著者
諸田 智克 はやぶさ2ONCチーム 杉田 精司 澤田 弘崇 本田 理恵 亀田 真吾 山田 学 本田 親寿 鈴木 秀彦 安藤 滉祐
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.48-53, 2015

はやぶさ2に搭載された光学航法カメラ(ONC:Optical Navigation Camera)はその名の通り探査機のナビゲーションの役目を担うカメラであるが,科学観測においても中心的な役割を果たす.本稿では特に小惑星の力学進化過程の復元に向けた,ONC地形観測の戦略について紹介する.
著者
松田 咲子 西田 顕郎 大手 信人 小杉 緑子 谷 誠 青木 正敏 永吉 信二郎 サマキー ブーニャワット 戸田 求
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.44-56, 2000

タイの熱帯モンスーン地域において,NOAA/AVHRRデータを用い,植生地域を対象として正規化植生指標NDVIと輝度温度Tsの関係と地表面状態との対応について検討した.その結果, NDVI-Ts関係は地表面状態の乾雨季の変化に対応して明瞭な季節変化を見せた.また対象地域においてNOAA/AVHRRの各ピクセルは,植生面,湿潤土壌面,乾燥土壌面といった特徴的な地表面の混合ピクセルとして扱えることが示唆された.この混合ピクセル的解釈に基づきNDVI-Ts関係を地表面の熱収支的観点から表現するモデルを提示した.本モデルによる定量的な解析からは, NDVI-Ts関係には土壌水分条件が反映することが示唆された.またこの混合ピクセル的解釈に基づくフラックス観測データの広域的拡張の一例として,広域潜熱フラックス推定マップを試作した.そしてこの方法を用いて観測データを拡張する際には,密な植生面上と裸地面上といった,いくつかの極端に異なる地表面上で観測する必要があることが示唆された.
著者
XING Yuqing ZHANG Bo
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.18-10, 2018-09

This paper analyzes how the technology progress of the South country affects the welfare of the North country in a free trade world. Using the standard Ricardian model of the North-South trade, we show that, import biased technological progress of the South will undermine the welfare of the North, once the cumulative technological progress of the South exceeds a threshold. The relative population size of the South to North affects the threshold. Generally, a relatively larger South country has a lower threshold and the technological difference between the two countries remains even beyond the threshold. To a certain extent, the findings of the paper offer an theoretical explanation about the concerns of rising China in an integrated world economy.
著者
平田 幹男
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.205-211, 1997-03-25
参考文献数
19
被引用文献数
1

20世紀前半の傑出した歯科医の中心的人物だったシカゴのF.E. Roachは歯科補綴学の権威者として独創的な働きを補綴臨床のみならず,一般生活関連の道具にまで残している.発明家とも言える才覚を歯科補綴学,特に部分床義歯補綴の分野で遺憾なく発揮し,数多しくの貢献をもたらした.業績はポーセレンから,緩圧牲アタッチメント,ワイヤークラスプ,鋳造クラスプ,ワンピースキャスト義歯,鋳造器,歯科技工の各種インスツルメントにまで及ぶ極めて広範なものである.そしてRoachが最も強く意図したことは,補綴技術の"Standardization"と言うこととであり,質と量の両面に於て向上させることであった.非能率であった歯科医療,技工操作を近代化することを考えていたものと思われる.今回は,部分床義歯領域に於て多大の貢献をしたF.E. Roachの業績を中心に検証を進めてみた.
著者
Yamamoto Yohei
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
Bull. Chem. Soc. Jpn. (ISSN:00092673)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.17-25, 2011
被引用文献数
7

Self-assembly of &pi;-conjugated molecules is attractive for construction of well-defined, nanometer-scale electroactive materials. This account describes our developments on self-assembled nanotubes from Gemini-shaped hexa-<i>peri</i>-hexabenzocoronenes (HBCs). At first, detailed molecular arrangement in the nanotube is presented, which is perfectly revealed by a synchrotron radiation X-ray diffraction analysis of a macroscopic fiber consisting of highly aligned HBC nanotubes. Next, electroconductive properties of the HBC nanotubes are investigated. By means of direct current and noncontact methods, anisotropic charge-transport properties in the nanotubes are confirmed. The effect of the surface oligoether chains on intertubular conduction is also examined by field-effect transistor measurements. Finally, optoelectronic applications are developed by constructing newly designed nanotubes. These nanotubes possess a coaxial configuration, where an electron-donating graphitic bilayer of &pi;-stacked HBC arrays is laminated by an electron-accepting molecular layer. Due to the molecular-layer donor/acceptor heterojunction, the nanotubes exhibit remarkable photoconduction and photovoltaic outputs. Furthermore, the optoelectronic properties are modulated by changing the density of electron acceptors on the nanotube surfaces by coassembly of multiple components or utilizing photochromism. These results will advance to electronic and optoelectronic applications of supramolecular nanomaterials.
著者
古屋 英治 金子 泰久 小川 裕雄 石川 慎太郎 坂本 歩
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.166-174, 2006-05-01
参考文献数
18
被引用文献数
5 1

【目的】国体セーリング競技会場に設置したコンディショニングルームでセーリング選手の身体愁訴に対する鍼治療の直後効果を検討したので報告する。<BR>【方法】腰部の筋痛 (n=108) 、頚肩背部の筋痛 (n=72) に鍼治療を単独で行った。鍼治療は局所治療とした。調査項目は主訴およびその程度を示すVAS値とした。VAS値の有意差検定は対応のあるt検定とした。<BR>【結果】主訴は腰痛、頚肩背痛、その他の順に多かった。鍼治療は腰部の筋痛 (n=108) のVAS値を治療前53.2±21.5mmから後21.5±16.4mmに減少 (p<0.01) させた。また頚肩背部の筋痛 (n=72) のVAS値は治療前48.0±18.7mmが治療後18.5±15.2mmに減少 (p<0.01) した。<BR>【考察】国体セーリング選手の腰部、頚肩背部の筋痛に対して鍼治療は有効であり、競技現場で行うコンディション調整の一手法として、鍼治療の有効性が示唆された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1910, pp.26-29, 2017-10-02

ガレージから生まれたネット書店は、ITの巨人たちをしのぐ巨大帝国に変貌した。株価1桁の窮地から15年、あらゆる事業に乗り出し巨大化する姿に、ライバルは戦慄が走る。
著者
尾形 昭逸 実岡 寛文 松本 勝士
出版者
日本草地学会
雑誌
日草誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.34-42, 1985
被引用文献数
2

暖地型飼料作物ダリスグラスCV.九州5号(Da),ローズグラスCV.カタンボラ(Ro),バヒアグラスCV.コモン(Ba),ソルガムCV.スィート(SS),ソルガムCV.ランチャー(Rs),トウモロコシCV.スノーデント1号(Zm),シコクビェ(Am),ハトムギ(Ha)を自動潅水装置で土壌水分をpF1.7,pF2.3,pF2.8の3水準に調節した水分処理区と無潅水区を設けた実験圃場下で栽培し,地上部・根部生育量,葉の水ポテンシァル,気孔抵抗,無機成分含有率を測定し,暖地型飼料作物の水ストレス耐性の草種間差と水ストレス耐性機構の解析を行なった。1)最高収量区に対する無潅水区の地上部相対生育量は,Da>Ro≧Ba>Rs>SS>Zm>Am>Haの順に大で,水ストレス耐性はDa,Ro,Baで高く,Zm,Am,Haで低く,Rs,SS,で中間的耐性を示した。2)水ストレスによりDa,Baの根重は増加,Ro,Zm,SS,Haでは低下し,その低下割合は水ストレス耐性の低い草種で大であった。また,水ストレスにより根部乾重/地上部乾重比(R-T比)は,水ストレス耐性の高い草種でより高い傾向にあった。3)葉の水ポテンシャルは,水ストレスにより低下し,その低下は,Da<Am<Ba<Rs<SS<Ha<Ro<Zmの順に大で,水ストレス耐性の低い草種の葉の水ポテンシャルの低下は大であった。4)気孔抵抗は,水ストレスにより増加し,その増加は,Zm>Ha>Rs>SS>Am>Ba>Da>Roの順に高く,水ストレス耐性の低い草種の気孔抵抗の増加は大であった。5)無機成分吸収量は水ストレスにより低下し,その低下割合は水ストレス耐性の低い草種で大であった。また,水ストレス耐性の低い草種ではカリ,カルシウム,マグネシウムに比較し,窒素,りん吸収量の低下が大であった。
著者
向山 昌利 中島 信博
出版者
びわこ学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本研究の目的は、ラグビーワールドカップ釜石開催を対象として、ラグビーワールドカップと震災復興の接合から開催に至るまでの過程を多様な被災住民の立場から重層的に解明することである。本年度は被災地の現状を俯瞰しながら多様な住民の位置取りを確認するために、ラグビーワールドカップ釜石開催に関わる組織の担当者に対するインタビュー調査を実施した。具体的なインタビュー協力者は、復興庁、岩手県庁、釜石市役所、ラグビーワールドカップ組織委員会、NPO法人スクラム釜石ならびに鵜住居地区まちづくり協議会の担当者である。インタビュー調査の結果、ラグビーワールドカップ釜石開催構想が、新日鉄釜石ラグビー部員OBを中心として設立されたNPO法人スクラム釜石によって釜石市に持ち込まれた実態が明らかとなった。また、被災後の釜石市が復旧に向けた作業に資源を集中させながらも、釜石市の中長期的な発展を見据えてラグビーワールドカップ開催を検討した姿が明らかとなった。くわえて、ラグビーワールドカップ開催が釜石市へ及ぼす影響を、NPO法人スクラム釜石と釜石市役所が被災住民よりも長い時間軸と空間軸を用いて検討したことが明らかかとなった。ラグビーワールドカップを進める側と被災住民の間にある検討軸の異なりによって生まれた溝は、ワールドカップを進める側の被災住民への遠慮もあり克服されることなく取り残されていた。以上の研究結果を国内外の3学会で発表した。
著者
青木 光
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.206-217, 1983 (Released:2010-07-23)
参考文献数
39

ヒト陰茎循環動態を観察する目的で, 酸素電極法を用い, ヒト陰茎海綿体組織, 陰茎皮下組織および大腿皮下組織の酸素分圧を, 非勃起時および勃起時について連続測定した.対象は20歳~26歳, 平均20.5歳の健康成人男性16名である.非勃起時, 陰茎海綿体組織酸素分圧は60±30μv (平均±SD) で勃起開始と同時に棘波状の酸素分圧上昇を認め494±218μv (平均±SD) となつた. 勃起継続期には, 253±116μv (平均±SD) まで徐々に下降を認め, そのまま高いレベルで安定した推移を示した. 勃起弛緩時には, 401±274μv (平均±SD) と一過性に上昇し, その後, 非勃起時のレベルに下降した.陰茎皮下組織酸素分圧は, 非勃起時191±86μv (平均±SD) であつたものが勃起時145±105μv (平均ャSD) と下降を認めた.その結果, 陰茎勃起は陰茎海綿体組織への急激な血液流入によつて起こり, 勃起持続中は血液の流入および流出が持続していることがわかつた. すなわち, 陰茎海綿体の輸出静脈系の閉鎖機構が働かなくても勃起がおこることを示している.勃起安定時には, 流入血液量が勃起開始時に比し減少する結果が得られ, これは, 陰茎体積が一定となつた時点での陰茎流出路を含めた陰茎海綿体に発生する抵抗によるものと考えられた.また, 勃起時, 陰茎海線体組織とは逆に, 陰茎皮下組織では血流が減少することを確認した.勃起陰茎弛緩に際しては, 流入血液量の減少もさることながら, 陰茎海綿体内の動脈血液を駆出させるため陰茎海綿体内筋組織が収縮を起こしている可能性が推察された.
著者
奥田 尚
出版者
追手門学院大学
雑誌
東洋文化学科年報 (ISSN:09132163)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.77-96, 1997-11