著者
中村 吉明
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, pp.46-50, 2017-10-28

一般講演要旨
著者
近藤 悟
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.265-273, 1988

国や民間企業が将来の技術開発計画を立案する際には、今後の技術発展の方向を把握しておく必要があり、この技術発展の方向を予測する重要な活動がいわゆる「技術予測」である。この技術予測の手法にはいろいろなものが開発されている。ちなみに科学記述庁では、昭和46年以来、約5年ごとに「デルファイ法」により技術予測調査を実施してきており、昭和62年9月に第4回目の予測結果を発表した。この技術予測調査は世界でも類を見ない大規模なもので、国や民間企業での技術開発計画立案の羅針盤として期待されている。科学技術庁の今回の技術予測の特徴や読み方(企業の技術開発計画への活用等)については、いくつか報告がなされている。しかし、「デルファイ法」についての手法面からの分析はほとんどなされていないのが現状である。今後より有効な技術予測を実施して、その結果を技術開発計画に活用していくためには、手法面についても検討しておく必要がある。本論文では、特に予測された「実現時期」に着目して、実現時期やそのバラツキと回答特性との関連、高い信頼性が得られると思われる回答者数や予測期間、楽観的予測と悲観的予測との比較、繰返しアンケート調査の収れん効果等いくつかの面から、科学技術庁の技術予測調査結果を題材に、「デルファイ法」の手法に対する考察を試みた。
著者
永田 晃也 西村 文亨
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.126-136, 2010-03-01
参考文献数
16

Transfer and shearing of knowledge is a key factor for competitiveness of businesses that provide goods and/or services of highly standardized quality to a widespread area. However, it is often difficult to promote the utilization of such systems. The present work uses data on utilization of a knowledge transfer system introduced in the Distribution Department of Kyushu Electric Power Company to analyze problems that hinder effective use of the system. Examination of factors that determine utilization of the system by the supply and demand sides of knowledge revealed that conditions for accumulation of knowledge, such as long career and job experience, can increase the cost of knowledge transfer, which consists principally of the time needed to use the system. The cost is not symmetrically distributed on the supply and demand sides: the suppliers of knowledge have to pay more than receivers. This may limit transfer of knowledge of a person to the few people around him/her. The paper is concluded with discussion of possible solutions of this problem.
著者
桑嶋 健一
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.166-181, 1999
参考文献数
39
被引用文献数
1

本稿の目的は、医薬品産業における効果的な研究開発のパターン(研究開発の成功要因)とそれに影響を与えるマネジメント上の要因を明らかにすることである。医薬品産業は研究開発が極めて重視される産業であることから、これまでにも研究開発マネジメントをテーマとした研究は数多く行われてきている。しかしながら、その多くは企業レベルの分析であり、研究開発プロセスに法典を当てたものはほとんど見られない。 本稿では、日本における新薬開発の成功事例として、三共のメバロチンの事例を取り上げ、研究開発プロセスに焦点を当てた詳細な事例分析を行う。従来の医薬品産業の研究開発マネジメントに関する研究において、研究開発パフォーマンスに影響を与える要因として特に強調されていたのは、自動車をはじめとする組立型産業においてもその重要性が指摘されている「コミュニケーション」や「情報統合」といった能力であった。それに対して本稿では、他の産業の研究開発と比較した場合に、不確実性が高くその成功確率が極めて低いという特徴を持つ医薬品の研究開発(本稿ではこれを「多産多死型の研究開発」と呼んでいる)においては、研究開発の過程における「go or no-goの意思決定の能力」が極めて重要な組織能力であることが指摘される。