著者
中山 泰一 Yasuichi NAKAYAMA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.660-662, 2019-06-15

本会では,第81回全国大会から,中高生ポスターセッションを始めた(同時に,「中高生情報学研究コンテスト」を始めた).本稿では,まず,中高生ポスターセッションを企画した経緯を述べる.情報の分野で優れた探究活動を行う中高生がおり,本会がその発表の場を提供することは重要である.また,2022年度からの高等学校情報科では「情報I」と「情報II」が設けられるが,「情報II」の内容に「情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究」が含められるため,本会はその探究活動を発表する場を準備しておく必要がある.さらに,本稿では,中高生ポスターセッションの実施にあたっての取組み,表彰制度などについても述べる.
著者
中山 泰一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.897-899, 2019-08-15

本会では,現在,12種類の論文誌(2つの基幹論文誌「ジャーナル」,「JIP」と,10種類の「トランザクション」)が刊行されている.本稿では,本会の論文誌の概要,最近の論文誌の投稿件数や採択率,「ジャーナル」と「JIP」の編集体制,編集にあたっての課題を述べる.
著者
中野 由章 中山 泰一
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.441-442, 2017-03-16

高等学校で新教科「情報」が2003年度から必履修となり,その教員養成が現職教員を対象として2000年度から3ヵ年に亘って行なわれた。また,大学の情報科教員養成課程も数多く設置された。しかしながら,情報科が新設されて十数年が経過したにも関わらず,情報科の教員採用は極めて限定された都府県市でしか行なわれていない。また,採用試験の受験条件に,他教科には見られない「複数免許保有」を付しているものが多い。それゆえ,教育現場では情報科教員が不足し,非常勤講師の需要が極めて大きい。そればかりか,免許外教科担任や臨時免許状交付などの非常手段に頼らざるを得ないという状況にある。筆者らは全国の都道府県と政令指定都市の教育委員会に情報公開請求を行ない,その実態を明らかにしたのでそれを報告し,その危機的現状の改善を訴える。
著者
中山 泰一 角田 博保 Yasuichi Nakayama Hiroyasu Kakuda
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. 教育とコンピュータ = IPSJ transactions. TCE
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.41-47, 2016-06-01

共通教科「情報」の高等学校学習指導要領では,「多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.
著者
西田 知博 植原 啓介 角谷 良彦 鈴木 貢 中山 泰一 香西 省治 高橋 尚子 中西 通雄 松浦 敏雄 増澤 利光 萩谷 昌己 萩原 兼一
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.28, pp.182-187, 2017-08-10

我々は,文部科学省委託事業 「情報学的アプローチによる 「情報科」 大学入学者選抜における評価手法の研究開発」 の中で,これまで情報入試研究会として実施してきた大学情報入試全国模擬試験を出発点とし,「思考力 ・ 判断力 ・ 表現力」 を評価するという視点も加えて 「情報科」 大学入学者選抜を CBT システム化するためにはどのような機能が必要かを検討している.ここではその検討経過と,今年度実施する試行試験用システムおよび,新しい出題フレームワークなど現在検討している出題方式を紹介する.
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08 (Released:2016-12-22)

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17 (Released:2015-02-03)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。 The working group in IPSJ and the study group for “exam for university entrance on information study” carried out nationwide trials of “exam for university entrance on information study” in 2012 and 2013. 920 senior high school students, most of who were the 1st graders participated in these trials and the authors analyzed the result. As a result, the score distribution, answering time and the number of questions in the trials were all so appropriate, and no problems were seen on the degree of difficulty or the range of the questions actually set. However, some issues about its contents have been revealed; especially the theme of programming skills in “scientific understanding of information” is judged to have a problem. That is, there may be the perception gap between the university side and the high school side; the contents a university requires this subject don’t meet with those high school students are to learn in class of information study. This is not the issue only the exam for university entrance on information study involves, but that we have to deal with after considering “educational contents” comprehensively, high school through university, and from various angles.
著者
谷 聖一 佐久間 拓也 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介;中野由章 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.7-14, 2016-08-15 (Released:2016-08-05)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013年と2014年に引き続き,2015年と2016年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した.「大学情報入試全国模擬試験」の目的は,「どのような試験方法、どのような範囲・内容・水準の問題が適切であるかについて意見を交換し、その成果として具体的な入試問題の試作を行い世の中に公開すること」ことであった.2015年実施の模試には約2000名の高校生が,また,2016年実施の模試には約750名の高校生が参加した.本報告では,その実施概要と結果について報告する.適切な範囲・内容・水準を確立するためのの議論の素材となりうる具体的な入試問題を提示したという点で,目的をある程度達成できたといえる. The working group in IPSJ and the study group for "exam for university entrance on information study" held nationwide trials of "University entrance examination on information study" in 2015 and 2016. The number of senior high school student participants in the trial in 2015 is about 2000, and the number in 2016 is about 750. We report the outline of implementation of the trials.
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.69-74, 2013-12-07

共通教科「情報」の高等学校学習指導要領では,「多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.69-74, 2013-12-14

共通教科「情報」の高等学校学習指導要領では,「多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.
著者
飯塚 真菜美 松田 駿一 藤本 敬介 中山 泰一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.1-8, 2009-02-20

近年、ブラウザによる Web ページの閲覧が一般的になってきていると同時に、動的コンテンツなどの登場によりブラウザで閲覧できるWebページが多様化してきた。このような Web ページを固有の URL を持つ単独なものとして扱うと、再び訪れる際や他の人に伝えたい場合にURLだけでは辿り着けない。さらにブラウザ標準搭載の履歴表示機能では訪問した日付やドメイン毎にまとめられてしまうことが多く、ドメインの枠を越えた幅広い繋がりを持つ Web の特徴が無視されているため、目的のページを探しにくい。本論文では履歴表示や共有に対応できるよう、 Web ページの履歴を閲覧した順番そのままに表示及び共有できるシステムを提案する。必要最低限の経路選択と通信相手の限定、サーバに履歴情報を渡さない手法によって、プライベートな情報である履歴をセキュアに共有できる。また、本手法によって初心者が熟練者の遷移を学習でき、より効率の良い情報収集方法を学ぶことが期待できる。履歴表示が十分に機能し、共有機能もただ教え合うだけにとどまらない幅広い応用が可能であることがわかった。Web has grown in the last few years through many kind of new web pages (e.g. dynamic contents). Most of Internet users browse many web pages everyday. In case of a page which isn't located in unique URL, however, the user may not be able to share it or visit there again. Such pages have been stored in browser as their own history, but the history depends on only URL. When the user wants to find a page in his history, it costs much time and effort. We propose the system storing browsed route and sending part of the route just only to friends, family and so on. Our system prevents leak of personal information because of using no server-client system, and naive user can learn how to get information in Internet better than traditional way.
著者
中山 泰一 永松 礼夫 出口光一郎 森下 巖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.985-993, 1993-05-15
被引用文献数
3

共有メそリ型の汎用高並列計算機において、非常に多数の細粒度の処理単位を並列に実行するための並列実行管理機構として、あらかじめプロセッサの台数と同数の軽量プロセスを用意しておき、これらを繰り返し使用するアクティビティ方式が提唱されている。その利点として、どのような形武の並列プログラムにも適用でき、処理単位の実行中にサスペンドがまったく発生しなげれば高い効率が実現できることが確認されている。しかしながら、ネストしたfork?join形式の並列プログラムにおいて、親処理単位が再帰的に子処理単位を生成していき、しかも、それぞれの親処理単位がそのすべての子処理単位の実行の完了を待って後処理を実行する場合、子処理単位の完了待ち合わぜによる多数のサスペンドが発生し、従来のアクティビティ方式のままでは顕著な効率の向上が得られない。本論文では、上記形式のプログラムの実行効率をも向上させるため、従来のアクティビティ方式に「遺言」とよぷ新しいコンストラクトを追加する方式を提案する、これは、後処理を子処理単位に「遺書」して親処理単位は実行を完了し、最後に処理を終える子処理単位を実行した軽量プロセスがその「遺言」を実行する方式である。この方式に基づいた並列実行管理機構を試作し、シミュレーションにより性能評価した。その結果、アクティビティ方式の利点を活かしつつ、プロセッサ時間とメモリ消費量が大幅に節減されることが示された。