著者
鈴木 千晴 中山 満子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.33-35, 2021-04-26 (Released:2021-04-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1

There is an increase in cases of children becoming victims of crime by strangers they meet online. We investigated the factors associated with children’s contact with strangers online. In this study, 639 children participated, and out of those who had devices with Internet access, 28.9% communicated with and 2.0% had actually met online strangers. Children who had communicated or met with the strangers perceived that they had less social support from parents and used many social networking sites. This suggests that their contact with strangers online is related to the feeling of being unable to rely on familiar others and lower resistance to contacting online strangers.
著者
中山 満子 野村 晴夫 池田 曜子 東村 知子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ママ友関係について調査検討を行った。ママ友への役割期待では、自律性、類似性、支援性の因子が得られた。特に支援性への期待が高く、女子大生の友人関係と似ていることも示唆された。同時に自律性への期待が女子大生より有意に高いことも特徴であった。悩みの類型では、子ども関連群、ママ友パーソナリティ関連群、多様群が得られ、この類型により関係のとらえ方傾向、対処方略に差異が認められた。
著者
鈴木 千晴 中山 満子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PC-148, 2021 (Released:2022-03-30)

ソーシャルメディアは近年ますます発展を続け,SNSをはじめ,オンラインゲームや動画配信アプリなど,新たなサービスが生み出され続けている。ソーシャルメディアを通じた見知らぬ人との手軽なコミュニケーションには,様々なメリットがある一方で,犯罪やトラブルに巻き込まれる危険も孕んでいる。自己情報の公開や誹謗中傷等のトラブルに関するリスクを扱った研究に比べ,見知らぬ人との出会いや交流に焦点を当てた研究は少ない。ネット上の見知らぬ人との交流手段が増え続けている現状において,青年期女性のネット上の他者との交流行動の実態を明らかにすることは重要であるといえる。本研究は女子大学生を対象に,ソーシャルメディアを通じた見知らぬ人との交流行動の内容と,ソーシャルメディア利用に関するリスク・メリットの知覚について尋ね,見知らぬ人との交流行動に関わる要因について検討した。
著者
中山 満子
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.127-132, 2018

本研究では、高校生の友人関係とSNS利用に伴うネガティブ経験(以下、SNSネガティブ経験)との関連を検討した。近年の日本の高校生の友人関係にはいくつかの類型があると言われる。本研究では、高校一年生(175名)を対象として質問紙調査を実施し、高校生の友人関係を類型化したうえで、友人関係がSNSネガティブ経験の程度にどのような影響を持つのかを検討した。また、SNSネガティブ経験は利用しているSNSに影響されることも想定されるので、本研究では、LINE、Twitter、Instagramの3種類のSNSに着目して、友人関係の類型とSNS利用パターン及びSNSネガティブ経験との関連について分析した。友人関係の類型としては先行研究と類似の関係回避群、気づかい・群れ群、内面関係群の3群を得た。SNSネガティブ経験のうち閲覧強迫、情報拡散不安、社会的比較は、内面関係群に比べて気づかい・群れ群で多いことが示された。また友人関係類型とSNS利用パターンの分析から、内面関係群では複数のSNSを並行利用する傾向にあり、LINE利用時間は3群中もっとも長いこと、関係回避群は他のSNSを利用せずLINEのみを利用する者が多いことが示された。これらの結果から、SNS利用の多寡それ自体よりも友人関係のあり方がSNSネガティブ経験に影響することが示唆され、先行研究で示されている友人関係類型と心理的適応との議論を踏まえて考察された。
著者
中山 満子
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.127-132, 2018 (Released:2018-12-30)

本研究では、高校生の友人関係とSNS利用に伴うネガティブ経験(以下、SNSネガティブ経験)との関連を検討した。近年の日本の高校生の友人関係にはいくつかの類型があると言われる。本研究では、高校一年生(175名)を対象として質問紙調査を実施し、高校生の友人関係を類型化したうえで、友人関係がSNSネガティブ経験の程度にどのような影響を持つのかを検討した。また、SNSネガティブ経験は利用しているSNSに影響されることも想定されるので、本研究では、LINE、Twitter、Instagramの3種類のSNSに着目して、友人関係の類型とSNS利用パターン及びSNSネガティブ経験との関連について分析した。友人関係の類型としては先行研究と類似の関係回避群、気づかい・群れ群、内面関係群の3群を得た。SNSネガティブ経験のうち閲覧強迫、情報拡散不安、社会的比較は、内面関係群に比べて気づかい・群れ群で多いことが示された。また友人関係類型とSNS利用パターンの分析から、内面関係群では複数のSNSを並行利用する傾向にあり、LINE利用時間は3群中もっとも長いこと、関係回避群は他のSNSを利用せずLINEのみを利用する者が多いことが示された。これらの結果から、SNS利用の多寡それ自体よりも友人関係のあり方がSNSネガティブ経験に影響することが示唆され、先行研究で示されている友人関係類型と心理的適応との議論を踏まえて考察された。
著者
中山 満子 Nakayama Michiko ナカヤマ ミチコ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 = Japanese journal of interpersonal and social psychology (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
no.16, pp.41-46, 2016-03

PTA活動は子どもを持つ親のほとんどが経験する向社会活動の一種である。本研究は、ボランティアなどの援助行動から得られる援助成果が活動継続意図につながるという先行研究(妹尾・高木,2003)を受けて、必ずしも自発的とは言えないPTA活動においても、実際の活動から得られる効果認識と自身の得る内的報酬が活動継続意向につながるのかどうか、さらにこれらがPTA以外の向社会的活動への参加意向にもつながるのかどうかを検討した。10歳から15歳の子どもを持ちPTA活動の経験のある母親120名を対象にWeb調査を行った。その結果、自分の行った活動が役にたつと感じ、自己評価と人間関係の広がりという内的報酬を得ることで、PTA活動の継続意図につながること、またその影響はPTA活動のみにとどまらずにボランティア活動や地域の活動にも波及しうることが示された。さらにその影響は、PTA活動での負担を重く感じている群で特に顕著であることも示された。PTA activity is a kind of prosocial behavior that almost all of parents rearing children experience.The present study examined PTA activities in line with Senoo & Takagi(2003)in which helper obtained the helping effects through the activities such as volunteering and the helping effect determined helpers'motivation of continuing their activities.Research question is whether their finding is applied to PTA activity which is not necessarily executed voluntarily.Furthermore,it was tested that helping effects obtained in PTA activity affected other prosocial behavior such as volunteering or activities in neighborhood a ssociation.Web survey was administered for 120 middle-aged women who had children and have experienced PTA activities.The main results were as follows:(1)Perceived effect of PTA activity and obtained internal reward,i.e.,elevation of self-evaluation and establishment of new relationship,positively influenced the intention to continue PTA activity, (2)this was applied to other prosocial activities,(3)these effects were obtained clearer in groups who felt burdens heavily in PTA activity.
著者
中山 満子 池田 曜子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.285-288, 2014-03-25 (Released:2014-04-08)
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

This study categorized interpersonal conflicts in friendships between mothers rearing little children, so called “mum-friends” in Japan. It examined the relation between the typical types of conflicts and the personality traits of the respondents and their friends assessed by the Big Five Scale (Wada, 1996). An internet survey was conducted with 300 women rearing little children. From the result of Hayashi's Quantification Method Type Ⅲ and cluster analysis based on 205 respondents who reported conflicts with their mum-friends, we extracted four clusters of types of interpersonal conflicts. Conflicts concerning criticism of children's discipline and lack of common-sense were frequent in the friendship between mothers; these respondents rated their friends’ Conscientiousness and Agreeableness as relatively low. For conflicts related to socioeconomic disparity, the respondents’ self-reported Conscientiousness was evaluated lower than for the other types of conflict, and the friends’ Conscientiousness and Agreeableness were evaluated relatively high.
著者
中山 満子 池田 曜子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、ママ友関係を小規模に形成された集団と考え、(1)ママ友という小集団のつながり方(強さ、多様性)、(2)ママ友間の対人葛藤の特徴と、葛藤及び対処法に及ぼす社会的文脈の影響、(3)ママ友関係が他の社会活動に及ぼす影響について検討することを目的とした。研究の結果、(1)ママ友関係のつながりは、ゆるやかで希薄な場合が多い、(2)対人葛藤は、つながりが緊密な場合に生じやすい、(3)対人葛藤を経験したときのコーピングは、社会的文脈(関係流動性)に調整される、(4)ママ友を含む対人関係についての成果感覚を得ることが、広く向社会行動への契機となりうることが示された。
著者
中山 満子 石井 尚範 大西 克実 中野 秀男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.32, pp.53-58, 2001-03-22
被引用文献数
6

インターネット上のテレビ会議システムを用いたコミュニケーション特性および集団意思決定過程を検討するために、心理実験を行った。被験者は3人ひと組となり、対面モード(FTF)とコンピュータ・コミュニケーションモード(CMC)で、選択ジレンマ課題について討論し、ひとつの結論を選択した。実験の結果、先行研究で報告されているようなCMCにおけるリスキーシフトや集団極化現象は見られず、安定し中庸な決定がなされた。テレビ会議システムでは、適度な対人圧力により、理性的で抑制的な討論が行われるのではないかと考えられる。また、コミュニケーションの印象形成や言語的コミュニケーションの特徴についても分析した。A psychological experiment was carried out in order to investigate the characteristic of communication and the process of group decision making by using an internet TV conference system. One group consisted of three participants, and they discussed about the selective dilemma task and made a decision. In results, stable and reasonable decisions were made after the communication by TV conference, rather than risky-shift and group polarization reported in the previous studies. It is suggested that the rational and well-cantrolled discussion is possible in TV conference under the appropriate social pressure. The impression for communication and the characteristics of verbal communication were also examined.