著者
大西 克彦 田中 悠策 足立 尚寛 山路 敦司
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-32, no.10, pp.1-2, 2014-05-30

民族楽器を展示している博物館では,来場者に展示物の背景知識をさらに知ってもらうために展示楽器に触れ実際に音を鳴らすことができる展示をしている.しかし,それらの楽器が奏でるリズムを来場者が再現して実際のリズム演奏を体験することは難しい.そこで本研究では,これらの民族楽器が奏でる音楽の多様性を来場者に容易に体験させることを目的として,マーカとタブレット端末を用いたリズム演奏システムについて検討している.具体的には,様々な楽器のリズムに対応したマーカをタブレット端末上で表示させることで,容易に民族楽器を組み合わせたリズム演奏できるシステムについて検討する.本稿では,システムの試作と実際にワークショップを行った結果について報告する.
著者
中村 妙子
雑誌
ICU日本語教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-21, 2002-03-31

国際キリスト教大学(ICU)の日本語教育を一人の日本語教師の立場から振り返る。ICUの日本語教育を振り返るにあたっては,1.コースのカリキユラム及び教授法,2.使われた教科書,教材リストアップ,3.人的組織,4.全体的な日本語教育の流れ,5.ICUにおける日本語教育に対する関心,6.学生による評価などの点から考察できるであろう。それぞれの項目については資料,考証,関係者の聞き取りが必要であるが,小稿では,これらの項目について,現時点で触れられるものについて述べる。さらに,JLPに関することを点描的にふれる。
著者
戸沢義夫 児玉公信
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013-IS-125, no.4, pp.1-7, 2013-09-05

本研究会 「情報システムの有効性評価」 研究分科会では,情報システムを,人を含む複雑系と見た上での評価手法について 2010 年 9 月より議論を行い,量的評価のためのガイドラインを 2012 年 4 月に公開した.一方,質的評価についても継続的に議論を行い,2012 年 9 月には FIT2012 において質的評価に関するシンポジウムを主催するなど,精力的に活動し,このほど質的評価のためのガイドライン原案をまとめた.質的研究は,これまでの自然科学的アプローチとは大きく異なるものであり,その本質を正しく理解しておく必要がある.原案の内容を説明し,研究発表会参加者からの多くのコメン卜をいただくことで,最終案に反映したい.
著者
高橋すみれ タカハシスミレ Sumire Takahashi
雑誌
Gender and sexuality : journal of Center for Gender Studies, ICU
巻号頁・発行日
vol.04, pp.17-38, 2009-03-31

"Women's language" in fiction has been discussed in terms of its role in constructing or representing gender norms in society and culture. Research in recent years has included a re-examination of this relationship between gender norms and women's language in fiction. However, there has been little focus on the relationship between the fact that certain characters speak in "women's language" and the context surrounding their speech in the narrative structure. This paper examines the meaning and function of one female character's use of women's language in the narrative structure of a Japanese girl's comic called Raifu (Life). From a certain point in the series, the character starts to make extensive use of female-specific sentence endings that are not used in modern-day speech. If we consider the intention behind her speech in context, the use of women's language can be linked to her artful strategy of attacking the heroine. On the other hand, given her marginalized position in the story, her use of women's language identifies an important role that she has come to play in the narrative structure. With regard to the role of women's language here, it could be argued that this is a story that not only depicts solidarity among girls, but also female conflict.
著者
湯淺 墾道
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2013-EIP-60, no.7, pp.1-6, 2013-05-09

平成15年の地方自治法の改正により導入された指定管理者制度は,自治体の個人情報保護との関係において多くの問題点を生み出している.自治体は公的機関として公共性や透明性が求められ,個人情報保護条例で個人情報保護を図っているのに対して,企業等の民間事業者である指定管理者には個人情報保護法が適用されている.本稿では個人情報の取扱をめぐる公的機関としての自治体と民間事業者との相違を明らかにし,公の施設の管理に際して指定管理者が収集・保有する個人情報に対する個人情報保護法と条例の適用問題について検討を加える.
著者
角 征典 金本 真左也 Antoine Bossard 秋口 忠三
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CE-125, no.2, pp.1-8, 2014-05-31

本研究では,複数人での共同プログラミングを実現する初心者向けビジュアルプログラミングツール Jointry の開発と評価を行った.近年,プログラミング教育への関心が高まっており,なかでも初心者に優しいビジュアルプログラミングツールに注目が集まっている.しかし,これまでの研究では,初期段階に初心者が独学でプログラミングを学習することは依然として難しく,先生や友達からの支援が必要であることがわかっている.そこで我々は,複数人で共同でプログラミングできるツールを開発し,プログラミング初心者を対象にして,質的な評価を行った.その結果,プログラミング初心者が初期段階に抱える不安は,複数人での共同プログラミングによって解消できる可能性があることがわかった.
著者
浅見宗広 福井隆司 葛城友香 大杉苑子
雑誌
研究報告高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2013-ITS-55, no.2, pp.1-8, 2013-11-07

屋内での位置推定手法として,Gaussian Mixture Model (GMM) を用いた WiFi 位置推定手法が提案されている.本稿では,この手法を渋谷駅周辺エリアに実際に適用した際に明らかになった課題やそれに対する対策などを報告する.具体的には,GMM でモデル化するにあたり事前にWiFi電波情報を現地でフロア毎に収集するが,位置推定処理に利用可能な信頼できる WiFi 電波の選定方法が挙げられる.また,位置推定処理ではまずフロアを特定する必要があるが,フロア毎に事前に計測された BSSID 毎の最大強度の情報からフロアを特定する方法について紹介する.その他,フロア推定の正解率や位置推定結果の誤差などを報告する.
著者
大野 善之 堀 敦史 石川 裕
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2011-HPC-132, no.34, pp.1-6, 2011-11-21

並列ジョブにおける多数ファイルに対する I/O をひとつのファイルに対する I/O に集約することによりファイル I/O を高速化する方式を提案する.各プロセスごとにファイルを作成し,データを書き出すというファイル I/O パターンをとるアプリケーションが多くある.しかし,現在普及している並列ファイルシステムは,少数の大きなデータ I/O で高い性能がでるように設計されており,プロセスごとにファイルを作成するという I/O パターンでは高い性能がでない.そこで,並列ジョブにおけるファイル I/O をひとつのファイルに集約し,少数の大きなデータ I/O にする方式を提案する.Lustre 上で予備評価を行った結果,並列プロセスがそれぞれ 1MB のファイルを 128 個 I/O する場合,2-3 倍の性能向上を確認した.
著者
石毛 弓 Yumi ISHIGE
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-16, 2013

人格の同一性の規準について、ロックの意識説を基にしてその妥当性を論じる。ロックは、人格とは思考する知性ある存在であり、理性と省察をそなえたものであるとする。そしてこのような主体が、意識によって自己の経験を把握するかぎりにおいて、時間を通じた人格のD同一性がなされると主張した。自己の意識によって心理的なものを把握することが人格の同一性の規準を保証するとすれば、この意識とは「わたし」を主語とする一人称的なものであると考えられる。しかしまたロックは、法による賞罰を受けるに値する存在としても人格とその同一性を論じている。この点にかんしては第三者が観察した結果が影響するため、一人称と対比する意味で三人称的な言説であるといえるだろう。本論では、これら一人称と三人称の言説の両方が人格の同一性の規準には必要であることを、心の哲学における議論を参照しながら分析する。また、人格の同一性の規準を研究する必要性について、その社会的な意味と意義という観点から論じる。
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.161-167, 2011-01-20