著者
赤水 尚史
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.653-657, 2016-04-10 (Released:2017-04-10)
参考文献数
9

甲状腺クリーゼは甲状腺診療における救急の代表例であり,多臓器における非代償性状態を特徴とする.臨床症状に基づいて診断され,日本における診断基準が作成されている.同診断基準に基づいて,我が国における全国疫学調査が実施され,致死率が10%を超えていた.致死的疾患であるので,疑診の段階でも治療を開始することが肝要である.

2 0 0 0 OA 4)脳卒中

著者
北川 一夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.400-405, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
10

脳卒中患者の大半は高血圧を危険因子として有しており,その管理は慢性期再発予防の最も重要な治療の一つである.脳卒中に伴った高血圧の管理は急性期と慢性期で大きく異なっており,急性期では原則として積極的に降圧しない場合が多く,反対に慢性期では厳格な降圧が再発予防目的に必要とされる.使用降圧薬も急性期は静脈投与可能な薬剤が優先的に用いられ,慢性期にはCa拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,利尿薬などの使用が推奨される.
著者
藤枝 憲二
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.1172-1178, 2002-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
39

2 0 0 0 OA IV.AKIと薬剤

著者
小林 大介 成田 一衛
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.922-927, 2021-05-10 (Released:2022-05-10)
参考文献数
10

薬剤性腎障害(drug-induced kidney injury:DKI)とは,「薬剤の投与により,新たに発症した腎障害,あるいは既存の腎障害のさらなる悪化を認める場合」と定義される.臨床現場では,治療目的で投与した薬剤がしばしば腎障害を引き起こす.薬剤により,障害のメカニズムや発症様式にある程度のパターンがあり,そのパターンを把握することは有益である.
著者
苅尾 七臣
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.3, pp.514-526, 2019-03-10 (Released:2020-03-10)
参考文献数
28
著者
遠藤 正之 仁科 良 呉 瓊
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.986-993, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
2

腎生検組織標本は光学顕微鏡,蛍光抗体法,電子顕微鏡の3種類で観察する事が必要であり,なるべく薄く切られた切片で観察する事が重要である.糸球体疾患は病理組織診断にて確定診断が下され,患者の腎機能予後の推定ならびに治療方針の決定がなされる.本稿では,腎生検標本の標準的な染色とその特徴,標本を観察する上で必要な基本的病変の定義,比較的頻度が高い腎疾患の組織像と,典型的病理像を示す疾患について概説した.

2 0 0 0 OA 2.ICD, CRT-D

著者
久嵜 香 夛田 浩
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.253-258, 2017-02-10 (Released:2018-02-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

植込み型除細動器(implantable cardioverter-defibrillator:ICD)は,致死性不整脈を治療し,心臓突然死を予防するデバイスである.また,慢性心不全では,心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy:CRT)が重要な治療の選択肢であるが,心不全自体が突然死のリスクとなるため,両者の機能を併せもつ両室ペーシング機能付き心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy defibrillator:CRT-D)の適応を判断することが重要である.
著者
髙橋 聡
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.931-937, 2018-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

梅毒の罹患率は増加しており,本疾患の疫学,診断及び治療の知識が必要となっている.梅毒の病変は,典型例から非典型例まで多彩であり,典型例ではない場合には,梅毒血清反応の検査が必要になる.また,無症候梅毒も梅毒血清反応の検査によって診断できる.治療は,ベンザチンペニシリンGが世界標準の推奨治療法であるが,我が国では使用できないため,アモキシシリンが投与される.治癒判定は,症例によって複雑な解釈になるが,カルジオリピンを抗原とする抗体検査法が治療経過を反映するので,こちらを追跡することになる.梅毒への対応としては,まずは疑い,検査を依頼することとなる.他の性感染症の罹患や性感染症の既往,不特定の性的パートナーの存在,HIV(human immunodeficiency virus)感染等の梅毒も含めた性感染症感染の危険因子を有する場合には検査が必要であることを伝える必要がある.梅毒を制圧するためには,特定の診療科のみではなく,多くの診療科が連携して立ち向かう必要があることを強調したい.
著者
岩永 光巨 亀崎 秀宏 黒杉 茜 妹尾 純一 坂本 大
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.282-288, 2021-02-10 (Released:2022-02-10)
参考文献数
16

54歳,女性.26歳時より,3カ月に1回程度の頻度で発作的に腹痛及び発熱を繰り返していた.精査を行うも原因不明であった.長男が家族性地中海熱(familial Mediterranean fever:FMF)の診断を受けたことを契機に,本人も28年越しにFMFと診断されるに至った.治療介入(コルヒチン内服)を行い,QOL(quality of life)は飛躍的に上昇した.本疾患の認知度が上がるにつれて,診断される症例数も増えている.周期的な発熱及び腹痛の鑑別疾患として,FMFを念頭に置くことは重要である.
著者
宇都宮 俊徳 森 秀樹 厨 平 奥 保彦 青井 渉 橋場 邦武 持永 俊一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.73-78, 1987-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

先天性左側全心膜欠損症の胸部X線写真,心電図,心エコー図の体位による変化を定量的に検討した報告はみられない.我々は,本症7例を正常対照と比較した.左側臥位での胸部X線写真の心胸郭比と心横径の増加や,心電図のRV5の変動幅は,本症で大であるが正常対照と重なりをみた.新しい指標の∑|δR|/∑R(|δR|は,胸部6誘導R波高の体位変動の絶対値, Rは仰臥位のR波高)は,本症と対照を鑑別できた.心エコー図の心室中隔奇異性運動は左側臥位で増強したが,正常対照や他の疾患では増強はなく,左側臥位での心室中隔の奇異性運動の増強は本症の診断に有用な所見と思われた.また,奇異性運動の程度(振幅)は,左室後壁の振幅と相関した.
著者
大井 元晴 陳 和夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.966-974, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
37
被引用文献数
1

睡眠時間の減少がどのような影響を与えるか不明であったが,近年,短時間睡眠と体重増加,また,高血圧,糖尿病,メタボリック症候群などとの関連を示すデータが蓄積されつつある.肥満と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度との関係は,一般的にはBMIが増加すれば,より重症となり,減量により低下する.頸部脂肪,腹部脂肪の蓄積により重症化するが,腹部肥満はCPAP療法により改善する可能性があり,OSAにより悪化し,悪循環を形成している可能性がある.
著者
伊藤 裕
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.1837-1843, 2020-09-10 (Released:2021-09-10)
参考文献数
10