著者
宮島 清富 横山 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.488, pp.33-38, 2002-11-22
参考文献数
7
被引用文献数
1

近年,低電圧で動作する電子回路を搭載した家庭用電気製品やパーソナルコンピュータが広く普及し,雷発生時,配電線やその他から侵入する雷サージにより機器の誤動作や破壊が生じる事例が多数報告されている.しかし,これらの原因となる雷サージの侵入経路や発生頻度,電圧は十分には解明されておらず,落雷との関係も明らかではない.本報告では,落雷が原因と思われる電子機器の故障が高頻度で発生している会社事務所を対象に,低圧配電線から引き込まれる電源電圧の連続測定から得られたインパルス性の過電圧の測定結果とその特徴を明らかにする.そして,落雷位置標定システムのデータとの比較から,雷放電と雷過電圧の関係を明らかにする.
著者
能勢 博夫 水上 雅人 大橋 英史 村川 一雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.434, pp.51-55, 1998-11-27
被引用文献数
1

ファクシミリ、コードレス電話、パソコン通信用モデムのような通信端末機器は通信線及び商用電源線に接続されるため、雷サージ等の過電圧が通信線から商用電源線(又はその逆)へ雷サージ電流が流れ、通信端末機器が破壊されることがある。これに対してこれまでにバイパスアレスター法等の雷防護法が提案されているが、本報告では通信線又は商用電源線を一時的に遮断することにより、雷サージ過電圧による通信端末機器の破壊を防ぐ「雷防護ブレーカ」方式を提案するものである。
著者
池田 諭 森屋 俶昌 プタンナクール パンラウィー ブッチャ チャトリー
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.286, pp.75-81, 1997-09-26
被引用文献数
1

近年, 放送衛星は世界中で広く使用されている. また, 衛星や受信アンテナの技術が改善されたことにより, 小口径アンテナによる受信が可能になった. CN比は衛星放送受信の質を表わす値の1つであり, その値は伝搬状態の様々な影響により変動する. 特に雨による影響は大きいが, 他の現象として, 今回の観測で太陽雑音妨害によるCN比の低下の影響が, 最高で約5[dB]という値が観測された. 太陽雑音妨害は受信アンテナ, 衛星, 太陽が一直線に並んだ時に, 太陽雑音が受信アンテナのメインビームに入ることにより雑音温度が上昇しCN比が低下する現象である. この現象は年2回起こり, 受信状態(特に受信アンテナの口径), 受信地などの条件により異なるが春分の日, 秋分の日の近辺で数日間観測される. 今回の研究では, 正確にCN比の変動時間を測定するために, 時間に対し連続した値で測定できるCN比測定器を用いて観測した.
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 木下 敏雄 安藤 秀哉 亀島 昭徳 鈴木 喬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.94, no.229, pp.49-56, 1994-09-13
被引用文献数
20

1996年1月を期限とする各国の法制化に向けて、CISPRは最新版のpub.16-1(1993)「無線妨害とイミュニテイ測定装置」を公開した。その内容を検討したところ、"測定アンテナの種別と性能の規定""NSA(正規化サイトアッテネーション)規格表"をはじめ、多くの誤りや内部矛盾の存在が判明した。本論文は、勧告の承認に伴う国内と国際的な混乱を避けるため最小限必要な改訂提案ならびに、直ちに実行できる効果的な改善方法として、「NSG(正規化サイトゲイン)の導入」、「自由空間型サイトの採用と適合性判定基準」の追加提案を行った。
著者
浜田 哲也 渡辺 聡一 田中 利幸 多氣 昌生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.37, pp.15-21, 1997-05-14
被引用文献数
17

携帯電話使用時を想定したマイクロ波の近傍界曝露における頭部SARに対する人体頭部形状の影響について検討した.単純な形状の頭部モデルとして,球と立方体を想定し,それぞれの頭部モデルの局所ピークSARに対する組織の電気定数および携帯電話モデルの形状への依存性を示した.さらに,単純な頭部モデルとこれまでに報告されたリアルな頭部モデルの局所ピークSARを比較した.その結果,球と立方体の形状の違いが局所ピークSARのアンテナ〜頭部間距離特性に影響を与えることが示されたが,携帯電話モデルが頭部に非常に接近する場合には,球モデルと立方体モデルでの局所ピークSARはほぼ同程度であった.これらの単純なモデルで得られた局所ピークSARは耳がないリアルな頭部モデルで得られた局所ピークSARともほぼ同程度であった.
著者
村上 真之 池田 博康
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.205, pp.43-48, 2011-09-05

高出力のモータで駆動する生活支援ロボットが企業で開発されるようになり,実用化に向けた安全面における取り組みが求められている.人の生活空間を移動するロボットの誤動作の危険性を考えると,安全とEMCの観点から,ある程度厳しい電磁環境下においてもロボットが安全状態を維持することの検証が必要である.機能安全に基づく移動ロボットのイミュニティ評価を計画し,緊急停止や対人衝突防止などロボットの安全機能を作動させる試験治具を作製した.電磁妨害を与えながら,緊急停止ボタンを押し,あるいは,ダミーを接近させてロボットが安全状態にあるかを確認するという手法を放射イミュニティ試験の基本法に従い実践した.
著者
TECHAUMNAT Boonchai 濱田 昌司 宅間 董
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.247, pp.85-90, 2000-07-25

曲面形状の人体モデルを用いて商用周波の一様磁界の誘導電流を計算した。計算方法は境界要素法である。人体モデルは二次の曲面要素で構成した。一様導電率の場合を含め、臓器の導電率を4通りに変えて検討した。一様導電率のモデルでは縦方向の磁界による最大誘導電流密度は前と後ろの体表面の近くで生じ、横方向の磁界による最大誘導電流密度は左右の体表面の近くで生じる。人体モデルの姿勢の影響を検討したが、誘導電流はほとんど変わらない。臓器のあるモデルの計算結果は多くの場合に臓器の誘導電流密度と他部位の導電率との比が導電率の比に比例する。
著者
太田 光雄 三谷 康夫 中迫 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.163, pp.75-82, 1996-07-19

本報告では, D. Middletonの確率的評価理論との具体的関連性に着目し, 自乗平均操作をもつReceiverにより観測されたパワー状態変量に対する確率表現を多次元信号空間内におけるN次元ランダムウォークモデルのもとに, 高次ハンケル変換型特性関数を導入して考察する。本理論の正当性は, スペシャルケースとしてD. Middletonの基礎理論との一致性を示すことにより証明される。更に, 波動環境の確率評価の問題として, 電磁環境や音環境の実測データにも本理論を適用し, その有効性を実験的にも検証する。
著者
茅野 功 薮本 道人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.107, pp.51-56, 2007-06-15

電磁界の人体に対する健康影響評価は社会的急務であるが,ぱちんこ遊技場は複数の同一電子機器に全面を取り囲まれる特殊な環境にあり,このような特殊な電磁環境における生体および体内理込型医療機器への影響については検討されていない.そこで本橋では,この影響評価のための一指標として回胴式遊技機に焦点を当て,5機種の遊技機から放射される中間周波磁界および高周波電磁界の測定を行った.その結果,中間周波領域では最大で卓上電滋調理器の約1/6の磁界を放射しており,また高周波領域においてもVCCI(Class2)の規定値の6.3倍を超える電磁界を放射している機種が紅った.この原因と対策法について,遊技機の電飾や演出表示に関わる装置の配置に焦点を置いて考察した.
著者
廣見 多恵 仁田 周一 武藤 篤生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.611, pp.13-20, 1996-03-27

ヒューズは回路に過電流が生じた際洛断し, 回路を熱から保護するために挿入されている重要な保護回路である.回復可能なブレーカーが普及してきた今日でも未だに精密な機器に利用されている.ヒューズに関する研究は今までも多数行ねれており,それに従ってヒューズに関するJIS規格も多数ある.しかしそれらは基準時間以内にヒューズが溶断する事が主な項目である.また,溶断時に発生するアーク放電に関しては,消弧技術に関する研究はなされているが,アーク放電発生の機構に関する研究はなされていない. しかし実際にはヒューズが洛断する際アーク放電が発生し,電流が短時間で遮断出来ないばかりか,激しい電圧変動が生じる.それが本来保護すべき回路に悪影響を及ぼす可能性がある.本研究では,ヒューズが溶断する際に生じるノイズの発生機構の研究とそれが回路を含むシステムに及ぼす影響を観測し,ヒューズを使用する際にJISで定められている規定以外に留意しなくてはならない点を提言することを目的としている.
著者
長岡 智明 渡邊 聡一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.97, pp.83-88, 2008-06-13
被引用文献数
8

近年,様々な高分解能数値人体モデルが開発され,それらのモデルを利用した数値シミュレーションにより,人体に対する電磁界の曝露評価が盛んに行われるようになってきた.NICTでも2mm分解能を有する日本人を対象とした数値人体モデルを開発している.これらのモデルは概ね3GHzまでの曝露評価に利用可能であるが,今後,無線通信機器は3GHz以上の高周波帯電波の利用が見込まれることから,これらの周波数に対応した超高分解能数値人体モデルを整備する必要がある.そこで以前から,筆者らは平滑化を伴った任意分解能モデルへの再構築を可能とする高分解能化手法を提案している.本稿では,この高分解能手法をNICTで開発している3歳児数値人体モデルに適用した0.5mm分解能モデルを用いて,1GHzから10GHzのE偏波およびH偏波平面波が人体の前方から後方に伝播した場合の全身平均SARをFDTD法により推定した.
著者
橋本 修 角 和俊 横川 英広 伊藤 晶彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.90, pp.53-59, 2001-05-18
被引用文献数
11

抵抗皮膜を用いたλ/4型電波吸収体は, 構造が簡単でしかも設計等が容易にできることから, 室内無線LANなどの利用を考えた場合, その利用が期待されている. しかしながら, このタイプの電波吸収体は, 使用するスぺーサ内の波長の1/4より薄くできない欠点がある. そこで, 本研究では, λ/4型電波吸収体のスペーサ部にFSS (Frequency Selective Surface)を吸収膜としての抵抗皮膜と並列に挿入し, スペーサ内の位相を変化させることにより, 吸収体の厚みを薄くすることを試みた. この場合, 設計周波数領域における使用するFSSのインピーダンスを把握する必要があるが, 本研究では, 測定したFSSの透過特性からFDTD法を用いて, インピーダンスを求め, これを電気的等価回路に代入することにより, 吸収特性が最大となるFSSの挿入場所や抵抗皮膜の面抵抗値を決定した.
著者
田口 誠 濱住 啓之 伊藤 泰宏 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.579, pp.29-32, 2007-03-02
被引用文献数
3

緊急警報放送とは、これに対応した受信機を自動的に起動し、地震や津波などの災害情報をお知らせする放送システムである。この仕組みは、地上デジタル放送におけるワンセグサービスにも備わっている。緊急警報放送によってワンセグの受信端末を自動的に起動するためには、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号に含まれる緊急警報放送用起動フラグを常時監視する必要があるため、そのための回路の付加によるワンセグ端末のバッテリの消耗を低減することが課題となっていた。今回、従来からOFDM信号の復調に使用されている高速フーリエ変換を使わずに、緊急警報放送用起動フラグが含まれるTMCC信号を簡易な回路で復調およびダイバーシティ合成することで良好な受信特性が得られることを確認した。また、ワンセグのチューナ部を起動フラグの受信タイミングに合わせて間欠的に動作させることで消費電力を低減できる見通しを得た。
著者
今村 浩一郎 竹内 知明 横畑 和典 成清 善一 濱住 啓之 渋谷 一彦 石井 真 安藤 嘉高 江口 直孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.643, pp.27-30, 2006-03-02
被引用文献数
4

地上デジタル放送を円滑かつ低コストで全国展開していくために,NHKでは,SFN放送波中継で問題となる送受アンテナ間での電波の回り込みによる干渉妨害を除去する回り込みキャンセラの研究開発を続けてきた.今回,開発した回り込みキャンセラを岐阜県の長良中継局に導入し,2005年12月26日の本放送開始日に実際に運用を行った.本報告では,本放送開始前の試験電波発射期間中に測定したSFN放送波中継の伝送特性について述べる.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.464, pp.1-6, 2010-03-05
被引用文献数
2

ハイビジョン映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラの研究を進めている.これまで,伝送容量の増大と回線信頼性の向上を目的として,ミリ波帯(42GHz帯,55GHz帯)の電波とを受信ダイバーシティ技術含むMIMO-OFDM伝送技術を用いたワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を行ってきた.そして,屋内撮影用・屋外撮影用のミリ波モバイルカメラを試作し,複数の番組撮影で使用した.今回,使用された番組の中からオープンゴルフ選手権,第60回NHK紅白歌合戦,ジャンプスキー競技の撮影で使用したミリ波モバイルカメラのシステム構成と運用方法について報告する.
著者
三科 正樹 杉浦 彰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.527, pp.7-14, 1997-02-20
参考文献数
8

本研究では、普遍同期方式の微弱電波スペクトル拡散通信方式を用いて、混信の少ない空きTVチャネル帯域の有効利用を検討する。ここでは、放送波中のカラーバースト信号を用いた普遍同期方式を提案し、試作装置により2チャネル帯域を用いた双方向通信を実現する。初めにCATV等の有線系を想定して実験を行い、つぎに無線系において室内電波通信について評価を行う。試作装置を用いて微弱電波データ通信を評価した結果、基準信号送信方式と比較した場合で、約12dB妨害余裕度が向上した。
著者
小関 勇気 園田 潤 昆 太一 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.131, pp.37-42, 2011-07-07
参考文献数
26
被引用文献数
7

地中レーダGPRの順・逆問題シミュレーションには,FDTD (Finite-Difference Time-Domain)法が広く用いられるが,計算時間が増大する問題がある.計算時間の問題が解決できれば,シミュレーションによるリアルタイム地中構造推定などが可能になり,GPRの精度向上が期待できる.近年のGPU (Graphics Processing Unit)の高性能化に伴い,GPUによるFDTD法の高速化の研究が行われている.GPUを用いることでCPUに対し数十倍高速に計算できるとの報告もあり,GPRシミュレーションの高速化にも有効な手法であると考えられる.そこで本論文では,GPU実装によりFDTD法によるGPRシミュレーションの高速化を検討する.本論文では,FDTD法のGPU実装における共有メモリやキャッシュの効果と,Mur一次吸収境界条件付きFDTD法のGPU実装における高速化について議論し,二次元および三次元GPRシミュレーションのGPU実装による高速化について示している.
著者
徳田 正満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.93, no.68, pp.57-64, 1993-05-27

1993年3月9日〜11日に開催された第10回国際チューリッヒEMCシンポジウム・展示会に関する警告であり,シンポジウムで発表された一般論文の一部について,その概要を紹介している。紹介しているセッションとしては,「マイクロエレクトロニクスにおけるCADEMC設計」「近傍果効果」「試験サイトにおけるエミッション試験法」「雷による電磁界バルスとEMC」「プリント回路基板の設計とEMC上の制約」「線路における結合と伝搬」「大規模システムにおけるEMC解析」「EMCに関する装置と測定」「外部電磁界と結合」「TEMセル」であり,それらのセッションの中の大部分の講演を紹介している。
著者
杉浦 行 上 芳夫 雨宮 不二雄 山中 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.167, pp.23-28, 2007-07-20
被引用文献数
12

我が国では,平成17年の総務省「高速電力線搬送通信に関する研究会」及び平成18年の「情報通信審議会・CISPR委員会」において,家屋内の電力線の電気的特性,短波帯の電波伝搬特性,建物の電磁波遮蔽特性などの研究が精力的に行われてきた.その結果を踏まえて,平成18年6月に,高速電力線通信装置に課すべき許容値と測定法が上記審議会から総務大臣に答申され,これに基づいた法令が,平成18年10月に告示された.そこで,これらの許容値および測定法の根拠について概略を紹介する.
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 木下 敏雄 安藤 秀哉 亀島 昭徳 鈴木 喬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.94, no.229, pp.57-64, 1994-09-13
被引用文献数
24

CISPR22の最新版(1993)が公表された。ところが、この内容には、「妨害波限度値の規定が、浮動的で、ITE設置高により10dB以上の偏差が生じる」「NSA規格の算出方法が不適正」、「限度値の距離換算法に誤りがあり、6〜8dB誤差が伴う」という重大な欠陥がある。これらは、CISPR16-1による『金属床面を構成要件とする標準サイト』のかかえる宿命的欠陥で、サイトの伝搬型式を一歩でも《自由空間》に近付けなければ、解決できる問題ではない。本論文は、CISPR22(1993)の内包する矛盾を明らかにし、既存のCISPR型サイトの救済方法を示すと同時に、抜本的な解決策として、「完全電波暗室」、「オープンフリーサイト」等の《自由空間型サイト》を"標準サイト"として公認するように提案するものである。