著者
石井 彩子 宇田川 友克 柳 清 今井 透
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.279-283, 2003

スギ花粉症の患者は年々増加傾向で, 現在では国民の10%以上が罹患しており, スギ花粉症は日本人の国民病といわれている。その影響は, 在日外国人にも及んでいる模様で, 花粉症症状を訴えて来院する外国人も年々増加傾向にあると考えられる。その実態を調査するため, 平成14年1月から4月までの期間に鼻汁, 鼻閉, くしゃみ等のアレルギー症状を主訴に聖路加国際病院耳鼻咽喉科を受診した在日外国人患者38人のうち, 血清スギ特異的IgE抗体測定にてスギ花粉症が確認された20人 (男性 : 12人女性8人) を対象にアンケート調査を施行した。来日後発症までの期間は平均約4年であった。在日外国人のスギ花粉症に対する認知度は低い傾向にあり, スギ花粉情報の提供も含めた啓蒙活動が必要であると考えられた。
著者
石塚 洋一 坂田 英明 上房 啓祐 設楽 仁一
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Supplement1, pp.45-50, 1994-08-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
13

いびきの治療に点鼻用噴霧剤であるEN028を用い, その治療効果を検討した。いびきを主訴に来院した23-68歳までの男性25名, 女性11名, 合計36名を対象に, 本剤を就寝前に各鼻孔に2-4回ずつ噴霧させた。総合効果判定では, 著効1名, 有効12名, やや有効9名, 無効14名で, 有効以上の有効率は36.1%, やや有効以上の有効率は61.1%であった。50歳以上18名の有効以上は9名 (50%) で, 高齢者に有効症例が多くみられた。副作用は1例もなく, EN028はいびき治療に有用と思われた。
著者
部坂 弘彦 太田 史一 松井 真人 森山 寛
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.62-70, 1997-02-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
23

気管内挿管に伴う喉頭, 気管合併症として咽喉頭痛, 喉頭浮腫, 反回神経麻痺, 喉頭肉芽腫, 喉頭横隔膜症, 気管狭窄, 気管食道瘻について症例を呈示し, その原因, 診断, 治療などについて報告した。このような喉頭, 気管損傷は未然に予防することが重要で, 挿管技術の熟練, 最良の気管内チューブの選択, カブの位置および圧のチェック, 挿管期間中の喉頭, 気管の保護が必要である。また, 治療に関してもその病態がさまざまであるから, それぞれに最適な治療方針で臨まねばならない。
著者
尾尻 博也
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.302-303, 2012-10-15 (Released:2013-10-15)
参考文献数
4
著者
五島 史行 矢部 はる奈 五島 一吉 小川 郁
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.330-332, 2007

"Ear popper<SUP>&reg;</SUP>" は自宅または外来で小児滲出性中耳炎に対する通気を行うための機器である。外来にてポリッツエル球の代わりに本機を用いて2歳から9歳の小児滲出性中耳炎症例18例 (男児8例, 女児10例) に対して通気治療を行った。通気治療前後の鼓膜, ティンパノグラム, 聴力検査所見により評価を行った。<BR>〈結果〉17例において苦痛なく確実に通気可能であった。〈まとめ〉日本では国民皆保険制度が整備され, 医療機関へのアクセスも比較的容易なため患者自身で病気を治療しようという意欲はアメリカに比べると低い。また自治体によっては小児の医療費は無料であり通院治療が経済的には負担にならないため在宅治療器の普及はあまり進んでいない。今回は外来での使用にとどまったが頻回な通院が必要な難治性の滲出性中耳炎児に対しては容易に在宅でも通気治療できる本装置のメリットは大きいと考えられた。
著者
原田 勇彦 加我 君孝 水野 正浩 奥野 妙子 飯沼 寿孝 堀口 利之 船井 洋光 井上 憲文 安倍 治彦 大西 信治郎 牛嶋 達次郎 宮川 晃一 伊藤 修 佐久間 信行 北原 伸郎 土田 みね子 飯塚 啓介 小林 武夫 杉本 正弘 佐藤 恒正 岩村 忍 矢野 純 山岨 達也 広田 佳治 仙波 哲雄 横小路 雅文 鈴木 光也
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.380-387, 1994-06-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15

鼓膜炎, 慢性化膿性中耳炎, 真珠腫性中耳炎の感染時, 中耳術後の再感染症例を対象として, オフロキサシン (OFLX) 耳用液の有用性と耳浴時間に関する臨床的研究を行った。研究参加施設を無作為に2群に分け, 1群では1回6-10滴, 1日2回, 7日間以上の点耳を行い, 毎回点耳後約10分間の耳浴を行うよう, II群では同様の点耳後に2-3分間の耳浴を行うよう患者に指示した。総投与症例は258例で, 全体では83.3%の改善率, 86.7%の菌消失率 (143例中) が得られた。副作用は1例もなく, 全体としては82.9%の有用率であった。統計学的検定により1群とII群の比較を行ったところ, すべての項目で両群間に有意の差はみられなかった。以上の結果から, OFLX耳用液は鼓膜, 中耳の炎症性疾患に対して極めて有用かつ安全なものであり, その点耳後の耳浴時間は2-3分でも十分な効果が得られるものと考えられる。
著者
北村 正樹
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.163-166, 2014-06-15 (Released:2015-06-15)
参考文献数
6

1 0 0 0 OA 鼓膜所見

著者
上出 洋介
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.216-217, 2017-10-15 (Released:2018-10-15)
著者
石塚 洋一 山本 邦夫 今村 祐佳子
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.39, no.Supplement2, pp.156-161, 1996-08-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

エアロゾル療法は, 局所や全身にあたえる影響は少ないが, ネビュライザー療法として用いた場合, 下気道にもエアロゾル粒子が沈着することを念頭においた使用が望まれる。これは, エアロゾル粒子が, 上気道よりも下気道に障害をあたえる可能性が高いからである。日常生活でも, 様々なスプレー製品を用いる機会がある。これらの製品の中には, エアロゾル粒子の下気道障害性が強いものもあり注意を要する。防水スプレーは死亡事故が出ており, これはフッ素樹脂の吸入毒性により, 間質性肺炎や肺水腫を起こしたものと考えられる。この他にも, ヘアスプレー, 静電気防止スプレー, 殺虫剤スプレーなどの中毒が報告されている。
著者
唐帆 健浩
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.12-18, 2019-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
20

超高齢社会を迎えた本邦では, 摂食嚥下障害のある高齢者の増加が予想される。 嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査を用いない簡易検査である, 摂食嚥下機能スクリーニング法のニーズが高まっている。 現在, 国内外で行われている摂食嚥下機能スクリーニング法に関して, 文献調査を行った。 欧米では, The Mann assessment of swallowing ability (MASA) や Gugging swallowing screen (GUSS) を用いた報告が散見される。 在宅医療が推進されている現在, 摂食嚥下機能を簡易に評価して適合した食形態を提案できるような, 日本人向けの摂食嚥下機能スクリーニング方法の開発が望まれる。
著者
藤井 さと子
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.126-135, 2012 (Released:2013-04-15)
参考文献数
37
被引用文献数
1
著者
大越 俊夫 大木 幹文 持木 茂樹
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
no.49, pp.51-56, 2006

ネブライザー溶液の汚染・感染について検討したので報告する。<BR>ネブライザーの薬液汚染の原因は, (1) 薬液作製時・保管時の汚染, (2) 吸気および外部ホース, 内部ホースなどネブライザー機器の汚染によるもの, (3) 患者からの逆流による汚染が考えられる。<BR>超音波ネブライザー1台, 大型薬液内蔵型ジェットネブライザー2台について検討した。<BR>その結果, <BR>1. 作製時の薬液は3施設とも細菌は認められなかった<BR>2. 使用前では大型薬液内蔵式ジェットネブライザー, 超音波ネブライザーともに溶液作製時および空打ち後の検査でも細菌は認められなかった。<BR>3. 大型薬液内蔵式ジェットネブライザーにおいて患者使用後の外部チューブ, 内部チューブ, 薬液槽とも細菌は検出されなかった。<BR>4. 超音波ネブライザーにおいて患者使用後の外部チューブから細菌は検出されなかったが, 薬液槽残液からブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌が検出された。