著者
大沢 はま子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.135-142, 1973
著者
山口 美代子 木咲 弘
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.208-212, 1989

クチナシの果実を用いた黄飯の緑変について検討した結果、次の知見を得た。黄飯の緑変は、モチ米をクチナシ液に30~40℃で24時間浸漬したのち蒸煮したときに起こった。また、この緑変は、浸漬温度の低いとき、浸漬時間の短いときには起こらず、モチ米をよく洗うと弱められ、モチ米にヌカを添加すると強められた。ヌカを用いたモデル実験の結果から、緑変は、加熱処理したヌカでは起こらず、銀イオンの添加によって抑制された。また、緑変の溶液は、440nmと590nmに吸収極大をもっていた。これらのことにより、黄飯の緑変は、モチ米、あるいは、モチ米に付着したヌカの酵素によって、クチナシ液に含まれていたイリドイド配糖体がゲニピンとなり、これがモチ米の蒸煮のときに、モチ米のアミノ酸などと反応して青色素に変わり、この青色素がクチナシ本来の黄色素と混じりあって緑色を呈するためと推論した。
著者
黄,慧性
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, 1977-09-20
著者
渡辺 豊子 喜代吉 夏子 山田 光江
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.293-300, 1992
被引用文献数
2

生地の製法・材料の配合・生地の分量の異なるケーキを150~200℃(10℃間隔)で焙焼し、その温度履歴を焙焼温度別、製法・分量別に検討した。さらに焙焼中の膨化過程をみることにより製品の形状に与えた影響についても検討した。その結果1.中心温、周囲温とも焙焼温度が高いほど温度上昇は早く、短い時間で安定(1分間に1℃以上温度が上昇しなくなる)した。2.中心温、周囲温とも温度勾配はスポンジ120g>スポンジ190g>パウンド190g>となり、スポンジ同士では生地分量が多いほど生地温の上昇が遅れたが、容量190g同士のスポンジとパウンドでは泡が少なく油脂量が多いパウンドの方が生地温の上昇が遅れ、両者の製法の違いが大きく影響しているものと思えた。3.周囲温安定までを第1期、中心温安定までを第2期、焙焼終了までを第3期とすることによって、製法別に各期の特徴を明らかにすることができた。4.スポンジは第1期にほぼ膨れ終わり(最終ケーキ高さの93~103%)、第2期でも僅かに膨らむが第3期では焼き縮みがみられ、平らなケーキに焼き上がった。5.パウンドは第1期における膨らみは最終ケーキ高さの77~84%であり、第2期においても膨らみ続け山型のケーキとなった。また第2期における膨らみが大きな変化である場合には上面に割れ目が生じ、焙焼温度が高いほど山型は顕著になった。6.今回の条件では、スポンジは160℃付近、パウンドは180℃付近が色と膨れ具合からみて適切な焙焼温度であると判断し得た。
著者
皆川 由美子 柳沼 しのぶ
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.154-157, 1975

打豆の水煮による調理液中のたん白質,アミノ酸,糖の変化について検討し次のような結果を得た。1.丸大豆は24時間浸漬後,1時間以上の水煮をしなければ食べられないが,打豆は15分間程度の水煮で軟らかくなり,青臭味も失なわれ,食べられる状態になる。2.水煮によって調理液へ溶出されるたん白質は丸大豆や半割大豆では少ないが,打豆のような状態では15分間程度の水煮で著しく多い。3.打豆の水煮によって調理液へ溶出されるアミノ酸はグルタミン酸,アスパラギン酸が多い。4.丸大豆,打豆の水煮によってサッカロース,ラフィノース,スタキオース等の糖が調理液への溶出がみられ,打豆の場合その溶出は大であった。
著者
岩村 泰子 元山 正
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.112-116, 1979

調理冷凍食品のうち,魚のフライ,コロッケについて冷凍時の生菌数,大腸菌群数を調べ,これを揚げた場合の内部温度と細菌数の残存について検討した。その結果1)冷凍フライ中の生菌数は平均10^4~10^5/gの汚染度を示し,大腸菌群数は10^2~10^3M.P.N/gであった。2)コロッケは俵型,小判型ともに汚染度が高く,生菌数10^5/g,大腸菌群数は俵型コロッケ10^3M.P.N/g,小判型コロッケ10^5M.P.N/gであった。3)内部温度を測定しながら揚げた魚のフライでは170℃5分で,内部温度は80℃となったが,生菌数は残存がみられるものがあった。大腸菌群数は検出されたものはなかった。エビフライ,カキフライは160℃で4分揚げたものが好ましかった。4)コロッケは俵型と小判型を揚げたが,俵型は熱伝導が悪く,揚げるのに時間を要する。本実験から175℃5分が適当と思われた。小判型は内部温度の上昇が早く175℃4分で内部温度は90℃に達した。5)コロッケを揚げた場合の細菌数の残存は俵型では175℃5分揚げたものには少なかった。小判型は内部温度が高くなったにもかかわらず細菌数の残存が多くみられた。
著者
肥後,温子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, 1987-12-20
著者
秋岡,芳夫
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, 1981-12-20
著者
益子,四郎
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, 1975-02-20
著者
吉松 藤子 下村 道子 福永 淑子 伊藤 汎
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.22-27, 1992

月餅の皮は日数を経過しても軟らかさを保っている、この理由を明らかにし、また材料の1つであるかん水の役割について検討した。(1)従来法により調製した月餅皮のドウ及び焼成した皮について検討した結果月餅のドウは食酢の添加の有無及び糖水の保存期間の長短にかかわらず物性の変化は殆どみられなかった。しかし焼成した皮では食酢を添加した糖水、あるいは長期間保存した糖水を用いた場合には軟らかい皮が得られた。また焼成1週間後のものは焼成直後のものより軟らかいものが得られた。(2)酸を添加した糖水の成分の変化をグラニュー糖を用いて調べた。その結果加熱過程中に転化糖が生成されることが明らかになり、またこれを保存することにより転化の進行が認められ、保存温度20℃より37℃の方が転化度は高かった。酸の無添加の糖水ではほとんど転化は見られなかった。(3)転化糖の存在が皮を軟らかくするように思われたのでモデル実験を行った。すなわち転化糖の量を三段階に変化させた糖水を用いて月餅皮を焼成した結果、転化糖量の多いものほど、しっとりとした軟らかい皮が得られ、転化糖が皮の物性に寄与していることが判明した。(4)かん水の使用が月餅皮の色に及ぼす影響について、かん水を用いないものを対照として比較したところ焼き色に好ましい色を与えることが明らかになった。
著者
藤井,淑子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, 1993-11-20

スポンジケーキを鶏卵、砂糖、タピオカ澱粉の各々同重量で調製し、小麦粉または小麦澱粉で調製したスポンジケーキと比較した。タピオカ澱粉スポンジケーキの特徴は、中央部が大きく落ち窪んだ形状である。これはタピオカ澱粉バッターがオーブンの中で大きく膨張した後収縮し、更に放冷中にも大きく収縮したためである。タピオカ澱粉バッター中の澱粉粒子の沈降試験の結果とバッターの減圧膨脹試験の結果、上記の現象はその大きな沈降速度によってもたらされるバッターの中のタピオカ澱粉粒子の不均一な分散が要因となっていると考えられた。また、アミログラフの結果によると、タピオカ澱粉粒子の糊化特性は、低温でも糊化しやすく、粘度が高く、ブレイクダウンが大きいという特徴をもっていた。そのため、タピオカ澱粉ケーキの気孔壁が粘質となり、固定化がしっかり行われず、これがケーキ収縮の要因になったと考えられる。
著者
二宮 恒彦
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.185-197, 1968
被引用文献数
2

5.1刺戟閾の測定 アミノ酸の呈味についての基礎的な数値を求めるため,32種(L型25種,DL型6種,D型1種について,極限法的に刺戟を呈示し,延べ70回の判定結果をプロビット法により解析し刺戟閾を求めた。得られた知見は次の通りである。(1)本実験で測定したアミノ酸の刺戟閾は0.002g/dl(0.1×10^<-3>モル)から0.5g/dl(約30×10^<-3>モル)の間に分布していた。これは大体有機酸類の刺戟閾とショ糖の刺戟閾との中間位の値である。(2)L型ではL-アスパラギン酸,L-グルタミン酸,L-ヒスチヂン塩酸塩が比較的刺戟閾が低く,いずれも酸味を呈するが,L-チトルリン,L-グルタミン,L-ロイシン,L-プロリン,L-スレオニン等は比較的刺戟閾が高く,味の種類も1種に限られていない。DL型ではDL-グルタミン酸,DL-メチオニン,DL-トリプトファンが刺戟閾が低く,DL-アラニン,DL-バリンは中位で,DL-スレオニンは高目であった。(3)一般に酸性,塩基性アミノ酸および含硫アミノ酸は刺戟閾が低く,中性アミノ酸は刺戟閾が高い傾向にあるが,刺戟閾の大小と等電点の高低とは必ずしも一致していない。(4)酸性アミノ酸のアミドは元のアミノ酸に比較して刺戟閾が高くなっている。(5)この実験からは刺戟閾の大きさとアミノ酸の分子量,旋光度との間に一定の関係を見出すことは出来なかった。5.2弁別閾の測定 全般的にみて,アミノ酸の弁別閾は0~50%程度の範囲に入るようである。5.3水溶液における呈味強度の測定と味の分類 (1)アスパラギン酸,グルタミン等は呈味力が強く,アスパラギン,グルタミン,スレオニン等は呈味力が弱い。(2)呈味力の強さと刺戟閾の大小とは,必ずしも一致はしないが,傾向的にはかなりの関係があるようである。(3)呈味力とアミノ酸の分子量旋光度等電点との間に,一定の関係は見出し得なかった。(4)一般に酸性アミドは,元のアミノ酸に比べて著しく呈味力が弱くなっている。(5)各アミノ酸の高低両濃度について表現された味の実測値について,主成分分析を実施した。甘味と酸味が同符号で,苦味が逆符号である第I主成分と,甘味と,酸味が逆符号になっている第II主成分とで,全体の変動の93%が説明出来た。
著者
貝沼 やす子 長尾 慶子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.419-423, 1990
被引用文献数
4

洗米方法の違いにより,米粒あるいは飯粒の性状には多少の差異が生ずることがわかった。すなわち,"研ぐ"と表面が削られるため,洗液中に溶出する固形分量が多くなるとともに,米が砕ける割合も増加した。コシヒカリ,キタヒカリいずれも研いだ後水取り替えを行ったものは白く炊き上がり,官能検査でも有意に白いと評価された。しかし,官能検査における総合的な評価には全く有意差は認められず,本実験で採用した"洗う"または"研ぐ"操作は飯の食味に大きな影響は与えないと結論した。本研究を行うにあたり,走査型電子顕微鏡使用の便宜をはかっていただきました日本食品化工株式会社ならびに撮影を担当して下さいました同研究所曽根博信氏に感謝いたします。
著者
河村,フジ子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, 1987-11-20

市販カレー粉の加熱香気の同定を行い、次いでカレー粉の種類、調理法、加熱時間による香気の変化について実験した結果を要約すると次のようになる。1. カレー粉の加熱香気成分として、α-ピネン、β-ピネン、α-フェランドレン、リモネン、1、8-シネオール、α-テルピネン、P-シメン、ツヨン、リナロール、カリオフィレン、α-テルピネオール、クミンアルデヒド、アネトール、サフロール、シナミックアルデヒド、オイゲノール、チモールの17種類を同定した。2. 市販品2種のカレー粉の加熱香気成分は、種類はほぼ同じであるが、その割合は異なる。3. カレー粉にマーガリンを混合して煮るとターメリックの成分とクミンアルデヒド、オイゲノールが顕著に減少する。4. カレー粉をマーガリンで炒めて煮るとターメリックの成分以外のすべての香気成分は顕著に減少する。5. カレー粉のみ、マーガリン混合カレー粉、マーガリンで100℃まで炒めたカレー粉を煮ると、香気は0〜30分で急速に減少する。一方、マーガリンで140℃まで炒めた場合は、0〜30分より31〜60分の方がより多量の香気が発生する。6. カレー粉を長時間煮た場合、残りやすい香気成分は、オイゲノールとターメリックの成分である。7. 官能検査の結果、カレー粉の香りは、マーガリンを加えることにより、さらにそれを炒めることにより、弱くなる。マーガリンで140℃まで炒めたカレー粉は好まれない。未加熱カレー粉に熱水を加えたものは、一時間似たものより、香りが強い。一方、1〜3時間煮ると二者間の有意差は認められなくなる。香りの好みについては、加熱時間による有意差は認められない。

1 0 0 0 豆腐と調理

著者
中嶋 恭三
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.128-133, 1977