著者
村田 隆彦 川嶋 雅浩 寺山 靖夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.2048-2050, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

症例は61歳,男性.右不全片麻痺で脳梗塞を発症し,クロピドグレルの内服開始に伴い,胃粘膜病変予防のためラフチジンの内服を開始した.内服開始2日後より異常言動などの精神神経症状がみられ,血液検査・頭部MRIで原因と考えられる明らかな変化がなく,ラベプラゾールの内服への変更で精神神経症状は速やかに改善した.ラフチジンは脂溶性の薬物であり,血液脳関門を通過しやすいため精神神経症状の発現に注意する必要がある.
著者
光武 耕太郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.1968-1975, 2020-09-10 (Released:2021-09-10)
参考文献数
8

2 0 0 0 OA 2)CAR T細胞療法

著者
保仙 直毅
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.3, pp.438-442, 2019-03-10 (Released:2020-03-10)
参考文献数
3

2 0 0 0 OA 7.菊池病

著者
菊池 昌弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.2057-2058, 2002-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
成瀬 光栄 田辺 晶代 立木 美香 難波 多挙 中尾 佳奈子 津曲 綾 臼井 健 田上 哲也 島津 章
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.8, pp.2330-2338, 2012 (Released:2013-08-10)
参考文献数
26
被引用文献数
1

褐色細胞腫は治癒可能な内分泌性高血圧と位置づけられる一方,その約10%を占める悪性褐色細胞腫は早期診断法および確立された治療法のない希少難治性がんである.厚労省研究班の調査の推計患者数は約300人である.初回手術時にはその約30%以上が良性と診断され,一定期間後に骨,肝臓,肺などへの転移および局所浸潤を認める.病理組織所見の組み合わせによるスコアリング,SDHB遺伝子変異が悪性診断に有用とされるが,精度,感度,特異度はさらに検討を要する.治療はカテコールアミンの過剰があればαブロッカーを基本とする降圧治療を実施する.悪性では131I-MIBGの取り込みが十分なら内照射,取り込みがないならCVD化学療法が一般的であるが,いずれもわが国では厳密には適応外で,かつ無効例でのセカンドライン治療はない.近年,キナーゼ阻害薬のスニチニブの有効性が注目されており,海外では臨床試験が進行中である.本疾患は希少疾患であることから,個々の施設で単独の取組をするのではなく,多施設の連携,協力にて取組むことが重要である.
著者
Kosuke Takahari Ken Haruma Hiroshi Ohtani Sho Kiyoto Akifumi Watanabe Tomoari Kamada Noriaki Manabe Yu Hatano
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.56, no.20, pp.2699-2703, 2017-10-15 (Released:2017-10-15)
参考文献数
15
被引用文献数
21

Objective The long-term use of proton pump inhibitors (PPIs) may induce adverse events in many organs, including the stomach. The chronic use of PPIs has been associated with the growth of fundic gland polyps (FGPs) and of gastric black spots. This study assessed the incidence of gastric lesions with cobblestone-like appearance in PPI users. Methods The clinical characteristics and endoscopic findings of patients who underwent upper gastrointestinal endoscopy after using PPIs for at least six months were analyzed. The biopsy specimens from patients with gastric cobblestone-like lesions (GCLLs) were examined histopathologically. Patients This study analyzed 171 patients who underwent upper gastrointestinal endoscopy after more than 6 months of PPI use in Mitsugi Public General Hospital from January 1, 2015, to March 31, 2016. Results Of the 171 patients, 60 (35.1%) had GCLLs and 111 (64.9%) did not. There were no significant between-group differences in age, sex, duration of PPI use, and receipt of Helicobacter pylori eradication therapy. Atrophic gastritis of the corpus was significantly less frequent in the GCLL than in the non-GCLL group (55.0% vs. 47.8%, p=0.0097). Among the GCLL group, histological examinations of 24 patients revealed cystic dilation of the fundic gland in 19 (79.2%), parietal cell hyperplasia in 18 (75.0%), and cytoplasmic vacuolation in 7 (29.2%). Conclusion GCLLs occurred frequently in long-term PPI users, especially in patients without atrophic gastritis. The pathological findings of GCLLs included parietal cell hyperplasia and fundic gland cysts. The clinical importance of these new lesions remains uncertain, but they should be observed carefully.
著者
関 雅文 朝野 和典
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3522-3526, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
14
被引用文献数
3

わが国では肺炎診療においてさまざまな血液検査所見が利用されているが,その中でもCRPが特に重要なマーカーとして汎用されている.CRPは肺炎の重症度とは必ずしも一致しないとされていたが,最近の院内肺炎や市中肺炎ガイドライン検証のための全国調査では,再び予後予測因子としての有用性も実証されつつある.プロカルシトニンなど他のバイオマーカーも含め,その長所短所を理解しながら,これらを実地診療に応用していくことが肝要である.
著者
諸岡 俊文 野出 孝一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.850-856, 2017-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
10

血管内皮細胞は,血流と直に接し,血球成分や種々の生理活性物質と連携して生体にとり最適な反応を引き起こすという大事な役割を担っている.一方で,高血圧や高血糖などにより内皮細胞が障害を受けると正常血管機能が破綻し,動脈硬化の進展,不安定プラークの形成,大血管障害の発生に関与する.このため,より早期に内皮機能障害を知ることはイベント発生の予防と予後予測が可能であると考えられ,多くの基礎研究や臨床試験により,内皮細胞で起こる現象や病態の解明が進むことでエビデンスの蓄積が実現した.それに伴い,内皮機能検査の方法や手技が進化し,検査機器も発展し,進化した.こうして,血管内皮機能検査は2012年より,保険適用を獲得した.ここでは,汎用されるプレチスモグラフィー,FMD(flow mediated dilation,血流依存性血管拡張反応),RH-PAT(reactive hyperemia peripheral arterial tonometry),各種バイオマーカーも含めて説明し,各種病態でのエビデンスレベルについて言及していく.

2 0 0 0 OA 8.成人Still病

著者
大田 明英
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.2206-2213, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5
被引用文献数
2 1

成人Still病は原因不明の全身性炎症性疾患であり,発熱,関節症状,皮疹,炎症所見,高フェリチン血症等を特徴とする.山口らの分類基準が診断に有用であるが,確定診断には他の熱性疾患を十分に除外する.基本的治療薬はステロイドであり,治療抵抗例にはメトトレキサートやシクロスポリン等の免疫抑制薬が,また近年は生物学的製剤が有効とされる.一般に予後は良好であるが,マクロファージ活性化症候群の合併は重症化しやすい.
著者
立木 美香 成瀬 光栄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.647-652, 2016-04-10 (Released:2017-04-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

褐色細胞腫からの急激なカテコールアミン分泌により,著明な高血圧,全身症状,標的臓器障害を呈する病態を褐色細胞腫クリーゼと称する.様々な刺激が誘因となって発症するもので,予後は不良であることから,早期の診断と適切な治療が必須である.カテコールアミン,代謝産物の過剰および画像診断による腫瘍の確認で診断する.α遮断薬フェントールアミンの静脈内投与後,点滴静注を継続し,血圧が安定したら選択的α1遮断薬の経口投与を行う.安定期には所定の準備期間を経て腫瘍の手術的摘出を行う.
著者
樋口 じゅん 糸山 泰人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.677-681, 1996-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
4

神経系の感染症は治療可能な疾患が多く,予後改善のためには早期診断が重要である.一般内科的な検査, CT scanによるscreeningの後の髄液検査が診断上重要となるが,疾患によっては特徴的な画像所見を呈し診断上重要な手がかりとなる場合もある.特に, MRIではCTよりも鮮明な組織間のコントラストを検出でき, CTでは検出できない時期でも脳梗塞や脳炎の病変を検出しうる.感染症では汎発性の脳波異常を示すことが多い.大脳皮質が広範に傷害されると,不規則な基礎波やびまん性の低振幅徐波の出現を見る.しかし,単純ヘルペス脳炎での周期性棘波(PLEDs)やCreutzfeldt-Jakob diseaseでの周期性同期性放電(PSD)は疾患に特徴的な脳波変化でもある.早期診断にはCTやMRIでの画像所見,脳波所見が有益である場合が少なくない.
著者
山田 宗治 尾田 高志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.12, pp.2466-2470, 2020-12-10 (Released:2021-12-10)
参考文献数
7

日常診療における腎機能の評価は,血清クレアチニン値と年齢,性別による推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)を用いる.血清シスタチンC値によるeGFRが利用できる場合には,併用することで正確度は向上する.腎排泄性薬剤投与時には体表面積補正を外したeGFRを用いる.それぞれの検査の特徴と限界をよく理解し,検査対象の背景・検査の目的等を考慮に入れて腎機能を評価することが重要である.
著者
富田 寿彦 三輪 洋人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.29-35, 2019-01-10 (Released:2020-01-10)
参考文献数
8

便秘は,日常診療でごくありふれたcommon diseaseであるが,「慢性便秘症診療ガイドライン2017」(日本消化器病学会関連研究会慢性便秘の診断・治療研究会,2017年)1)発刊前までは国内で統一された診療指針がなかったことから,医師は経験的に診療を行ってきた.同ガイドラインが2017年に初めて発刊され,浸透圧性下剤と上皮機能変容薬が便秘の薬物治療の第一選択薬とされ,膨張性下剤に関する評価は高くない.しかし,膨張性下剤は,耐性がなく,比較的安全且つ長期的に使用可能な薬剤であるため,各種薬剤の特徴を正しく理解し使用することで有用な場合がある.
著者
川合 宏哉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.12, pp.2489-2495, 2020-12-10 (Released:2021-12-10)
参考文献数
9

近年の非侵襲的心臓イメージングの進歩はめざましい.心臓イメージングの役割は心構造物の形態的評価と心機能評価であり,特に心機能評価においては,心エコー図検査の役割が大きい.本稿では,「心機能検査の新知見」として,最近の10年間で進歩した3次元心エコー図法とスペックルトラッキング法によるストレイン指標について述べる.そして,心機能の変化に影響を受ける血液マーカーである脳性ナトリウム利尿ペプチドに関連する話題を提供する.
著者
葛谷 雅文
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.557-561, 2017-03-10 (Released:2018-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
4 1
著者
望月 學 鴨居 功樹 寺田 裕紀子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.1410-1416, 2017-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
12

HTLV-1ぶどう膜炎は無症候キャリアに合併する眼内炎症である.主訴は霧視,飛蚊症,視力低下等で,片眼あるいは両眼に生じる.このぶどう膜炎は副腎皮質ステロイド薬によく反応し,視力予後は良好であるが,約30%の患者でぶどう膜炎が反復して起こる.全身合併症としてBasedow病の既往,HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy:HAM)がみられることがあるが,成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia:ATL)の合併は極めて稀である.
著者
加隈 哲也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.4, pp.730-734, 2015-04-10 (Released:2016-04-10)
参考文献数
9

一般的に,肥満者には運動習慣がないといわれている.それ以前に,肥満者は2時間長く座っているという.肥満症治療として運動療法が重要であることは間違いないが,その継続的な遂行は必ずしも容易ではない.健康増進を目的とした身体活動量の増加には,朝日を浴びながらのゆったりとした散歩を心がけてみたい.運動療法という言葉にとらわれずに,明日からでも可能なことから始めることが重要である.
著者
柳瀬 敏彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.9, pp.1768-1774, 2016-09-10 (Released:2017-09-10)
参考文献数
10
被引用文献数
2