著者
向井 絵美 伊藤 孝憲 苑 秋一 清水 悟史 加藤 淳
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.453-458, 2022 (Released:2022-03-04)
参考文献数
21

自動車部品の軽量化に関連して各種の樹脂溶着法が注目されている.振動溶着は被着体を接触振動させて生じる摩擦発熱により溶融する方法である.一方,赤外線溶着は被着体を赤外線により非接触で加熱して溶融する方法である.本発表ではこれらの溶着工法を用いたPPS樹脂の接合界面の構造や物性の相違について報告する.
著者
山田 大介 村岸 裕治 久代 育生 中澤 正和 小泉 瑠理子 冨田 健仁 澤村 浩志
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.437-442, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
10
被引用文献数
1

運転者が舵を入れ,切り込んでいく際の操舵反力の知覚量は,操舵トルク,操舵トルクの操舵角に対する勾配の,2つの物理量の組み合わせにより表現できることを明らかにした.さらに,その2つの物理量を用い,操舵反力から知覚量変化を推定する手法を導出した.これにより,運転者の感覚に近い定量的評価が可能となった.
著者
セティアプラジャ ハリ 原 考佑 柴田 元 小川 英之
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.461-466, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
7
被引用文献数
1

ブタノールと非エステル化植物油が高い相溶性を有し,その混合により低粘度の高含酸素燃料が得られることに着目し,そのディーゼル燃焼特性を検討した.両者が体積割合で等量の混合燃料を用い,パイロット噴射と高EGRを組み合わせることで,低黒煙・低NOxで静粛な運転を実現できることが分かった.
著者
田中 宣行 岩出 純 川田 明彦
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.319-324, 2015 (Released:2018-01-25)
参考文献数
9

エンジン高出力化に伴い排気バルブの熱負荷が高くなり,各運転域での温度を正確に把握する必要がある.最高温度のみを計測する硬度法に代わる方法として,可視化法・熱電対法を確立した.可視化法ではNa 封入バルブは熱負荷の高い首部を効果的に冷却できることを確認し,熱電対法と併せて各運転域での温度を明らかにした.
著者
小口 瞳史 荻山 彪吾 三上 真人
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.314-319, 2022 (Released:2022-03-04)
参考文献数
6

ディーゼルエンジンにおいて,燃焼衝撃の伝達経路である主軸受では燃焼衝撃によって粗さ接触が生じることがあるが,粗さ接触圧力の有無によって燃焼起因振動の伝達特性,減衰特性が変化することが筆者らの研究によって示唆されているため,主軸受粗さ接触が燃焼起因振動に与える影響をシミュレーションによって解析した.
著者
島崎 敢 小嶋 理江 新海 裕子 稲上 誠 青木 宏文
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.397-403, 2022 (Released:2022-03-04)
参考文献数
15

タッチパネル式ディスプレイとCGを組み合わせたリスク評価テストを開発し,自己評価機能を加えることにより,セルフモニタリング能力も測定可能なものとした.指摘されたハザードの種類により,成績の低さが何に由来するのかの推定を試みた.一部の実験参加者は補償意図も分析を行った.
著者
相原 建人 樋口 晃一 髙橋 淳平
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.207-212, 2022 (Released:2022-02-11)
参考文献数
6

遠心振り子式動吸振器の性能向上を目的としてこれまでに単体での発生トルクに着目し,理論解析を行ってきた.本研究では実車両における振動低減性能を明らかにするためトランジェントダイナモ試験による性能評価を行った.また試験機に対応した多自由度の理論解析モデルを構築し,実験と比較することでその妥当性を示した.
著者
穗髙 武 酒井 智紀
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1581-1586, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本報では温度を考慮したタイヤ転がり抵抗の補正式を簡易的な手法で実施する為に,従来の転がり試験機とトレッドゴムの材料特性から補正する技術を構築した.その結果として同様の補正が可能であることが確認された.更に将来的なタイヤモデル式への展開を考慮し、タイヤ転がり試験におけるタイヤ熱収支モデルを紹介する.
著者
鈴木 崇士 小山 崇 山守 一雄 植松 裕太 平野 聡伺 石崎 超矢 和田 浩太朗
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1285-1291, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
12

エンジンオイルの基油低粘度化は省燃費に大きく寄与する.一方,軽質な基油が増加するため蒸発起因のオイル消費増加が懸念されるが,蒸発性指標NOACKでは予測が困難な場合がある.本研究では蒸発速度を示す物性値に着目しボア壁温付近における飽和蒸気圧と蒸発起因のオイル消費の相関が高いことを明らかにした。
著者
加藤 真亮 川島 久宜 石間 経章 金井 昌二 関 孝史 関 孝史 鈴木 秀和 小保方 富夫
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.887-892, 2012

ピストンフリクション低減のために,ピストンとシリンダ間における油膜挙動の解析が必要である.透明シリンダを持つ可視化エンジンに対しLIF/PIV法を用いて油膜の厚さと速度の同時計測を行った.実験からオイルリング直下のバレル形状がピストンスカート上の油膜に与える影響を明らかにした.
著者
近藤 孝 望月 計 磯 和彦
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1335-1342, 2021

ダウンサイジングターボエンジン搭載車で「軽快感」という感性目標を満足する取り組みと、それに伴う直列4気筒エンジンにおける「軽快感」についての研究について記した。サウンドの「軽快感」向上のため感性工学を用い、エンジン開発を行った。また先行研究における音質評価指標の「軽快感」との差異を考察した。
著者
松本 進平 和田 正義
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.527-531, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
3

電気自動車普及のためには,低価格化と少ないバッテリ容量でより長距離の走行を可能にするための高効率化が必須である.本論文では,DCモータとCVT(無段変速機)を組み合わせた低価格な省エネルギー駆動システムを提案し,シミュレーションによる妥当性の検証結果を報告する
著者
北田 泰造 口田 征人 林 伸治 酒井 康行 川添 博光
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.253-259, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
14
被引用文献数
1

ディーゼル燃焼計算でパイロットやプレ噴射を行う場合,化学反応計算を使い燃料の低温酸化による発熱を考慮して着火遅れを計算する必要があるため計算負荷が高くなる.そこで,低温酸化反応を考慮すべき条件では化学反応計算を使い,不要な条件では計算負荷が低い化学平衡計算を使う高速化法を独自に開発した.
著者
佐々木 剛志 銭 智定 浅井 大輔
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1235-1240, 2021 (Released:2021-10-22)
参考文献数
10

自動運転の高度化により予期しない動作の解析が困難となるため,多様な走行シーンのデータをクラウドで収集するニーズが高い。収集データの効率的な解析には事前にシーン分類することが有効だが,膨大な工数を要する。そこで,車載カメラ画像から走行シーンを把握するために,自車両周辺の対象物の距離計測手法を提案する。
著者
川口 暁生 小名 国仁 合羽 輝彦 高田 倫行
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.3_119-3_124, 2008 (Released:2010-08-18)
参考文献数
10

CAEを利用した自動形状最適化システムと、品質工学におけるSN比の考え方を融合、ロバスト最適化手法を構築。これをディーゼル吸気ポートに適用、誤差因子として中子型ずれに着目し、このときのスワール安定性をSN比とした。GAによる多目的最適化の結果、流量・スワール・SN比の同時向上が可能であることが示された。
著者
加藤 善一郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.974-977, 2020

開発当時使用されていた銅鉛合金を使用してマイクログルーブ軸受の検討をしていたので、検討結果を報告する。エンジンテストベンチでのマイクログルーブ軸受の磨耗試験で溝の深さに対する幅の比の最適値が明らかになる。適正に設計されたマイクログルーブ軸受の摩擦損失トルクは、平滑軸受と比べてわずかに低減している。その分、オイルクリアランスの上限が縮小可能と考える。適正に設計されたマイクログルーブ軸受の耐久試験で焼付き・疲労など全く見られず摩耗についても良好な結果が得られた。マイクログルーブ軸受の最適な溝寸法は、溝の深さ2.5~4.5μmそして溝の幅0.15~0.25mmである。
著者
木下 義彦
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.142-147, 2019 (Released:2019-01-26)
参考文献数
8

後退してきた四輪車による死傷事故に関してはペダル踏み間違い事故に注目が集まっているが、実はその殆どは普通の運転行動時に発生している。本発表では死亡重傷事故に至りやすい弱者が被害者となった事故に焦点を当てて、国内の交通統計とミクロ事故事例、USにおける特別調査事例を用いて後退事故の特徴を考察する。
著者
八幡 重太郎 増渕 正博
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.5_19-5_26, 2008

入力信号(信号因子)の手動変速機の油温と制御因子(設計変数)の直交表を用いた直積実験で得られた直交多項式の係数の加法性が、低油温,高油温それぞれの油温範囲で成立することから、出力特性が目標曲線を満たす条件式を提案した。提案した条件式を満足する設計変数で確認実験を行い、出力特性が目標曲線を満足していることを確認した。
著者
達 晃一 篠原 直秀 金 勲 鍵 直樹 坂口 淳 飯田 明由 山内 康 安原 幸生 坪倉 誠 内藤 航
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.1013-1020, 2021 (Released:2021-08-16)
参考文献数
10

本研究では、① ウイルスの感染対策を講じる上で必要な現象(換気や飛沫・飛沫核の挙動や表面汚染など)について、実測・実験室実験・シミュレーションを組み合わせて明らかにすること、② 場ごとの経路別リスク評価を行い、場ごとに対策によるリスク低減効果を推定すること、③ 飛沫核に対する対策技術の開発を行うことを目的とする.今回の報告では、①路線バスの換気実態調査結果および③エアロゾルフィルタ(本研究では粒子捕集のフィルタをエアロゾルフィルタと呼ぶこととする)の効果について報告する.
著者
飯田 晋也 葛 晰遥 三角 春樹 伊藤 直也 山川 正尚
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.444-449, 2021

ガソリンHCCIエンジンの過渡制御MBDのため,MILSプラントモデルに適用するHCCI燃焼モデルを開発した.単気筒エンジン実験と数値解析から,HCCIの燃焼期間が筒内の温度差に由来する着火遅れ差で説明できることを明らかにし,壁面低温部の温度履歴から燃焼終了を特定するため3領域モデルの構成とした.