著者
川崎公平著
出版者
水声社
巻号頁・発行日
2014
著者
藤岡 阿由未
出版者
明治大学文芸研究会
雑誌
文芸研究 (ISSN:03895882)
巻号頁・発行日
no.107, pp.75-91, 2009

一九六七年に刊行されたローレンス・オリヴィエ(一九〇七~八九年)、ジョン・ギールグッド(一九〇四~二〇〇〇年)ら俳優へのインタヴュー集の序文には、次のようなくだりがある。一九六三年の国立劇場設立までに「スターが自分の才能を使いながら、すすんでアンサンブルの一部となる演技は完全に確立されていた」。これは英国演劇のアンサンブルが、スターという突出した存在を抱えながら、逆に演技全体の調和を目指すというアンビヴァレンツと不可分であり、それが一つのタイプとして定着したという見方である。インタヴューにおけるスター俳優たちの証言によって、序文の見解の妥当性がここでは示されている。しかし、そうであるなら、英国演劇におけるアンサンブル演技はいったい、どのように発展し定着に至ったといえるだろうか。
著者
三好 昭子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.286-297, 2011

本研究では,Eriksonの漸成発達理論における第IV段階の活力(virtue)である有能感(competence)について両極端な2つの事例から,有能感の生成要因を明らかにし,有能感がアイデンティティに基づいた生産性にどのように影響するのかを示した。明治時代の東京で,学童期から抜群の学業成績を収め,若くして小説家としての地位を確立した作家谷崎潤一郎と芥川龍之介の有能感の様相が対照的だったことを示し,同じような経歴を重ねながら,どうして有能感の様相が対照的であったのかという観点から比較分析を行った。谷崎の場合は無条件に愛され,寛大にしつけられた結果,第IV段階以前の活力を基盤とした確固たる有能感が生成された。それに対して芥川の場合は,(1)相互調整的でない養育環境と(2)支配的なしつけを受け,初期の活力の生成が阻害され,早熟な良心が形成された。その結果,芥川は(3)主導性を発揮することができず,目的性が過度に制限され,有能感の生成が妨げられたことを明らかにした。そして谷崎は作家としてのアイデンティティに基づいた生産性を発揮し続けたが,作家としてのアイデンティティを主体的に選択しえなかった芥川は,義務感によって生産に従事し続けたことを示した。さらに初期の発達段階における活力の生成を阻害されると,どんな才能・能力に恵まれても自分の才能・能力が何に適しているのかを見出すことができなくなる可能性を指摘した。
著者
五福 明夫 単 万里 柴田 光宣 山西 輝裕 亀川 哲志
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.77, no.778, pp.2400-2406, 2011 (Released:2011-06-25)
参考文献数
13

This study develops a mixing machine driven by a spherical motor that can rotate around any axis. The developed mixing machine is composed of a rotor, a stator, a control PC, an electro-magnet excitation circuit, and a power supply. The rotor that its outer diameter is 200 [mm] is composed of double spherical shells in order to contain liquid in its inner spherical shell. Totally 91 permanent magnets are arranged in almost spherical symmetry on the inner surface of the outer spherical shell. On the other hand, 80 electro-magnets are arranged on the stator of a semi-spherical shell. The applicability of the mixing machine to material production under the condition of small influence of gravitational force is evaluated by mixing experiments to dissolve salt of 50 [g] in water of 200 [g]. The mixing performance is compared for five mixing methods. The results show that the mixing performance of the method to change randomly the rotation direction is only slightly lower than that of the method of rotating continuously around a horizontal axis that exhibits the highest mixing performance.
著者
山口 晴幸 横山 芳春
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地球環境シンポジウム講演論文集 (ISSN:18848419)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.269-278, 1998

In this report, the present authors discussed on the coastal pollution by foreign drifted garbages. The field investigations were carried out at the points of 224 in Japanese seashore-lines. The type and classification of foreign drifted garbages were investigated. It was points out from the results of field investigations that the coastal pollution by foreign drifted garbages was very important environmental problem in Japan.
著者
加藤 伸行
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.85-99, 2013-05-25 (Released:2017-05-17)

関西蚕糸業が優等糸生産によって1900年代以降に発展することは,石井寛治の指摘によって広く認識されてきた。石井はその発展を自主的な努力によると評価したが,本稿では発展の契機として蚕糸業規制の導入に注目した。まず,明治中期の蚕糸業規制をめぐっては,従来指摘されてきた生糸直輸出奨励とは別に,関西地方を中心とした後進地域の蚕糸業者が,蚕種検査や組合組織の強化など蚕糸業改良に関する規制を求める運動を展開し,結果的に前田正名の全国実業団体運動と合流してその導入を達成したことを示した。なお,関西地方の蚕糸業者は,従来指摘されていた生糸直輸出よりも神戸からの生糸輸出体制確立への指向をもっていた。また,運動の結果導入された蚕糸業規制を契機にして,関西地方で優等糸生産を可能とする質的な発展が達成されたことを明らかにした。具体的には,関西地方での蚕種の質的向上や蚕種統一が進んだこと,組合規制により繭取引が合理化され,製糸家が地元の優良繭を安定的に確保することが可能になったことなどを示した。
著者
山根 拓
出版者
公益社団法人 日本地理学会
巻号頁・発行日
2017 (Released:2017-10-26)

前田正名は近代日本の産業地域形成に大きく寄与した人物である。彼はその生涯の前半に政府官僚の立場でわが国の地方在来産業の育成振興政策を牽引し、1890年頃に官職を辞して以降は民間の立場から全国の在来産業の指導、育成、振興に心血を注いだ。各地の在来産業振興を目指し、前田行脚と呼ばれる全国巡回指導を頻繁に行った。在来産業振興が国力増強に資するというのが、彼の見通しであった。前田は1890年頃から地方在来産業者の全国組織化を図るため、様々な全国的同業者組織の結成に乗り出す。五二会もその一つである。五二会は前田と京都の在来産業家らを中心に1894年に結成され、その名の五は織物、陶磁器、漆器、金属器、製紙を、二は雑貨、敷物を指す。これらは在来産業由来の伝統的美術工芸品である。五二会は全国各地の産物を一堂に会し、それらの高品質化、生産強化を図るための大規模な品評会であった。美術工芸品の品質向上とそれらの全国的生産流通構造の確立が我が国の輸出貿易振興をもたらし、国力増進を図ることが、五二会会頭の前田の目指すところであった。本報告では、五二会資料(正田1979)の分析を通じ、19世紀末のわが国の在来産業の地域形成や地域編成の実際的側面を解明したい。第1回五二会大会は、1894年4月に京都市で開催された。開会式で前田は、五二会の組織を通じた在来産業振興の論理を次のように展開した。国内在来産業主体が個別に事業を行う現状では当該産業は国際貿易市場での敗北は必至で、結果的に国力は減衰する。国産品が貿易市場で優位性を得るためには国内在来産業の全国的組織化が必要だ。その組織下で国内産地産品間の比較競争を行い国産品の質の向上を図るとともに、事業者の団結と製品輸出系統の統合により外国市場での競争を優位に進める必要がある。五二会はこれら国内産業の統合と団結の中核にある。では、五二会によって国内の在来産業空間はどのように編成されたのであろうか。図1に五二会の府県本部等の分布を示した。五二会中央本部は美術工芸品生産の中心であった京都にあり、各府県には府県本部、事業部、支部が置かれた。県本部等の立地は県庁都市が主だが、五二の在来産業発達地域に立地する場合も見られた。その分布は東北以北で少なく、関東以西(関東、東海、北陸、近畿、山陽、四国、九州)が主であった。この傾向は、旺盛な生産活動の地域指標とも見られる五二会への出品者数にも表れる。図2は、1895年に神戸で開催された第2回五二会大会への出品者の府県別分布を示す。近畿、東海と北部九州への偏在傾向がみられる。これは前田正名が重視した当時の輸出志向型在来産業の生産の卓越した地域を示すものと考えられる。図2の出品者数と出品商品の売却金額・売却点数の地域分布傾向は類似パターンを示すが、後者ではより京阪神、とくに京都への集中傾向が強い。図1と図2から、当時の輸出型在来産業発達の地域的傾向について、京都など関西中心の西日本優位の産業空間構造の存在が判る。五二会等を通じ、前田はこの空間構造を分散的形態から統合的形態へと変革するオーガナイザーの役割を果たそうとした。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1538, pp.8-9, 2016-11-21

無料BS放送チャンネル「Dlife」を運営するブロードキャスト・サテライト・ディズニーの代表取締役社長の小林信一氏は2016年11月17日の記者説明会で、開局5周年を迎える2017年の基本戦略を発表した。 同社は今回の基本戦略策定に先立ち、Dlifeの魅力を確認するため…
著者
大野 拓恵 柳本 ひとみ 板倉 宏予 梅田 純代 グレゴリー サムソノー 加藤 隆治 山田 惠 黒澤 菜穂子
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.62-70, 2017-12-10 (Released:2018-01-05)
参考文献数
8

PEP (the study group of Practical English for Pharmacists) was started by teachers from different fields at Hokkaido Pharmaceutical University, and has been offering English conversation class for local pharmacists. As with its turning point of three years, in January 2016, it conducted an online questionnaire survey for pharmacists all over Japan. The purpose was to find their needs for learning English, as well as to make sure if PEP teaching materials were proper enough for them. The questionnaires consisted of five areas: current working situation in terms of using English; self-evaluation for their attitudes towards English-speaking customers/ patients; their preference in learning English; their foresight into the English-related situation around their job; and evaluation on PEP sample materials. Participants were 220 pharmacists at work who were interested in learning English. They were divided into two groups (Yes-group and No-group) according to the answer to the question of whether they, as a pharmacist, thought it necessary to learn English or not. The groups were compared with each other within each of the five areas mentioned above. The results showed the overall illustrations of the pharmacists today and positive evaluation for a PEP material. Most importantly, however, contrastive difference between Yes-No groups for the type of English needed was revealed (p<0.01). This was interpreted as an evidence that No-group just have a naive intention to learn English, while Yes-group have already been involved in the situations where rather high English proficiency is required for their pharmacy jobs.

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著者
田中慶太郎 著
出版者
文求堂書店
巻号頁・発行日
1937
著者
黒田 昌克 森山 潤
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.43-54, 2018 (Released:2018-04-14)
参考文献数
14

本研究では,全国の小学校教員を対象にプログラミング教育の意義の感じ方や育成を目指す資質・能力,背景となる社会観に対する意識などを調査した(n=522)。その結果,「プログラミング的思考」,「さまざまな現実的な問題をコンピュータで解決できるような形式の問題に変換する力」,「モデル化やシミュレーションができるように,データを変数として扱えるようにする力」等の資質・能力(思考力等),「コンピュータの働きをより良い人生や社会づくりに生かそうとする態度」等の資質・能力(態度),「今後の社会において,コンピュータを作業の効率化を図るために使うより,創造的な活動に使うことの方が重要になる」等の社会観がそれぞれ小学校教員のプログラミング教育に対する意義形成に寄与していることが明らかになった。
巻号頁・発行日
2010-04-21 (Released:2018-03-13)

ロダンの弟子、愛人。成就せぬ思いは叫びとなり、彫刻へ向かう。 作・出演: 池ヶ谷奏 大塚由祈子 塩川友佳子 露木萌乃 堀菜穂 道町麻佑 川合杏奈 久保澄恵 重松悠希 藤井舞香 本田優帆 横山千穂 赤須涼子 阿部沙彩 宇都宮愛理 大熊聡美 荻江瞳 兼松史織 鈴木瑛貴 畑澤愛子 的矢惇子 丸山実花 指導教員:猪崎弥生. 照明:いながきかつひこ/佐藤英生. 音響:渋木正巳. 衣裳:鳥海恒子. アナウンス:河田真理. 舞台監督:高田装子. 副舞台監督:小堀結香協力:(舞踊教育学コース教員)柴眞理子/水村真由美/中村美奈子/杉山進/新名謙二. 後援:舞踊教育学コース卒業公演後援会 田毎の会. ビデオ制作:株式会社 エアーシップ お茶の水女子大学芸術・表現行動学科舞踊教育学コース第37回創作舞踊公演 2010年4月21日 なかのZERO大ホール 第22回All Japan Dance Festival in 神戸 : \r\n神戸市長賞(クロスカルチャーへの新しい挑戦に対して)受賞作品
著者
黄 偉修
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
vol.170, pp.86-54, 2016-12

台灣在2016 年舉行了總統與立法委員選舉,傾向台灣獨立的民主進步黨不但贏得總統選舉,也首次在國會獲得過半數以上的席次。執政的中國國民黨在選戰敗北的主因之一,被認為是馬英九總統推動與中國大陸簽署「兩岸服務貿易協議」,以及該協議引發的太陽花學生運動,導致民意失去對馬英九政權的信任。實際上馬英九政權推動的大陸政策相當程度延續了李登輝與陳水扁政權的政策,馬英九總統也因為民意對其大陸政策的肯定而連任。筆者曾經指出,馬英九的大陸政策失去民意支持,是因為其依賴少數親信運作決策過程,造成決策過程內部協調不良而導致的結果,可是當中沒有明確指出馬英九的決策運作模式。本論文透過理論與台灣的大陸政策決策過程在制度與實務的發展脈絡,嘗試描繪馬英九總統的大陸政策決策過程運作模式,並以「兩岸服務貿易協議」進行案例研究。本論文發現,馬政權的大陸政策決策過程的運作模式,是以馬英九總統與少數親信為決策核心,透過官僚出身者與官僚執行政策。但馬英九總統沒有建立制度性的機制以進行政府體系內部的溝通、協調,也未能扮演穩定決策機制的平衡者,導致了政府內部的混亂、決策者無法掌握產業界的需求;原本台灣的民意對於兩岸經濟交流的推動有相當的共識,馬英九總統的決策運作卻瓦解了這個共識。本論文也從案例研究的結論,指出新上任的蔡英文總統可能將會面臨必須迅速建立決策運作模式、如何運作官僚體系、如何重建輿論對大陸政策的支持等挑戰。
著者
三浦 勉 寺田 宙 太田 智子
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

1. Pb-210/Po-210分析法の検証:27年度に値付けしたPo-210標準液及びEckert & Ziegler社製Po-209標準液を用いて海産物等の食品試料への応用で実績があるPo-210分析法(Anal. Sci., 15, 23-28, 1999)の、stepごとのPo回収率を評価した。本分析法には酸分解、Sr Resin充填カラムによる抽出クロマトグラフィー、電着操作の3段階の分離stepがある。実験の結果、本分析法の各stepでPoが定量的に分離回収できることを確認した。また、各stepで得たPo回収率はそれぞれの拡張不確かさを考慮するとstepごとのPo回収率の有意な差は見られなかった。2. 共同実験用試料の作成:乾燥いりこ粉末、乾燥かつお粉末をそれぞれ5 kg程度購入した。各粉末をV型混合器で混合した後、クリーンベンチ内で、PP製ボトルに100 gずつ小分けした。小分けしたボトルをAlラミネート袋に入れ、脱気封入した。その後、γ線を照射し、滅菌した。現在、複数ボトルを抽出し、均質性評価を実施している。3. 標準分析手順書案の検討:国内外の既存の分析法を比較検討し標準分析手順書(案)の作成を継続した。4. 液体シンチレーションカウンターによるPo-210測定:市販鉛ブロック中のPo-210を測定した。サンプリングした鉛の表面を希硝酸で洗浄し乾燥後、秤量し、硝酸に溶解してストック溶液を調製した。ストック溶液から2試料分取し、ブランク試料と共にPoを化学分離した。最終的にPo-210のα線を液体シンチレーションカウンターで測定し、Pb-210/Po-210は放射平衡と考えPb-210(Bq/kg)を求めた。その結果、Pb-210 放射能濃度は<30 Bq/kgであり、本法は金属鉛試料への適用が可能であることを確認できた。