- 著者
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海老原 覚
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.109, no.10, pp.2142-2148, 2020-10-10 (Released:2021-10-10)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
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2
咳反射は,これまで延髄の脳幹部反射と捉えられ,上位中枢神経系の関与はあまり考えられてこなかった.しかし,近年,咳が出るときは,咳衝動(urge-to-cough)という感覚が先行して大脳皮質に伝わり,その咳衝動が咳反射を調節していることがわかってきた.加齢によりフレイル状態になると,まず嚥下反射が障害され,さらに,フレイルが進行して咳衝動がなくなり,その後,咳反射が消失して誤嚥性肺炎が発症することがわかってきた.