著者
鷲谷 正史
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会研究報告会講演論文集
巻号頁・発行日
no.10, pp.19-24, 2002-05-18

It is thought that Internet is a final distribution channel of the rich contents such ad movie, animation, TV program and so on. But that business model which reusing rich contents on Internet is not working well. The paper shows that a online contents should be the first distribution channel and the original work of rich contents.
著者
原田 隆史 江藤 正己 高柳 知世
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.153-160, 2008-05-23 (Released:2008-09-08)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

近年,感性に基づいて小説を検索できるシステムが開発され実用化されてきている。著者らも児童書を対象としてオンライン書評から感性を示すパラメータに値を設定し,検索できるシステムを構築してきた。しかし,人間が付与するパラメータの値と書評中の語との関係の分析は十分に行われておらず,書評中の語を元として感性パラメータの値をどのように設定することが適切であるかは明らかとなっていない。本研究は,書評中の「人の感情や本の雰囲気を表す語」を元に機械学習の手法を用いて人間の判断と一致する感性パラメータの値を付与する実験を行ったものである。図書1605 冊分の書評を使って自動設定実験を行った結果,(1) 自動設定において書評中の語を使うことに有用性がある,(2) 書評中のすべての語を用いるよりも,出現回数が多い30語程度を用いた方が効果的である,(3)書評中から抽出する語の品詞はほとんど再現率に影響しないことなどを明らかにすることができた。
著者
時実 象一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.238-244, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

日米の公共図書館における電子書籍の利用状況について図書館訪問による実地調査をおこなった. 米国においてはオーディオ書籍提供の長い歴史があり, このルートの上に電子書籍が急速に普及した。2010 年には中都市以上の図書館ではほぼ100% の導入率である. 日本では東京の千代田図書館が2007 年末に先鞭をつけて以来停滞していたが, 2011 年に入り堺市図書館, 萩図書館が相次いで導入し, また鎌倉中央図書館でモニター実験がおこなわれるなど動きが出た. 米国ではOverDrive が主導し, iPad, Kindle などへの対応も始まっている. 日本ではもっぱらWBook システムが用いられている. 今後の課題について議論した.
著者
細野 公男
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1112090034-1112090034, (Released:2011-12-13)
参考文献数
1
被引用文献数
2 2

The nuclear power plant disaster in Fukushima Prefecture has given big influence on our life. Such influence is due to not only the accident itself but many things resulting from the rumor which the accident brought about.This paper, first of all, points out several problems we have to cope with. One of the most serious one is that because the Tokyo Electric Power, the government, and the mass media do not understand the difference between data and information and because they do not recognize the importance of information, they provide unsuitable data to disaster victims and average citizens in many cases. In addition, the fact that disaster victims and average citizens considerably lack the knowledge about the accident and its effects can not be ignored. As the result, they become uneasiness and are prone to act improperly.Secondly, it describes the situation of the disaster from the mutual relation among phenomena, data, information, and knowledge.Finally, three ways of coping, by which disaster victims and average citizens can act appropriately and avoid damages caused by rumors, are proposed as follows.a) The Tokyo Electric Power, the government, and mass media must try to raise information consciousness and sense markedly.b) Disaster victims and average citizens must examine carefully the data provided from them before making any decision.c) An organization of the national level should be established immediately, in which specialists will lecture disaster victims and average citizens on the fundamental knowledge about the accident and its effects.
著者
高木 利久 高井 貴子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会研究報告会講演論文集
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-18, 2001-05-19
被引用文献数
1

To substantially promote the integration of heterogeneous knowledge and to further facilitate the discovery of fundamental concepts or hidden structures in biological phenomena, we study genome ontology where biological knowledge is comprehensively reorganized and both the terminology and the concepts are unified across species. We try to establish such ontology of signal transduction and to recompile a dictionary of terms in the universe of living systems.
著者
石川 大介 酒井 哲也 関 洋平 栗山 和子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1109070033, (Released:2011-09-10)
参考文献数
24
被引用文献数
1

コミュニティ型質問応答サイト(CQA)は,ユーザが自身の状況に応じた情報を得ることができる新たな手段である.しかし投稿された回答の質は様々であるため,その中から良質な回答を選択する方法が求められている.そこで本研究は,まず Yahoo!知恵袋データにおける良質回答を人手で分析し,その結果に基づいて良質回答自動予測システムを構築した.具体的には,「恋愛相談」「パソコン」「一般教養」「政治」の4つのカテゴリからそれぞれ無作為に50問の質問を抽出し,判定者2名によって手作業で良質回答を決定した.次に,その結果を分析し,良質回答の特徴として「詳しさ」「根拠」「丁寧さ」に基づく機械学習システムを構築した.機械学習システムの評価結果は,「パソコン」と「一般教養」カテゴリでは判定者らを上回った.「恋愛相談」と「政治」カテゴリでは,機械学習システムの評価結果は判定者らとほぼ同じであった.以上の結果から,CQAアーカイブから自動的に良質回答を発見するシステムの可能性が示唆される.
著者
松村 敦 柿島 大貴 宇陀 則彦
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.143-148, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

ひとり読みを始める前の子どもには,大人が絵本を選ぶ必要があるが,膨大な絵本の中から子どもにあった絵本を見つけ出すことは難しい.そこで本研究では,子どもの質問にその子どもの興味が現れることに着目し,子どもの質問を利用したソーシャル絵本推薦システム「ぴくぶく」を構築した.「ぴくぶく」では,親によって記録された子どもの質問は他の利用者に共有され,子どもの質問を介して絵本を推薦し合うことができる.本システムの有効性を検証するために,親子25組を対象に評価実験を行なった.
著者
大槻 明 川上 あゆみ 林 剛 川村 雅義
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.213-219, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)
被引用文献数
1

学術俯瞰の分野における最近の研究動向は,参考文献の引用分析により実現するサイテーションマップが主流であり、ネットワーク構築やクラスタ化までの自動化はなされているが、各クラスタがどのような集団であるかの意味付けまでの自動化はなされておらず、専門家が手動で分析している現状である.ゆえに、各クラスタの自動解釈を最終的な目的として,本発表では各クラスタの主要論文の自動抽出を目指す。具体的には、論文をノード、引用をエッジとする有向グラフと考え、各ノードに発表年数を持たせたうえで、あるノードに入るエッジの元ノードの発表年数の分散を調べることでそれぞれの重要度の計算を試みる。そして、それらの重要度を基に、時間軸を持つ可視化グラフの構築を目指す。
著者
後藤 真 柴山 守
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.2-16,46, 2002
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

正倉院文書は、東大寺の正倉院に伝来した8世紀の文書群の総称である。本文書は、背面再利用と19世紀初頭からの「整理」作業のため、その奈良時代の帳簿の形態が著しく損なわれ、論理構造と物理構造の差異という特徴をもつ。この帳簿形態の復原過程を関連史料の各々の実体を含めてXML/XSLT(eXtensib1e Markup Language / eXtensible Stylesheet Language Transformations)で記述する手法を提案する。筆者らは、この復原過程における関連史料の各々の実体を統合化するための構造化ルールをXML/XSLTを用いて記述し、復原研究を支援するシステムを構築した。本システムでは、関連史料が構造化ルールのXSLT記述に基づいて階層構造化され、中問表現としてのXML文書が生成される。また、構造化ルールからの例外により新たな事象の発見が可能となり、新たな知見を得る機会になる。生成されたXML文書は、論理構造を復原するXSL(extensible Stylesheet Language)に基づき、Webブラウザ上に表示され、またWordマクロ機能により物理構造が反映された「短冊」として復原できる。本論文では、帳簿形態の復原過程をXML/XSLTで記述する手法、及び実現したシステムの有効性について考察する。
著者
五島 敏芳
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.217-224, 2007-12-08

小稿は,日本におけるアーカイブズ(文書館,永久保存記録)の情報の動向を,電子化・保存,共有化の視点から概観する.先行研究の成果に拠りながら,1)データの電子化が不均衡なこと,2)その電子化の多くが長期保存を考慮していないこと,3)利用者へ分かりやすい内容を伝えようとする努力がみられること,4)文書館相互の情報共有において資料目録の情報共有が意識されないこと,を指摘する.他方で新しい動きも見られる.国文学研究資料館史料館の実験からはじまった電子的検索手段(資料目録,索引,検索システム等)のデファクト国際規格EAD,Encoded Archival Description(符号化永久保存記録記述)の利用や,それらEADデータをつないで共有する日本のアーカイブズの世界でのオンライン総合目録の構想についても紹介する.
著者
阪口 哲男 赤穂 義範
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会研究報告会講演論文集
巻号頁・発行日
no.9, pp.23-26, 2001-05-19

The Japanese character set consists of Hiragana, Katakana, and Kanji. Some Kanji characters have the variants that have the same meaning and pronunciations. The users of full-text retrieval systems sometimes confuse some Kanji characters with the variants and get insufficient result for their needs. The authors considered that a function that unifies Kanji variants is need for full-text retrieval systems. This paper describes a full-text retrieval system that has functions of unifying Kanji variants. The system has a thesaurus of Japanese Kanji variants and uses it for indexing and unifying Kanji characters. The authors built two example retrieval systems based on the system. They have the database of ULIS-DL (http : //lib.ulis.ac.jp/) metadata and Japan-MARC.
著者
研谷 紀夫 内藤 求
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.57-62, 2009-05-16
被引用文献数
1

歴史上の人名には様々な「異名同人」などが存在し、歴史的な情報を扱う場合はこれらの統制を行うことが望ましい。現在ではそれらを制御するための共有化されたデータベースは存在しないが、主要な人名に関する構造化されたデータベースを構築し、標準的なデータ記述言語によって構造化された人名典拠情報を構築する必要がある。本研究では、これらの背景を踏まえて、トピックマップ形式を用いて、構造化された様々な事物相互の関係が分かる人名典拠情報を構築した。
著者
鈴木 良徳 時実 象一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.63-69, 2009-05-16

デジタルアーカイブ推進協議会が1996年から国内におけるデジタルアーカイブの調査を数回おこなってきたが,2005年に同協議会が解散してしまったため,その後調査が行われていない.現在の状況を把握するため,2008年6月に国内の大学図書館716館を対象にWebによるアンケート調査を実施したところ222館(31%)が回答した.それによれば現在デジタルアーカイブを実施している図書館は57館で,これは2004年調査の68館と比べてやや少なかった.しかしWeb調査をおこなったところ回答していなかった15館がデジタルアーカイブを実施しており,合計72館が実施していることがわかった.
著者
根岸 正光
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.158-169, 2009-05-16
被引用文献数
1

筆者は年来トムソン・ロイター社(通称ISI)製の論文引用統計データベースに基づき,大学・機関別の論文数・引用数関連の統計指標の研究開発を行っている.2004年の国立大学法人化以降,各般の大学間競争助長政策のもと,公私立大学を含めた大学間「格差」が拡がっているのではないかとの指摘が,昨今なされるようになっている.上記データベースにおける論文数統計からみた国立大学上位8大学とその他国立大との間での,2006年までの格差拡大の傾向については,すでに読売新聞記事「地方大,揺らぐ研究基盤」の一部として公表したところである[1].そこで本稿では,データを2007年までに更新した上で,論文数のみならず引用数関連指標も加味し,またハーフィンダール係数(HHI)を算出して,「格差」の年次的推移をさらに詳しく検証し,今後の動向についての示唆を得るものとする.
著者
藤田 明広
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.23-32, 2006-10-28
被引用文献数
2 1

日本において,商品やサービスの認知度アップや購買促進等を目的とした広告には,多種多様のメディアが存在し,インターネット広告の登場により,総広告費の各メディアが占める割合も変化してきた.そのような中,クロスメディア広告のように,各メディアでの短所を保管し合い,より効果的な広告を配信するようになった.また,その広告効果を測定することも重要になっている.今回,広告収入型のフリーDVDマガジンを創刊し,DVD映像とWEBを連動させることにより,新しい広告配信を実施した.インターネット広告の特長でもある視聴履歴等による効果測定なども実施でき,商品理解の促進に,より効果的な広告メディアとして提供している.