著者
田中 二郎 ビーゼリー メガン 大野 仁美 中川 裕 大崎 雅一 菅原 和孝 BIESELE Megan 野中 健一 太田 至 早木 薫 池谷 和信 早木 仁成
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

1.生活史に刻印された変容の歴史、定住化に伴う産業の変遷、畑の請負い耕作やヤギの委託の変化、および、グイ語、ガナ語と隣接諸言語との接触史に関する資料の収集などにより、狩猟採集民サンとカラハリ族をはじめとする近隣農牧民の交渉史、共生関係の動態が明らかにされた。2.サンの年長男性の生活史を収集・分析し、過去の狩猟活動、婚外性関係、成人式、農牧民より取り入れた呪術的観念等の詳細が明らかにされた。3.サンの食用および物質分化としての昆虫利用を調査し、とくに昆虫食が食生活に占める質的重要性を明らかにした。さらに、哺乳類、取類、爬虫類を含む動物の形状や行動に関する精密な認知が予見、凶兆、習性や形態の起源神話といった象徴的解釈と密接に相関していることを明らかにした。4.グイ語とガナ語の言語構造と語彙に関する記述を精密化し、正書法を提案した。5.過去30年間に及ぶ人口調査のデータを用いて、サンの人口動態を解明した。6.サンとカラハリの儀礼の比較分析から、サンはいくつかの要素をカラハリからとりいれてきたにもかかわらず、呪術的要素は伴わなかったことを明らかにした。7.子供の言語・身体発達と社会化の過程を、狩猟採集の衰退、平等主義の変容、学校教育の導入など「近代化」の諸問題との関連において明らかにした。8.カラハリ砂漠の辺縁部植生移行帯では、ジャケツイバラ科落葉喬木モパネは家畜の飼料、物質文化として重要なばかりでなく、宗教儀礼などにおいても重要な象徴的役割をもつことが明らかにされ、さらに、この土地の利用権をめぐる民族間の争いがアイデンティティーの問題との関連で生起し、総選挙など国家レベルでの問題にも深く関わっていることが明らかになった。9.平成9年度には、ボツワナ政府主導のサンの移住という歴史的な事件が発生し、これに伴う諸問題の解明が急がれたが、多くは将来の課題となった。
著者
西澤 信一郎 中川 裕志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.41-42, 1996-03-06

一般に,談話には構造があるといわれている[Hob90].これは発話者の「思考の流れ」を示していると考えられ,発話者は,地図課題対話など目的の定まった会話の場合はもちろんのこと,雑談など特定の目的に左右されない自由会話の場合でも,この構造をある程度認識し,協調的な会話を進めているものと考えられる.そのため,会話の持つ文脈情報の獲得,さらには人間同士の会話への計算機システムの参加,などを考える際には,談話の持つ構造の獲得や理解が必要となると考えられる.本稿では.飲み会の席上での会話データを用いて,接続助詞「から」や接続詞「だから」「だって」などで表される因果関係のもつ発話間の構造について考察する.
著者
寺崎 朝子 中川 裕之 中川 裕之
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ニワトリ脳より申請者が同定したアクチン結合タンパク質lasp-2に東化活性があることを明らかにし、ニワトリ初代神経細胞の成長円錐やスパインに局在することを示した。また、アクチン結合領域を欠損したlasp-2の導入によって神経細胞の成長円錐の運動が異常になることも明らかにした。関連した論文を2本、総説1本を発表した。
著者
三浦 佑之 栃木 孝惟 中川 裕 荻原 眞子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

多くの民族や地域において、口承文芸が衰亡に瀕し忘れられようとしている現在、一方では、国家的、民族的なアイデンティティ発揚のために英雄叙事詩が見直されている場合もあり、英雄叙事詩を学際的に考察することは緊要の課題である。しかも、ユーラシア大陸の西の果てから日本列島に至るまでのさまざまな民族に語り継がれてきた英雄叙事詩を考えることは、単に口承文芸研究という狭い領域にとどまらず、それぞれの民族や地域の言語・文化・歴史・生活の総体を見通すことだという点において重要であり、今回の共同研究「叙事詩の学際的研究」によって、我々は多くの知見を得ることができた。4年間にわたる研究期間に、我々は、20回以上の研究発表を行い、さまざまな議論を交わすことができた。そこで取り上げられた地域(あるいは民族)は、カザフ・ロシア・モンゴル・シベリア・中国東北部・アイヌ・日本など、ユーラシア全域を覆っていると言っても過言ではない。そして、その議論の中で、叙事詩や口承文芸の様式や表現について、多くの時間を割いて議論をくり返したのは当然であるが、その他にも、語り方や語り手、伴奏楽器の有無、その継承の仕方、語ることと書くことなどについても意見交換を行うことで、それぞれの地域や民族における差異と共通性について、多くの有益な成果を得ることができたのである。もちろん、今回の共同研究だけで、ユーラシアの叙事詩や口承文芸のすべてを理解したとは言えないが、興味深い研究発表と長時間の質疑を通して、我々が、今後の研究の大きな足掛かりを手に入れたのは間違いないことである。その成果の一端は、報告書『叙事詩の学際的研究』に収めた研究論文5篇と、口承資料の翻刻4篇に示されているが、今後も、その成果を踏まえて叙事詩研究を深めて行きたいと考えている。
著者
木曽 宏顕 森 辰則 中川 裕志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.169-170, 1993-03-01

文A,Bを接続助詞「ながら」でつないだ文「AながらB」には,AとBが同時進行的に起こっていることを表すものと、AであるにもかかわらずBという逆接的意味合いを生じるものと二通りあることが知られている。本稿では、「AながらB」がどちらの解釈になるのかを文Aの持つ性質により決定する方法についと論じ、特に取り立て助詞との関係について見ていく。
著者
宗片 健太朗 福原 知宏 山田 剛一 絹川 博之 中川 裕志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.97, 2008 (Released:2009-07-31)

本研究では、Web上で人々が注目しているページの収集と分析を行うことを 目的とし、ソーシャルブックマークを用いた情報収集・分析ツールの 開発を行った。 提案ツールについて述べ、 本ツールを用いて得られたソーシャルブックマーク上の タグやコメントデータの分析結果について述べる。
著者
吉田 稔 中川 裕志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

Suffix Array索引付けによるWikipedia検索支援システムを提案する。提案システムでは、クエリの連接語や同義語等を動的に抽出し、クエリの入力と同時にインタラクティブに提示する。
著者
辻河亨 吉田 稔 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1, pp.155-162, 2004-01-14
被引用文献数
4

文書中から用語抽出を行う手法としては様々なものが提案されているが,多くはコーパスにおける用語候補の使用における統計量を利用するものであった。本稿では,これまで光が当てられていなかった用語を構成する語基間の関係について,そのグラフ構造に着目する。まずグラフにおける局所的ないし大域的構造を反映する用語抽出の指標を新たに提案し,その上で提案した用語抽出のいくつかの指標,およびそれらの組み合わせを,複数のコーパスを用いて実験的に評価した結果について報告する。Many methods to evaluate termhood of word sequences extracted from documents have been proposed. The majority of them use the statistics of term candidates appearing the corpus. The ignored side, however, is the graph structure whose nodes are basic terms that consist of complex terms. That is exactly what we focus on in this paper. We propose term extraction algorithms which utilize this graph structure. More precisely, the proposed methods assume the whole set of compound terms as a graph and applies web mining method to term extraction. The nodes are element words, the edges coincide with modifying relations between words in the definition of graph, and the importance of terms are ones used to find web communities or in ranking pages by Web search engines. Finally we experimentally evaluate the proposed algorithms with terminology dictionaries on Web.
著者
吉田 稔 杉浦 隆博 山田 剛一 増田 英孝 中川 裕志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

本発表では、テキストに記述された数値情報を、その属性名とともに抽出し、複数記事間の数値情報を関連付けることにより、自動的にグラフを作成するシステムを紹介する。数値情報どうしの関連付けのさい、(属性、数値)のペアについてクラスタリングを行う。また、入力された属性名に対して、生成されたグラフから自動的に適切なグラフを選択し提示する手法についても述べる。
著者
佐藤 一誠 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.43, pp.25-28, 2007-05-17

Unigram Mixture(UM) は教師無し文書分類などで幅広く使われている確率的生成モデルである。UM は、混合モデルであり、実際の適用にはユーザーは混合数決定問題を常に抱えている。近年、このような混合モデルにおいて、Dirichlet Process(DP) を用いたノンパラメトリックベイズモデルが注目を集めている。DP を用いることでデータに合わせてモデル構造(混合数)を変化させることができる。本研究では、DP により拡張した UM に対して、collapsed Variational Bayes inferense を用いてモデル学習する手法を示す。対数尤度と F-score による評価により従来手法に対する有効性を確認した。UnigramMixture(UM) is a probabilistic generative model that is widely used in unsupervized clustering of documents. UM is a mixture model and have a problem of how to determine the number of clusters. Recently, a nonparametric Bayes model using Dirichlet Process(DP) has gotten a lot of attention in this problem. Models using DP can determine the number of cluster corresponding to data. In this paper, we expand UM by DP and present a scheme that learns the model by Collapsed Variational Bayes inference.
著者
王玉馨 清水 伸幸 吉田 稔 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.46, pp.7-14, 2008-05-15
被引用文献数
3

コーパスから同義語の対を抽出するための一般的な方法では、通常二つ単語間の類似度 (例えば、cosine 類似度) が必要である。類似度を使用することで、特定のクエリ単語に対しての類似語ランキングが可能になり、同義語候補リストから正しい同義語が認定できる。この論文では、それに加えて、単語類似度ネットワークを分析する新しい方法を提案する。単語類似度ネットワークでは閾値以上の類似度をアークとして、単語をノードとして定義する。提案する自動同義語候補選択ためのランク閾値(Rank Threshold for synonym candidate Selection RTS) によって類似度の順位が閾値以内のアークが構成される単語類似度ネットワークはスケールフリーグラフである。 この性質に基づいて、我々は新しい同義語候補のリランキング手法を提案する。これを相互リランキング法 (Mutual Re-ranking Method MRM) と呼ぶ。同義語獲得における提案手法の有効性を示すために MRM 方法を Reuters-21578 に適用した。 実験結果によって、RTS と MRM が同義語抽出の品質の向上させることが示された。Popular methods for acquiring synonymous word pairs from a corpus usually require a similarity metric between two words, such as cosine similarity. This metric enables us to retrieve words similar to a query word, and we identify true synonyms from the list of synonym candidates. Instead of stopping at this point, we propose to go further by analyzing word similarity network that are induced by the similarity metric for the edges with the similarities that are ranked as top threshold number. By introducing the rank threshold for synonym candidate selection method (RTS), our analysis shows that the network exhibits a scale-free property. This insight obtained from the network leads us to a method for re-ranking the synonym candidates -a mutual re-ranking method (MRM). We apply our methods to Reuters-21578 to show the generality of the methods on synonym acquisition. The results show that RTS and MRM boosts the quality of acquired synonyms.