著者
ガデレワ エミリア
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.11-33, 2000-10-31

『古事記』と『日本書紀』にみえるスサノヲの描き方に矛盾がある。一方、彼は高天の原で天つ罪を犯し、姉アマテラスを困らせるが、他方出雲国でヤマタノオロチを退治し、イナダヒメを助ける。それに対して『風土記』では、スサノヲの性格に悪い面が一つも見えない。この神の解釈が多くあるが、ここでは上述の三書や他古代史料の総合的なアプローチによる、私の仮定を述べてみた。スサノヲの矛盾的な役のもとには、政治的な意図があったことをいうだけでは、説明できない。この神の性格には、本来から善悪両面があったと思われる。彼は、豊饒に必要な雨水をもたらし、課題を果たしたことにより性格が良いか悪いかということが決められた。また、彼が崇拝された神社では、神々の食料と考えられたクマという聖なるお米や水がささげられたと考えられる。さらに、スサノヲとアマテラスとの関係についていえば、日の神―水の神のペア崇拝をもとにして、柳田国男がいうヒコ―ヒメ関係がその描き方を決定されたのではなかろうかと思われる。
著者
冨安 寛
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.2, 2019-08-22

経済産業省がまとめた DX レポートで言及されているように,現在,多くの企業がデジタルトランスフォーメーション (DX) による変革を求められています.DX の実現には,クラウド,マイクロサービス,AI,IoT といった最新技術の適用が求められる一方,その適用による真の価値を得ようとした場合,莫大な既存システムとの連携 ・統合が大きな課題となります.本講演では,実際に生じている問題を示すとともに,このような問題が生じるに至った歴史的背景を説明し,解決のために必要と考える技術領域について言及します.また,この文脈で産学連携がどうあるべきかについて,産業側の意見を述べたいと思います.
著者
平田 一郎 Ichiro Hirata
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.1-19, 2018-09

本稿はJ.J. ギブソンの生態学的知覚論と、相互関係的な過程存在論という点でギブソンと立場を同じくするホワイトヘッドの知覚論を比較して、知覚や自然についての見方を深めようとする。まずギブソンの知覚論において特徴的な直接知覚論やアフォーダンスを取り上げ、ホワイトヘッドの主張と通じるところがあることを示した。しかし神経生理学的な問題、アフォーダンスの特定化の問題では、ホワイトヘッドによって補える部分がある。さらにギブソンの知覚の問題点を示した。それは過去の知覚物が現在のものとして現前している時、何らかの「表象」を認めざるを得ないのでは、という問題である。その点でホワイトヘッドの知覚論では直接知覚を根底に置きながら、表象の可能性を残している。総じてホワイトヘッドの哲学は、ギブソンの生態学的知覚論の主張を包含しながらも、それを補える部分が多いということを示した。
著者
服部 辰広 松田 康宏 伊藤 譲 久保山 和彦
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1001-1009, 2022

The purpose of this study is to clarify the learning effects of online classes. Online classes started in 2020 are not well prepared by teachers, and there is not enough analysis about the learning effects of the online courses. This study classified the type of lessons into four categories: lectures (re-al-time); lectures (on-demand); practical training (real-time) and practical training (on-demand). Then, the author conducted a questionnaire survey regarding the learning effects for the students from the Judo-therapist course. In addition, students’ attitude during the exam and the motivation for the second semester were examined as well. The results of the survey suggested that the on-demand lectures were useful and effective as in-person lectures. However, online practical trainings showed a limitation of learning environments, thus virtual reality lessons or hybrid lessons were necessary. In terms of the students’ attitude for the study, a lot of cheating has been reported in the regular tests, thus new measures to control injustice acts are required. Approximately 66% of the students showed a decreased motivation for classes in the second semester, and establishing more supports for students seemed to be important.
著者
登谷 美穂子 Mihoko TOYA
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
共同利用機関の歴史とアーカイブズ2004
巻号頁・発行日
pp.17-29, 2005-08

第Ⅰ部 研究会「大学共同利用研究所・研究機関の成立」 第1章
著者
川島 典子 福島 慎太郎
雑誌
福知山公立大学研究紀要 (ISSN:24327662)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.19-30, 2022-03-31

本研究の目的は、人口減少社会において、人材も社会資源も不足するであろう中山間地域などで、AI に地域経営を代行させる場合、どのようなソーシャル・キャピタル(以下、SC)の下位概念が、「AI パーセプション」(AI の受けいれやすさ)が高いのかを宮津市の無作為抽出した20 歳以上の市民500 名を対象として郵送法で行った「AI の意識調査」の結果を分析して明らかにすることにある。調査の結果は、「ICT リテラシー」、「AI パーセプション」、「SC」に関する設問群に対して因子分析を行い、因子分析によって得たパターン得点を用いて「AI パーセプション」に関する7 つの因子を被説明変数とし、「ICT リテラシー」5 因子および「SC」3 因子を説明変数とした重回帰分析(OLS)を行った。分析の結果、「認知的SC」の「互酬性認知」と「AI パーセプション」に正の関連が認められた。「構造的SC」に関しては、個人的・私的な側面では「AI パーセプション」と正の関連があったが、集団的・公的な側面では「AI パーセプション」と負の関連が確認された。都市部で行った稲葉らの先行調査(稲葉2019)では、「AI パーセプション」は「認知的SC」が高いほど肯定的で、農村部を対象とした本研究の結果と変わらなかった。

1 0 0 0 OA 夕霧と柏木

著者
森安 愛子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
樟蔭国文学 (ISSN:03898792)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.53-67, 2003-03-10