著者
神田 圭一 大場 謙吉 田地川 勉 高見沢 計一 渡辺 太治
出版者
京都府立医科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

人工物を体内に埋入した際に、生体防衛機構の働きによって周囲に繊維芽細胞とそれが産出するコラーゲン線維によって構成されるカプセル状組織体を血管内治療に応用するための基礎的技術開発を行った。(1)基材・形状設計:鋳型基材の材質の違いが与える組織形成への影響を調べた。また、鋳型形状の設計により、目的とする形状が任意のサイズで構築できる事を確認した。(2)カプセル状組織体をカバードステントとして形成する技術の開発:金属製のステントを拡張した状態でシリコンチューブの周囲にマウントしてこれをウサギ皮下に埋入した。1ヶ月後にステントの間隙は自家結合組織で覆われ、カバードステントが形成された。(3)動物移植実験:ウサギの大腿動脈を切開し、病変の無い腹部大動脈に径3mmのカバードステント自家留置を行った。留置は問題なく行うことが出来、留置後の血管造影でも開存が確認出来た。更にカバードステントの内腔は完全に血管内皮細胞で覆われていた。(4)疾患モデルの開発:疾患モデルの開発に着手した。まずは、Bio-Covered Stentの為の動脈瘤・動脈損傷モデルと、大動脈瘤モデルの開発に着手した。ウサギ頸動脈に頸静脈をからなるパッチを用いて嚢状瘤を人工的に形成した。この部分にカバードステントを留置することにより瘤を血栓化させ縮小させることが出来た。また、血管を露出後故意に損傷させ出血部にカバードステントを留置して止血させることが出来た。小口症血管に対する新しい血管内治療の選択肢となり得ると示唆された。
著者
深澤 まどか
出版者
京都府立医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

THP-1細胞、及びマウス単球-マクロファージを用いて、グレリン受容体(GHS-R),レプチン受容体(Leptin-R)の遺伝子ノックダウンにてグレリン、レプチン各々の作用が抑制され、また細胞内シグナリングにおいて、ERK1 のノックダウンで炎症-凝固に関するシグナリングが抑制され、AKTのノックダウンで炎症-凝固系のシグナリング(具体的にはトロンビン刺激に対して組織因子の発現)の活性化が抑制された。また、薬剤及び抗体によりマウス血中の単球と好中球数を抑制後、Vitroで遺伝子ノックダウンした単球及び好中球をマウスに静注後の実験的肺梗塞の生存率、塞栓率の変化を観察したところTissue Factorの発現が抑制されることで、生存率、塞栓率の改善を見た。詳細に関しては、更なる検討を予定している。
著者
森田 規之
出版者
京都府立医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

バーグマングリアの分化過程を、S-100β遺伝子プロモーター活性の可視化によって追跡するために以下の検討を行った。分与されたマウスS-100β遺伝子の5′上流領域からプロモーター領域の欠失系列を作製し、これらをプロモーターアッセイのためのレトロウイルスベクタープラスミドであるpIP300plusにサブクローニングした。同種指向性パッケージング細胞Ψ2にトランスフェクトしてウイルス産生細胞株を樹立し、細胞培養上清から組み換えレトロウイルスを調製した。プロモーター活性の可視化のために効率の高いプロモーター領域を、S-100βを常時発現する株化細胞ラットC6グリオーマを標的として検索を試みた。しかしながらプロモーター可視化の効率が極めて低く解析に困難を伴ったことから、プラスミドの再構築、パッケージング細胞への遺伝子導入方法の変更等を行い、最終的に異種指向性のパッケージング細胞PA317を用いて組み換えウイルスを調製して、解析を可能とした。現在、明らかとなったプロモーター領域の活性を初代培養バ-クマングリアおよび小脳培養スライスで解析中である。さらに、マウス成獣の小脳において、バーグマングリアがグルココルチコイド受容体免疫陽性であることを見いだした。用いた抗血清はラットグルココルチコイド受容体cDNAからGST-fusion法によって調製した抗原蛋白質に対するものである。この抗原はグルココルチコイド受容体の転写調節ドメインの一部、マウス配列と92%のホモロジーを有する領域である。イムノブロット解析からマウスにおいても単一のバンドを与え、また、胎生14日の小脳原基において既に発現していることを明らかにした。今後、バーグマングリアの起源、分化との関連性を分子形態学的に追求する。
著者
花井 一光 尾崎 まみこ
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

動物(ヒドラ、アリ、マウス)の行動(10-160分程度)をディジタルビデオカメラで撮影して、パソコンに取り込み、30枚/秒の連続画像ファイルとして書き出す。こうして得られた画像フレームから、自動的に動物を高精度に抽出し、その重心の位置や高次モーメントを高速に算出するCプログラムglanaを作った。本年度はglanaからバグを出来る限り除去して、時々生じていた目標物を見失ってしまう不具合をなくすことが出来た。こうして得られた重心の33ミリ秒ごとの時系列データを解析する方法を検討した。各時刻での重心の座標のデータからその移動のダイナミックスを解析することを試みた。120分以上の長時間のデータから大量の移動データを集め、統計的誤差が小さくなるようにして解析してみた。動物が各時刻で移動した距離を調べると、実際には、時刻ごとに大きく変動していた。それで、あるしきい値を設定し、その各時刻での移動距離がしきい値より小さい状態(slows state)、大きい状態(move state)に分けて、それらの持続時間を調べてみた。すると、slow stateは持続時間の対数と持続時間の累積頻度の対数とが直線関係を示し、この分布はスケールフリーであったが、一方、move stateの方は持続時間と累積頻度の対数が直線関係を示し、分布はポワッソン分布であった。このことから、moveの制御系は時間に関して指数関数的な分布を示す単純な速度過程であり、制御しているシステムには、特性時間(速度定数の逆数)がある。slowを制御しているシステムにはそのような時間が存在しないことを示している。この関係はアリでも、マウスでも同じように観察された。これは大変面白い結果であり、ロコモーションの制御系の適切なモデルを利用すれば、このシステムの性質を探ることに利用できる可能性がある。
著者
小笹 晃太郎 竹中 洋 浜 雄光
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

京都府南部のあるの町の唯一の公立小中学校の児童生徒を対象として、1994年より継続実施している質問票によるスギ花粉症症状および背景因子等の調査と血清中IgE抗体測定を行った。スギ花粉飛散量はダーラム式花粉捕集器による自然落下花粉数を測定し、2〜4月の総和をその年の飛散量とした。スギ花粉IgE抗体陽性者(CAPスコア1以上)は、スギ花粉症少量飛散年では40数%程度であり、多量飛散年では60%前後にまで増加した。ダニIgE抗体陽性者はおおむね40%〜50%であった。スギ花粉抗体が陽性で各年3〜4月にスギ花粉症様症状(くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、鼻がかゆい、目がかゆい、涙が出る、目がごろごろするのいずれか)が3週間以上続く者を「スギ花粉症確実者」とすると、確実者はスギ花粉症少量飛散年では15%程度であり、多量飛散年では20数%に増加した。当該症状が3週間続かないスギ花粉症疑い者は16%〜21%であったが、スギ花粉飛散量の影響を受けにくく、非特異的症状がかなり含まれていると考えられた。2001年から調査している疾患特異的QOLも、スギ花粉飛散量との若干の関連および血中スギ花粉特異的IgE抗体価との強い関連を示した。また、各種の処置や治療の有用性について、マスクや市販の内服、点鼻、点眼薬、医療機関でのくすりの塗布や吸入は「少し役立った」人が最も多く、医療機関での内服薬、点鼻薬、点眼薬処方が「大変役だった」人が多かった。また、過去14年間の当該地域でのシーズンごとのスギ花粉飛散量の変動と、対象者の血清中スギ花粉およびダニIgE抗体価を個人単位で縦断的に観察することによって、スギ花粉による抗原曝露が、当該抗原特異的IgE抗体だけでなく、他の抗原特異的IgE抗体(ダニ)の産生をも促進させることが集団的数量的に示された。この傾向はスギ花粉に強く曝露されているものほど強かった。
著者
井端 泰彦 井上 慎一 岡村 均 千原 和夫 本間 さと 貴邑 冨久子
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究は昨年に続き12名の班員による研究により,生体リズム発現及び同調機構,内分泌リズム,自律神経リズム,ヒトにおけるリズム発現,時間記憶などの研究課題について研究を行ってきた。平成9年度に多電極皿上における培養視交叉上核のリズム解析(井端),行動リズム位相変化と哺乳類時間遺伝子(岡村),視交叉上核VIP,AVPニューロンの自律神経反応と高血糖反応への影響(永井),視交叉上核におけるリズム同調機構に対するCREB,CREMの関与(井上)マウスにおける概日リズム突然変異体の分離(海老原),概日リズム光同調に対する心理的ストレスの影響(柴田)GnRHの概日リズム発現に対する視交叉上核AVP,VIPニューロンの影響(貴邑)視床下部成長ホルモン分泌制御機構(千原),条件恐怖刺激に対する視床下部オキシトシン,バソプレシン分泌反応に対する視交叉上核の関与(八木),ヒトにおける生物時間同調因子について(本間),高血圧における血圧の概日リズム機構異常とその治療(田村),睡眠覚醒障害に対する高照度光治療(佐々木)についてそれぞれ研究を行い昨年12月に班会議を開催し研究成果の発表と討論が行われた。特筆すべきことは昨年哺乳動物(ヒトにおいても)にショウジョウバエの時計遺伝子とホモローグである遺伝子が存在することが異なる研究施設から時を同じくして発表されたが(Science,Nature)本研究班の一人である岡村はこの研究グループのひとりであり,彼は続いてこの遺伝子のマウス視交叉上核での発現や光照射による影響や位相変化について"Cell"に発表したことである。即ち哺乳動物における概日リズム発現機序の手がかりが得られたことは大きな成果と考えられる。
著者
カツツ ウエ アレキサンデル
出版者
京都府立医科大学
雑誌
校友会雑誌
巻号頁・発行日
vol.34, pp.68-70, 1904-06-30
著者
内川 隆一 手越 達也
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

これまでの研究からNippostrongylus barisiliensis成虫由来分泌排泄(Nb-ES)抗原中には多くの生理活性分子が存在することが示されている。我々の見出したNb-ES抗原中に存在するラットT細胞に対するIFN-γ産生抑制活性もそのひとつであり、本研究ではその活性機構を解析することを目的として実施された。本研究では、まずこのNb-ES抗原が他種動物のT細胞に対してもIFN-γ産生の抑制活性を持つかどうかを検討し、ES抗原およびその部分精製分画はマウスT細胞に対してもIFN-γ産生抑制活性を示すことが確認された。。次にブタ回虫(As)抗原を用いて他種線虫由来抗原中にも同様の抑制活性が認められるかどうかを検討した。その結果、As体腔液中には明らかなIFN-γ産生抑制活性は認められなかったが、As-ES抗原のNb-ES抗原と同じ精製分画にラットおよびマウスT細胞に対するIFN-γ産生抑制活性が認められた。これら結果は、宿主T細胞に対する線虫由来抗原によるIFN-γ産生抑制が幅広く線虫と宿主間に存在する現象である可能性を示している。そこで、ES抗原中に含まれる活性分子の特定を進め、段階的イオン強度勾配による陰イオン交換クロマトグラフィーおよび自作の抗ES抗原ポリクローナルウサギIgG抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーなどの組み合わせにより、ES抗原に比してほぼ20倍の比活性を持つ分画の精製に至った。その結果、活性分子は推定分子量が50kD〜100kDであること、活性は56℃30分の熱処理に対して抵抗性であるが、95℃30分の熱処理により部分的に失活すること、過ヨウ素酸処理により完全に失活することを明らかとした。
著者
山口 寛二 伊藤 義人
出版者
京都府立医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

肝臓に高発現するDGAT2を抑制することで肝脂肪化は改善されたが線維化は悪化することとなった。一時的な肝脂肪化は、遊離脂肪酸の毒性からの回避を目的に肝保護的に働いていると考えられた。

1 0 0 0 OA 月見草(思潮)

著者
風味
出版者
京都府立医科大学
雑誌
校友会雑誌
巻号頁・発行日
vol.56, 1911-07-01
著者
高松 哲郎 田中 秀央
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

心筋梗塞の修復期に増加する筋線維芽細胞(MF)が、心筋細胞(CM)との間にギャップ結合蛋白質コネキシン43(Cx43)を介して細胞間結合し、心臓に異常な興奮伝導を惹起するか否かを検証した。ラット心筋梗塞モデルでは、MF・CM間にCx43が発現し、CMからMFへ色素移行した。CMとMFの各単層組織をフィルター膜を挟み各々表裏に培養すると、CM層の伝導が遅延し旋回性の不整脈が生じ易くなった。また両細胞を人為的に電気的結合すると、細胞間抵抗の低下に伴いCMの脱分極や自発性興奮が発生した。以上、MFは心筋梗塞の重要な不整脈原性基質となることが判った。
著者
溝部 俊樹 田中 秀央
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

緑色蛍光蛋白(Green fluorescent protein : GFP)付加α2Aアドレナリン受容体をノックイン発現した遺伝子改変マウスの機能解析を行い、これらのマウスにおいてGFP 付加α2Aアドレナリン受容体が脳内、特に青斑核に発現し、その機能や分布は、野生型と同様であった。
著者
中嶋 康文 上野 博司 溝部 俊樹 橋本 悟
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

血液単球系細胞からのTissue Factor(組織因子)の放出にRaf-MEK-ERK1/2pathway 及びその下流の転写因子Egr-1の関与がRNA 干渉法による遺伝子ノックダウン手技を用いて示唆された。クロドロネート前処理することで、血液中の単球系細胞を抑制したマウスにこれらの遺伝子ノックダウン単球系細胞を注入後、肺梗塞モデルマウスを用いて、肺梗塞の重症度及び生存率を検討したところ、Tissue Factorの発現、炎症系が抑制されることで重症度と生存率が改善した。
著者
岡野 友藏
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.307-318, 1929

Das Referat wird im letzten Hefte meiner diesbezuglichen Mitteilungen erscheinen.
著者
岡野 友藏
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.353-438, 1928

Ich studierte die allgemeine physiologische Wirkung des Appendixextrakts und erhielt folgende Resultate: 1) Der mittels destillierten Wasser, mittels physioiogischer Kochsalzlosung und mittels Ringerlosung aus frischer Appendix vermiformis gewonnene Extrakt besitzt starke Giftigkeit. 2) Auf dem isolierten Kaninchendarme ruft der Appendixextrakt deutlichste Erregung hervor, besonders komt es zur Tonussteigerung. 3) Die erregende Wirkung des Appendixextrakts auf den isolierten Kaninchendarm ist starker als die des aus dem anderen Verdaungsrohre gewonnenen Extraktes. 4) Am Kaninchendarme in situ befordert der Appendixextrakt hauptsachlich die Peristaltik des Dickdarmes, wobei das Kaninchen fast stets Kot entleert. Dagegen steigert der Duodenurnextrakt hauptsachlich nur die Peristaltik des Dunndarmes. 5) Die spontane Bewegung des ueberlebenden Kaninchenappendix wird als regelmassige oder unregelmassige schwache, wellige Kontraktionskurve registriert. 6) Auf die spontane Bewegung der Kaninchen- und Menschenappendix wirkt der Appendixextrakt erregend. 7) Der Appendixextrakt regt die Kontraktion des ueberlebenden Kanichenuterus an. 8) Den Blutdruck des Kaninchens bringt der Appendixextrakt vorubergehend zum Fallen. Der Mechanismus der Blutdrucksenkung dieses Extrakts beruht wahrscheinlich einerseits auf der gehemmten Herzarbeit und andererseits auf der Erweiterung der peripheren und Eingeweidegefasse. 9) Das isolierte Kaninchen- und Kroteherz reagiert auf den Appendixextrakt zunachst mit Hemmung und danach mit Erregung. 10) Die Herzarbeit des Kaninchens in situ hemmt der Appendixextrakt ein wenig. 11) Der Appendixextrakt verursacht bei der kunstlichen Durchstromung der Hintereextremitaten der Kroten und des Kaninchenohres in kleinen Dosen Vasodilatation, in grossen dagegen Vasokonstriktion. 12) Alle Eingeweidegefasse der Kroten dilatiert der Appendixextrakt. 13) Die Atembewegung des Kaninchens hemmt der Appendixextrakt anfangs und erregt sie dann. 14) Auf die aussere Sekretion des Magens, Pankreas und der Leber wirkt der Appendixextrakt beschleunigend. Auch steigert dieser Extrakt die Harnausscheidung. 15) Im allgemeinen wird die Wirkung dieses Extrakt durch Atropinzusatz ziemlich gut gehemmt, jedoch nur sehr selten total. 16) Die wirksamen Substanzen des Appendixextrakts sind mitteist destillierten Wasser, 0.85% iger Kochsalzlosung, Ringerscher Losung, 0.4% iger Salzsaure und Alkohols extrahierbar, dagegen mittelst Ather nur schwer. 17) Die wirksamen Substanzen des Appendixextrakts lassen sich aus dem frischen oder trocknen Wurmfortsatz extrahieren. 18) In der Schleimhaut des Wurmfortsatzes sind die wirksamen Substanzen reichlich enthalten, aber in der Muskelschicht und der serosen Haut dagegen nur sehr sparlich. 19) Die Appendixextrakte des Kaninchens und des Menschens ubt die gleichen physiologischen Wirkungen aus.
著者
岡野 友藏
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.1803-1824, 1928

Um sich uber den Einfluss der Appendix vermiformis auf das Wachstum der Tiere Klarheit zu verschaffen, habe ich an jungen Kaninchen die Appendektomie ausgefuhrt oder Kaninchenappendixextrakt injiziert. Ausserdem habe ich mittels der biologischen quantitativen Methode die Menge der cholinahnlichen Substanz in der normalen oder pathologischen Menschenappendix bestimmt. Die Resultate sind die folgenden: 1) Die Korpergewichtszunahme der appendektomierten Tiere bleibt meistens ein wenig hinter der der Kontrolltiere zuruck. Vom ungefahr funften Monate nach der Operation an aber entwickeln sic sich wie die Kontrolltiere. 2) Exstirpation der Appendix vermiformis hat beim jungen Tiere weder deutlichen Infantilismus noch Neubildung der Appendix vermiformis zur Folge. Nur zeigt das Tier am Anfang auffallende Verstopfung. 3) Histologisch fand sich an der Nebenniere und Thymusdruse der appendektomierten Tiere das Bild leichtgradiger Hyperfunktion. Jedoch an anderen innersekretorischen Organen konnte ich keine nennenswerten histologischen Veranderungen nachweisen. 4) Beim jungen Tiere, dem das Appendixextrakt (0.5ccm der 3% iger Losung pro kg K. G.) einen Tag um den andern intravenos injiziert wurde, konstatierte man eine etwas grossere Korpergewichtszunahme als beim Kontrolltiere, welche Erscheinung ungefahr bis zum funfen Monate lang nach dem Injektionsbeginn anhalt. Dabei ist die genitale Entwicklung der beiden Tiere nicht gestort. 5) Injiziert man jedoch dem jungen Tiere nach obiger Methode 1.0ccm einer 3% igen Losung des Appendixextrakts pro kg. K. G., so kommt es deutliche zu Durchfall und Abmagerung. 6) Die Menge der cholinahnlichen Substanz, welche im Menschenappendix enthalten ist, nimmt bei Appendicitis um ungefahr 1/3 des normalen ab.
著者
丹羽 輝男
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.662-674, 1943

活性汚泥ノ淨水機構ニ關スル研究ニ就テハ赤野,渡邊,忠田,松原及ビ日裏ノ研究ニヨリテ其ノ生物化學的性状ニ關シ詳細ナル研究報告ガナサレ,從來不明ナリシ汚泥ノ生理學的機能ヲ解明スルニ至レリ.著者モ亦之ガ生物化學的本態ノ究明ニ關與シツツアリテ活性汚泥ノ酸糖化實驗ヲ企圖シ,二三稀薄鑛酸ニヨル酸水解ヲ行ヒ還元糖ノ生成ヲ實證シタルヲ以テ,之ガ糖收率ノ至適條件ヲ糖化鑛酸濃度,糖化時間及ビ糖化温度ノ三因子ヲ基調トナシテ考究シ,併セテ生成糖ノSaccharomyces cerevisiaeニヨル醗酵能ニ就テ檢索シ,其ノ實驗成績ヲ括報告シタルモノニシデ次ノ如キ結論ヲ得タリ.1)汚泥粉末ヲ稀薄硫酸ニヨリテ水解セル場合ニ於ケル至適糖化ニ關スル濃度ハ3%ニシテ,至適糖化時間ハ2時間ナリ.2)汚泥粉末ノ鹽酸ニヨル糖化至適條件ハ酸濃度3%,糖化時間3時間ニシテ,糖化時間ハ比較的遷延セラレ,糖收率モ硫酸糖化ニ劣ル.3)汚泥粉末ノ糖化ハ糖化温度ノ影響極メテ大ニシテ,100℃以下ノ平壓糖化ノ場合ニハ糖化温度ノ上昇ニ伴ヒテ糖收率モ増大セリ.但シ40℃以下ノ糖化現象ヲ認ムルヲ得ザリキ.4)加壓下高温糖化ニアリテハ更ニ糖收率ヲ増大セシムルコトヲ得.即チ硫酸糖化ニ於ケル加壓高温状態ノ至適條件ハ酸濃度2%,糖化時間1時間及ビ糖化温度120℃ナリ.5)加壓高温條件ノ汚泥酸糖化ノ場合ニハ至適糖化時間ヲ超過スレバ直チニ急激ニ糖收率ノ惡化スルヲ認メタリ.此ノ現象ハ糖生成速度ガ生成糖ノ熱分解速度ヨリ小トナリタルセモノト想像セリ.6)酸糖化液ヲ減壓濃縮シ中和シ諸種pH價ニアリテSaccharomyces cerevisiaeヲ以テ醗酵セシムルニ,24時間中ニ殆ド醗酵シ(89.3%)至適醗酵pHハ6.5ナリ.