著者
五十住 巧 田崎 勇一 永野 光 横小路 泰義 亀岡 翔太
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.615-620, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
11

自動車の遠隔操縦では視覚情報をカメラ映像に依存しているため,映像品質(解像度とフレームレート)が遠隔操縦の運転操作にどの程度影響を与えるかを明らかにする必要がある.本論文では,さまざまな映像品質設定の下で実車両を用いての遠隔操縦実験を行い,遠隔運転操作への影響を評価した.
著者
細川 崇 橋本 博 平松 真知子 石田 肇
出版者
Society of Automotive Engineers of Japan
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.877-882, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
8
被引用文献数
1

アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い事故は社会的問題となっているが,そのメカニズムは明らかとなっていない.本研究は,アクセル・ブレーキのペダル踏み間違えについて,高齢者を対象に基礎的検討を実施した.運転姿勢と操作位置の分析により,姿勢変化が踏み間違い発生の一因となることを示唆する結果を得た.
著者
加藤 由博 河上 充佳 槇原 孝文 寺門 晋
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.932-937, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
7
被引用文献数
2

Aピラー・ドアミラーまわりで発生する風切り音を非線形音場方程式を用いた手法で計算した.特に,横風のある場合と無い場合を比較したところ,Aピラー下部およびドアミラーからの音波の強まりが見られた.音波の伝播の様子を可視化したところ,サイドウィンドウへ到達する音波はドアミラー起源の音が主要であった.
著者
秋田 時彦 三田 誠一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.113-118, 2021

実験車に設置したミリ波レーダにて駐車車両と構造物をスキャンし,蓄積した反射強度マップから,独自設計した畳み込み深層学習器にて元の形状を推定した.並列/縦列駐車車両,縁石,壁に対し,クラス識別及び全体形状の推定精度97%以上,駐車車両近傍部形状に対する最大輪郭誤差を平均7.3cm以下で形状復元できた.
著者
山添 孝徳
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.107-112, 2020 (Released:2020-01-24)
参考文献数
14

大都市を中心に広がる大気汚染対策と,気候変動対策として,各国がガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出すなど,電気自動車(EV)が一気に普及していく可能性が高まっているが,EV普及の為の課題の一つとして,充電時間が長いということがある。現状の充電時間は,50kW級の急速充電器を使用して,約30分から1時間程度である。これに対して,ユーザはガソリン給油時間と同等の充電時間 約6分程度を望んでいる為,各充電インフラ会社では350kW級の超急速充電器を開発することを決め,2020年頃から広範囲に設置する予定である。一方,超急速充電を受け入れる方の電池は,充電中に電池温度が上昇し,電池の劣化が加速される懸念がある為,電池の冷却は必須である。 本稿では,超急速充電時に適したEV電池の冷却方式として,相変化材料(PCM)を用いた冷却方式を検討した。その結果、EVに搭載された電池パックを350kWで6分間急速充電した時の,電池パック内セル温度の上昇に対して,セルの通常使用温度の上限60℃以下にする為に,PCMをセル間に配置しセルの熱をPCMに吸収させて温度上昇を軽減させることが有効であることがわかった。100個のセルとセル体積の4%の体積のPCMで構成された電池パックを想定し,セル温度をシミュレーションした結果,環境温度40℃の条件でもセル温度は60℃以下になることを確認した。また,PCMを使用した時の課題であるPCMに溜まった熱の放熱については,急速充電後に走行中の風などで空冷することで,5時間毎に急速充電してもセル温度は60℃以下になることを机上計算で確認した。
著者
相原 建人 渡邊 啓太 土肥 永生 金子 祥平
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1313-1318, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
6

これまでCPVAの性能向上を目的として,CPVAの振動低減性能について解析可能な理論解析法を構築してきた.また構築した理論解析法により性能向上に寄与する振り子重心軌道を提案している.本研究では実際に重心軌道が異なる二つの実機を試作し,性能評価試験を行い理論解析結果と比較することで理論解析法の有効性を検証する.
著者
乾 浩敏 佐藤 栄一 鍛冶 俊彦 重住 慎一郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.545-550, 2015 (Released:2018-01-25)
参考文献数
7

アルミ合金粉とセラミック粒子の混合材からなるシリンダスリーブは,軽量,高出力化に有効である.しかし,母相強化のために添加するCu の影響により,押出し速度向上と薄肉化に限界があった.筆者らは,Cu の添加を廃止し,Fe-Si 系化合物を分散させることで,耐磨耗性,耐焼付き性を損なうことなく上記の課題を解消した.
著者
杉町 敏之 橋本 怜 須田 義大
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.1121-1126, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
3

現在,高速道路の様な限定された交通環境下において一般車との混在での隊列走行システムの実運用が検討されている.従来存在しなかった短い車間距離で隊列を組む大型トラックの車群が一般車に対して悪影響を与える可能性がある.そのため,ドライビングシミュレータを用いて大型トラックの隊列走行の一般車に対する受容性の評価を行う.
著者
阿部 己和 梶谷 満信 瀧山 武
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-6, 2021 (Released:2020-12-24)
参考文献数
10

ガソリンエンジンの安定限界制御に関する研究の歴史は非常に長く、その多くは過去のサイクルの燃焼変動率を制御してきた。しかし、次サイクルの変動率を予測できれば、リーン限界を向上させることができると考える。そこで、本論文では燃焼圧センサーを用いたIMEP変動率の予測方法を提案する。
著者
石川 博敏 鈴木 孝典 倉内 麻美 鶴見 英次 中山 正一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.805-810, 2015

高齢者講習受講者191人の過去3回分の受講結果を用いて,加齢による身体機能や運転行動の変化を分析したところ,視力が良い人ほど,運転適性診断で良い結果が得られていた.また,高齢運転者の車に運転技能自動評価システムを搭載して運転行動データを取得し,同乗教官による運転評価や自己評価と比較・分析した.
著者
青山 宏典 河崎 稔 宮良 直之 杉山 夏樹 安藤 公彦 谷中 耕平 大島 正
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.648-653, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
9

耐摩耗性合金をシリンダヘッドに直接肉盛りするレーザクラッドバルブシートを開発.本技術は,タンブル渦形成と吸気抵抗低減を両立できる革新的なシリンダヘッド設計を具現化し,エンジンの熱効率と比出力を飛躍的に向上させる.加えて,代替燃料にも対応できる新合金とグローバル生産を可能とする高効率な工法を開発した.
著者
伊藤 友文 柴田 康二 森田 英憲 杉村 寛 加藤 春哉 小林 幸司 佐々木 岳嗣
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.137-141, 2021 (Released:2021-01-26)
参考文献数
4

従来のHVエンジン始動時ショック制御は,2つのモータジェネレータ(MG)で独立に駆動系の制振を行い,それぞれの定数を実車で適合してきた.今回,実車レスのモデルベース開発実現の為,2つのMGを協調させ制御系全体を制御するモデルを構築し,制振効果の増大が可能な新制御であるMG協調制振制御を開発した.
著者
中江 雄亮 池田 隼 安木 剛 田中 博 山下 太郎 坪倉 誠 中島 卓司
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1471-1476, 2013 (Released:2018-01-25)
参考文献数
5
被引用文献数
4

車両運動時の非定常空気力は操縦安定性向上に有用である.しかし,風洞におけるこれら空気力の計測や実走行における車両周り流れ場の詳細な計測は困難であり未解明な部分が多い.本報では,CFDを用いて空力パーツ追加による車両運動時の非定常空気力の差異に着目し,その発生メカニズムを解明したので報告する.
著者
岩野 吉宏 Zhou Yuqing 田仲 正明 和田 敦 吉川 勝治 川本 敦史 野村 壮史
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.51-57, 2021 (Released:2020-12-24)
参考文献数
8

三次元的に配向を制御した連続繊維複合材料で自動車のフレーム構造の最適設計と試作を実施。最適設計には異方性トポロジー最適化を、試作にはTFP (Tailored Fiber Place) を用いた。従来は基布が平面であったが、これを三次元的構造に拡張し、最適化結果の試作検証を実施。
著者
神山 洋一 石井 克史
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.919-923, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
4

近年タイヤ気柱共鳴音低減デバイスが商品化されるようになってきた.しかしコスト制約から適用は一部の高級車種に留まり技術の一般化には至っていない.ホイール装着用ヘルムホルツ型レゾネータの普及を目指して,重量コストを50%以上低減する新構造を発案商品化したので,その理論的背景と具現化構造について紹介する.
著者
片岡 拓実 加藤 直也 菊池 隆司 芦原 克宏
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.1521-1526, 2009 (Released:2010-06-18)
参考文献数
13

軸受設計において、最小油膜厚さは最も重要な情報の一つである。油膜厚さ計測手法確立のため、軸受メタル表面に形成した数μm厚の薄膜電極とシャフト間の静電容量から油膜厚さを求める方法を検討し、単体試験機でEHL計算値と一致した。この手法を用いてエンジン実働時の主軸受の油膜厚さを最大負荷条件まで実測した。
著者
岩切 雄二 大塚 正義 柏本 昭信
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.265-270, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
8

入口旋回抑制板が自動車用ターボチャージャの遠心圧縮機性能に及ぼす影響を調査した.入口旋回抑制板により,最高効率とチョーク流量を維持しつつ,ほぼ全ての運転条件でサージ限界流量が低減できる事を実験で示した.また,流れの数値解析(CFD)によりサージマージンが拡大するメカニズムを解明した.
著者
宮元 敬範 横尾 望 中田 浩一 小畠 健 内木 武虎 渡邊 学
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.755-760, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1

エンジン開発において熱効率向上は必須であり,希薄燃焼限界の拡大やノッキング改善が重要となっている.第一報では燃料の分子構造の違いが燃焼速度や燃焼限界に与える影響について論じた.第二報では,更に,燃料分子の探索を行い,燃焼促進を実現したので,その結果と燃料の化学反応特性と燃焼の関係を論じる.
著者
鈴木 桂輔 五藤 光 田中 尚
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.193-198, 2009 (Released:2010-08-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

樹木の香り成分であるα-ピネンを供給した場合のドライバの運転特性について,供給濃度と意識レベルとの相関を分析し,意識レベルの向上効果について考察した.また,この香りを供給した場合と衝突防止警報を提示した場合の運転特性の差異について分析し,予防安全の観点での両者の有効性について考察した.
著者
皆川 正明 高僧 美樹 木村 雅理
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1390-1395, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
7

Masing摩擦モデルは,乗心地NV分野で実部品模擬の手段として不可欠な技術となっている.この他の車両運動性能分野で摩擦現象と関係が深い事象に,電動パワステアリング(EPS)のセンターフィールが油圧パワステアリング(HPS)よりも今なお劣っている問題がある.本論文はHPSを超えるセンターフィールをEPSで実現する為にMasingモデルを応用する方法を提案する.