著者
吉田 正友 池田 憲一 黒岩 秀介 阪口 明弘
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.10_3-10_9, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
6

日本建築学会は,火災を受けた建物の火害診断と補修・補強において考慮すべき事項ならびに標準的な方法を示すことを目的として,2010年2月に「建物の火害診断および補修・補強方法 指針(案)・同解説」を発刊した。本稿は,鉄筋コンクリート造建物に関する部分を中心に,その概要をまとめたものである。
著者
久田 真 小林 孝一 丸屋 剛 河井 正
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.863-870, 2014 (Released:2015-10-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

土木学会は,平成24年度・重点研究課題として「震災がれきの処分と有効利用に関する調査研究」を採択した。この課題を掌理する委員会は,コンクリート工学ならびに地盤工学の専門家で構成され,約1年間をかけて両分野を横断する柔軟な議論を行った。その後,本活動を継承するために,土木学会コンクリート委員会に「震災がれきの処分と有効利用に関する調査研究小委員会(第223委員会)」を設置した。本稿は,東日本大震災で発生した多様な震災廃棄物の処理ならびに有効利用技術に関する知見を集約するために約3年間の調査研究活動を行った本委員会の成果を取りまとめたものである。
著者
井川 倫宏 玉岡 優児 細田 暁
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.101-109, 2018 (Released:2018-09-15)
参考文献数
8
被引用文献数
1

現行の表面吸水試験では,測定結果から得られる10分時点での表面吸水速度を評価基準に用いている。本研究では,3種類の水セメント比のコンクリートを用いた促進凍結融解試験による様々な劣化の程度の供試体に対して,10分時点での表面吸水速度と10分間の吸水量が比例関係を示すことが分かった。これまでに提案されている品質評価のしきい値により,W/Cが55~75%のコンクリートの凍結融解作用による劣化の程度を評価可能であると考えられる。さらに,測定時間の短縮について検討し,1分から10分の間の任意の測定時間において,現行の10分時点での評価と同じ評価結果をもたらす評価指標を提案した。
著者
Hirozo Mihashi Tomoya Nishiwaki
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
Journal of Advanced Concrete Technology (ISSN:13473913)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.170-184, 2012-06-16 (Released:2012-06-19)
参考文献数
53
被引用文献数
28 146

Challenging studies of engineered self-healing and self-repairing functions in concrete structures are briefly reviewed. While self-healing of concrete has been studied for a long time, it was only recently noticed that some engineered technologies are useful to stimulate the potential of concrete to be self-healed. For example, fiber reinforced cementitious composites (FRCC) have a much higher potential of self-healing than ordinary concrete because of their capability to keep cracks thinner and also because of the bridging network system in cracks; a specific bio-chemical approach, i.e. the application of mineral-precipitating bacteria, is now available; and various mineral admixtures are useful for practical application. Furthermore, the new concept of self-repairing concrete, which is based on the design concept of intelligent materials, is reported. Self-repairing concrete is concrete that incorporates devices for achieving the three key functions of an intelligent material, (1) sensing, (2) processing, and (3) actuating. This paper is a state-of-the-art report on the recent development of engineered self-healing and self-repairing concrete.
著者
緒方英彦 加藤諭 清水邦宏 金子英敏
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

既存の付着強さ試験は,鋼製治具を接着剤でコンクリート表面に固定する方法であるために,表面の付着物や水分状態の影響を受け,試験面が滞水している場合には試験そのものが実施できない。この課題を解決するために,著者らは,アンカー機構の治具による無機系補修材料の付着強さ試験方法の開発を進めている。本論では,既存の接着方法と同等の結果を得るためのアンカー治具を設計するとともに,試験方法を室内試験で検討し,開発した試験方法を現地試験で検証した。その結果,反力板を用いることで破断面積を均一にでき,接着方法と同じ引張強度が得られることを明らかにした。
著者
長谷川雄基 長束勇 谷村成 佐藤周之
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

本研究では,コンクリートの表層品質の評価指標として適用される表層透気係数に着目し,表層透気試験の結果からコンクリートおよび無機系補修材料の耐摩耗性を推定する手法を実験的に検討した。結果として,表層透気係数と摩耗質量との間には関連性のあることが確認でき,表層透気係数から耐摩耗性を推定可能な関係式を示した。しかしながら,けい酸塩系表面含浸材は,塗布する銘柄ごとに表面改質効果が異なることから,表層透気係数と摩耗質量との間には必ずしも一定の傾向が成立しないことが示唆され,本研究で導いた関係式による推定の精度が低下するケースのあることが考えられた。
著者
小島 真志
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.61-64, 2008-09-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
8
被引用文献数
2
著者
吉川 弘道 若林 裕子 坪田 正紀 大滝 健
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 = Concrete research and technology (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.33-42, 2011-01-25
参考文献数
16
被引用文献数
1

地震イベントリスク評価手法として,PhaseI/地震ハザード評価,PhaseII/地震動評価,PhaseIII/応答評価,PhaseIV/損傷・脆弱性評価,PhaseV/地震イベントリスク評価,にて構成される評価フローを構築した。このうち,キャパシティスペクトル法とEFM法の採用,および,複数震源モデル,地盤増幅率,距離減衰式など最新の耐震工学の手法を導入したことが特徴と言える。提案手法を,新旧異なる設計年代のRC鉄道ラーメン高架橋に適用し,損失期待値(NEL),予想最大損失(PML)などのリスク指標を算出し考察した。また,設計年代の違いに起因する靭性と強度の差異を,地震リスクイベント曲線と諸リスク値によって定量的かつ具体的に表すことができた。