著者
鑛山 宗利 鈴木 茂之 蜂谷 欽司 小野 文一郎 多田 幹郎 佐藤 公行
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.310-314, 1995-05-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1 1

Environmental ionizing radiations were surveyed in Okayama city during December of 1992, using a NaI (Tl) scintillation survey meter (TCS-161; Aloka, Japan) and a NaI (Tl) γ spectrometer (JSM-102; Aloka, Japan) ; measerments were carried out in fine days.Equivalent dose rate of environmental ionizing radiations was in the range of 0.048-0.171μSv/h, and the average was 0.082±0.019μSv/h. The dose rate was higher in hills than in fields. Therefore, it appears as if rocks have more radioactive materials than soils do.The distribution of the dose rates was analyzed from geological points of view. Mesozoic and Paleozoic layer was in the range of 0.067-0.095μSv/h, and the average was 0.080±0.008μSv/h. Rhyolitic layer was in the range of 0.076-0.105μSv/h, and the average was 0.088±0.010μSv/h. Granitic layer was in the range of 0.057-0.171μSv/h, and the average was 0.098±0.022μSv/h. Neogene Period layer was in the range of 0.057-0.114μSv/h, and the average was 0.076±0.015μSv/h. Quaternary Period layer was in the range of 0.048-0.114μSv/h, and the average was 0.076±0.013μSv/h.By γ spectrometry, 40K, 208Tl, 212Bi, 214Bi, and 228Ac were detected at Mt. Kaigara (0.171μSv/h), Tsushima (0.076μSv/h) and Fujita (0.048μSv/h), especially, 226Ra was detected at Mt. Kaigara. It seems that 40K was distributed uniformly in Okayama city area. Thas, the difference in the dose range is attributable to nuclides other than 40K.Now, we conclude that there has been no change of the dose rates of environmental radiation in Okayama city these 10 years.
著者
麓 弘道
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.773-789, 2019-11-15 (Released:2019-11-15)
参考文献数
37
被引用文献数
2

自然放射性核種を含む廃棄物の処分や超ウラン核種を含む廃棄物について,浅地中処分の基準をどこに求めるか考察し,地殻に存在するラジウムの代表的な数値である10 nCi/gが広く判断の目安として取り入れられていることを確認した1, 2)。本資料では,免除とクリアランスの考え方を廃棄物処分の観点から再構築する。我が国では,放射性物質が,免除とクリアランスの区分に分別されたと確認された後は,放射性物質ではなくなるので,放射線防護から外れると理解されている。しかしながら,LNTモデルを前提とする放射線防護体系では,ここから放射性物質として扱わないとする閾値はない。そのため,諸外国では,免除・クリアランスを柔軟に運用しており,特に廃棄物処分ではそれが顕著である。IAEAも指摘しているように,国際的に統一したクリアランスレベルを定めるのは,クリアランス対象物が国際流通する懸念があるためである。当該国で完結する廃棄物処分においては,その基準は各国の裁量に任されていると理解してよい。ここでは,各国の処分における,免除・クリアランスの適用を確認し,ともすると硬直しがちな我が国の放射線防護に柔軟性を取り入れる参考とする。
著者
金 ウンジュ 栗原 治 大町 康
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.249-255, 2014-05-15 (Released:2014-05-29)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

バイオアッセイ法は,被検者から採取された生体試料(主に排泄物)中に含まれる放射性核種を定量する方法であり,その結果は内部被ばく線量評価を行う上での基礎データとなる。バイオアッセイ法の利点は,体外計測法では測定が困難なα線やβ線のみを放出する核種に適用できることであり,プルトニウムを初めとしたアクチノイド核種に対しても十分な検出感度を有している。しかしながら,試料の放射線計測を行う前に必要となる前処理,化学分離等の工程に時間を要するため,緊急被ばく医療の観点からは迅速化が求められる。本稿では,アクチノイド核種を対象としたバイオアッセイ法の概要を中心に解説する。
著者
加藤 美砂子
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.377-379, 2001-08-15 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1
著者
森嶋 彌重 古賀 妙子 河合 廣 本田 嘉秀 桂山 幸典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.25, no.12, pp.773-778, 1976-12-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
5 5

奈良県室生地区で採取した高ウラン土壌を用い, ポット法によって温室内で野菜を栽培して土壌中のウランの野菜への移行, 分布を検討した。1) ハツカダイコンにおける部位別のウランの生物学的吸収比は子葉, 上位葉において, もっとも高かったが植物に必須の栄養素である土壌中の窒素, リン, カリウムなどの存在量によって影響をうけ, 欠乏肥料区において収穫したハツカダイコンのウランの生物学的吸収比は三要素区に比較して高かった。また植物体内のウランの分布はその部位の灰分重量の割合に, ほぼ比例していた。ピーマン, きゅうりのウラン分布についても同様であった。2) ハツカダイコンにおいては, 植物の生長に伴い葉部のウラン濃度はむしろ増加し, 根部においては減少の傾向が見られた。3) ハツカダイコンの葉部のウラン濃度と栽培土壌中のウラン濃度との間には正の相関が見られた。
著者
佐藤 哲也
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.495-505, 2018-10-15 (Released:2018-10-15)
参考文献数
33

原子番号が100を超える重い元素のひとつ,103番元素ローレンシウム(Lr)の第一イオン化エネルギー(IP1)の決定に初めて成功した。一度に原子一個の取扱いが求められるLrのIP1測定には,マクロ量を対象とした従来法とは異なる手法が要求される。本稿では,表面電離過程を応用した新しいIP1決定法について解説するとともに,Natureの表紙を飾ったLrのIP1測定結果と,その後の議論について紹介する。
著者
荒川 弘之 徳森 謙二 亀澤 秀美 藤淵 俊王
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.11-15, 2018-01-15 (Released:2018-01-15)
参考文献数
6
被引用文献数
5 5

一般の病院等ではX線撮影装置がその有用性から広く普及している一方,患者・介助者や医療従事者への不必要な被ばく量増大の可能性がある。本研究では放射線防護教育を目的としたX線撮影室内での放射線散乱の可視化図の作成を行った。モンテカルロシミュレーションコードPHITSを用いて,PHITSの利用初学者においても簡便に作成できる放射線の散乱を表した図を作成することで,端的かつ的確な放射線防護教育と不必要な被ばくへの注意喚起ができると考えられる。
著者
小川 雅之 細田 正洋 福士 政広 小柏 進
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.313-320, 2008-05-15
参考文献数
17

東京では通勤手段として地下鉄の利用率が高いことから,地下鉄車内の線量率を把握しておくことは保健物理学的に重要である。そこで,都内の地下鉄12路線について空間γ線線量率の測定を行った。その結果,最大値(36.5nGy/h)は最小値(23.3nGy/h)の1.6倍であった。また,車内の線量率は,車外より33%低い値であった。更に,地下鉄線内の線量率は深さに依存せず,地下構造物やホームの構造物中に含まれる天然放射性核種濃度に依存すると考えられた。
著者
市川 龍資
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.927-938, 2013 (Released:2013-12-27)
参考文献数
9
被引用文献数
4 4

私達は常に種々の原因で放射線を受けている。日本国民が受けている自然及び人工の線源からの被ばく線量は全体で国民1人あたり年間5.98mSvの実効線量と推定された。このうちの大部分を占めるのは,自然放射線の2.1mSv/年と医療被ばく線量の3.87mSv/年の二つである。日本と欧米諸国との国民線量の違いは,日本人のラドンの線量が比較的少ないこと,そして食物からの210Po摂取による体内被ばく線量の大きいことである。その原因は日本人の魚介類摂取量の多いことによっている。魚介類は210Po含有量が多い故である。
著者
服部 隆充
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.399-403, 2014

液体シンチレーションカウンタ(LSC)計測実習への適用性の観点から,ベトナムウォッカは,たとえば,無色透明でエタノール濃度は高く,蒸留酒のためエタノール以外の不純物をほとんど含まない,などの優れた特徴を有する。このベトナムウォッカがLSC計測実習用の測定試料として適切であるか否かの検討を行った。化学的な前処理操作を行わない<sup>14</sup>Cの直接測定により3種類のベトナムウォッカと純粋な試薬エタノールについて,放射能濃度と比放射能を求めた。その結果,放射能濃度は試料中のエタノール濃度に比例し,ベトナムウォッカと純エタノールの比放射能は標準データである0.25Bq/g炭素と良い一致を示した。このことから,ベトナムウォッカは高い精度でLSC計測実習の測定試料として適用可能であることが結論づけられた。