著者
光富 健一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.613-618, 1996-11-01
被引用文献数
1

ネットワーク時代の到来によって, 主題分析を指向した情報組織化の必要性が軽んじられてきている。統制されない自然言語によるインデクシングは, 本当に利用者に役立ちうるか。フーグマンが提出した「概念の三角形」と「情報提供とインデクシングの5命題」を手がかりとして, 統制索引言語の必要性を強調する。また統制索引言語構築の方向性を, BC2のファセット構造を手がかりとして提出する。
著者
細川 聖二 平田 義郎 齊藤 泰雄 内藤 裕美子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.442-447, 2008-09-01

国立情報学研究所では,目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の今後の在り方について,中長期的な視点で検討することを使命として,「学術コンテンツ運営・連携本部図書館連携作業部会」の下に「次世代目録ワーキンググループ」を設置した。ワーキンググループでの検討結果を「次世代目録所在情報サービスの在り方について(中間報告)」として取りまとめ,2008年3月末に公開した。本稿では,「中間報告」に至る検討の経緯および「中間報告」についてその概要を紹介する。
著者
佐藤 高廣
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.466-471, 2002-09-01

インターネット上の情報資源へアクセスするため,ポータルサイトが活用される。最近では,図書館Webページのポータル化も顕著である。紀伊國屋書店では1999年10月より,学術情報に特化したポータルサイトK-Portを運営している。K-Portは,利用機関別にカスタマイズが可能なポータルサイトであり,自館専用のデータべースリストや電子ジャーナルのリンクリストを構築することができる。図書館では自舘のWebページの代替的サイトとして,K-Portを活用することができるだろう。本稿は,ポータルサイトの一般的動向を踏まえたうえで,K-Portの基本的特徴や電子ジャーナルへのアクセス支援機能について,解説するものである。
著者
ナイジェル オクスブロウ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.383-387, 2002-07-01

米国の図書館情報学教育の多くが,時代の変化とともに急速で革新的な発展を遂げたのと対照的に,イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国の教育現場では,どちらかといえば変革は隠微な形でしか進まなかった。それは同時に,実業としての図書館情報学が,時代やビジネスの現場におけるニーズとの乖離を深めていくことを意味していた。その溝を埋めるために産まれ,そして驚くべき成功を遂げたのが,ここで紹介するTFPLというイギリスの会社である。彼らはどのようにして時代の変化を読み取り,インフォプロたちを支援し,かつ養成する一大組織へと転身していったのか。代表・ナイジェル・オクスブロウ氏に,その歴史と活動を語ってもらい,成功の秘訣を探った。
著者
山本 浩幾
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.567-574, 2007-12-01

早稲田大学演劇博物館に所蔵する資料群「九州地区劇団占領期GHQ検閲台本」は,戦後期の地方演劇文化を知る上で有用な資料である。「ダイザー・コレクション」とも呼ばれるこの資料群は,プランゲ・コレクションと同様,研究資料としてアメリカへ移送されたものである。歴史的背景を確認した上で,関連資料にもとづきコレクション成立の経緯をたどる。再整理作業では目録データと原物資料と突合しつつ,新たな情報の採取を行い,さらに電子撮影を行った。本資料群の資料性を,原物資料の特長や,目録データによる資料構成から考える。配架状況や運用方法についても触れる。
著者
北澤 京子 石井 保志
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.406-411, 2006-09-01

『健康情報棚プロジェクト』はそのユニークな活動を通じて,これまで「ありそうでなかった」健康・医療情報提供の一分野を切り開きつつある。公共図書館や患者図書室等に「闘病記文庫」というモデルケースを設置し,健康・医療情報コーナーに発展させようとする構想は,図書館員・医療者・患者当時者・古書店主など多くの職種のノウハウが集結されている。患者・家族へのわかりやすい情報提供をミッションに,情報ニーズの把握からデータベース開発を実現するため,メンバーでアイディアと労力を出し合い,外部諸団体との共同研究を積極的に推進してきた。健康情報棚プロジェクトのこれまでの歩みと,協力者との交流についてまとめる。
著者
細野 公男
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.606-612, 1996-11-01

文献電子化への流れ, テキスト処理技術の進歩, 情報提供における利用者志向は, 従来の索引作業の役割やあり方に大きな影響を及ぼしている。本論文ではこのような背景を踏まえて, まず付与索引・抽出索引, 主題検索の特徴を述べると共に, 各種のアバウトネスの概念および索引作業との関連を紹介した。続いて, 付与索引・抽出索引および主題検索が現在抱えている問題点を明らかにした。前者では主題概念の表現力の不備と利用者アバウトネスの欠落が, 後者では主題概念の表現力の不備が大きな問題である。さらに, 索引作業が効果的に機能するために今後考慮すべき要件として, 利用者アバウトネスの取り込みと自動索引手法の高度化の必要性を示した。
著者
大場 利康 川鍋 道子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.341-347, 2004-07-01

国立国会図書館蔵書目録データベースNDL-OPACには,複数の主題検索方法が用意されているが,その使い勝手には問題もある。国立国会図書館件名標目表(NDLSH)については,「参照指示の不足」「特定性の不足」が問題であったが,国立国会図書館はこれらの解消に着手した。米国の「ベイツ・レポート」,IFLAによるOPAC表示のガイドライン草稿では,利用者本位のOPACのあり方が提唱されており,今後は利用者の観点からOPACを構築することが求められる。
著者
呑海 沙織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.272-277, 2002-05-01

1978年の改革開放政策以来,中国における学術図書館を取り巻く環境は,大きく変化している。1990年以降は,情報基盤の整備や図書館資料費の不足を背景に,資源共有を目的とした図書館コンソーシアムの形成が推進されている。CALIS(China Academic Library and Information System)は,1998年に立ち上げられた重点大学構想211プロジェクト下の図書館コンソーシアムである。学術情報ネットワークCERNETを基盤とした全国規模の情報資源共有システムの構築をその目的とする。本稿は,CALISを中心に,中国における学術図書館コンソーシアムについて考察する。
著者
福島 三喜子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.285-288, 2001-05-01

オンラインコマンド検索からサービスを開始したSTNは, 化学構造検索の画期的なツールSTN Expressを提供するとともに, インターネットおよび情報技術の進展に伴う状況の変化に即して, Webの検索ツールSTN Easy及びSTN on the Webを提供してきた。今後, 世界的な情報インフラストラクチャの整備により, インターネット及びイントラネット上でSTNの情報をより効率的に利用できるよう, STNでは既存システム及び新製品の開発を行うとともに, フルテキストサービスの充実を図り, STNから二次情報データベースおよび一次情報の提供をすべてSTN製品の中から提供することを目指している。
著者
長岡 宣明 時実 象一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.529-534, 1986-11-01

STN International announced several new enhancements recently. Among them, new search and display features for full-text files such as Chemical Journals of American Chemical Society (CJACS) were described with examples. Features of BRS and those of STN were compared.
著者
安藤 一博
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.581-586, 2003-12-01

1990年代中頃より中国の図書館は電子図書館の研究開発をすすめてきた。そして,研究,実験の段階を経て,本格的なデジタル図書館建設を目的とした中国電子図書館プロジェクトが,2000年に立ち上げられた。本稿では,背景となる図書館資料費の不足と情報基盤の普及を概観し,中国電子図書館プロジェクトを中心に中国における電子図書館に対する取り組みについて考察した。
著者
川崎 道雄
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.15-20, 2005-01-01

全世界的に学術雑誌の電子ジャーナル化が進むなか,中国では,その量の膨大さにおいて世界に類例を見ない雑誌,新聞,学位・学全論文の総合的データベースであるCNKI (China National Knowledge Infrastructure)の構築が国家事業として立ち上がり,中国国内では順調な運営が続いている。2000年からは海外での利用も可能となり,中国との経済・文化の交流が深化する日本でも,中国の情報を得るためのツールとしてCNKIは無視できない存在となっている。本橋では,その概要を紹介する。
著者
藤原 静雄
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.564-568, 2006-12-01
参考文献数
4

文書にライフサイクルがあるように個人情報にもライフサイクルがある。文書・資料の管理はそのサイクルに合わせて考える必要がある。また,個人情報保護法制には「目的拘束」という法制度を貫く原則が存在するが,管理も当該文書を作成・取得した目的との関係で行う必要がある。個人情報保護法制の下での文書管理・資料管理,とりわけ文書の廃棄に際しては,民間部門のガイドライン等で用いられている基準を参考にすることが考えられる。さらに,文書管理・資料管理の問題は技術的な側面が強調されがちであるが,個人情報保護の観点からは,技術は手段であり,目的は個人の権利利益の保護にある点に留意すべきである。
著者
小谷 允志
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.559-563, 2006-12-01
参考文献数
4

オフィスでは膨大な数の文書が日々発生している。文書の氾濫を防ぎ,情報活用の生産性を向上させるためには,的確な文書のライフサイクル管理の仕組みが導入され,維持されなければならない。そして,そのプロセスの中で適切に廃棄が行われることが必要である。本稿では概括的な廃棄の基準と,保存期間満了後の廃棄基準とを区別し,的確なライフサイクル管理の中での廃棄と,その前提となる保存期間設定の考え方について述べる。併せて機密文書の廃棄方法にも触れる。
著者
鈴木 克彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.569-573, 2006-12-01
参考文献数
4
被引用文献数
1

図書館においては,現実問題として収容能力の限界から図書廃棄を優先して考えざるを得ない一面もあるが,この一局面だけに捉われ過ぎては危険である。本来ライブラリアンは,利用者の視点に立ち,その利便性を考慮し,図書館サービスの向上に努めることを,第一に考えるべきである。石川島播磨重工業(株)技術情報センターでは,この観点も含め資料ごとに廃棄基準を定めている。2006年4月の当社の新本社ビル完成に伴う廃棄作業では,この基準に従って約15,000冊の図書,雑誌等を廃棄した。なお当社は,廃棄にあたり,環境に十分考慮している。
著者
河瀬 和重 久保 紀重 明野 和彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.418-423, 2001-08-01
被引用文献数
1

地理情報についてのメタデータの整備及びクリアリングハウスの構築は,地理情報の相互利用を促進し,地理情報の重複投資を回避するために必要不可欠である。クリアリングハウスの構築を実現するためには,メタデータ標準の策定や,分散検索を行うためのシステム開発を行う必要がある。本稿では,国土地理院における地理情報メタデータの記述のための標準策定に関する取組,及び情報検索プロトコルの国際標準であるISO23950のメタデータ検索システムへの応用について述べるとともに,こうした標準を基にして国土地理院で構築したクリアリングハウスについて紹介する。