著者
相馬 一友 池田 哲夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.105, pp.1-6, 1997-06-19
参考文献数
4

近年, 1GHz以上の周波数利用が盛んになり, 種々の応用が考えられている. 従来から用いられていた電子レンジはISMバンドである事とその近傍の周波数での応用がそれほど考えられていなかった事により, 基本周波数ならびにマグネトロンの不安定性によるその近傍の周波数, 高調波等の漏洩電磁波の存在にはそれほど厳密な注意が払われていなかった感じがある. しかし, PHSなどの通信システムが導入されるにつれ, 問題点も明らかにされつつある. そこで, 本報告では, 電子レンジとPHSが非常に近くで用いられた場合の影響を, モデムによるデータ伝送で評価しようとするものである. 距離30cm程度で動作させると, 回線が接続されない場合がある事を, 実験的に明らかにした.
著者
安斎 弘樹 白幡 大樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.454, pp.17-21, 2005-12-02
被引用文献数
3

北海道や東北地方、本州の日本海側では冬になると降雪が多い。これに関連して除雪作業中の事故や、路面凍結によるスリップ事故が発生し、人命に関わる問題が起きている。そのため、融雪装置や融雪剤によって路面凍結等の防止が図られているが、コスト面、環境面等、施工する際の様々な問題があり、大幅な利用拡大に至っていない。そこで本研究では路面(道路、階段、駐車場など)の融雪に重点を置き、マイクロ波融雪装置の測定や電力試算を行い、マイクロ波融雪装置の可能性を検討した。その結果、十分に融雪能力がある事がわかった。
著者
北川 勝浩 大石 雅寿
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.533, pp.1-6, 2008-02-29
被引用文献数
10

我が国の広帯域電力線搬送通信設備(PLC)の漏洩電界は周囲雑音以下を謳いながら、それを30dB超過する。この原因を探るために、漏洩電界(REF)強度、PLCおよび引込線のディファレンシャルモード電流(DMI)、コモンモード電流(CMI)を測定し、以下のことを明らかにした。PLCのDMIはCMIより40dB大きく、REFへの寄与も支配的である。屋内から引込線へのDMI減衰は0〜30dBで、引込線のDMIはほぼ100%CMIとなり、主要なREF源となる。電界強度またはDMIによる規制とブロッキングフィルタが必須である。
著者
内藤 悠基 矢矧 宗一郎 須賀 良介 橋本 修 松沢 晋一郎 塚田 浩司 田中 宏哉 服部 佳晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.423, pp.69-73, 2014-01-23

近年,自動車のHV,EV化に伴い,自動車の電子機器から発生するノイズが自車のAMラジオの受信妨害になることが懸念されている.電子機器からのAMラジオ帯の漏洩磁界の抑制には,電子機器の筐体を模擬した3次元構造の磁界シールド特性の評価方法が不可欠である.本研究では,金属筐体に開口を設けた場合のAMラジオ周波数帯における漏洩磁界の解析モデルを提案する.まず,筐体を構成するアルミ板とコイルのモデル化を検討した.次に,これらのモデルを電磁界解析シミュレーションに取り入れ,磁界シールド特性を評価した.その結果,シールド効果の周波数依存性は,測定結果と定性的に一致することを確認し,本モデルによりシールド特性を評価可能なことを明らかにした.
著者
戸高 嘉彦 近藤 昭治 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.488, pp.13-20, 2002-11-22
参考文献数
6
被引用文献数
27

板状試料の複素誘電率、複素透磁率を効率よく測定する手段として、フリースペース・S-パラメータ法が用いられる。しかし一般的に,アンテナを使用したフリースペースは,サンプルホルダを使用した場合に比べて測定誤差が大きくなることが懸念される。このたび高精度アンテナ・ポジショナ,誘電体レンズ付きホーンアンテナを開発し,フリースペース法において板状誘電体試料を高確度で測定できることを確認した。
著者
和田 真一 越田 圭治 園田 健人 峯岸 寛人 菊地 光男 久保田 洋彰 澤 孝一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.144, pp.37-42, 2008-07-11
被引用文献数
7

電気接点に実用的振動を与えうるハンマリング加振機構を開発し,微小振動が接触抵抗に与える影響を考察できる可能性を検討した.外部入力として,単位ステップ関数を導入し,本加振機構の数学的モデル化を実施しPCによるシミュレーションを行なった.このモデルを用いて変位・加速度・力学的エネルギーなどの基本的な力学量に関する考察を行なった.有限要素法(ジオメトリ要素法)により,加振動作をシミュレータとの比較により,基板を固定している固定端近傍の挙動や変位・加速度の絶対値において差異はみられたものの,波形の概形においてよい一致をみた.
著者
鵜生 高徳 宮本 雅規 市川 浩司 中村 克己 松井 武 馬淵 雄一 三島 章 小林 金也 中村 篤 林 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.488, pp.55-60, 2003-11-28
被引用文献数
2

自動車向け電子制御装置(以下、車載電子機器)の電源系ノイズシミュレーションに向けて電源系及び発振回路部についてモデル化の検討を行った。その結果、電源系についてはこれまで提案されてきたモデルに対して、モデル電源系端子間に複数の電源回路を持つ多電源モデルが有効であるとの結論を得た。また、発振回路系については線形モデル回路の提案を行った。これらについて実際のICを用いてモデルを作成し、VHF帯でその精度を検証することでその有用性を確認した。
著者
柳谷 真由美 森 敏則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.286, pp.41-46, 1997-09-26
参考文献数
6
被引用文献数
2

電気ケーブルからの放射ノイズの低減を狙いとして高透磁率・高損失な金属磁性箔を付加したケーブルを作製した. 磁性箔を付加することによってケーブルに生じる伝送損失の測定を行なった. その結果, 心線の外側に直接磁性箔を巻いた時の伝送損失は周波数の増加とともに増え, 300MHzにおいて最高11dB/3m となったが, アルミテープを磁性箔と心線の間に巻くことによって, 通常の磁性箔無しのシールドケーブルと同等の伝送損失となることが分かった. また, 磁性箔だけでは外側の心線と内側の心線の伝送損失の差が大きくなるが, アルミテープを心線と磁性箔との間に巻くことで心線位置による差が小さくなることも分かった. この原因としては, 心線近傍の磁界がアルミテープの渦電流損失によって弱められるため, 磁性箔がケーブル心線に付加するインピーダンスが小さくなることが影響していることを示した. また, 高透磁率・低抵抗率の磁箔を使用した場合は, 1層目の磁性体により渦電流損失・反射が起こるため, ケーブルに多重に巻き付けても伝送損失増加に対する影響は大きくないことを明らかにした.
著者
小林 瑞樹 林 優一 本間 尚文 水木 敬明 青木 孝文 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.266, pp.11-15, 2014-10-16

これまで意図的な電磁妨害については,注入する妨害波の周波数とその強度のみに着目しており,妨害波を注入するタイミングについては十分な検討が行われていない.これに対し,本稿では,タイミングを制御した数V程度の妨害波を注入し,機器内部で特定処理が実行されたタイミングで電磁妨害を行った場合,機器に発生する故障について検討する.本検討では,機器の内部で実行される処理として暗号処理に着目し,その処理に応じて機器外部に伝搬するコモンモード電流を観測することで妨害電磁波を印加するタイミングを取得し,これを基に数百MHz程度の正弦波を数V程度の強度で電源ケーブル上に印加する.実験では,評価対象機器の内部に実装された暗号モジュールにおいて暗号処理を実行し,機器に接続された電源ケーブルから暗号処理に応じて発生するコモンモード電流をカレントプローブにより観測する.この様にして得られたコモンモード電流をトリガ信号として用い,妨害波を注入するタイミングを制御する.上述の手法を用いて意図的な電磁妨害を行った結果,暗号処理が実行されるタイミングにおいて高い確率で故障が発生することを確認した.また,故障により生ずる誤り出力から,暗号化に用いる秘密鍵が漏えいすることも確認した.
著者
豊田 啓孝 渡辺 哲史 五百旗頭 健吾 古賀 隆治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.300, pp.33-38, 2010-11-12
被引用文献数
8

送受信器が平行ケーブルで接続された3導体系の伝送線路が,システムグラウンドからある一定の距離を隔てて設置されている場合を対象として,モード等価回路を構築した.実電圧・電流の直交モード分解に基づき導出された直交モードの変換行列は,モード電圧間,モード電流間のみのモード変換を表現する.電流配分率の異なる線路を接続した場合では,線路の接続位置にモード変換電圧源やモード変換電流源を挿入することに相当する.モデル評価では,誘電体を含まない導体のみからなる簡単な系を対象とした.提案法では,ノーマルモード等価回路,コモンモード等価回路を別々に構築し,モード変換電圧源やモード変換電流源に両者を結び付けることで回路シミュレータを用いて解くことができる.解析対象を結合伝送線路と考えて回路シミュレーションで解いた場合とは非常によく一致した.さらに,フルウェーブ計算で得られたモード電流のスペクトルとも概ねよく一致した.フルウェーブ計算ではTEMモードが前提ではないため,TEMモードからのずれが計算結果に影響することを確認した.
著者
宗 哲 朝倉 安彦 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.510, pp.91-95, 2000-12-08
参考文献数
12
被引用文献数
5

我々はすでに, エポキシ樹脂に酸化チタン32phrおよび炭素粒子1phrを含有した損失材料を用い, 50〜110GHz帯において, ミリ波用電波吸収体を実現している.本研究では, この材料を用い, さらに5GHz帯において複素比誘電率を測定し, 電波吸収体を実現することを試みた.この結果, 5GHz帯においてもその複素比誘電率は, ほぼ無反射曲線上にあることを確認するとともに, その結果から設計・製作した電波吸収体は, 暑さ3.82mmにおいて, 最大吸収量40〜45dB程度, およびTE・TM両偏波に対し, 0°〜35°程度の入射角度範囲において, 20dB以上の吸収量を示すことが確認できた.
著者
加川 義久 高 義礼 藤原 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.107, pp.45-50, 2007-06-15
被引用文献数
1

帯電人体からの放電電流の発生機構解明を目的として,1kV以下の帯電電圧において,金属棒を握った帯電人体からの放電電流を50ΩSMAコネクタを介した6GHzディジタルオシロスコープで測定し,放電電流波形のピークと立ち上がり時間の帯電電圧依存性を調べた結果,600V以下の帯電電圧では金属棒の接近速度に拘わらず,電流ピークは帯電電圧にほぼ比例すること,電流波形の立ち上がり時間は70ps程度とほぼ一定となること,などを先に報告じた.本文では,引き続き帯電人体の指先接触で生ずる放電電流を12GHzディジタルオシロスコープで測定し,電流波形の帯電電圧依存性を明らかにした.まず,観測電圧波形と測定系に注入される放電電流波形との関係をあらわす伝達インピーダンスの測定法を示し,300kHzから18GHzまでの周波数特性を測定した結果,100MHz付近までは(50+jO)Ωとみなせるが,7GHzと15GHz付近に共振現象が現れることがわかった.しかしながら,この伝達インピーダンスからターゲットへの注入電流を推定すると,その波形は,観測電圧波形を50Ωで除した波形とほぼ一致することを確認した.つぎに,人体の指先接触で発生する放電電流を帯電電圧との関係において測定した結果,数百ボルトの帯電電圧では多重放電が頻繁に観察されるのに対して,1kVを超えると金属棒の場合と同じく1回の放電で終了する傾向がみられたこと,電流ピークは1kv程度までは帯電電圧とともに上昇するが,それ以降ではなまること,立ち上がり時間は帯電電圧と共に緩やかになること,接近速度が大きいほうが電流のピークは高く,立ち上がり時間は短いこと,などがわかった.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣 杉之下 文康 山中 徳唯 小木曽 圭一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.482, pp.61-66, 2009-03-06
参考文献数
10

筆者らは、ミリ波帯を用いたスタジオ用のハイビジョンワイヤレスカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を進めている。このカメラには、高い回線信頼性を有した、高画質・低遅延でのハイビジョン映像の無線伝送が要求されている。今回、1フレーム以下の低遅延でハイビジョン映像を伝送することが可能な42GHz帯を用いたミリ波モバイルカメラを試作した。そして、2008年12月31日にNHKホールで開催された「第59回NHK紅白歌合戦」の番組撮影において、初めて使用したので報告する。
著者
菅野 伸 斉藤 良訓 富永 哲欣 小林 隆一 多田 康彦 山根 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.81, pp.29-33, 2005-05-19
参考文献数
6
被引用文献数
7

従来の蛍光灯器具は、グローランプ等方式による点灯方式であって、発生する電磁妨害波も小さかった。最近はインバータ方式蛍光灯が主流になりつつあり、ここでは、これらの方式による妨害波特性を評価した結果についてもインバータ方式では、定常状態の放射妨害波レベルが従来方式より30dB程度、また, 定常状態の伝導妨害波レベルも20dB程度、さらに、スイッチ操作により発生する過渡妨害波電流についても40dB程度大きいことが分かった。また、通常、複数台で同時に使用される機器であることから、動作台数の増加による妨害波レベルの変化について測定結果例を示す。
著者
杉村 直紀 原田 和郎 石原 好之 戸高 敏之 難波 嘉彦 吉田 和久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.25, pp.7-12, 2002-04-12
被引用文献数
2

将来、電磁波低減型照明器具の開発を解析シミュレーションにより行えるようにするため、本報告ではそのモデル化技術について述べている。さらに、その技術を使った電磁波低減型照明器具の検討の一例を紹介し、実測にてその妥当性を検証した。最終的には0.05〜0.50MHzの周波数範囲で約3dB以内で高精度な解析モデル化技術が開発された。
著者
高橋 成明 浅野 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.469, pp.23-30, 1999-11-26
被引用文献数
4

電動車いすが電磁波により誤作動を起こす事例が報告されている.本報告では,電磁波により電動車いすが誤作動を起こす原因を究明するために,放射イミュニテイ試験と携帯無線機を用いた近接照射試験を行った.イミュニテイ試験の結果,電磁波照射で車輪回転速度が減速する現象が観察され,これがハーネス部から速度制御回路への高周波の侵入で生ずることがわかった.次に,ハーネス部への無線機近接照射試験で電動車いすの正常作動時と誤作動時の速度制御回路内の制御電圧を比較することで誤作動原因の特定を試みた.その結果,制御回路へ基準電圧を供給している電圧フォロワOPアンプと制御回路を構成するスナバ回路のダイオードが高周波の侵入で直流出力の低下を起こし,基準電圧の低下による安全回路の作動及び速度制御電圧の低下により減速する(安全回路は,異常が起きた場合には減速する設計となっていた)ことが判明した.
著者
金 安植 有澤 準二 三澤 顕次 木村 主幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.441, pp.37-44, 1996-12-21
参考文献数
10
被引用文献数
4

本報では変動磁場による金魚の行動と体色に及ぼす誘導電流の影響について検討を行つた。具体的には、これまでに報告している150mT静磁場と62mT、10, 30, 50, 70Hz磁場の曝露影響を踏まえ、ここでは70Hz, 62mT磁場の金魚の遊泳行動に不統一な影響が周波数そのものの影響か、または磁場強度による誘導電流の大きさによるものかを確かめるため、磁場強度を26mTに低下させ、行動観察を行った。その結果、磁場曝露期間中の金魚の遊泳行動に抑制が観察された。その一方で、曝露後の金魚に体色の変化が見られ、この原因が誘導電流にあるのではないかと考えられたため、金魚の形に近い楕円回転体モデルから誘導電流を試算した。また、その誘導電流値と同値の交流電流を金魚に流し、その体色変化を観察した。さらに、150mT静磁場での金魚の行動が亢進された原因についても詳しく検討した。
著者
管野 伸 力石 悟 秋山 佳春 徳田 正満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.134, pp.9-14, 1995-06-29
参考文献数
5

IECの基本イミュニティ規格のうち、定常正弦波(CW)を妨害波に用いた基本イミュニティ規格を、蓄積プログラム制御方式が主流である大型通信装置に対して、26〜80MHz帯において、複数の強度妨害を用いて、障害発生周波数の試験法依存性及び妨害強度依存性、障害発生の妨害印加時間依存性、障害検出周波数の帯域幅、及び障害検出の妨害波周波数掃引率(スイープレート)依存性を評価した。その結果、妨害強度が高い程広い周波数範囲で障害検出されること。放射イミュニティ試験と伝導イミュンティ試験の結果は同等とはならない事、妨害発生周波数の帯域幅は±1%程度であること、妨害印加時間は障害検出率に影響する事、スイープレートは低速ほど障害検出率が向上することを明かにした。
著者
秋山 佳春 高谷 和宏 山根 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.530, pp.55-60, 2001-12-14
参考文献数
8
被引用文献数
4

2.4GHzのISM帯を用いた短距離無線通信方式であるBluetoothに関して、同じ2.4GHz帯を使用する無線LAN(IEEE802.11b準拠)による干渉特性を、実際の機器を用いた測定及び信号処理解析ツールを用いたシミュレーショオン等により評価した。その結果Bluetooth及び無線LANともに1対1通信系とすると、干渉源が直接拡散方式無線LANの場合、D/U(希望波と干渉波の平均電力比)が-10dB以上においてビットエラーレート(BER)はほぼ10^<-3>以下であった。これはBluetoothの所要伝送品質(BER=1×10^<-3>)を満たしており、スループットは劣化しないことがわかった。一方、干渉源が周波数ホッピング方式無線LANの場合も、BERの測定値及び計算値は1×10^<-3>未満であり、Bluetoothの所要伝送品質を満たすためスループットは劣化しないことがわかった。
著者
セロアメ ポール 宮崎 保光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.451, pp.53-60, 1997-12-15
参考文献数
14

無線伝搬チャンネルの詳細な特徴づけは移動通信システムの設計にとって非常に重要である。この論文では、FDTD法に基づく移動無線チャンネルの特徴づけについて報告している。現在利用されているインパルス応答法、レイトレーシング法の長所および欠点についても述べている。シミュレーションモデルは街路と6つのコンクリート製の建物からなり、FDTD法は入射界と散乱界を合わせた合成界として定式化している。全体のチャネルにおける電波の伝搬特性および見通し内外での受信信号について報告する。