- 著者
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一ノ瀬 友博
- 出版者
- 農村計画学会
- 雑誌
- 農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.1, pp.33-36, 2015
国土交通省では,2013年10月に有識者会議を設置し,「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」と題して,将来のあるべき国土像を議論してきた。この議論の結果,2014年7月に「国土のグランドデザイン2050」が発表された。これを受けて国土審議会計画部会では,2014年10月から新たな国土形成計画(全国計画)の検討を開始し,2015年1月には「新たな国土形成計画(全国計画)中間整理」を公表した。この新たな国土形成計画は,急激な人口減少,巨大災害の切迫等国土に係る状況の大きな変化に対応した,今後10年間の国土づくりの基本的方針等を示すものであるとされており,2008年7月に閣議決定された国土形成計画(全国計画)の後継計画である。国土形成計画は,国土形成計画法に基づき概ね10ヶ年間における国土づくりの方向性を示す計画とされているが,新たな国土形成計画は,2015年夏の閣議決定を目指して議論が進んでいる。農村計画学会では,現在の国土形成計画策定に先立ち,2007年に国土形成計画プロジェクトチーム(代表広田純一(現会長))を立ち上げ,当時の国土形成計画素案に対し,パブリックコメントを提出した。筆者もそのメンバーの一人であった。その後の各ブロックの広域地方計画の策定に際しては,広域地方計画・地方別検討チームを設置し,合計33名の学会員が各ブロックの広域地方計画に様々な形で意見を表明したり,計画策定に係わる委員や担当者と議論を重ねた。このような取り組みの経緯もあって,今回の国土形成計画の改定に際して,第2次国土形成計画対応特別委員会の設置が,2014年10月の理事会で広田会長より提案され,承認された。