著者
豊田 充崇 中川 一史 中橋 雄 佐和 伸明 山本 朋弘 菊池 寛 加藤 悦雄 山口 修一 海道 朋美 遠藤 麻由美 有田 浩子 増井 泰弘 山中 昭岳 本岡 朋 寺田 好 望月 純子 中原 亜由美 高橋 美咲 広瀬 一弥 甲斐 崇 田中 健太郎
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

通常の教科(国語や社会科、生活科等)の単元に情報モラル育成の要素を含ませた学習場面を設計し、モバイル端末を活用したり、学校間交流等で積極的に情報発信・表現する授業を実践した。加えて、学校教育利用向けSNS(Social Networking Service)を設計・開発し、その実践的評価をおこなった。当システムは教育利用を前提に機能の絞込みやユーザーインターフェイスのデザインをおこない、全校種で活用可能な「スクールコミュネット」として公開中である。※当研究関連資料:http://www.wakayama-u.ac.jp/~toyoda/
著者
宗森 純 原田 利宣 吉野 孝 伊藤 淳子
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

絵文字のみで外国人とコミュニケーションをとることを目標とし,日本人と外国人との絵文字アイコンおよびその文章に関する差違を明らかにする研究を行った.その結果,日本人は正解の場合は丸(○)を使うが,外国人はチェックマーク(.)を使うなど,スラングなどを含め,各言語の特徴をそのまま絵文字に引き継いでいることが示唆された.また,日本人は基本的に絵文字でもSOVの文法で記述し,外国人は基本的にSVOの文法で記述するが,日本人でもSVOで記述することがあることが明らかとなった.
著者
天野 雅郎 小関 彩子 佐藤 和正 永井 邦彦
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

21世紀は、大学の激動の時代である。この研究は、そのような大学の激動の時代において、大学の再生の可能性を教養教育の視点から考察したものである。そのために、この研究では日本の近代の教養教育が、これまで辿って来た歴史を振り返り、それをヨーロッパの教養教育の理念と比較しながら、その影響関係や齟齬について吟味し、さらに加えて、21世紀の新しい教養教育の可能性について、理論と実践の双方向から、教育哲学による提言を行なったものである。
著者
足立 啓 本多 友常 林田 大作 朴 貞淑 岡本 加奈子
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

和歌山県みなべ町および上富田町における地域福祉ニーズ調査、各種統計データ抽出、住民アンケート調査、住民参加型ワークショップ等を通じて現状を把握し、町と協同して「地域福祉計画」策定のモデル原案を作成した。次に県下で策定済12市町の「地域福祉計画」を、生活環境、医療福祉、福祉のまちづくりなどの多面的視点から評価し4つに類型化しその特徴を明らかにした。また小地域・圏域での地域福祉ネットワークのあり方も検討した。
著者
西村 充司
出版者
和歌山大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

平成20年度より生活科に,保護者参加による少人数・体験型カリキュラム『附属っ子ミュニケーション"和み"大作戦!』(通称『和みカリキュラム』)を開発,展開している。実践においては,茶道や華道に関する保護者の経験や専門性を生かすことで,担任だけでは実現できなかった日本の伝統文化にリンクする子どもたちの体験の場を広げることができた。そんな中,「校庭の草花を摘んでお花を生ける体験」では,自然そのものが教材となり,その特性や生活の場面を考える学びが生まれ,必要な分だけを摘んでお花飾りをするという,いわば自然への畏敬の念,また相手の心の和みを意識して工夫する子どもの姿が見られた。また,「日本の伝統文化・生活様式にふれる体験」では,普段の生活からは少し距離のあるおもてなし,手作り生活,花・茶道などの活動の継続により,子どもの意識の中では普段の生活との距離感が縮まり,家庭生活に活かす子どもの姿が見られた。さらには,「もっとおもてなしをしたい。」という,よい意味での『自己主張』『自己顕示』も芽生え,3学期には父兄や和みカリキュラムでお世話になった保護者の方々をお招きしてのお茶会を1・2年生全学級で開催することができ,子どもたち全員が自分で抹茶を点てることができた。できる自分を見てもらいたい・認めてもらいたい,そのために,おもてなしの対象に応じ,よりよいおもてなしの方法を主体的に考える,生活科としてのスキルを身につける学びの質の高まりも生まれた。これらは30人という少人数の学級規模だからこそ実現できたと実感している。もちろん結果として,日本の伝統文化への親しみと愛着が増し,子どもたちの日常生活の立ち居振る舞いにはこれまで以上の落ち着きを感じるし,挨拶や基本的な生活習慣・マナーの面においても向上が見られるようになった。
著者
富田 晃彦
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

園児・保育者・保護者に宇宙への興味、そして科学的な見方・考え方をもっと持って欲しいという目的で、保育園での「天文あそび」活動を行った。その結果、宇宙の話は園での保育活動に取り入れられるものであり、考えを言葉にする、それを人とやり取りするということを含め、科学的な見方・考え方を園児に育てるのに有効であることがわかった。宇宙が対象であるが、都市域、昼間、部屋内でも十分な活動が展開できることも示した。
著者
内田 みどり
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1960年代以降、「国家安全保障ドクトリン」に基づいて軍・警察が非暴力的な組合運動や左翼運動をも弾圧するようになったウルグアイでは、1973-85年の軍事政権下で多くの国民が投獄・拷問された。こうした弾圧をさけるため、おもに隣国アルゼンチンに逃れた人々のなかには「コンドル作戦」の対象となって強制失踪させられたもの、作戦時に殺害されたもの、暗殺されたものがいる。2000年8月、バッジェ大統領が国民和解のため設置した「平和のための委員会」は、免責の是非については決着済みとしながら、強制失踪被害者と目される人々の遺体を発見し、遺族に返すことに活動を限定し、2002年末に任務を終了した。この委員会はウルグアイで長い間無視されてきた強制失踪問題が存在すること、失踪に国家が関わっていたことをはじめて認めた点で、強制失踪被害者遺族から評価された。だが軍部が情報を提供せず、謝罪もせず、また委員会の調査では被害者の遺体の所存を突き止めることはできなかったことなどから、委員会は加害者と被害者の和解や社会の平和ももたらしたとはいえない。しかも米州諸国における強制失踪問題は新たな展開をみせ、委員会設置当時のバッジェの思惑(遺体発見に限定し訴追は回避)を超えている。まず、米州人権裁判所はペルーにかんし免責法が米州人権条約違反であるとはっきり認めた。2003年5月に就任したアルゼンチン・キルチネル大統領が自国の免責法廃止と軍政時人権侵害の訴追を決めたこともバッジェとウルグアイに対する圧力となっている。
著者
内田 みどり
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2013~15年には、訴追に熱心だったモタ判事の異動や失効法時効不適用法への違憲判決等、司法府の軍政期人権侵害訴追に対する冷淡な姿勢が目立った。訴追に冷淡なムヒカ大統領の意向が間接的に影響を及ぼしているという指摘もある。2014年の大統領選挙では軍政をめぐる記憶を政治利用してきた伝統政党の候補は過去とのつながりを隠し、逆に拡大戦線がそれをあてこするという記憶の政治利用があった。元ゲリラ/人質のウィドブロ国防相は軍と沈黙の掟を共有し人権団体を非難するなど、ウルグアイの記憶闘争は「被害者」が分裂し、錯綜している。今後は記憶の政治利用の長い伝統の中に、この記憶闘争を位置づける視点が必要である。
著者
河崎 昌之
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

和歌山県和歌山市西部の加太沖に残存する「友ヶ島第2砲台跡」を計測対象として,撮影時のカメラの縦・横位置が,デジタル写真測量ソフトによる3次元モデル生成に,影響を及ぼし得るかを,実験協力者の印象評価から判断し,より適切な画像取得の方法を考察した.モデリングのベースとなる画像セット(64ファイル)を撮影し,そこから互いに組み合わせが異なる4種類のセット(各32ファイル)を作成した.各画像セットから生成されたモデリング画像の計測対象の再現性の優劣を評価した.その結果,横位置で撮影した場合が高評価を得た.また再現性が,必ずしもソフトウェアが処理するファイルの数に依存しない可能性が示唆された.
著者
塚田 晃司
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

大規模災害時には,既存通信インフラが使用できない場合の代替通信手段の確保が重要課題である.本研究課題では,代替通信手段の一つとして,可視光通信の非常時通信への適用を提案した.発光色の変化で変調する方式を採用したプロトタイプシステムを実装した.そして,評価実験を実施し,誤り率の低減のためには解決すべき課題は多々あるが,夜間においては十分実用性があることを確認した.
著者
今村 律子 赤松 純子 山本 奈美 川嶋 径代 北又 寿美
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

小・中学校家庭科教科書における衣生活の「安全・安心」表記は実験・実習に関わる機器や用具の使い方が中心であり、高等学校も含め、食・住と比較して表記が少なかった。しかし、「安全」という表記がない文章や図中にも種々の視点のリスクが含まれており、授業者が「安全」を意識した授業展開が出来るよう配慮すべきであることがわかった。そこで、着衣着火事故から衣服の手入れや繊維の性質を学習する授業提案をおこなった。さらに、住生活をも関連させた授業展開が可能となった。
著者
菅原 真弓
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は「日本19世紀版画史の再構築」(基盤研究(C)、平成19~22年度)の継続研究として実施したものである。研究蓄積が乏しいこの分野において、対象を当該時期の木版画(浮世絵版画)にしぼり、幕末明治期における日本の浮世絵版画および木版技術をもって制作された新聞、雑誌の挿絵の全貌を作品調査および関連資料調査を通じて明らかにすることを目的とした。本研究における最も大きな研究成果は、明治の浮世絵師・月岡芳年(1839~92)の画業全般に関する論文や関連書籍などを刊行したことである。しかしその一方で、これ以外の絵師や同時代動向への目配りが充分であったとは言えない。これが本研究の反省点となった。
著者
原 通範
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は,重度な知的障害者A:GOちゃんが,3年間のプールでのシンクロを中心とした水泳指導を通じて海での遠泳を獲得できるかどうかを確認することにあった。得られた成果は次の通りである。(1)2008年度夏の遠泳においては,ほぼ全コースを一定の休憩を取りながら泳ぎ通すことができるようになった。(2)しかし,その翌年(2009年度夏)はほとんどのところを泳がず,最後の約30mをようやく泳ぐことができたという結果となってしまった。以上2点の結果を通じて,以下3点を考察した。(1)障害特性として,自閉傾向があり,知的障害,行動面で重度な障害を有する広汎性の発達障害であること。(2)前頭葉機能としてのワーキングメモリーにおける問題が大きいこと。(3)泳ぎの運動を持続的に行えるためには,呼吸法のアフォーダンスを誘発するポールくぐりの運動課題とシンクロ的泳ぎを併用して行うことが重要であること。
著者
吉野 孝 林 良彦 山下 直美
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

多言語間コミュニケーションの方法として,機械翻訳を用いる方法と用例対訳を用いる方法がある.本研究では,多言語間コミュニケーションの高信頼化のために,折り返し翻訳の高信頼化に関する研究,多言語用例対訳の高信頼化に関する研究を行った.さらに,上記の研究成果を応用した,医療分野および教育分野を対象とした多言語支援ツールの構築に関する研究を行った.