害の改善度の定量的評価法はなかった.今回我々は,3次元動作解析システムおよびforce plateシステムを用いて特発性NPH患者のシャント術前後において歩行解析を行った.術前,下肢3関節角度パターンは小さく不規則であった.床反力パターンは足底接地によるつま先の踏み込み部分のベクトルピークがない1峰性であった.術後には歩行障害が改善するとともに下肢3関節角度パターンが正常化していた.床反力パターンも足底接地が改善し,踏み出しのピークを持つ2峰性となり,正常パターンに近づいていた.歩行解析を応用することによりシャント術前後の歩行を客観的に評価することが可能であったNPH患者の1症例を報告した.
著者
欅田 尚樹 中島 民治 菊田 彰夫 川本 俊弘 嵐谷 奎一
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.337-348, 2004-09-01
被引用文献数
10

医学教育における系統解剖実習においては,ホルムアルデヒドに高濃度で曝露される可能性がある.解剖学実習における学生および教職員の安全性評価のために,系統解剖学実習時に環境中濃度測定と自覚症状についてのアンケート調査を実施し,解剖学実習の環境改善および防備体制などの充実に繋げる基礎データを蓄積することを目的とした.濃度評価は作業環境測定に準じ, 2,4-dinitrophenylhydrazine (DNPH)含浸シリカゲルカラムに気中ホルムアルデヒドを捕集し,アセトニトリルで溶出後,高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離・定量を行った.解剖実習開始前のホルムアルデヒド濃度の平均値は20〜93ppbであったが,実習開始後は実習の進展に伴い気中濃度は増加し最高時には1012〜1380ppbを示した.自覚症状調査においては,「喉が乾燥する」,「目がチカチカする」,「目がかゆい」,「気分が悪い」,「疲れている」などにおいて,普段に比べ解剖学実習室内において有意に高い訴えを認めた.
著者
岡崎 龍史
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.27-31, 2014-03-01
被引用文献数
1

1895年にレントゲンがX線を発見した翌年には,手の皮膚炎が約60件,また脱毛の報告がされている.慢性放射線皮膚炎はX線管の製作者や医師・技師などX線を職業として扱う人に現れ,これが最初の職業被曝である.その後皮膚がんを含めた晩発障害の発生は医師・技師の深刻な職業病と捉えられている.1910年代に放射線を扱っている人の血液障害,特に白血病の発生が目を引くようになった.1914年頃からダイヤルペインターが夜光時計文字盤にラジウムを混ぜて塗布したことによる骨髄炎が生じている.その他放射線による障害は,1986年チェルノブイリ原子力発電所事故における放射線死や発がん,1999年東海村JCO臨界事故における放射線死などがある.2011年東京電力福島第一原子力発電所事故における放射線障害はまだみられていないが,今後のフォローは必要である.
著者
真喜屋 清 石黒 虎男 高橋 美和子 大橋 昭任 竹下 三喜男 彭城 郁子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.39-46, 1986-03-01

水田皮膚炎の原因となる烏類住血吸虫セルカリアの中間宿主ヒメモノアラガイについて, 乾燥した水田の稲株で越冬する集団, 初夏の水田で越冬貝がら発育した大型貝集団および産卵後に生じた新生貝集団の水田内における分布様式を明らがにすると同時に, 越冬集団の分布を左右する土壌水分量および土壌粒子の組成との関連について解明した. 越冬貝, 大型貝および新生貝の各集団とも水田内では均一に分布せず負の二項型に適合する集中性の不均一な分布をし, 集中度は新生貝>越冬貝>大型貝個体群の順に強かった. 分布様式と集中度から考えると, 翌春水が張られた後稲株から出た越冬貝集団がこの水田の中央部寄りで成熟, 産卵後に分散して行き, 水田周縁部に集まったものと考えられた. 秋の繁殖期に産出された稚貝は, 土壌水分のより多い場所を選び稲株の地下茎に潜入することによって, 乾燥した冬の水田で生きのびるものと考えられ, また,水分の多い場所の土壌はそうでない場所に比べて細砂の割合が高く, 粗砂の少ない組成をしていた.(1985年11月5日 受付)
著者
後藤 智恵 染谷 孝 茅原 四郎 水口 康雄 福長 将仁
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.257-263, 1984-09-01
被引用文献数
1

アクリジン化合物の変異原性と化学構造の関係について細菌と酵母を用いて検討した. 用いた15種の誘導体のうち, ほとんどの化合物がサルモネラ菌にフレームシフトタイプの変異を起こした. 特に9位にアミン基を持つ化合物は活性が高く, 10位のメチル基は活性を強める作用を示した. 一方酵母ミトコンドリアに対する変異活性の誘起には, 3位, 6位のアミノ基, 10位のメチル基が必要であり, 細菌の場合と異なった結果が示された. また簡便法として行われるスポット法では変異活性を検出できない場合もあることが明らかになった.(1984年5月7日 受付)
著者
星 正治 中野 正博 牧 孝 鬼塚 昌彦 長 哲二 上原 周三 小西 圭介 豊原 不可依 名越 智恵子 高本 望 豊島 耕一 吉村 厚 吉永 春馬
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.67-73, 1984-03-01

π-中間子を用いて癌の放射線治療を行う場合に必要な, 照射中に患者の体外がらπ-中間子の停止領域(付与線量のピーク領域)を観測する方法(モニターの方法)を議論した. π-中間子が停止したスターを生成する領域からπ原子X線やχ線,中性子が放出されこれらの放射線は照身中の患者の体外で検出できる. 実験では正常の生体等価物質としての水ファントムを用い, π-中間子の到達深度を変えて照射した. π-中間子による核反応に伴うγ線はNaI検出器と同時計数回路を用いて測定した. こうしたy線測走法は深部線量分布のピークと照射すべき患部が一致していることを確めるのに有効であることが分った. 更に正確に患者の体内での深部線量分布のピークの位置ぎめにこの方法を用いる為には, 多孔コリメーターの付いたシンチレーションカメラなど用いることが有効であることが示唆される.(1983年11月15日受付)
著者
山田 誠二 馬場 快彦
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.77-82, 1990-03-01
被引用文献数
7

日常の身体活動による消費エネルギー量の容易な測定・推定法の確立を目的として, 加速度計を内蔵したカロリーカウンター(Kenz Calorie Counter)を用いて, 男女20名の大学生をトレッドミルにて運動負荷した際の消費エネルギー量測定を行い, 呼気ガス分析法と比較検討した. カロリーカウンターに内蔵されている加速度計は, トレ・ンドミルの速度変化に伴い加速度指示強度が変化するが, 8km/h以上では指示強度が飽和する傾向が認められた. 4-5km/hのトレッドミル速度における運動の消費エネルギー量はカロリーカウンター法ではガス分析法に比べて, 有意に高い値となった. 安静時から9km/hまでのトレッドミル速度の運動では, 呼気ガス分析法とカロリーカウンター法による消費エネルギー量の両者にはよい相関がみられた. 以上より, カロリーカウンターによって歩行・走行を中心とした日常身体活動の消費エネルギー量の推定力可能であることが示唆された.(1989年11月15日 受付, 1989年12月28日 受理)