著者
富田 晃彦 川崎 由紀子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部紀要. 自然科学 (ISSN:13424645)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.29-32, 2007-02-28

We performed a trip class on astronomy for 7th-grade students. By analyzing the questionnaire, we investigated, (1) whether this kind of single trip class could improve the learning attitude for astronomy, and (2) for science on the whole, and (3) which of factors, enjoying the class and being easy to understand, correlated with the improvements much. We showed that (1) the class surely improved the learning attitude for astronomy, and (2) even for science on the whole, and that (3) the factor of being easy to understand tends to be more important than the factor of enjoying the class.
著者
米澤 好史
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-20, 2000

これまで別々に議論されていた,こどもの日常的活動と学習活動を統合的に認知心理学の立場から捉える視点を提供し,それらに関わり援助するあり方を問う。まず,こどもたちの「切れる」という現象を分析する。こどものすべてを受け入れるという受容論,だめなものはだめと教え込むという強制論の2つの対立する極論の難点を指摘し,こどもと向き合うとはどうすることかを考察する。また,「反復練習させればよい」「できればうれしい」「体験すれば学習」などの誤った学習観を批判し,それを支えてきた評価観を批判する。それらの考察を通して,自立を援助し,生きる力を育てる学習環境の構築とそのあり方について提言する。そして,育児・教育の本質とは何かという観点から考察する。
著者
今村 律子
出版者
和歌山大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

同一素材肌着を夜間睡眠時に4週間着用することによって、皮脂腺活動に違いが認められるかについて検討した。供試肌着は、綿およびポリエステルフライスの長袖・長ズボンの肌着とした。研究協力者は、健康な男子大学生17名であり、綿肌着着用者(C群)9名、ポリエステル肌着着用者(PET群)は8名であった。実験実施時期は10〜11月とし、4週間の実験前後に研究協力者の背中肩甲骨上部から皮脂をカップ法によって有機溶媒を用いて採取した。皮脂成分の分析には、薄層クロマトグラフ法を用い、スクワレン(SQ)、トリグリセリド(TG)、ワックスエステル(WE)、遊離脂肪酸(FFA)コレステロールエステル(CE)、コレステロール(Cho)、セラミド(Cer)の7種類に分離するよう展開した。展開後の薄層プレートは、デンシトメーターによって各波長ピークから濃度を算出した。各皮脂成分のうち皮脂腺由来成分であるWEおよびTGは、PET群では8例中7例においてそれぞれの濃度が4週間経過後に低下したが、C群では9例中5例においてその濃度が上昇またはほぼ変化なしという結果であった。SQに関しては、C群もPET群も4週間経過後に低下する例がほとんどであった。以上のことより、肌着の水分特性の差が皮脂活性に何らかの影響を与えることがわかった。皮脂の分泌はホルモンによって調節を受けることは広く知られている。特にアンドロゲンは、脂腺の成長と皮脂の合成を促進するといわれている。一方、ストレスが増すとアンドロゲンの分泌が減少するともいわれている。疎水性のポリエステル肌着を長期間着用することが何らかのストレスとなり、皮脂腺活動が抑制されたと考えられるが、今後ホルモン測定もふまえて検討する必要がある。
著者
西山 由美子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.133-143, 1994-03-31

中学生の文章表現能力の伸長を図るためのカギの一つは,「構成に対する評価力」を育てることにあるという論については,本紀要No.2に示した。今回の論考では,前回の論に基づき,平成5年4月に入学した生徒40名の生徒の作文自己評価力の変容を追うことにより,構威力を高めるための読書感想文指導のありかたを考察してみたい。研究の対象者である40名の生徒は,1学期の創作文の指導を通じて「起承転結」の構成に関する学習を経験している。今回の実践では,あらすじに終始する生徒が大半を占めた読書感想文(夏休みの課題として出題卜を取り上げ,構成力を高めるための手立てについて1試案を提示してみたい。具体的な方法としては,学習過程の中間段階で「構想発表会」を設定することにより,構成に対する効力感を高めることを試みた。そして,各々の生徒の作文の能力と自己評価力の両面から,構成力の高まりを考察する。
著者
山田 良治
出版者
和歌山大学
雑誌
観光学
巻号頁・発行日
pp.279-292, 2009-03
著者
坂田 真穂 竹田 眞理子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部紀要. 教育科学 (ISSN:13425331)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.9-14, 2007-02-28

不登校の面接では、不登校生徒本人よりもその保護者が来談することが多く、学校現場では、さまざまなニーズに応じた取り組みが期待されるため、個人心理療法に固執していては問題の解決が困難な場合がある。また、学校におけるカウンセリングでは比較的短期に結果を出すことが求められるため、家族療法など、直接的介入が必要となるケースも少なくない。本研究は、定時制高校に通う不登校男子生徒の両親とのスクールカウンセリング(カウンセラー : 第一著者による)について、家族療法的視点からその過程をまとめ、考察を行ったものである。本研究では、スクールカウンセラーが不登校生徒の両親を対象に夫婦サブシステムを強化する形で家族システムに介入し、また、不登校を起こさせる関わりのパターンを断ち切るよう取り組んだ。その事例を紹介しながら、スクールカウンセラーとして、学校現場でどこまで家族療法的なアプローチが可能であるのかについて考察した。
著者
倉盛 三知代 登尾 節子 池田 のり子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.85-96, 1994-03-31

家庭科における環境教育の指導案・指導法の検討を目的とし,炊飯の学習に環境問題(生活排水)を導入した(A)・(B)2つの授業実践を試みた。(A)は学生による模擬授業(B)は小学校教諭による現場の授業である。次にそれらの実践について,4つの項目を立て,3つの観点から考察を行った。すなわち「授業記録」「授業展開の考察」「授業の成果」「授業の問題点」について,児童の興味・関心・実態との関連,指導の流れの適切性・道すじの論理性,授業の実践性の3観点から考察を進めた結果,指導案,指導法ともにほぼ成果を問えるものであった。(A)・(B)両実践の比較を通して言えることは,環境問題は複雑な内容をもつものなので,その教材化にあたっては,地域に即してより身近な題材をとりあげ,問題原因の所在への考え方をポイントにおき,より具体的な指導法の工夫が必要であることが,改めて確認されたことである。