著者
濱田 麻矢 宇野木 洋 松浦 恆雄 福家 道信 絹川 浩敏 西村 正男 今泉 秀人 藤野 真子 三須 祐介 星名 宏修 大東 和重
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日中戦争勃発の1937年から東アジアに冷戦体制が確立する1952年までを対象にして、中華圏における文化文芸の諸相に、文学テクスト・メディア分析・体制分析という三つの角度からアプローチした。2011年には移民研究についての勉強会を行い、2012年には40年代の女性形象についてシンポジウムを行った。また2013年は名古屋で、2014年には北京で研究集会を行い、文学、映画、演劇、音楽、などのメディアについて、日・中・台・米・シンガポール・マレーシアの研究者が集まり、横断的な討論を行った。なお、この研究成果は現在翻訳中で、2015年に論文集として出版予定である。
著者
広瀬 智久
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.31-35, 1971
被引用文献数
1

1) 貯蔵トマトの追熟中のペクチン質並びにペクチン酵素の変化を追究する目的で, 樹熟果の成熟中の変化を調べ, これと比較検討した。2) 水溶性ペクチンは, 未熟果からDark Pink stage頃まで, ほとんど増減がなく, それ以後次第に減少した。追熟果では樹熟果に比較して, Breaker stageからTable Ripe stageにかけて, かなり低い値であった。3) Calgon 可溶性ペクチンは, 未熟果では少く, 成熟につれて増加した。全期間を通じて追熟果の含量がやや大であった。4) 塩酸可溶性ペクチンは, 成熟に従って減少した。追熟果の減少速度は樹熟果に比べてかなり緩慢であった。5) Calgon抽出, 塩酸抽出を行った後のしゅう酸アンモニゥーム可溶性ペクチンは, 成熟とともに減少した。追熟果は樹熟果との間に全く差異が認められなかった。6) 全ペクチンは成熟とともに減少したが, 追熟果の減少の方が緩慢であった。7) ペクチンエステラーゼ活性は, 成熟の初期に急増し, Breaker stage以後変化がなかったが, 追熟果は全期間を通じてやや小さい値をとった。8) ポリガラクツロナーゼ活性はBreaker stageまで, わづかづつであったが, それ以後成熟未期まで著しく増加した。追熟果もほぼ同様であったがDark Pink stage頃やや低かった。
著者
前川 修
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本年度は、まず二〇世紀後半のヴァナキュラー写真資料調査をし、世界各地で関催されつつあるヴァナキュラー写真展を概観する作業を行った。またこれとともに、理論的枠組みとしてのヴァナキュラー写真論の起源をいくつかの言説において検討した。まず、ポストモダン以降の写真論(アラン・セクーラ)を手掛かりに、ヴァナキュラー写真を含めた写真の機能を論じるための理論的核(論文「セクーラの写真論」、)。また、ポストモダンの写真論が、モダニズム的議論の行き詰まり、そしてその遠因であるメディア相互(絵画、写真、ヴィデオ)の摩擦とも言える状況に由来すること、つまりヴァナキュラーなイメージの相互参照の次元から生じていることも明らかにした(発表「メディア論の憑依」)。第二に、ヴァナキュラー写真の身体とイメージ=物とのかかわりについて、先行する研究(ハンス・ベルティング)を参照しながら、イメージの力学が陥りがちなある種の形而上学を批判的に検討しながら、写真におり重ねられる記憶や身体の次元を詳細に検討した(論文「物としての写真/写真としての物」)。第三に、従来、モダニズム写真論(写真史)の権威とみなされている写真批評家ジョン・シャーカフスキーの言説を読解し、彼の理論の影響関係を掘り起こし、コーウェンホーヴェンやジョージ・キューブラーなどの「ヴァナキュラー文化論」や「物の歴史」がシャーカフスキーの論の根底に深くかかわっていることを明らかにした。
著者
安藤 馨
出版者
神戸大学
雑誌
神戸法學雜誌 (ISSN:04522400)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.85-115, 2014-03
著者
小松原 千里
出版者
神戸大学
雑誌
近代 (ISSN:02872315)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.147-158, 1979-05
著者
森 直樹
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

高等植物のミトコンドリアと葉緑体は、核との複雑な相互作用を通じて細胞内の重要な機能に深く関わっている。本研究では、ミトコンドリアゲノムの進化的安定性を検証するため、異種の細胞質と核を組合わせて育成され60世代以上にわたって維持されてきたパンコムギの細胞質置換系統とその細胞質提供親を用いてオルガネラDNAに変異が生じているかどうか検証した。その結果、ミトコンドリア、葉緑体ともに細胞質置換系統と細胞質提供親系統の間にちがいが見られず進化的安定性が高いと推定された。一方、ミトコンドリアゲノム内では反復配列を介して分子内組換えが生じており、その頻度は組織や成長段階によって異なることが判明した。
著者
河合 成雄
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、日本人学生に対してキャンパス内の国際的人材育成プログラムの効果を検証するという前半部分と、そこでの卒業生の活用の新しい在り方を探るという後半部分とからなる。具体的には20年以上にわたって実施されている「神戸大学国際学生交流シンポジウム」を材料に使い、かつての経験者へのインタビューを主に行った。長いスパンでみる調査は、短期のものとは異なり、人材育成の面やプログラムの評価の点で相違が称することもわかった。卒業生の活用は、人材育成の方法として新しい試みであったと言えよう。卒業生は現役学生のロールモデルとなり得たり、教員と学生の間でファシリテーターとして寄与したりすること等が確認された。