著者
別府 美雪 伊藤 由美子 坂倉 園江 中保 淑子 畠山 絹江 福井 弥生 間壁 治子
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.97-104, 1997-04-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
2

通商産業省工業技術院により現行JISの衣料サイズが見直されている. よって, 本研究は現行JISと若年女子の身体計測値との差異をとらえ, 衣料サイズ設定の在り方について検討を行った. 被験者は18~22歳の若年女子1,634名である. 計測項目は身長, バスト, ウエスト, ヒップ, 背肩幅, 股下高, 体重, バスト/ウエスト, ヒップ/ウエスト, BMIである. 身体寸法10項目で統計処理を行い, 各項目の特性をとらえた. 結果は以下のとおりである. 1) 現行JISとの間にずれを生じている. 2) 身長は平均値で2cm高くなっている. 3) 若年女子のプロポーションは下半身型に移行している. 4) JISサイズは幅広い年代に利用されるため設計に際しては年代差が特に考慮されなければならない. 5) 現行JISは早急に再検討する必要がある. 非接触三次元計測の進歩によりサイズだけでなく体型差についても, さらなる検討が必要といえよう.
著者
大久保 堯夫
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.319-326,I, 1967-10-30 (Released:2010-03-11)
参考文献数
6

Physiological reactions during the tunnel driving under various illumination conditions were studied to assure the safe driving. Heart rate of the driver increased by 60-80% of the resting level while driving through the tunnel.If the tunnel lights were experimentally turned off but immediately put on again, no significant increase of heart rate was observed. Heart rate increase was as low as 10-20% if the switching-off of the lights was short and had been expected.Unexpected turning off of the illuminaton some-times caused abnormal rise of heart rate, accompanying inadequate driving performances. It was concluded that the poor illumination, abrupt change of the brightness or lack of emergency power supply are relevant to higher accident rate and should be avoided.
著者
橋本 邦衛
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.149-156, 1981-08-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
9
被引用文献数
2
著者
小松原 明哲 中島 徳夫 横溝 克已
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.25-33, 1987-02-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11
被引用文献数
2

日本語ワードプロセッサの非専門オペレータにとって使いやすい日本語ワードプロセッサの条件をさぐることを目的として, 実験を行った. 能力的に均一な女子大学生12名を被験者として, ローマ字入力方式, かな入力方式, HC88方式, PWP100方式の4方式のワードプロセッサを使用した場合の学習過程を調べた. 学習曲線の因子分析の結果, 初心者は“キーの位置をおぼえる”,“入力ルールをおぼえる”,“ワープロを使いこなす”の順に操作を学習していくことが明らかとなった. 入力に際して特別のルールを要求するワープロでは, ミス率, 精神負担は高いレベルにあった. また, 入力ルールが日本語の発音に則している場合は, 則していない場合に比べて, ミス率, 精神負担は低いか, あるいは早い時期に低くなることが示された. したがって, 入力ルールは発音に則すべきであるとの示唆が得られた.
著者
万井 正人 谷口 豊子 伊藤 一生 菊地 邦雄
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.99-105, 1971-04-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
3
被引用文献数
3 1

手足の利き側 (laterality) に関する31項目のアンケート調査によって一般的な傾向を見出し, ついで31項目の中から選定した20項目について要因分析を行ない上記の傾向を確認した. また左右の手と足の作業能力 (筋力, 敏捷性, 協応性) を別個に測定比較して, 左右の相対的能力差を検討した.その結果つぎの諸問題について, 一部解明することが出来た.1. 右利き, 左利きの出現率と一般的傾向2. 右利き, 左利きの判定基準3. 手と足の laterality の相関4. 作業種類別にみた右, 左の使用頻度5. layout 設計上の laterality に関する check point
著者
村田 厚生 杉足 昌樹
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.169-179, 2000-08-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

スポーツにおいて重要となる視覚機能のことをスポーツビジョンと呼び, 近年これらの研究が大きく注目されている. 打撃能力と動体視力には強い関連性があることが指摘されている. しかし, 動体視力以外のスポーツビジョンの機能については, 打撃能力との関係が十分に検討されているとはいえないのが現状である.本研究では, 野球選手を対象として, 前後方向の動体視力, 深視力, 瞬間視, 眼と手の協応動作などの機能の測定結果と野球の打撃能力との関係, すなわちどのようなスポーツビジョンの項目において打撃能力と強い関係が認められるかについて考察した. 動体視力, 眼と手の協応動作, 選択反応時間, さらには視野の項目において打撃評価が上位の被験者は成績が有意に高くなるという結果が認められ, これらのスポーツビジョンの機能が打撃能力と深い関係があることが分かった. 瞬間視, 深視力などの視覚機能よりも, 動いている対象物に素早く注意を向けて認知情報処理を行うための視覚機能の多くが打撃能力との関連性が強いことが示唆された.
著者
鈴木 剛
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement, pp.306-307, 2005-06-11 (Released:2010-03-15)
参考文献数
4
被引用文献数
1

3 0 0 0 OA 心理量を測る

著者
井上 裕光
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.137-140, 1994-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
16
著者
梅村 守 相沢 直行
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.259-268, 1986

本報では, 精神作業のうち演算作業 (加算作業, 加減算作業) および"アメフリ"抹消作業を取り上げ, 騒音レベル (暗騒音, 60, 70, 80, 90dBの5水準) を変化させたときに作業の質および作業の量 (あるいは時間) がどのように変化するかを実験を通して考察した.<br>実験結果としては, 加算作業, 加減算作業とも騒音の影響を受け, 騒音レベルの増大とともに誤答率および未作業数が増大する. 判断を伴う押印作業も同様に騒音の増大とともに押印ミス率および所要時間の平均値が増大する. "アメフリ抹消作業"については騒音による影響は認められなかった.<br>上記の実験結果より, 作業の種類による騒音の影響の有無に着目し, その違いがどこに起因するかを考察している. その結果, 作業を遂行する際に聴覚が介在するかどうかということが原因であると考えられることを指摘している.
著者
西川 向一 平澤 由美
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.177-184, 1999-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

床暖房環境が学習に与える影響を計測するため, 被験者実験を実施して検討を行った. 学習の定義は様々であるが, 学習を集中力, 注意力, 記憶力に基づく精神作業と定義し, 環境がそれぞれの作業に与える影響の計測を行うこととした. 実験では, 床暖房方式の頭寒足熱型とその逆の環境である頭部が暑く足下が寒い頭熱足寒型の環境を設定し, それぞれの環境で学習を計測して比較を行った. その結果, 集中力を計測するために行った連続加算テストでは, 床暖房環境では作業量の降下が見られず集中力が持続していることが確認できた. ブルドン抹消テストによる注意力の計測では, 床暖房環境下で高い注意力が現れていることを確認した. また, 記憶力のテストでは, 短期記憶の再生, 及び記憶の再認する2つのテストにおいて床暖房環境はともに良い結果であった. これらの結果は, 床暖房環境が学習を行うのに適した環境であること示唆している.
著者
長沢 有恒
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.57-63, 1968-01-30 (Released:2010-03-11)
参考文献数
6
著者
斎藤 綾乃 鈴木 浩明 藤浪 浩平 村越 暁子 松岡 茂樹 平井 俊江 斉藤 和彦 西垣 昌司
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.231-240, 2008-08-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
21
被引用文献数
2 3

列車の振動環境下における適切な縦手すりと吊り手の径を検討した. 79名の被験者を, 59歳以下 (非高齢群) と60歳以上 (高齢群) に分けた. 縦手すりの径5水準, 滑り止め加工3種類, 吊り手の径6水準を評価した. 縦手すりの使いやすい径はステンレス (SUS) では28~38mm程度であり, 滑り止め加工の場合は40mmも使いやすいと評価された. 使いやすい径は, 年齢による大きな違いはみられず, 手のサイズ (握り内径) による違いがみられた. 吊り手の使いやすい径は18~29mm程度で25mmが最良であり, 縦手すりより細かった.