著者
折橋 裕二 新正 裕尚 ナランホ ホセ 元木 昭寿 安間 了
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.157, 2010

南米大陸西縁に発達するチリ・トレンチには約15Ma以降,断続的にチリ中央海嶺が沈み込んでおり,現在,タイタオ半島沖の南緯46°付近にはT-T-R三重点を形成している.したがって, SVZの最南端のハドソン火山からアンデス弧沿いの南緯34°まで発達するSVZ火山列の化学組成の側方変化を把握することで,定常的な沈み込み帯から中央海嶺沈み込みの開始に至るマントルウェッジ内の温度構造,スラブから脱水作用とマントルウェッジ内に循環するH2Oの変化を把握することができる.本講演ではSVZ全域の第四紀火山から採取した玄武岩質岩について,主・微量成分(ホウ素濃度を含む)を測定し,この結果から最南端のハドソン火山から最北端のサンホセ火山(南緯34°)に至るSVZ火山の化学組成の側方変化を 議論する.
著者
ナラントヤ ダンザン Danzan NARANTUYA
出版者
公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)
雑誌
ERINA REPORT (PLUS) = ERINA REPORT (PLUS) (ISSN:24329304)
巻号頁・発行日
no.152, pp.20-23, 2020-02-20

本研究の目的は、この100年間に生じた文化・政治・経済・社会面における変化によって、モンゴル人男女の役割と失業問題がどのように変化したかを検討することである。本研究を通して、封建主義、社会主義、資本主義という3つの異なる社会体制における仕事のジェンダーモデルが比較される。本研究は、量的アプローチと質的アプローチを組み合わせてこの課題に取り組み、経済学、社会学、歴史学の観点から洞察を与える。
著者
奥地 拓生 プレジャブ ナランゴー 富岡 尚敬
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.309-315, 2017-12-31 (Released:2017-12-31)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Water in the Earth has been transported from the oceans into its deep interior, where it forms hydrous deep mantle minerals. Wadsleyite [(Mg,Fe)2SiO4] has been considered as one of the most important host minerals incorporating this type of water as hydroxyl groups. To constrain the capacity of water in its structure and also to understand the effect of such water on its physical properties, it is essential to quantitatively determine the hydrogenʼs site and occupancy in the wadsleyite structure. Here we conduct a neutron time-of-flight single-crystal Laue diffraction study of it. Single crystals, which have size and quality suitable for this method, were successfully synthesized by a slow-cooling method at the relevant high pressure and temperature condition. The results unambiguously demonstrate a unique incorporation mechanism of hydrogen into the wadsleyite structure.
著者
加藤 久和 杉浦 一孝 森際 康友 中村 真咲 楜沢 能生 松本 恒雄 小長谷 有紀 萩原 守 小長谷 有紀 萩原 守 楜澤 能生 松本 恒夫 蓑輪 靖博 大江 泰一郎 恒川 隆生 奥田 進一 中村 真咲 上村 明 鈴木 由紀夫 B.アマルサナー S.ナランゲレル J.アマルサナー SH.バットスフ
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、モンゴル国における土地法制をめぐる諸問題を法社会学的な観点から研究することにより、モンゴル国の土地をめぐる紛争と環境破壊の防止に貢献することを目指した。日本国内で研究会・シンポジウムを開催するとともに、都市・牧地・定着過程にある牧地・農地・鉱山の5つの研究班による現地調査を実施し、その調査結果をモンゴル国で開催した研究成果報告会で報告した。この調査結果は高く評価され、モンゴル鉱物資源法改正のための参考資料としてモンゴル国会にも提出された。
著者
江川 博明 カバイ ナラン 野中 敬正 首藤 健富
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.87-94, 1991

アクリル中空糸 (内径0.8mm, 外径1.4mm) を基体としてアミドキシム基を有する中空糸状吸着剤を製造し, その海水からのウラン吸着性能について研究した. 得られた吸着剤のウラン吸着速度はアルカリ処理することにより著しく向上した. 吸着速度向上の最も大きな因子は吸着剤のアルカリ溶液中における膨潤による膨潤細孔の形成である. その他に吸着剤の化学的な構造の変化がみられた. 固体試料の (CP-MAS)<SUP>13</SUP>CNMRスペクトルの測定により官能基構造について若干の情報が得られた.
著者
江川 博明 カバイ ナラン 西郷 伸吾 野中 敬正 首藤 健富
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.324-332, 1991
被引用文献数
1

アミドキシム基を有する球状吸着剤において, 実際に利用できる機械的強度を有し, 海水からのウラン吸着性能をどこまで高められるかを目的に, 海水ウランが粒内を拡散するに適する湿潤時細孔構造をもつ, 低橋かけ度多孔性樹脂の合成を試みた. 橋かけ剤としてジビニルベンゼン (DVB) 5mol%, 重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを180mmol/<I>l</I>モノマー, 希釈剤としてトルエンをモノマーに対し100vol%使用して合成したアクリロニトリルーDVB球状共重合体をヒドロキシルアミンのメタノール溶液と80℃, 2h反応させて得られた樹脂は, アルカリ処理 (1mol/<I>l</I>NaOH, 30℃, 72 h) 後においても良好な強度を示した. 天然海水 (約25℃) を上向流で空間速度 (SV) 650±30h<SUP>-1</SUP>で10日間通液し, 硫酸で溶離したとぎのウラン回収量は130mg/<I>l</I>-R, 640g/kg-Rであった.
著者
ナラン
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.125-149, 2015-09-30 (Released:2017-04-03)

内モンゴルの草原劣化が深刻になり、その原因を「過放牧」に求め、環境政策として家畜の放牧をやめさせる「退牧還草」が実施されている。しかし、放牧が問題ではなく、放牧のやり方を変え、草原劣化が起こるようなシステムを作ったことが問題であったと思われる。本論は、内モンゴルのジャロード旗北部を事例として、遊牧から定住牧畜への変遷によって草原が劣化していくプロセスを考察し、国家体制と牧民社会の変化との関係性、国家の土地政策と遊牧システムの変化との関係性を明らかにすることを目的とした。内モンゴルの牧畜業は政治・社会的変動が起こるたびに変化してきた。牧畜の変化には主に家畜の所有及び放牧形態の変化があり、草原劣化に直接的な影響を与えたのは放牧形態の変化である。社会主義革命以前、家畜は個人所有であったが、牧地は旗が所有し、旗における牧地の利用は、ホト・アイルという父系親族を核とした集団が宿営単位となり遊牧していた。1958年頃から突入した社会主義改造期の人民公社では、家畜は国家所有に変わった。牧地の所有も国家所有に変わったものの使用は、ホト・アイルを基にし、生産隊が作られ、社会主義革命前とほとんど変わりはなかった。1980年代に始まった改革開放の私有化では、家畜及び土地使用権は個人に配分された。家畜はもともと個人所有だったものを人民公社時代に一旦国家所有に変えたのを再び個人所有に戻した。牧地に関しては、それまでと全く違う制度を取り入れ、土地使用権を個人に与えたのである。土地使用権の譲渡後、配分された土地でしか放牧ができなくなり、季節移動の頻度が急激に低下した。定住牧畜をした冬営地を中心にした草原劣化が深刻になっている。一般的に社会主義革命が社会のあり方を激変させたという見方が多いが、内モンゴルの牧畜に限って、改革開放の私有化が牧畜世界のあり方を大きく変えたのである。その影響の現れが草原劣化などの自然の悪化であるといえよう。「退牧還草」が牧畜の定性化にさらに拍車をかけ、牧民の生活基盤を揺るがし、内モンゴルの牧畜自体を変えようとしている。