著者
飯田 晋也 葛 晰遥 三角 春樹 伊藤 直也 山川 正尚
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.444-449, 2021

ガソリンHCCIエンジンの過渡制御MBDのため,MILSプラントモデルに適用するHCCI燃焼モデルを開発した.単気筒エンジン実験と数値解析から,HCCIの燃焼期間が筒内の温度差に由来する着火遅れ差で説明できることを明らかにし,壁面低温部の温度履歴から燃焼終了を特定するため3領域モデルの構成とした.
著者
清水 祐樹 河内 泰司 柿崎 勝
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.595-600, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
10

ドライバの肉体疲労を軽減して快適な運転を創出したい。スポーツ分野の肉体疲労軽減で使用されている温冷交代浴と同様に、シートから温冷風を交互に吹き出す方法を提案した。連続90分の運転(n=7)で提案手法を使用した場合、疲労感の主観評価は低下、皮膚血流は増加、筋硬度は低下し、疲労軽減の効果が示された。
著者
柴田 裕一 鬼頭 壮宜 石田 裕之 後藤 優吾 上條 正義
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.1068-1074, 2020

近年、更なる日没前後から夜間に発生する交通事故低減を目的に、路面にシンボルを投影し歩行者等に車両の挙動を伝える路面描画ランプが検討されている。本論文では交差点左折時に作動するターンシグナルランプ用路面描画を想定し、必要な明るさ及び幻惑光(グレア)の有無を確認した。
著者
関根 康史
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.1309-1314, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
13

現在の国内の貨物輸送のほとんどがトラックによる輸送で賄われており,その安全性を構築していくことは重要である.本研究では,大型トラックの衝突事故に着目し,交通事故総合分析センター(ITARDA)が保有する交通事故統合データから,乗員傷害状況の詳細を事故統計分析の視点から明らかにした.
著者
江本 陸 岡部 力也 永野 秀明 白鳥 英 島野 健仁郎 吉田 真 加嶋 利浩
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.388-394, 2021 (Released:2021-02-19)
参考文献数
11

近年の自動車では乗員とシートの接触部を換気し,接触部位での温冷感を改善するシートベンチレーション機能が普及している.本研究では,被験者実験を実施し,被験者の温冷感向上効果を検証するとともに,シートを通過する空気の温湿度データを用いてシート接触部位における人体の顕熱・潜熱放熱を定量的に分析した.
著者
野田 尚昭 高木 怜 王 彪 王 思瑞 石田 大貴 佐野 義一 宮﨑 達二郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.905-910, 2021

過去の研究では、突合せ継手における接着強度を特異応力場の強さ(ISSF)一定として簡便に評価できることを示した。本研究ではスカーフ継手の種々の形状・寸法における破壊に至る際に接着界面縁部に発生するISSFの解析を行い、スカーフ継手における簡便な接着強度評価方法について議論を行った。
著者
飯島 章 山下 健一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.997-1002, 2012

リング張力低減,ボアとピストンの粗さ低減,ベアリングの幅減少とモリブデンコート,カムシャフトのニードルベアリングを用い,3.0Lディーゼルエンジンの摩擦損失を低減した.ダミーヘッド加工により,リング張力低減によるLOCとブローバイの増加を抑えた.ボアとピストンにモリブデンショットを行い,ボアとピストンの粗さ低減によるスカッフを防止した.ピストンリングにディンプルを施すことで摩擦損失が低減することも確認した.
著者
木村 賢治 池田 幸洋
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.137-140, 2008

一時停止交差点での出会い頭事故を低減する為、一時停止交差点に接近する行動を調べ、ドライバが一時停止に気づき、スムーズな減速を促進する為の情報提供のタイミングを検討した。
著者
川和田 達也 渡辺 亮
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.133-137, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
7
被引用文献数
1

電気自動車の動力源となるバッテリーの劣化は航続距離の減少を招く.本発表では充電中にバッテリーを冷却することで劣化の抑制を試みる.冷却に要する電気料金と劣化抑制によるバッテリーコストの削減からバッテリー冷却の効果を費用の観点から検証し,充電中のバッテリー冷却の有用性を示す.
著者
二藤 優 渡部 誠也 佐々木 信也
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.574-581, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
20

金属ベルト式CVT用潤滑油下で摩擦試験を行い,形成されたトライボフィルムの機械的特性を,ナノインデンテーション装置で測定した.加えて表面分析を行い,トライボフィルムの構成元素および膜厚さを測定した.トライボフィルムの機械的特性ならびに表面分析結果と摩擦現象との関係性について考察した結果を報告する.
著者
山口 恭平 草鹿 仁
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.32-38, 2020 (Released:2020-01-24)
参考文献数
16

気体燃料と軽油による圧縮着火燃焼は低負荷域で気体燃料の未燃排出が増加し熱効率低下を招くことが課題である.本研究では燃焼室形状に着目し,数値熱流体計算コードKIVA-4と最適化手法である遺伝的アルゴリズムを連成した燃焼室形状の自動最適化プログラムにより未燃排出低減を可能にする燃焼室形状を明らかにした.
著者
児玉 勇人 杉谷 浩規 須賀 茂幸 神谷 周
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.542-547, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
11

近年の環境規制・燃費規制に対し,ディーゼルエンジンでは高出力化と高筒内圧化が進められている.軸受としては,鋼裏金と銅合金から成る2層軸受上に,軟質オーバレイを設けた3層構造の軸受が主に使用されているが,オーバレイの耐疲労性が課題となっている.本研究では耐疲労性に優れたエンジン用軸受について報告する.
著者
壁谷 泰典 神谷 周
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.548-553, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
4

エンジンオイルの低粘度化等により,エンジン軸受は,より油膜が薄い状態で使用されるようになってきている.このような状態では,軸受に異物が侵入した場合,焼付き損傷が発生しやすくなる.本報では、新たに開発した耐異物焼付きを向上させた樹脂コーティング付きエンジン軸受の性能評価結果を報告する.
著者
佐藤 稔久 河原 純一郎 熊田 孝恒 赤松 幹之
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1451-1458, 2013 (Released:2018-01-25)
参考文献数
14
被引用文献数
3

長時間運転して疲労を感じている際に,その疲労がさらに大きくなる要因を検討した.ドライバー100名にアンケート調査を行い,高速道路や高速道路走行後の一般道での交通状況等で疲労の蓄積に影響を与える要因を分析した.その結果,5つの因子が抽出された.この因子を基に,ドライバーの感じる疲労のタイプ分類を試みた.
著者
北村 顕一 落合 和樹 小林 俊也 山下 信太朗 大聖 泰弘 草鹿 仁 紙屋 雄史
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.477-482, 2010

実験用の燃料電池とNi-MHを用いたシリーズハイブリッドシステムを構築し,軽量2人乗りの車両に搭載した.主要コンポーネントの性能特性を把握した上で,走行性能と燃費特性を予測する数値シミュレーションモデルを作成し,各種走行条件において車両効率を向上させるための適正な制御条件を探った.
著者
川村 淳浩 佐藤 由雄 及川 洋 長沼 要 山根 公高 高木 靖雄
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.909-914, 2011 (Released:2011-09-01)
参考文献数
9

国土交通省「次世代低公害車開発実用化促進事業」における対象車種のひとつとしてトラック用水素エンジンシステムの研究開発に取り組んだ.高い比出力と低NOx性能を高効率に獲得するために採用した高圧水素ガス筒内直接噴射弁等の各種要素技術や多気筒水素エンジンでの取り組みと,得られた成果や課題等について報告する.
著者
原 哲之理 金子 哲也 景山 一郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.462-468, 2021 (Released:2021-03-11)
参考文献数
17

操舵角に応じて内傾角を与えるPMVは大キャンバ角による横力で旋回するため,旋回時のタイヤ接地荷重中心の横移動を考慮する必要がある.そこでステアリング軸回りモーメントへのタイヤ6分力の影響を整理した上で,旋回時の接地荷重反力による外乱の幾何学的最小化条件を含めて,ステアリング軸諸元の設定方法を求める.
著者
原口 哲之理 金子 哲也 景山 一郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.931-937, 2020 (Released:2020-09-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

操舵角に応じて内傾角を与えるPMVは主にキャンバ角による横力で旋回するため,操舵トルク特性は巻き込み側となり自動車のそれとは大きく異なる.PMVの操舵トルク特性を整理し,低μ路やカウンタステア時の挙動も考察した上で,キャスタトレールと共に仮想横加速度に比例した復元トルクを付加する是正方法を提案する.
著者
三田 修三 長倉 弘幸 勝見 則和 堀田 滋 川合 清行 村上 元一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.799-804, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
8

シリンダボアのクロスハッチ形状を考慮した潤滑モデルを開発し,ピストンリング列-シリンダボア間の摩擦特性予測に適用した.クロスハッチ角の縮小(30°→10°)に伴い,油膜形成が促進されて摩擦平均有効圧が1kPa 以上低減できることを予測し,実部品を用いたラボ計測および浮動ライナ法での実動時測定により効果を確認した.
著者
堀子 喜浩 三好 崇之 山下 徹 小酒 英範 益子 正文
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.881-886, 2012

ディーゼル燃料噴射装置のノズルシート部の摩耗機構の解明のために,市販のコモンレール式燃料噴射装置を基に製作した摩耗試験機を用いて,燃料添加剤濃度,シート部温度をパラメータとして試験を実施し,摩耗量計測,摩耗部の電子顕微鏡による観察,EPMAによる摩耗表面元素分析を行っている.得られた結果より,シート部摩耗機構として,シート面に生成される酸化スケールの剥離による摩耗の可能性を示している.