著者
小松原 明哲
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.73-82, 1991-04-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

対話型システムにおいて, 多数の選択項目から効率よく目的項目を選択するためのメニュー選択システムとして, 1画面にすべての選択項目を, 類似したものどうしをグルーピングして呈示する単層階層メニュー選択システムを提案し, このグループサイズの決定方法について検討した. このシステムのユーザ行動をモデル化したところ, グループ数とグループ内選択項目数の積の平方根の近傍の整数値となるようにグループサイズを決定すれば, 最短目的項目探索時間が期待できることが予想された. この仮説を検討する実験を行ったところ, 仮説が支持される結果を得ることができた.
著者
三浦 豊彦
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.219-225, 1970-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
26

最適温度, 至適温度についての研究のうち, 作業能率との関連, 最適温度を移動させる因子のうちで時間の因子を考えてみた.作業能率との関連については主としていくつかの作業をモデル化して実験した資料がある. 作業能率の上では快適であることと必ずしも一致しないが, 作業上の最適温度と快適温度はかなり近いものであることも事実である. 時間的な関係では, 時代, 年間の季節変動, 季節のなかの短期間の気候の変化などは最適温度に影響する. 1日のうちでは昼夜の最適温度には相違があり, 冬期夜間はやや温度の高い方を快適としている. 昼間の午前と午後の最適温度に差があるかどうか, まだ資料はない.
著者
小木 和孝 内村 喜之 堀野 定雄 酒井 一博
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.171-184, 1973

空港管制席作業空間について, 人間工学研究者10人と学生12人が2種の評価的リスト (米国ダンラップ社A, 日本人間工学会N) および修正的リスト (オランダのワーキンググループH), の3種の人間工学チェックリストを用いてチェックした. 研究者に比べて学生群は問題項目を見落しやすく, とくに定性的評価を行なうリストで目立った. 他方Aリストのように限定しすぎる定量的設問を主にする場合も指摘される問題点が制約された. 当管制席で重要とされた姿勢転換・脚空間の余裕とそのための視界の確保について, 対策選択式のHリストは問題意識を広げやすく, 一致度もよかった. このように人間工学チェックリストでは, 項目の網羅性のほかに, 融通性の高い修正的機能をもつことと人間工学知識をもつ多人数による使用とが肝要だと考えられる.
著者
枝村 俊郎
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.175-182, 1969-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
4

長さ8,500mという長大高速道路トンネルにおいて, 運転者のうける単調感を軽減するために, その中央部に平面曲線を導入することが計画され, その半径をいかにすべきかが問題となった. つぎの4通りのアプローチをもってその判断の資料とした.1. 電子計算機によって精密なトンネル内透視図を各種半径について描き, これに基づいて判断した.2. トンネル内通過映画を各種曲線半径の場合について作制した.3. 事故資料を収集, 分析した.4. P. S. R.等の反応測定を2, 3の道路で運転者について実施した. その結果, R=1,500m以上ならば, どのような半径でもよいが, 強いていうならば, R=4,500m~7,500mが最もよいということになった.
著者
黒田 正典
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.164-173, 1969-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
5

ここで緊急災害と名づけるものは, 都市における大地震を典型として, これに類似する各種災害を意味する. 緊急災害は人口密集地帯の広範囲にわたる物理的破壊・経済的損失・生命的危険から成る. この災害は多元的・異質的諸要因によって条件づけられる. 緊急災害における人間の行動は, かかる多元的要因の複合体に対する反応であり, したがって現在のところ, 単純な函数的関係に分析することは困難である. それは大づかみの傾向として記述される. この観点のもとに, 新潟地震の調査結果を参考として, 22の命題が仮説的に提出された. たとえば, 危険感, 避難の様態, 火気の処理, 反応の男女差, 情報源, トランジスタ・ラジオの役割, 流言の内容と条件など.
著者
斎藤 綾乃 鈴木 浩明 白戸 宏明 藤浪 浩平 村越 暁子 松岡 茂樹 平井 俊江 斉藤 和彦
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.71-80, 2007-04-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

ベビーカー利用者との共用を視野に入れた車いすスペースの手すり寸法を検討した. 列車の走行振動を模擬できるシミュレータ内に設備を設置し, 振動環境下で, ベビーカー利用者46名, 一般乗客67名の評価を得た. その結果, 高さ800mmの従来の手すりより, 950mmと700mmの2本を設置するほうが, 姿勢を支える, 軽く腰掛けるという観点から使いやすいことが明らかになった. ベビーカー利用者の76.1%がベビーカー用のスペースとして従来スペースよりよいと評価した.
著者
石原 茂和 長町 三生
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.359-365, 1994-12-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
57
被引用文献数
1
著者
林 喜男
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.45-52, 1971-02-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
8
著者
内田 謙
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.134-138, 1990-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
中村 敏枝
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.335-341, 1980

聴覚パーシュート・トラッキングに関する実験を行った. 刺激は60あるいは61個の構成音からなるレベル変化する白色雑音であり, 被験者の課題はレベル変化方向に対応して反応ボタンをできるだけ速く正確に押すことであった. 反応時間を指標として結果を分析すると, 刺激パターンとトラッキング速度の間の関係が明らかになった. すなわち, 反応時間は刺激のレベル変化の方向, タイミングともに規則的である場合に最も速く, 両者がともに不規則な場合に最も遅かった. これは, 各構成音のもつ予測可能性によって反応時間が規定されることを意味する. この事実, 特に反応手がかりに由来する予測可能性の効果については, さらに実験IIにおいて確認した.
著者
林喜 男
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.307-313, 1968
被引用文献数
2

人間・機械系において, 人間の特性を伝達関数の形で表現しようという試みは, 1947年に Tustin がはじめてから現在にいたるまで多くの人々によって行なわれている.<br>本研究は, 人間が制御対象を制御しようとするときにパーシュート・トラッキングとコンペンゼート・トラッキングとではどちらの方が人間にとって制御しやすいか, また制御特性として本質的にどのような相違があるかの研究のうち, この両者の制御方法の違いが, 人間特性としてどのように違うかを明らかにした. すなわち人間の制御動作が2入力出力系のブラックボックスで表わせることから, 任意の制御対象を制御するのに, その表示方式を追跡型にするか, 補償型にするかの選択に, この手法を利用することができる.
著者
山名 信子 岡部 和代 中野 慎子 銭谷 八栄子 斉田 つゆ子
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.171-178, 1984-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
12
被引用文献数
6 6

妊婦用衣服設計のための基礎資料を得るために, 妊婦520名から1,000例の計測値を得た. 経時的に, 妊娠2カ月から産月にいたる妊婦の身体を44項目について計測した. 腹部と胴部の矢状径および周径に関する項目に著しい変化を認め, これらは4カ月以後直線的な増加となった. しかし高径に関する項目には変化がなかった.主成分分析の結果, 妊婦の体型は次の3成分によって捉えることができた. 第1主成分は size factor で, 身体の大きさを表す因子である. 第2主成分は shape factor で, 身体の肥痩度を表す因子である. 第3主成分は妊婦の体幹部の特徴を表す因子である. 各主成分別個人スコアを妊娠月数別にみると, 第1主成分のスコアは上昇直線を示し, 第2, 第3主成分のスコアは直線的に漸減している.したがって, 妊娠用衣服のサイズは妊娠月数で決定することはできない. 妊娠月数の経過に伴う身体部位の寸法や体型の変化があるので, これらを考慮した衣服設計が要望される.
著者
Youngin Koh Jiyoung Kwahk
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.53, no.Supplement2, pp.S408-S411, 2017-06-01 (Released:2017-09-07)
被引用文献数
4

Voice interaction between users and IT devices has become possible through voice user interface. Since VUI is based on vocabulary language, the most basic form of human communication, it lowers the entry barrier for those who experience difficulty using graphic user interface (GUI) or situations where using IoT devices with tiny screen or no screen at all. User experience can be a critical marker for the development of technology, however, few academic researchers have attempted to investigate the users' speech behavior pattern when they use VUI. Therefore, this study aims to provide insight about guidelines and design feedback for the novice users through observation in their adaption process of VUI. The author investigated speech patterns of error correction through observing ‘iPhone Siri' users who have less experience on VUI. Through the 7 days Siri usage history, the speech behavior patterns of error correction were analyzed in tone (amplitude, pitch, and duration), and in sentences (sentence elements or structure) based on the Communication Accommodation Theory. The results of this study can be summarized as follow; 1) After the first error, users change their speech tone and sentences at a similar rate, 2) but, when the second error occurred, they change sentences more, 3) the speech behavior patterns after error were different depending on the types of errors and 4) the users' speech behavior patterns were changed depending on time period of use. This study has primarily focused on variation in use behavior by observing real user experience. Through demonstrating how users respond to the situations of errors, this research has practical implications for the industry as it can positively contribute to the development of VUI voice feedback design and improve user experience on VUI.

1 0 0 0 OA Atlas of women

著者
C. Koike 藤田 恒太郎 Y. Nakao
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
The Japanese Journal of Ergonomics (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.15-29_1, 1966-12-25 (Released:2010-03-11)
被引用文献数
1

The anthropometric body measurements of 305 young female students were performed to obtain practical data of various body levels, width, thickness or circumferences, for apparel design. Correlationship between the obtained values and the body weight, body height, bust or waist was analysed and a tentitave classifications of somatotypes for apparel design was proposed by making use of the variance of the regression line for the body height and bust values of the subjects. Variation of bust values by respiration as well as the importance of under-wears were also discussed. The waist values were presumed to be as important as bust values. 14 typical body figures for the tentative somatotypes by means of the silhouettes were mentioned in Fig. 12. 1-12. 14.