著者
WANG Chung-Chieh CHEN George Tai-Jen NGAI Chi-Hong TSUBOKI Kazuhisa
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2018-051, (Released:2018-07-31)

There exists a minor, secondary early-morning peak in mei-yu rainfall climatology along the western coast of Taiwan, and this work investigates one such event on 8 June 2012 in southwestern Taiwan under weak synoptic conditions through both observational analysis and numerical modeling, with the main focus on the triggering mechanism of the convection. Observations show that the convection developed offshore around midnight near the leading edge of a moderate low-level southwesterly wind surge of 15-20 kts, and intensified and moved onshore to produce rainfall. The cold outflow from precipitation also led to new cell development at the backside, and the rain thus lasted for several hours till about 0700 LST. Numerical simulation using a cloud-resolving model at a grid size of 0.5 km successfully reproduced the event development with close agreement with the observations, once a time delay in the arrival of the southwesterly wind surge in initial/boundary conditions (from global analyses) is corrected. Aided by two sensitivity tests, the model results indicate that the convection breaks out between two advancing boundaries, one from the onshore surge of the prevailing southwesterly wind and the other from the offshore land/mountain breeze, when they move to about 40 km from each other. Also, both boundaries are required, as either one alone does not provide sufficient forcing to initiate deep convection in the model. These findings on the initiation of offshore convection in the mei-yu season, interestingly, are qualitatively similar to some cases in Florida with two approaching sea breeze fronts (in daytime over land).
著者
奥村 太志
出版者
名古屋市立大学
雑誌
名古屋市立大学看護学部紀要 (ISSN:13464132)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.47-55, 2002-03
被引用文献数
3

本研究は,退院の意向を持ちながら,10年以上の長期入院に至っている2名の精神分裂病患者が持つ,現状や退院に対する意識の特徴について,半構成的面接を通して述べられた患者の体験に基づいて検討したものである。その結果,以下の点が明らかになった。1)患者は,退院が現実的に困難な理由として,社会資源利用についての情報が不足していることや,家族の状況として受け入れが難しいことを認識していた。2)患者は,保護的環境である病院の中で,病院に順応するという形で無理をしない生き方を獲得してきたにもかかわらず,社会に適応するための準備をするという意味では無理をしなくてはならないという矛盾を抱えていた。つまり,今の自分にとって社会復帰が実現不可能かもしれないという自己評価の低下が,リハビリテーションなどへの活動意欲の低下へとつながり,現実には長期入院に至っていた。3)患者は,自分自身が入院に至った理由を病気によるものではなく,家族や周囲の理解不足や,生育暦に影響された自分の対応のまずさにあったと考え,さらに長期入院という経過そのものが,自分の社会適応を阻んでいるとしていた。同時に,過去の体験を消化できず,未だに拘り続ける自分を認識しており,それが現実レベルの不安となり,対処方法が見つからずにいた。4)患者は,面接を通して,病院の中でどのような生活をし,どのような体験をしてきたかを言語化することによって,客観的に自己を捉え,現状を認識し,洞察することができたと考えられた。
著者
今井 美奈 松本 園子 堤 祐介 光畑 裕正
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.115-123, 2014 (Released:2014-10-17)
参考文献数
28
被引用文献数
2

四逆散の難治性疼痛に対する報告は少ない。西洋医学的治療で鎮痛を得られなかった26症例で四逆散の有効性が認められた。男性13症例,女性13症例,年齢は57歳~85歳であり,発症から受診までの期間は1週間から15年であり,慢性痛に分類される症例は17症例であった。四逆散7.5g分3を処方し,証により他の漢方薬を併用した。NSR で0~4にまで痛みが改善した期間は3日~90日であり,平均26±19日であった。痛みの部位は様々であり,漢方医学的腹診では,腹直筋の緊張を認めた症例は58%,胸脇苦満は38%,心下痞鞕は38%であった。これらの腹候がある場合には四逆散を基本とした治療で鎮痛効果が認められた。特に腹候が明らかでなくてもうつ状態と脇胸部から背部にかけての痛みでは四逆散と香蘇散の併用で効果が認められた。四逆散は難治性疼痛に対して試みる価値のある方剤であることが示唆された。
著者
大壑平篤胤 撰
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
杉野 圭史 仲村 泰彦 鏑木 教平 佐野 剛 磯部 和順 坂本 晋 高井 雄二郎 奈良 和彦 渋谷 和俊 本間 栄
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1_2, pp.51-55, 2017-10-25 (Released:2018-03-09)
参考文献数
12

症例は36歳女性.主訴は乾性咳嗽,労作時息切れ.X-8年頃より左下腿腓骨部に皮下腫瘤を自覚したが放置.X-4年8月に顔面神経麻痺,右眼瞳孔散大が出現し,PSL 40 mg内服により約1 ヶ月で治癒.その後,原因不明の頭痛,難聴,嗅覚異常が出現.X-2年11月頃より乾性咳嗽および軽度の労作時息切れが出現.X-1年4月の健康診断にて胸部異常陰影を指摘され全身精査の結果,全身性サルコイドーシス(肺,副鼻腔,神経,皮膚,肝臓)と診断された.挙児希望およびステロイド恐怖症のため,吸入ステロイドを約1年間使用したが,自覚症状の改善は得られず中止.当科紹介後にご本人の希望で漢方薬(人参養栄湯7.5 g/日,桂枝茯苓丸加薏苡仁9 g/日)を開始したところ,開始4 ヶ月後より咳嗽および労作時の息切れはほぼ消失,開始6 ヶ月後には,胸部画像所見,呼吸機能検査所見の改善を認めた.その後も本治療を継続し,現在まで3年間にわたり病状は安定しており,再燃は認めていない.

1 1 1 1 OA 絳帖12卷

巻号頁・発行日
vol.[6], 1000

1 1 1 1 OA [御所雛形]

巻号頁・発行日
vol.[3], 1674
著者
石井 玲子 Ishii Reiko
出版者
新潟人間生活学会
雑誌
人間生活学研究 (ISSN:18848591)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.11-24, 2018-03

本研究の目的は、アメリカの作曲家・ピアニストであるフレデリック・ジェフスキーの≪「不屈の民」変奏曲≫の楽曲構成を理解し、テーマと36の変奏曲の分析をしながら、シンプルな歌の旋律を複雑な現代曲に変奏していく過程を明らかにすることである。また、各変奏曲の多面的な探究を通して、曲に込められたメッセージが楽曲にどのように表現されているかを考察する。原曲の「不屈の民」はチリの民主化運動の時にセルヒオ・オルテガによって作曲された革命歌である。ジェフスキーはこの曲のメロディをテーマとして、36のピアノ変奏曲としてまとめた。楽曲構成としては、異なる音楽的特徴を持つ変奏曲が第1~第5ステージまで発展し、第6ステージではそれまでのすべての要素を要約していることが確かめられた。また、各変奏曲の分析結果から、サイクル5以外の変奏曲は三つの共通した音楽的特徴、①短2度と完全5度のモチーフ、②半音階や全音階のバス進行、③五度圏の調の動き、を持つことが分かった。本研究の結果から、三つの音楽的特徴が様々な要素を結びつける役割を果たし、巧みな変奏技法で長大な曲を一つに統合する過程を検証することができた。ジェフスキーはこれらのテクニックを使って、様々な人々が集まり、対立や衝突を経て団結し、新たな権力に抵抗していく姿を音楽で見事に表現したと言える。日本の演奏家や聴衆にとって、本研究がジェフスキーや彼の作品を理解するための一助となることを期待する。 This study examines The People United Will Never Be Defeated! composed by Frederic Rzewski, a prominent American composer-pianist, through an investigation of overall structure of the work and an analysis of the theme and 36 variations. This examination reveals the complexity and diversity of the work and how this complexity is related to the power of uniting the diverse groups of people. The theme is based on a Chilean revolutionary song,“¡El pueblo unido, jamás será vencido!” (The People United Will Never Be Defeated!), composed by Sergio Ortega, and Rzewski composed 36 variations from this theme. It is clear that Rzewski achieves an incredibly elaborate formal plan for the entire work and the momentum from the first stage to the sixth stage represents how the Chilean people united to oppose the new power. An analysis of the theme and variations reveals that the whole music except for cycle 5 has three common musical features: the minor 2nd /perfect 5th motive (6-20 hexachord according to Allen Forte’s classifications), descending diatonic/chromatic bass line, and the circle-of-fifths sequence of the harmonic progression. These musical elements are used both in tonal and atonal variations so that the composer manages to maintain a certain unity through the lengthy work. This work is a wonderful gift from the twentieth century and a landmark in the history of variations. The present study has aimed to introduce Rzewski’s piano works to pianists and audiences in Japan, and give them the opportunity to perform/understand his pieces.
著者
横谷 馨倫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.708, 2015 (Released:2017-03-22)
参考文献数
3

様々な健康効果をうたったハーブやダイエタリーサプリメント(herb and dietary supplements:HDS)の利用が世界中で広がっており,日本でもその利用が増えている.HDSに添加されているハーブの原材料は,植物の根や茎,葉などであるが,有効成分ならびにその含有量は,利用された植物の部位,生育した産地や収穫時期により異なる.そのためHDSの安全性は,製品としても原材料としても十分に検証されているとは言い難く,近年のHDS利用者の増加に伴い,健康被害の報告も増えている.多くの消費者は「HDSは天然・自然で安心・安全,体によい」との思いから,HDSを安易に利用しているが,実際,誤った植物部位の使用,有害物質,農薬,重金属,医薬品成分の混入などによる健康被害の事例が報告されている.今回は,この10年間でHDS摂取による肝障害が7%から20%に増加したという,安易なHDS摂取に警鐘を鳴らす,最近の研究結果を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Gershwin M. E. et al., Ann. N.Y. Acad. Sci., 1190, 104-117 (2010).2) van Breemen R. B. et al., Am. J. Clin. Nutr., 87, 509S-513S (2008).3) Navarro V. J. et al., Hepatology, 60, 1399-1408 (2014).
著者
満田 年宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.2748-2753, 2014

医療関連感染対策は日々改善されている.しかし,毎年新たな感染症(新興感染症:emerging infectious diseases)や再興感染症(re-emerging infectious diseases)も発生し,人類の脅威となっている.本稿では,多剤耐性菌関係以外の領域での新興感染症を含めた医療関連感染対策の最新事情について解説した.