著者
松本 陽子 山崎 由可里
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部紀要. 教育科学 (ISSN:13425331)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.43-52, 2007-02-28

小学生におけるADHD傾向と自尊感情の関係を調べることにより、ADHD傾向の高い児童の自尊感情の様相を明らかにするとともに、自己評価を低下させている要因を探ることを目的とし、W市内の小学3年生および5年生を対象にアンケート調査を実施した。ADHD傾向については、学級担任が学級全員について質問紙(1)ADHDRS-IV-Jを用い評価し有効回答数は1195であった。自尊感情については、ポープらの自尊心尺度を参考に作成した自尊感情尺度(質問紙(2))を用い、学級担任の指導のもと児童がアンケートに答えた。有効回答数は1162であった。ADHD傾向についてはDSM-IVの基準を参考に得点の高いものをADHDサスペクトとした。本調査の結果、サスペクトは、混合型17名、不注意型23名、多動性-衝動性型3名の合計43名(約3.6%)であった。自尊感情について、合計得点および因子分析の結果得られた下位尺度「身体イメージ」「家族」「学業」「願望」「友だち」ごとにADHDサスペクト群と非サスペクト群を比較した結果、ADHDサスペクト群が非サスペクト群に比べ、自尊感情の合計得点が有意に低く、「学業」「家族」「友だち」の下位尺度においても有意に得点が低かった。「身体イメージ」「願望」においては、有意な差はなかった。以上により、ADHD傾向の高い児童はそうでない児童に比べ、自尊感情が低く、それは、「学業」「家族」「友だち」のそれぞれの地域においての自己評価の低さによるものであることが明らかにされた。
著者
柏原 卓
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部紀要. 人文科学 (ISSN:1342582X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-8, 2007-02-28
著者
石塚 亙 木村 憲喜 中村 文子 横山 正樹
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、「実験工作キャラバン隊」の活動を通じて、児童生徒に科学に触れて科学に夢を感じる機会を提供し、体験型学習の効果を検証するとともに、大学院生・学部学生が実験工作教室の実践を通じて得る理科教育の能力の向上を評価し、実験工作教室のテーマに宇宙に関わる体験学習のコンテンツを加えてひとつの特色とし宇宙を通じて科学的な感動や夢を与えることを目標としながら、体験学習の科学的内容の高度化・教材化と科学コミュニケーション能力を持った学生の養成を行うことである。実験工作教室に参加した子どもの数は、以前からの取り組みを含めて10,000人に達し、平成25年度のアジア・太平洋物理学会議で発表した。