著者
欠田 良児
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.190-199, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29

疣贅状表皮発育異常症 (EV) 患者12例についてウイルス学的検索を行い, 臨床像と合わせて検討した。これらの患者では, 両親の血族結婚や家族内発生の率が高く, EV発症に遺伝的素因が関与していることを示唆している。また細胞性免疫の異常が高頻度に見られたので, 遺伝的欠陥は細胞性免疫に関係していることが推測される。皮疹は大きくわけて紅斑, 扁平疣贅様, 癒風様の3つであった。紅斑は比較的若い患者 (平均年令24才) だけに見られたのに対し癒風様皮疹がみられた患者の平均年令は41才であった。これらの皮疹からhuman papillomavirus (HPV) 5, 12, 14, 17, 20, 21, 38型を分離した。このうちHPV14および38型はEV患者からはじめて分離したHPVである。外国でよく分離されるHPV8型は認められず, HPV5型の検出率も低率であった。6例 (50%) が皮膚癌を併発しており, これら6例の患者の良性皮疹はすべて癜風様であり, そこからHPV5, 17, または20のうち少なくとも1種類を分離した。HPV17および20型については癌組織中に存在することも証明した。このことは, これらのHPVは癌化と密接に関係していることを示唆している。
著者
榎本 美生 山本 純照 多田 英之 矢敷 敦 北村 華奈 葛城 麻実子 浅田 秀夫 宮川 幸子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.192-197, 2006 (Released:2011-02-18)
参考文献数
16

54歳,女性。家族歴:両親がいとこ婚。現病歴:幼少時から体幹を中心に表面に軽度の膜様鱗屑を有する癜風様の紅褐色局面と脱色素斑が多数みられ,次第に増数がみられた。平成6年より左耳前部に小結節が生じ,切除の結果,有棘細胞癌と診断された。その後,顔面,体幹,四肢に結節が出現し,平成13年7月までの間に合計15回切除術を受けた。病理組織検査の結果,基底細胞癌,有棘細胞癌,ボーエン病,脂漏性角化症と診断され,疣贅状表皮発育異常症(EV)を基礎として生じたものと考えられた。平成16年6月頃より,以前の左前腕ボーエン病の手術痕の断端から赤褐色角化性局面が出現し,左頬部に常色の角化性局面と躯幹部に多数の黒色小結節を認めたため,平成16年8月再診した。切除にて各々ボーエン病,日光角化症,基底細胞癌であった。前腕および顔面の皮疹から抽出したDNA解析の結果,EVとの関連性が指摘されているHPV15型が同定された。
著者
岡村 秀昭
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.558, pp.97-100, 2008-07-28

列幅を縮めマス目を細かくする/主要部分の行の高さを広げる/点線の格子罫線を一気に引く/セル結合でレイアウトを整える
著者
山岸 司 マハルジャン ラクスマン 赤木 泰文
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.131, no.1, pp.76-83, 2011-01-01
参考文献数
17
被引用文献数
2 1

This paper focuses on a battery energy storage system that can be installed in a 6.6-kV power distribution system. This system comprises a combination of a modular multilevel cascade converter based on single-star bridge-cells (MMCC-SSBC) and multiple battery modules. Each battery module is connected to the dc side of each bridge-cell, where the battery modules are galvanically isolated from each other. Three-phase multilevel line-to-line voltages with extremely low voltage steps on the ac side of the converter help in solving problems related to line harmonic currents and electromagnetic interference (EMI) issues. This paper proposes a control method that allows each bridge-cell to independently adjust the battery power flowing into or out of each battery module. A three-phase energy storage system using nine nickel-metal-hydride (NiMH) battery modules, each rated at 72V and 5.5Ah, is designed, constructed, and tested to verify the viability and effectiveness of the proposed control method.
著者
河本 大地
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.534-548, 2018 (Released:2018-12-06)
参考文献数
42

「身近な地域」の調査とウィキペディア編集の組合せの有効性と課題を,大学の初年次教育における実践をもとに整理することが本稿の目的である.対象地域は古都・奈良のならまちで,奈良教育大学の近くに歴史的町並みを有する.学生は,ならまち各町を「マイタウン」として担当し,ウィキペディア記事を作成するとともに,自治会長等への聞取りや施設訪問などをおこない,成果を報告会でのプレゼンテーションや,小学生向け冊子にまとめた.取組みを分析した結果,初年次教育として広範な意義が認められた.また,大学教育におけるローカルなフィールドワークおよびその成果の発信によって得られる知識・技能,思考力・判断力・表現力,主体性・多様性・協働性が明らかになった.大学および学生と地域社会との関係性構築にも寄与しており,初年次教育に対する地理学の貢献可能性を見出せる.
著者
河野 礼子 土肥 直美
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.101-125, 2017

<p>ここに寄せる文章は,沖縄の新聞・琉球新報に,2016年2月17日から2017年5月31日にかけて計30回にわたり連載された『旧石器人研究最前線』の記事である。人類誌本号と次号の2回に分けて掲載していただくこととなった。石垣島・白保竿根田原洞穴遺跡の発掘調査と出土人骨の整理作業が進むかたわら,旧石器時代の遺跡から見つかる人骨資料の重要性を,とりわけ地元沖縄の人たちにもっとよく知ってもらいたい,との思いから,連載を開始した。沖縄には港川や山下町など人骨出土遺跡があり,またサキタリ洞遺跡からも近年目覚ましい成果があがっているなど,旧石器人の研究において重要であることは言うまでもない。特にこの数年は,白保やサキタリ洞での成果が報道され,三万年前の航海再現プロジェクトがスタートして注目されるなど,沖縄の旧石器人研究がひときわ盛り上がりを見せていると言っても過言ではなかろう。そうした中で地元への啓発・還元の意味で開始した連載であるが,回が進むうちに,この贅沢なラインナップの記事を地方紙への掲載にとどめておくには惜しい気がしてきた。そこで沖縄外の人類学会員や,広くは関心のある全国の読者にも読んでもらえる媒体での再発信を模索していたところに,今回の寄書の計画が持ち上がったというわけである。各記事の筆者の承諾を得た上で,連載を企画した土肥と河野でとりまとめて「寄書」として投稿したものであり,それぞれの記事の内容は各筆者によるものである。また,もともとが新聞の連載記事である性質上,その時点で進行中の時事ネタが多分に盛り込まれているが,どのように事態が動いていたかを記録する意味で,あえて改稿せずほぼ新聞掲載時のまま全文転載させていただくこととした(各記事の筆者の所属も掲載時点のものである)。この点ご理解の上,その時その時の「今」を感じて楽しんでいただければ幸いである。</p><p>これまで沖縄の旧石器時代研究に関わって来られた先達と,現在進行中のさまざまな研究プロジェクトに加わっておられるすべての関係者に,この機会に改めて敬意を表したい。また多忙ななかで原稿を執筆してくださり,また今回の転載を快諾してくださった筆者の皆様と,連載の趣旨に賛同し牽引してくださった琉球新報社の米倉外昭氏に心より感謝する。本寄書のこれ以降の内容はすべて,琉球新報社の提供によるものである。</p>
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.28-47, 1972-11-30 (Released:2011-07-19)
著者
河野 礼子 土肥 直美
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.63-78, 2018

<p>ここに寄せる文章は,沖縄の新聞・琉球新報に,2016年2月17日から2017年5月31日にかけて計30回にわたり連載された『旧石器人研究最前線』の記事の後半部分である。沖縄には港川や山下町など人骨出土遺跡があり,さらにこの数年は白保竿根田原洞穴遺跡やサキタリ洞遺跡での成果が報道され,三万年前の航海再現プロジェクトがスタートして注目されるなど,沖縄の旧石器人研究がひときわ盛り上がりを見せていると言っても過言ではなかろう。そうした中で地元への啓発・還元の意味で開始した連載記事を,沖縄外の人類学会員や,広くは関心のある全国の読者にも読んでもらいたく,再発信するものである。もともとが新聞の連載記事である性質上,その時点で進行中の時事ネタが多分に盛り込まれているが,その時その時の「今」を記録する意味で,あえて改稿せずほぼ新聞掲載時のまま全文転載させていただくこととした(各記事の筆者の所属も掲載時点のものである)。</p><p>今回の転載を快諾してくださった筆者の皆様と,連載の趣旨に賛同し牽引してくださった琉球新報社の米倉外昭氏に心より感謝する。本寄書のこれ以降の内容はすべて,琉球新報社の提供によるものである。</p><p>(なお,連載17~19回の記事については,筆者の希望により掲載しない。)</p>
著者
大江 洋
出版者
岡山大学法学会
雑誌
岡山大学法学会雑誌 (ISSN:03863050)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.178-144, 2017-08
著者
杉江 亮祐 百武 徹
出版者
一般社団法人 日本機械学会
巻号頁・発行日
pp._1C43-1_-_1C43-5_, 2016-01-09 (Released:2017-06-19)

Infertility is often cited as one of the causes of the declining birthrate, which has a social problem in recent years. Roughly 10% of couples have infertility problems, and almost 50% of all cases of infertility are associated with a lack of sperm or sperm abnormalities. Therefore, motile sperm are required to increase the probability of fertilization. We previously observed of flagellar motion of bovine sperm and clarified that ambient fluid viscosity and non-Newtonian properties affected its shape and motion. However, the detail mechanics of the effect of surrounding fluid properties on the sperm motion is still unclear. Therefore, we simulated the sperm motion in various viscosity and non-Newtonian fluid to reveal the effect of the surrounding environments on the sperm motility. The simulation results indicated the decrease in the sperm velocity when the viscosity increased, because the increase in the viscosity lead to increase in the resistance of the ambient fluid. Additionally, the increase in the viscosity brought about the increase in sperm motility. We compared the present results with previous experimental data for the sperm velocity, and estimated the sperm motility for each viscosity. Consequently, we obtained the relationship of viscosity coefficient and sperm motility. These results will provide the useful information to estimate the sperm motility for various fluid properties.
著者
安屋敷 和秀 戸田 昇 岡村 富夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.119, no.1, pp.21-28, 2002 (Released:2002-12-10)
参考文献数
39
被引用文献数
1

多くの臓器機能がノルアドレナリン作動性神経とコリン作動性神経による拮抗的二重支配によって生理的調節を受けている.しかし,陰茎海綿体を含む血管系においては,収縮神経であるノルアドレナリン作動性神経に拮抗的支配を行っているのはコリン作動性神経ではなく,非アドレナリン性,非コリン性(NANC)神経と考えられてきた.陰茎海綿体を支配するNANC神経が一酸化窒素(NO)作動性神経であり,同神経の興奮により活性化した神経型NO合成酵素が,NOを合成する.同神経から遊離されたNOが海綿体平滑筋細胞内の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し,上昇したサイクリック(c)GMPにより海綿体平滑筋は拡張し,流入した血液の充満により勃起が生じる.海綿体内の血液量を調節する海綿体動静脈にもNO作動性神経が分布し,その機能の強さが海綿体>動脈>>静脈であることも勃起の発生に役立つかもしれない.したがって,海綿体洞への血液流入を妨げる動脈閉塞や海綿体や支配動脈を拡張するNO作動性神経機能の低下は,勃起障害(Erectile Dysfunction: ED)の原因となりうる.ただし,海綿体および血管内皮に存在する内皮型NO合成酵素によって合成されるNOも,勃起機能に一部関与する可能性がある.選択的ホスホジエステラーゼ5型(PDE-V)阻害薬であるバイアグラ(Sildenafil)は,主として神経由来のNOにより産生されたcGMPの分解を抑制し,EDを改善する効果があると考えられる.勃起機能の体系的な研究を通して,より選択的で安全なED治療薬の開発が望まれる.
著者
高木 昌美 高橋 敏雄 平山 紀夫 Istiyananingsi Mariana Siti Zarkasie Kamaluddin Sumadi 緒方 宗雄 太田 修一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.637-642, 1991-08-15

1987年から1988年にかけて, インドネシア共和国西部ジャワのワクチン未接種の在来鶏(12農場, 196羽)および採卵鶏(8農場, 197羽)を用いて, Haemophilus paragallinarumに対する赤血球凝集抑制抗体の測定を行うと共に, 野外病鶏からの本菌の分離を試み, これらの地域における鶏伝染性コリーザの調査を行った. 本菌に対する抗体は, 地域に関係なく, 在来鶏および産卵鶏から検出された. 供試した農場の70%(14/20), 供試鶏の19%(73/393)に抗体が検出された. A型抗体は, 計11農場(55%)で検出され, 11%(45/393羽)の鶏が陽性を示した. C型抗体は, 計5農場(25%)で検出され, 8%(30/393羽)の鶏が陽性を示した. また, コリーザ様症状を呈する鶏からA型菌2株, C型菌1株の計3株が分離された. これらの成績から, インドネシア国西部ジャワでの, 両血清型による本病の発生が明らかとなった.
著者
勝田 吉彰
出版者
日本トラウマティック・ストレス学会
雑誌
トラウマティック・ストレス : 日本トラウマティック・ストレス学会誌 (ISSN:13480944)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.82-87, 2012

震災直後よりツイッターでトラウマケアの情報発信を行い,得られた反応を公式リツイート数を指標に分析し一般社会で、求められる情報のニーズ、把握を行った. 「急性期反応への寄添い」「サバイパーズギルト」「グリーフケア」「子ども・障がい者」ヘ高い関心が向けられたのに対し「アルコール」「性」「怒り」への関心は低下した. 「当事者・周囲への働きかけ」に対し「自分自身への対処法」の関心は低く,また,まとまった大量の情報を提示しても関心は示されないなど, リスクコミュニケーションへの留意点が浮かび上がった.さらに時期的には震災発生後第1~3週までは高い関心が持続したが第4週以降は関心が低下したことから,いかに早く発信態勢を立ち上げ,この期間内に知識を普及させるかが勝負になると思われた.
著者
風早 康平 高橋 浩 佐藤 努 高橋 正明 大和田 道子 安原 正也 森川 徳敏
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

我々は2003年から阪神地域において,河川,水路等に現れる”赤水”の目視調査および水質調査を行っており,その分布の概要がわかってきたので報告する.”赤水”湧出の特徴として,比較的標高の高い六甲山麓部にも存在し,一部のものは石垣等から染み出している.これらは,ほぼすべて重炭酸型であり,pHが6-7の弱酸性のものが多くCO2が溶解していることを示唆する.”赤水”が赤褐色~オレンジ色を呈する理由は,湧き出し口でリモナイト(FeOOH)が沈殿することによる.この鉄は,地下水中にCO2があった場合に,岩石・鉱物が風化することにより地下水に溶解する.そして,浅所で酸化することにより赤褐色からオレンジ色を生じる.阪神地域では,地下から断層を通じて上昇する有馬型熱水が浅所でCO2を遊離し,気泡となったCO2が上昇し,浅層地下水を炭酸化すると考えられている.したがって,”赤水”の分布域は,有馬型熱水の上昇域に関連していると考えられる.”赤水”の分布が地下に伏在する断層と関連があるかどうか検討をおこなった.その結果,六甲,宝塚,須磨,仮屋沖(延長),芦屋,甲陽,西宮,伊丹の各断層と昆陽池陥没帯に関連づけられる”赤水”が存在していることがわかった.また,断層が存在していても赤水がほぼ見られない地域もあった.講演では,”赤水”調査の概要,産状を紹介し,詳細な分布・特徴について議論したい.
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.731-735, 1990-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
28

日本の酒造りは中国大陸から伝来したとされている。両者とも, デンプンの糖化にカビを利用するという共通点はある。しかし, 日本では蒸した粒のままの米に黄麹菌を, 中国では生のままの粉にした麦にリゾープス菌を生やして麹を造るという点で大きき異なる。歴史的にみても, 古代日本で中国式麹が造られたという報告はないという。永年, 酒造りの研究に携わってこられた著者が,「生米麹と石臼」からこの謎がとけるのではないかと指摘されている。二千年のロマンに思いを寄せて-読されたい。