著者
中嶋 健
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.124, no.9, pp.693-722, 2018-09-15 (Released:2018-12-15)
参考文献数
260
被引用文献数
19 42

近年の高精度年代測定により,始新世~中期中新世にかけ,日本海拡大に伴って日本列島の陸域では多段階のリフティングが生じ,不整合で区切られたリフト堆積盆の発達があったことが明らかになった.これらは,大陸リフト,日本海盆の拡大,大和海盆の第1期および第2期の拡大そして東北本州リフト系の活動に終わる,一連の日本海リフト系の多段階のリフティングに応じて形成された.瀬戸内区には,古第三紀の広大な堆積盆が形成されたことが明らかになった.15Maに西南日本弧は隆起し,沈降する東北日本弧とのコントラストが顕著になった.直後に外帯火成活動や瀬戸内火山岩類の特異な火成活動が西南日本弧で生じた.東北日本弧では,12Ma頃より奥羽山脈の隆起と日本海沿岸の沈降を伴う圧縮テクトニクスが生じ,半閉鎖的・還元的日本海が成立して根源岩が形成された.6Ma頃より東北日本,西南日本弧ともに圧縮場が強まり短縮変形が進んできた。
著者
中嶋 健一郎 斎藤 憲 東条 敏
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.21-41, 2004

本研究では古典ギリシア語で書かれたユークリッドの『原論』を主辞駆動型句構造文法 (HPSG) により構文解析することを目的とする. 単一化をベースにした文法を用いる理由は, 古典ギリシア語が語順よりも性・数・格の素性の一致によってより強く文構造が決定されるためである. 文法を記述するにあたっては他の言語と同様な基本的な文法規則に加えて, 古典ギリシア語特有の文法規則, すなわち素性の一致によって推測される省略語や係り受け交差に対処する規則を追加した. 構文解析システムはLiLFeSを用い, それにより, ユークリッドの『原論』7巻・8巻1154文に対して約79%のカヴァレッジを得ることができた.
著者
中嶋 健明
出版者
広島市立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

幼い子供を対象とする犯罪から子供たちを守るため、CGやVR技術を用い、地域全体の監視性と関心を高め、犯罪の起こり難い環境を作り、もし犯罪に巻き込まれた時には、子供たち自身の力で危機的な状況から、インタラクティブなゲーム感覚のシミュレーション装置による繰り返し訓練を行う事によって危機回避が出来る様にし、大切な子供たちの命を守る事に役立てようと試みた。研究代表自身の子供たちの通う小学校の校長・副校長あるいはPTAや地域の子ども会や町会など、子供を取り囲む各々の役割を持つ組織や個人の方たちを取材し、犯罪が起こりそうな特有な環境が判明した。神社や裏路地など数点に絞り実地調査を行った。また、彼らの意見から、ゲームをするように未就学の幼児でも簡単に操作が可能で、なお且つのめり込む様に興味を抱かせる環境を提供するためには、パソコンの画面だけではなく、もっと直感的なインターフェースが必要であることが判明した。最も親しみがあって実体のあるインターフェースとして玩具を取り上げることとした。ミニチュア模型のジオラマの様な、町や郊外の風景を再現し神社や空き地を配置して通学路を作成した。レールの上を動く車体の先端に取り付けた超小型の車載ビデオカメラの映像(被体験者の目線)に、インタラクティブに襲い掛かる犯罪者の映像を合成し、被体験者は足踏みマットの上を大きな声を張り上げながらダッシュして逃走を試みる。走る速さ(足踏みの回数/秒)と、マイクロフォンから入力された声の大きさ(dB)から、犯罪者から逃げ切れたかを判定する。それによって犯罪の起こり易い場所の理解と、犯罪から身を守るための対処行動の方法を身に着けてゆく。装置自体は研究期間内に完成させることが出来、実験の反響から装置の重要性は確認された。今後は実験を繰り返し行って行き、併せて普及に努める。
著者
寺田 光宏 中嶋 健二
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.97-102, 2012 (Released:2018-04-07)
参考文献数
8

本研究では,小学校4年生の理科「物のあたたまり方」の単元におけるの指導の現状を明らかにするために,直近10年間の小学校理科教科書の実験・図解・表現を変遷および現職教員や理科教師を志望している学生のもつ「水のあたたまり方」の概念を調査,検討した。その結果,小学校4年生理科「水のあたたまり方」の教科書は,先行研究の指摘により変化が認められるが,まだ混乱していることが明らかになった。また,現職教員及び教育学部理科専修学生がもつ「水のあたたまり方」の概念は,10年前以前の教科書にあるような概念を保持していた。また,「水のあたたまり方」の概念は確固で変容が難しい可能性があることが明らかになり,改善案を考察した。
著者
小笠原 正志 中嶋 健
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1_61-1_73, 2015 (Released:2015-05-27)
参考文献数
37

“Jeju Olle” is the name of a series of walking trails (26 courses, totaling approximately 410km) located in Jeju Island, South Korea. "Olle" means “an alley to a village” in the dialect of the island. Ms. Myung-sook Suh has played a central role in the construction of Jeju Olle and serves as the president of the Jeju Olle Foundation, a non-profit organization. The first course of Jeju Olle was constructed in September 2007, and volunteers helped to extend and complete all the courses in November 2012. Olle is maintained by revenue from membership fees, company sponsorships, and sales of original brand products. In 2007, 3000 people came to walk on Olle, and since then the annual number of Olle walkers has increased significantly; every year since 2011 there have been over one million visitors, and this has brought about a new trend in tourism business. One of the main reasons for the increase in popularity in South Korea of the walking tours to Jeju Olle is the reduction in cost and improved access associated with an increase in the number of LCC flights from 2008. Jeju Olle has won praise both at home and abroad, and is a successful new business model of sports tourism, combining factors such as business management by non-profit organizations and activation of the regional economy.
著者
一万田 充洋 衛藤 剛 中嶋 健太郎 平塚 孝宏 赤木 智徳 柴田 智隆 上田 貴威 白下 英史 猪股 雅史
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.214-221, 2017 (Released:2017-03-30)
参考文献数
26
被引用文献数
3

目的:大腸癌手術の化学的腸管処置におけるカナマイシン(KM)+メトロニダゾール(MNZ)併用投与の有用性をSSIサーベイランスデータに基づき明らかにする.対象と方法:2010年1月から2015年12月までに行った大腸癌手術344例を術前の化学的腸管処置の方法により3群(抗生剤なし群178例,KM単独投与群87例,KM+MNZ併用投与群79例)に分けて創部SSI発生率を検討した.また,創部SSI発生と各リスク因子の関連について単変量および多変量解析を行った.結果:KM+MNZ併用投与群における創部SSI発生率は他の2群と比較して有意に低値であった(ともにP<0.05).創部SSI発生のリスク因子は男性(P=0.035),KM+MNZ併用投与群以外(P=0.011)であった.結語:大腸癌手術の化学的腸管処置における術前KM+MNZ併用投与は創部SSIの発生率低下に有用と考えられた.
著者
中嶋 健一郎
巻号頁・発行日
2003-03

Supervisor:東条 敏