著者
高岩 義信 九後 太一 早川 尚男 棚橋 誠治 金谷 和至 五島 敏芳 小沼 通二 伊藤 憲二 伊藤 和行 九後 太一 受川 史彦 平田 光司 小長谷 大介 田中 希生 田中 正 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志 坂東 昌子
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本の素粒子論研究が世界的に評価される礎を築いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を活用してその学問の系譜を研究することを目標とし、その資料の利用環境整備を行った。史料データベースを充実させネットワーク上のサーバーを介して一般に公開している。このサーバで稼働するオープンソフトウェアの検討およびカスタマイズ、さらにその後継ソフトウェアの検討を行った。またこれらの資料を科学史研究に利用するのに有益な史料作成者データのデータベースを、史料カタログと連携するものとして構築することによって、史料の有効利用に資することができるようにすることを検討した。また今後へ向けての課題の検討を行った。
著者
鈴木 卓治 五島敏芳 牟田昌平
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.8(2008-CH-077), pp.25-26, 2008-01-25

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会において「デジタルアーカイブ」が重要な研究テーマのひとつにとりあげられるようになって久しい.デジタル技術の発達は目覚しく,「ボーンデジタル」な資料(他の媒体上で作られた資料のデジタルコピーでない,最初からデジタルデータとして作られた資料)の急速な台頭や,「Google≒デジタルアーカイブ」という視点の登場など,早くからアーカイブズとデジタル技術の問題に強い関心を寄せていた当研究会としては,この潮流を正確に把握して,デジタルアーカイブ研究をどの方向に発展させていくべきかについて,よく学ぶ必要がある.われわれは,アーカイブズの専門家を招いて,アーカイブズとデジタル技術にまつわる最新の状況と課題について理解を深めることを目的とする「アーカイブズ小特集」を全2回の予定で開催することとした.本稿は,その第1回として,国立公文書館の牟田昌平氏を招いて実施する,公文書のデジタルアーカイビングの現状と未来を探るパネル討論についての予稿である.
著者
五島 敏芳
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.25-32, 2005
参考文献数
8
被引用文献数
1

最近, 記録史料の電子的検索手段のデファクト国際規格EAD, Encoded Archival Description(符号化記録史料記述)を, 日本の記録史料の記述または目録へ適用する試みがある.しかし, それらは共通のデータ記載形式を持っていない.そこで本稿では, 米国のEADデータ構成・記載形式についてのガイドラインの内容を検討し, 記録史料管理上および技術上の要点を析出する.加えて同ガイドラインの一つに基づくデータ構築の支援工具作成の取り組みを紹介する.
著者
高岩 義信 九後 太一 伊藤 憲二 五島 敏芳 金谷 和至 棚橋 誠治 小沼 通二 坂東 昌子 受川 史彦 伊藤 和行 田中 正 山脇 幸一 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

日本における素粒子物理学の発展への道を開いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を保存する記念史料室等で、その資料を近年のアーカイブズ学の知識によってカタログ情報を国際標準に準拠する史料記述の形式で統一的にデータベース化することにより、史料整理と保存の体制整備と利用促進を図った。それにより、未整理であった資料を含め記念史料の全体について把握が可能になり、その管理について見通しが良くなった。さらにそのデータベースは、ネットワーク経由で相互参照(横断検索)が可能なオンライン検索システムを採用して一般向けに提供するための環境づくりを行ったので、当科研費事業の終了後にもその整備と運用の継続が可能になり、様々な研究課題に利用できるようになり、現実にこれらの史料の参照の要求にこたえることが可能になった。
著者
五島 敏芳
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.35-43, 2004

アーカイブズ(記録史料)の電子的検索手段(目録,索引等)のデファクト国際規格EAD,Encoded Archiva Description(符号化記録史料記述)およびEAC,Encoded Archival Context(符号化記録史料脈絡)が,日本の記録史料に対して適用実験されるまでの道程を概観し,XMLの利用から考えられる可能性を展望する.EADやEACに沿って構築された記録史料の情報は,XMLの諸技術の利用から,たんなる検索手段ではなく再利用可能な電子的記録史料記述という基本情報源として位置づけられるはずである.

1 0 0 0 IR 往来手形考

著者
五島 敏芳
出版者
史料館
雑誌
史料館研究紀要 (ISSN:03869377)
巻号頁・発行日
no.29, pp.157-195, 1998-02
著者
古瀬 蔵 相田 満 青田 寿美 鈴木 淳 大内 英範 山田 太造 五島 敏芳 後藤 真
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

日本文学分野およびその隣接領域のデータベースについて、情報連携の仕組みを導入することと、オープンデータ化の環境を整備することである。データベース単位だけでなく、データベースの中の個々のレコード単位で情報を連携させ、異分野を含む様々なデータベースとの相互運用を実現し、日本文学研究者に限らず多くのインターネット利用者に、日本文学の情報を知らせ利用してもらう環境作りを行うために、案内型検索を中心に日本文学関連のデータベースの情報アクセスの研究を行った。今年度は、情報収集型検索での情報アクセス支援の検討を重点的に行っていくために、まず当初の目的の情報に到達することを目指すことに加えて、検索結果が利用者にとって予期しない探しているものとは別の価値ある情報を提供し、気付きや発見へ遭遇する機会となるセレンディピティの発現を重視し、研究活動に於いて、その関連する情報を提示する情報連携により、様々なデータベースでの情報空間で連続的に探索を行え、セレンディピティをもたらし知識を広げていくことの活動の様相を重点的に記録してもらった。また、人間文化研究機構の100以上の人文学データベースを検索対象とする統合検索システムnihuINTでも、歴史学や日本文学の一部のデータベースなどを題材に、データベースの情報をRDF(Resource Description Framework)という知識表現形式で表わして、データベース横断での情報連携を実現する試みが始められ、本研究でも、データベースの情報をRDF化して情報連携の仕組みを構築するための開発をおこなった。
著者
五島 敏芳 Haruyoshi GOTO
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
共同利用機関の歴史とアーカイブズ2009
巻号頁・発行日
pp.17-36, 2010-03-30

第1章 基盤機関アーカイブズの構築
著者
五島 敏芳
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.217-224, 2007-12-08

小稿は,日本におけるアーカイブズ(文書館,永久保存記録)の情報の動向を,電子化・保存,共有化の視点から概観する.先行研究の成果に拠りながら,1)データの電子化が不均衡なこと,2)その電子化の多くが長期保存を考慮していないこと,3)利用者へ分かりやすい内容を伝えようとする努力がみられること,4)文書館相互の情報共有において資料目録の情報共有が意識されないこと,を指摘する.他方で新しい動きも見られる.国文学研究資料館史料館の実験からはじまった電子的検索手段(資料目録,索引,検索システム等)のデファクト国際規格EAD,Encoded Archival Description(符号化永久保存記録記述)の利用や,それらEADデータをつないで共有する日本のアーカイブズの世界でのオンライン総合目録の構想についても紹介する.
著者
鈴木 卓治 五島敏芳 牟田昌平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.8, pp.25-26, 2008-01-25

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会において「デジタルアーカイブ」が重要な研究テーマのひとつにとりあげられるようになって久しい.デジタル技術の発達は目覚しく,「ボーンデジタル」な資料(他の媒体上で作られた資料のデジタルコピーでない,最初からデジタルデータとして作られた資料)の急速な台頭や,「Google≒デジタルアーカイブ」という視点の登場など,早くからアーカイブズとデジタル技術の問題に強い関心を寄せていた当研究会としては,この潮流を正確に把握して,デジタルアーカイブ研究をどの方向に発展させていくべきかについて,よく学ぶ必要がある.われわれは,アーカイブズの専門家を招いて,アーカイブズとデジタル技術にまつわる最新の状況と課題について理解を深めることを目的とする「アーカイブズ小特集」を全2回の予定で開催することとした.本稿は,その第1回として,国立公文書館の牟田昌平氏を招いて実施する,公文書のデジタルアーカイビングの現状と未来を探るパネル討論についての予稿である.This is a preliminary report of the 1st panel discussion titled "How will digital archives develop in the future?" Studying the current state and the future of digital archiving of various kinds of materials is very interesting and important task for our SIG. Two panel discussions of this problem are planned. Some archivists will be invited as panelists of the discussion. This panel discussion discusses the problem of digital archiving of the government documents. We will know the latest, correct information about relationship between "true archives" and digital technology by the discussion.
著者
鈴木 卓治 五島敏芳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.39-40, 2008-07-18

本稿は,アーカイブズの専門家を招いて,アーカイブズとデジタル技術にまつわる最新の状況と課題について理解を深めることを目的とするアーカイブズ小特集 「アーカイブズとデジタル技術の未来を考える」 (全 2 回)における第 2 回パネル討論 「アーカイブズの概念とデジタルアーカイブ」 についての予稿である.アーカイブズの理論的な存在根拠である 「永久保存」 の概念を正しく理解し,アーカイブズとしてのデジタルアーカイブの確立のための必要要件を知ることが今回の目的である.This is a preliminary report of the 2nd panel discussion titled "How will digital archives develop in the future?" In this discussion, we try to study and understand the concept of permanent (archival) value of data on the archives. It is essential ability for future digital archivists to construct "true" digital archives.
著者
五島敏芳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.31-38, 2008-07-18

「デジタルアーカイブ」 が一定ていど普及してきた一方で,本来のアーカイブ(ズ)は,まだひろく理解されたとはいいがたい.本来のアーカイブ(ズ)の中心となる概念は,「永久保存」にある.しかし,デジタルアーカイブを標榜する存在のなかに「永久保存」性は,ほとんど見出すことはできない.小稿では,デジタルアーカイブのなかに永久保存の概念を見出すことは,そもそも可能かどうか,本来のアーカイブ(ズ)のもつ基本事項を検討していくことで,議論を進めていく.それにより,つぎの結論が暫定的に導かれると予想する: 現前するデジタルアーカイブに永久保存を期待することはできないものの,デジタルアーカイブのもととなるアーカイブズの実体の永久保存 (または長期保存) を担保する配慮を組み込むことが,デジタルアーカイブへの永久保存の概念の導入となりえる.In Japan, "Digital Archive" has already spread, but it has been difficult to understand "original" archives universally as yet. The core of the concept of "original" archives lies in "permanent retention" of archival holdings. The elements of "permanent retention" can hardly be found in those "Digital Archive". This paper examines whether or not the concept of "permanent retention" can be found in "Digital Archive" by reviewing basic matters of "original" archives. As a result, it is expected that the following conclusion should be drawn provisionally: "Digital Archive" does not have the concept of "permanent retention", but it is possible to subsume "Digital Archive" under the activities of "original" archives. Thus, "Digital Archive" will be able to implement the concept of "permanent retention".