著者
宇井 純
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学地域研究所所報
巻号頁・発行日
vol.5, 1991-09-26
著者
新崎 盛暉 大橋 薫 大嶺 哲雄 高良 有政 平良 研一 佐久川 政一
出版者
沖縄大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1985

今年度は, 昭和60年度の沖繩本島・久米島地区, 昭和61年度の宮古・八重山地区において実施した「家族の実態と意識に関する調査」の集計結果を各班・全体会議等で解析・検討するとともに, 過去2年間の各自担当領域の調査研究成果の発表と相互の意見交換を重ねながら研究を進めた.その結果, 戦後沖繩における産業経済および社会の展開様式には, 27年余も続いた米国統治が大きく影響し, それは現在でも完全に払拭されてないなことが確認された. 同時に, 復帰後の社会変動も著しく, 政治・経済・社会・文化の諸相において「本土化」の様相が強くなっていることも確認された. したがって, 家族生活や親族組織等も変容の過程にあり, 家族問題も多様化・複雑化している. しかし, 生活や行動様式の基層においては, 沖繩的特性の残存も認められる. また, 当該問題の関連領域の総体においては本土化=標準化傾向が強くみられるものの, 人口・家族構成, 就業構造, 相続形態, 配偶者選択, ユタへの対応等においては沖繩内部における地域的差異も依然として存在することが確認された.
著者
木曽 隆 宮城 コマキ
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学マルチメディア教育研究センター紀要 (ISSN:13464264)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-11, 2004-03-31

昨今、インターネットを活用した遠隔教育は国内外を問わず広がりを見せている。本稿でとりあげる書道もまたそのひとつである。しかしながら、今までの書道遠隔教育の多くはあくまで「筆跡」の模写の域を出ず、「筆運び」といった『書道』の重要点を伝えるには限界があった。この問題に対し、我々は書道家玉舟の監修を得て双方向の動画通信による書道遠隔教育システムを実装し、運用を開始した。本稿では実装の基盤となるサーバーアプリケーションMacromedia Flash Communication Serverの概説とその実例の一つとしての書道教育システムを紹介する。
著者
武市 周作
出版者
沖縄大学
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.197-204, 2006-03-31

本件は、沖縄戦で家族などを失うなどした沖縄県出身者や沖縄在住の宗教活動を行う者が、小泉純一郎内閣総理大臣による靖国神社参拝(2001年8月13日および2002年4月21日)に対して、参拝行為が日本国憲法の規定する政教分離原則に違反し、また、参拝によって、原告らの政教分離を厳格に求める法的権利、信教の自由、思想信条の自由、平和的生存権が侵害され、精神的苦痛を被ったとして、民法709条および国家賠償法1条1項に基づいて損害賠償請求を提起した事件である。小泉首相による靖国神社参拝に対する訴訟は、全国で提起された(東京、千葉、大阪、松山、福岡、沖縄)が、なかでも沖縄靖国訴訟は、唯一の地上戦を経験した地において提起されたもので、靖国神社の歴史的な経緯などからみても、特別の意味を持つものであるとして注目を浴びてきた。原告が主張する法的利益侵害も、沖縄戦を経験した者であるからこその視点も含まれており、その意味で、本判決を考察することは地域研究にとって重要な意味を持つ。ただし、その際、靖国神社成立の歴史的経緯や、参拝の政治的・社会的意味については極力触れず、那覇地方裁判所の法的論理について評釈するにとどめた。
著者
西里 喜行
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学紀要 (ISSN:03884198)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.27-29, 1990-03-31
著者
金城 一雄
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄短大論叢 (ISSN:09112022)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.99-124, 1998-03-01
著者
スミンキ- 陽子
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.41-48, 2011-03-31

アニ-ベイビ-はネット作家として彗星のごとく中国の文壇に現れた、まさにIT時代が生み出したニュ-ジェネレ-ションの新進気鋭の作家である。本稿でとりあげる『さよならビビアン』は、作者が初めて出版した同名小説集に収められたデビュ-作である。作者は「人間関係における授受及び被授受」そして「混沌とした社会に生きる人々がもつ孤独と困惑」を重要なテーマに掲げている。本稿ではアニ-ベイビ-のデビュ-作、及びその他の著作に共通して作者が描き続ける「日常生活の中にある非日常的なストーリ-」に着目し、『さよならビビアン』における人間関係、言語運用の角度から登場人物の心理に焦点を当てて論を進める。
著者
松鷹 彰弘
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄短大論叢 (ISSN:09112022)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-29, 1998-03-01
著者
宮城 辰男
出版者
沖縄大学
雑誌
沖大論叢 (ISSN:03871630)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.19-50, 1967-02-08
著者
川崎 和治
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学法経学部紀要 (ISSN:13463128)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.77-82, 2009-03-31
著者
内海 恵美子
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学地域研究所年報 (ISSN:13413759)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.109-135, 1994-03-25
著者
大嶺 哲雄
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学紀要 (ISSN:03884198)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.31-78, 1995-03-01
被引用文献数
1

A.目的:沖縄島の土壌動物相の基礎的研究(1) 1)基地内の土壌動物を総合的生態系に位置付けて動物相を把握するために土壌動物目録を作成し、琉球列島とハワイの自然とをむすび、ハワイ自然保護協会の国際的コードにのせて環太平洋の島ショ(嶼)性生態系の保護計画に役立たてる。2)基地内と一般民間地域の土壌動物の種構成や分布などの相違があるか否か、対比する資料作成のため。3)管理された地域と自然野性区域との差異についての資料作成。B.意義:冒頭ですでに述べたように、本プロゼクトは「嘉手納米空軍基地内の評価に必要な生物相の目録の作成と管理」に必要な資料収集することにあり、「生物的文化的資源を明確にし、これらの課題の可能な管理方法を検討する。このために米国、州、民間人の相互連絡と協力を得る」ことになっている。これまで基地内の自然保護に関しては日本に在って日本の法律が届かないいわば治外法権的な状況にあり、その実態は知られていない。したがって今回主たる課題を生態学的な科学的基礎調査を重ねて、絶滅の危機にある種や貴重な生態系を保護する点にある。米.琉合同でのこのような調査の試みは、今回が初めてであり、国際的視点に立ち、島ショ(嶼)生態系を保全するための共同研究体制を組み、アジア.太平洋の自然を守って行くことの意義は極め大きく、今後とも共同研究体制での継続研究を望むものである。調査結果の概要 1.沖縄産 土壌動物相の確認(調査区:嘉手納弾薬集積地域18km^2中)6門 10亜門 22亜綱 11目 29科 70属 96種を確認した。2.分布特性(石灰岩)と(非石灰岩)との相違(土壌動物一覧表参照)3.土壌動物と自然環境とのかかわり概要は、以下の通り。(1)真性土壌動物には生産者的役割を持つものが多い。つまり、喰う喰われるの階層としての餌、または分解者として自然界における循環の一環をなす重要な役割をもっている。(2)腐葉土形成にかかせない土壌の重要な要素をもつ。つまり植物界と動物界との栄養的接点として重要である。(3)特殊管理下における地域性および種構成(4)一般原野との種構成の差異の有無などについて考察する。軍施設であるため日頃滅多に入域できない場所であり、弾薬庫云う特殊な地域であるため滅多にない広大な人工生態系の実験場である。一般山野とどのような差異があるか、基礎的データを得るのに貴重な調査であった。印象としては、1.単純な動物相である。2.種類が少ない。貧相である。3.ヤンバルトサカヤスデに代表されるように、侵入種(新参種)の広がりが優勢を占めている。(3)については、在来種を駆達し、侵人種が適応分散する恐れがあり問題点である。
著者
北村 毅
出版者
沖縄大学
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.49-66, 2007-03-31

本論文は、沖縄県糸満市の「摩文仁(まぶに)の丘」と呼ばれる戦跡空間を事例として、沖縄戦の戦死者表象を巡る記憶のポリティクスを考察するものである。本稿の目的は、まず、摩文仁の丘を巡って、沖縄戦の戦死者がどのように表象されてきたのかを明らかにすることである。とりわけ、1995年、摩文仁の丘の麓に建設された、約24万の戦死者の名が刻まれた記念碑、「平和の礎(いしじ)」が分析の対象となる。その「平和の礎」を巡る諸種の言説や実践を検証する作業を通して、〈戦後〉という時間的・認識的区分に表された、「想像の共同体」の外縁(外枠)を捉えることが、最終的な目的である。第1章では、1960年代に始まる摩文仁の丘の上の慰霊塔群の「靖国化」と、丘の下の「平和の礎」を巡る「靖国化」について検証した。第2章では、「〈平和〉のイマジネール」という概念を提唱した上で、丘の上と下の共通性について指摘し、第3章では、小泉純一郎首相を事例に、「平和の礎」を「靖国なるもの」に接合するレトリックについて分析した。そして、第4章と第5章では、「平和の礎」における、ある「平和ガイド」の語りの実践に見出される、個々の戦死者を基点(起点)とする沖縄戦の想起の在り方に着目し、そこから、「〈平和〉のイマジネール」に規定された〈戦後〉を脱構築する可能性、ポスト〈戦後〉への布石を看取した。