著者
亀崎 宏樹 大橋 和典 石原 圭朗 佐々木 義昭 高藤 晃雄
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.145-151, 2007 (Released:2007-12-16)
参考文献数
17
被引用文献数
3 3

The lethal effects of two types of oxygen absorbers on the eggs of the house dust mites, Dermatophagoides farinae, D. pteronyssinus, and Tyrophagus putrescentiae were studied. For D. farinae, and D. pteronyssinus, the mortality obtained after 2 days in an air-tight container with iron (Fe)-type oxygen absorbers was 100%, while an ascorbic-acid-type oxygen absorber needed 5 days to obtain 100% mortality. On the other hand, the two types of oxygen absorbers showed no significant lethal difference on T. putrescentiae.
著者
大橋 和典 小坪 遊 高藤 晃雄
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.107-113, 2003-11-25
参考文献数
9
被引用文献数
1 6

近畿地方から発見され,新種記載されたミツユビナミハダニの発生分布および越冬能力を調査した.本種は,大阪府,京都府,兵庫県および東京都で発生が確認され,主にイヌホオズキを利用していた.冬期でも全てのステージが活動していたことから非休眠性種である考えられたが,冬期に生存している個体の割合は低く,本種は熱帯または亜熱帯に起源する侵入種であると考えられた.しかし,本種は2001 年に発見されてから少なくとも2 度の越冬に成功しており,すでに分布の拡大を始めているものと思われた.
著者
古味 一洋 荒川 良 天野 洋
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 = Journal of the Acarological Society of Japan (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.29-35, 2008-05-25
参考文献数
17
被引用文献数
1 10

高知県の果菜類栽培施設で発生する土着カブリダニ6種(ヘヤカブリダニ,コウズケカブリダニ,ミチノクカブリダニ,サイタマカブリダニ,キイカブリダニ,ニセラーゴカブリダニ)および生物農薬資材として販売されているククメリスカブリダニの,ミナミキイロアザミウマ1齢幼虫に対する捕食能力を評価した.供試した土着カブリダニ6種のなかで,キイカブリダニの日当たり捕食量と産卵数が最も多く,3日間平均で,12.2頭,6.5卵であり,この値はククメリスカブリダニの3倍程度の高いものであった.また,ニセラーゴカブリダニの捕食量も5.8頭とククメリスカブリダニより多かった.以上の結果より,キイカブリダニとニセラーゴカブリダニはアザミウマ類の天敵として有望な種と考えられた.ヘヤカブリダニ,コウズケカブリダニ,ミチノクカブリダニ,サイタマカブリダニもミナミキイロアザミウマ1齢幼虫に対する捕食性が認められた.
著者
森 樊須
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.75-76, 2000-05-25
著者
安倍 弘
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.51-56, 2005-05-25
著者
松尾 智英 大倉 信彦 角田 浩之 矢野 泰弘
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 = Journal of the Acarological Society of Japan (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-23, 2013-05-25
参考文献数
105
被引用文献数
7

マダニ上科は主に2つの科,すなわちマダニ科(Hard tick)とヒメダニ科(Soft tick)とに分類され,マダニ科はさらにそれらの繁殖の違いによって Prostriata(マダニ科マダニ属)および Metastriata(マダニ属を除くマダニ科の属)に分けられる.すなわち,各グループに属する種はそれぞれ特徴的な繁殖システムや器官を有している.加えて,マダニ類は様々な病原体のベクターとしても重要な生物群である.Metastriataグループに属するフタトゲチマダニは単為生殖系統と両性生殖系統が存在するという特徴をもち,オーストラリア,ニュージーランド,ニューカレドニア,フィジー諸島,日本,朝鮮半島および中国・ロシア北東部に広く分布している.本種はまた Q熱リケッチア,ロシア春夏脳炎ウィルス,タイレリアおよびバベシア原虫のベクターとしても知られており,我が国における牧野の最優占種であるフタトゲチマダニは放牧牛にピロプラズマ病を媒介するという点で農学・獣医学上重要であると考えられている.そこで,我々がこれまでに明らかにしてきたフタトゲチマダニ両性生殖系統の繁殖に関する知見をここにまとめる.
著者
江原 昭三
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.175-176, 1999-11-25
著者
黒佐 和義
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.85-90, 2009-11-25 (Released:2009-12-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

Archidispusはヒサシダニ科Scutacaridaeの大きな属の一つで,世界で約70種が知られているが,その大多数は雌成虫のみに基づいて記載されたものである.わが国からは,これまでに,オサムシ科Carabidaeの甲虫の成虫に付着した状態で見出された便乗性雌に基づいて38種のArchidispusが報告されているが,なお,かなりの数の種が未記載のまま残されている.本著ではゴモクムシ族(Harpalini)のマメゴモクムシ亜族(Stenolophina)に属するゴミムシに見出された1新種をA. acupalpi (チビゴモクムシヒサシダニ)と命名し,記載する.この種は既知種の中では,同じくマメゴモクムシ亜族のゴミムシから見出されるA. yanoi Kurosa, 1984に最も近縁と考えられるが,基節毛3bの形状などにより容易に識別できる.
著者
山内 健生 高野 愛 丸山 宗利 川端 寛樹
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 = Journal of the Acarological Society of Japan (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.143-148, 2012-11-25
参考文献数
15
被引用文献数
8

A Japanese male repeatedly infested with <I>Amblyomma testudinarium</I> in Malaysia was reported. He visited to Ulu Gombak, Malay Peninsula, Malaysia on April and May 2007, and he recalled three times of tick bite during traveling. The first tick bite was by one nymph infested on the inner side of the brachium of the patient. After a few days, erythema with a diameter of 2 cm was found at the site of tick attachment. Pain of the site remained for 20 days. The second tick bite was by larvae infested on the skin surface of the abdomen, basal portion of the thigh, and scrotum of the patient. He felt a pain at the moment of tick infestation. The pain remained for 15 days. The third tick bite was by a larva, and the tick was found in the phyma of his back immediately after his return Japan.
著者
青木 淳一 唐沢 重考
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.5-9, 2007-05-25
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

ササラダニ類イチモンジダニ科フタツワダニ属(新称)Fenestrellaには世界に2種が知られているが,今回沖縄本島から第3の種が見出され,新種として記載し,フタツワダニ(新称)Fenestrella japonicaと命名した.本種は後部背面にある「輪っか」が後方にまで伸びて一連の輪になっていることなどで,既知の2種と区別される.本新種を含め,本属の3種は全てアジアの亜熱帯-熱帯(ベトナム・中国・日本)から発見されている.
著者
清水 伸泰 野下 浩二 森 直樹 西田 律夫 桑原 保正
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.57-64, 2004 (Released:2005-06-15)
参考文献数
27
被引用文献数
5 8

未同定種Oulenzia sp. のヘキサン抽出物に警報フェロモン活性を認めた.ヘキサン抽出物は,2 種の未知化合物を含め,トリデカン,ネラール,ペンタデカン,ドデカン,3-ヒドロキシベンゼン-1,2-ジカルバルデヒド,ゲラニアール,(Z)-7-ペンタデセン,7-ヒドロキシフタライドの10 化合物で構成されていた.抽出物をシリカゲルカラムで精製したところ,活性フラクションにはネラールとゲラニアールが含まれていた.ネラール(1–1000 ng で活性)はゲラニアール(1000 ng でのみ活性) よりも強い活性を示すことから, ネラールを本種ダニの警報フェロモンと同定した.
著者
藤川 徳子 藤田 正雄 青木 淳一
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.2, no.Supplement, pp.1-121, 1993-04-25 (Released:2011-05-09)
参考文献数
532
被引用文献数
9 20