著者
若山 浩
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学教養部紀要 (ISSN:09162631)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.91-110, 2006-08-31
著者
伊藤 徳正
出版者
愛知学院大学
雑誌
地域分析 : 愛知学院大学経営研究所々報 (ISSN:02859084)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.25-41, 2007-03-31

1928年に,実験物理学者のパーシー・ブリッジマンは,『現代物理学の論理』を発表し,操作主義を提唱した。操作主義とは,「概念の正当なる定義は,そのものの特性によるのではなく,実際の操作によるのである」というものである。この後,心理学や社会学,哲学など様々な分野に操作主義が応用された。ベドフォードは『利益決定論』で,利益概念の本質を明らかにするための方法論として,利益概念に操作主義を適用した。操作的概念は,企業の「経営活動」に適用され,企業の利益創出活動から利益計算をする会計の枠組みを提唱した。バッターは,『資金会計論』の中で,操作主義を取り入れて会計理論上の用語を定義し,会計報告の新たな理論を提唱した。マテシッチの『会計と分析的方法』での理論展開には,スティーヴンスの心理学における操作主義的展開の影響が見られる。プリンスは『会計理論の拡大』で,操作的アプローチは会計理論の現存実体の精細化に妥当な方法であるが,現行の構造を社会会計,政府会計及び管理会計を包括する一般理論に変えるには妥当ではないと批判している。ここで見た会計理論は,どれも学際的アプローチの流れの中で操作主義を取り入れたものであり,操作主義を取り入れることによって,新たな会計理論の構築が可能になった。
著者
山田 作男
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学教養部紀要 (ISSN:09162631)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.3-11, 1993-07-20
著者
勝股 高志
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学教養部紀要 (ISSN:09162631)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.73-94, 2008
著者
佐藤 倫正 木村 敏夫 松田 修 向 伊知郎 村田 英治 小西 範幸 角ケ谷 典幸 田代 樹彦 齊野 純子 中野 貴之 中山 重穂 西海 学 平賀 正剛 浅野 敬志 西舘 司 眞鍋 和弘 石井 康彦
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

IASBが現在取り組んでいる新概念フレームワークを「会計の大転換」という仮説にもとづいて追究した。それは、現行のIFRSを要約したものではなく、将来を見据えたビジョン型のフレームワークである。その知見をもとにIASBの「討議資料」と「公開草案」の持分の定義の矛盾に関してコメントレターを送った。大転換する会計の有用性の実証的検証は一般に困難であるが、資金法形式の利益分解の有用性を確認した。また、会計と文化の観点から多様な国々の大転換の許容度を検討した。現在、世界的に進行している「格差」は慣習的会計に起因する可能性があり、新しい会計による新しい資本主義に向けて、日本の貢献が期待されている。
著者
岡本 真一郎 OKAMOTO Shinichiro
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

言語表現の状況的使い分けに関して体系的な枠組を得るため,社会心理学的な見地から実証的な研究を行った.主として,状況要因を独立変数として操作して言語反応等を従属変数とする実験的手法を用いた.これに加えて,結果のエコロジカルバリディティを確認するため,録音した会話やシナリオに現れた会話を分析して,事例的に検討したり,可能な場合は定量的に分析する方法でも研究を進めた.具体的な研究内容は以下の通りである.1. 感謝表現に関して,質問紙を用い状況要因を独立変数とした実験的研究をいくつかの観点から行い,実験結果を分散分析や重回帰分析等により解析することにより,感謝型と謝罪型の表現の使い分けに関与する諸要因の影響について全体的な考察を試みた.英語(英国)での感謝の表現の使い分けのとの比較・検討も行った.2. 対人配慮に関わる他の諸表現についても状況要因との関わりを検討した.具体的には「ごくろうさま」,「おつかれさま」,「たいへんでしたね」等のねぎらい表現,「失礼しました」等の謝罪表現,「そうです」,「いいです」等の評価的応答表現を扱った.3. さまざまの言語表現の使い分けに対する聞き手の反応を実験的に検討した.4. これまでに知見が得られた対人配慮表現に関して,日本語における状況と表現の関わりについて,従来の日本語の敬語に関する先行研究や欧米の諸研究もふまえて包括的なモデルを検討した.今後は4で示したモデルを修正発展させる中で,日本語の対人配慮表現を状況と関連づけて体系的に整理していくことを計画している.その際,他の言語における知見と比較して日本語の場合の特徴を明らかにするとともに,対人配慮の普遍性についても考察を進める予定である.
著者
松浦 国弘
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学教養部紀要 (ISSN:09162631)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.232-214, 1996-11-25
著者
梶浦 雅己 内田 康郎 安田 賢憲
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近年, ICTの標準,特許の関係が深化している。標準はデファクト標準からコンセンサス標準へシフトしている。標準と特許に関する企業のビジネスモデル事例がどのようなものであるかについて,オープン・イノベーションの視点で解明した。事例を検証した結果,オープン・イノベーションによるビジネスモデル構築は,企業内製でなく外部機関レベルで行われ,こうした変化はデファクト標準の衰退,コンセンサス標準の隆盛として出現したことが明らかにされた。
著者
引田 弘道 大羽 恵美
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

11世紀にカシミールにおいて編纂された『ボーディサットヴァ・アヴァダーナ・カルパラター』の、サンスクリット語文献の翻訳研究を行った。三年間の助成期間で、第29章「カーシスンダラ物語」から、第38章「クシャーンティ物語」までの章、および前書きの和訳を行った。また本文献に基づく美術作品の分析を行い、説話図においてそれぞれの物語と情景の同定を行い和訳と同時に発表した。さらに、本文献と関連を示す類話や絵画の研究を行い、本文献を中心とするインド北部からチベットに至る仏教文化の諸相について数編の論文に表した。
著者
梶浦 雅己
出版者
愛知学院大学
雑誌
地域分析 : 愛知学院大学経営研究所々報 (ISSN:02859084)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.29-56, 2008-03

本研究はイノベーション普及と収益化を取り扱うが,そのためにそれぞれに別個の研究アプローチを用いて複合的な分析を図るものである。このような複合的な分析アプローチを用いる理由は,本文において詳述するようにイノベーション普及と収益化が必ずしも一致しない実態となっており,単一の一般理論に基づく分析アプローチでは事象解析に限界があると思われ,精緻化するためにそれぞれ別個に論じる必要があるからである。同一のケースについて複数アプローチを用いることについての有効性は先行研究をみても明らかである。例えばアリソン(Allison,Graham T.)は「即席に一般化するよりも(それぞれを補完する)部分パラダイムを精密化し,関連する行為の種類を明確化することのほうが,限定的な理論や命題を発展せしめて実り多い」と述べている。また異なったアプローチから得られる部分モデルは相互に排他的ではなく,部分的強調点を明確にして大きなモデルを構築する際の基礎をなすものである。このような前提に立って,イノベーション普及については普及学研究アプローチ,イノベーション収益化については事業システム(ビジネスモデル)アプローチを用いるものである。本論文(その1)ではそれぞれの研究アプローチに関連する先行研究をサーベイし,それを踏まえて本研究のフレームワークを提示する。
著者
大森 明
出版者
愛知学院大学
雑誌
地域分析 : 愛知学院大学経営研究所々報 (ISSN:02859084)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.37-60, 2005-03-31

わが国では, 環境省による環境会計ガイドラインの公表以降, 外部環境会計の分野が急速に進展してきている。しかし, 開示された会計情報の有用性が課題とされている。本稿では, 特に, 環境コストをかけた成果としてのベネフィットないし効果の測定について検討する。環境会計における効果の測定は, 物量単位または貨幣単位によってなされるが, 環境コストが貨幣単位によって測定される以上, 理想的には環境効果もまた貨幣的に測定されるべきである。環境省ガイドラインでは, 効果の貨幣的測定や経済効果の測定に関して慎重な姿勢を崩していないが, 先進的な企業では, 積極的に効果の貨幣的測定に取り組んでいる。本稿では, これらの先行事例をレビューしつつ, 環境経済学の分野で進展してきている環境の経済評価法の環境会計への援用を検討する。その代表的な手法であり, また近年注目されているCVMやコンジョイント分析は, 信頼性や正確性の観点から, 貨幣的測定の手法としては今後の研究を待たねばならないと考えている。また, 環境会計は, 悪化した環境の改善, 換言すれば環境ストックの向上をもたらしているか否かを判断できるツールとなることを本来の任務とするべきである。しかし, 近年展開している環境会計はフローの側面のみを重視し, ストック面についてはあまり考慮されてこなかった。そこで, 本稿では, 汚染ストックの改善こそが環境コストをかけた成果であると捉える。具体的には, 維持コスト評価法を用いた予算を編成することによって, ストックの改善を明らかにできる仕組みとしての環境会計を提案することにしたい。