- 著者
-
東 弘子
- 出版者
- 愛知県立大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2004
本年度は,言語をあるがままに分析しようとする言語学の視点と,一つのスタンダードを指向する大衆的視点またはそれを操作しようとする権力との関係について考察するという方向性で,研究発表,学会参加,論文発表をした。口頭発表としては「マスメディアにおける社会的上位者への敬語の使用状況と受容者への心的効果」(加藤淳,宮地朝子と共同)を第6回「社会言語学」刊行会研究報告会(2006/4,於:ウィルあいち)にておこない,そこでの議論をふまえ,社会学的な視点,批判的言説分析の手法を敬語研究に導入し,研究論文「批判的言説分析としての敬語分析-マスメディアにおける敬語・敬称の使用/非使用から-」『社会言語学』VI, pp.61-75(2006/9)を執筆した。また,言語政策,言語権,多言語化,規範意識等,社会における言語の価値付けのシステムと言語学のリンケージの方法論をさぐるべく,日本方言研究会,日本言語学会,JP/KRA Linguistics Conf.,多言語社会研究会,社会言語科学会等に参加し情報収集をした。前年度より継続している,TVニュース,ワードショー等におけるキャスターの発言のデータベース化も継続しておこなった。人間関係の距離とその表示となる言語形式についての整理にむけて,表の作成を継続中である。